群馬県立女子大学の大学院文学研究科には『大学院諸究』という名の雑誌があり、院生さん達の研究発表の場になっています。
誌名はこの雑誌を発行することになった当時の日本文学専攻主任の発案によります。
この雑誌の最新号には上代文学専攻の院生さん達の論文が3本載っています。
その抜刷を指導教授の鈴木崇大先生からお送り頂きました。
ブログ掲載OKとのことですので、載せます。

三人三様のテーマで、読んでいて楽しかったです。
それぞれ、大変興味深く読みました。
3人とも、テーマを絞って、それを深く追求するという共通点があります。
そして、いずれも実証的で堅実な論文です。それを好ましく感じました。
牛込さんの論文は、大伴坂上郎女の祭神歌の中にある「生来」の訓詁という、ワンポイントに絞ったものですが、そのテーマを実証的に追求しています。
訓に関しては「アレキタル」という多くの諸本や諸注釈と同じになってしまいましたが、それは結果ですので問題ありません。
自分なりに力を尽くして検討した結果、諸注釈の訓みは妥当だということが分かったわけですから、意義のある論文と思います。
小菅さんの論文は、中大兄皇子が亡母の斉明天皇を偲んだ歌をテーマに考察したものです。
内容は、「目を欲る」という表現と、繰り返し表現と、その2つに分けて考察しています。
繰り返し表現については、歌の成立や、歌謡から和歌への変遷といったように、当該歌を離れて、かなり面白い方向に展開可能な問題のように感じました。
園田さんの論文は、飛鳥の神なびがどの山を指すのかについての考察です。
文献の博捜ぶりに驚きました。大変だったことと思います。
実地踏査も行い、さらには飛鳥坐神社の宮司さんからもお話を伺っています。
結論は岸俊男説のミハ山説が有力というものです。
3人とも現在修士課程の2年生ですので、(2年で修士を修了するとすれば)修論締切まであと8ヶ月ほど。
楽しみにしています。
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