双六

2025年9月19日 (金)

大正13年にメートル法実施

 昨日、大正13年の「メートル双六」を載せました。
 この大正13年という年に日本でメートル法が実施されたということも書きましたが、それについての補足です。

 以前当ブログで書きましたが、3年前に『紙類適用 メートル法換算早見表』を入手しました。
T13metre01

 奥付は以下の通りです。
T13metre02
 これまた大正13年の発行です。
 発行所は、東京紙商同業組合です。
 印刷用紙等の紙を扱う業者にとって、紙の寸法や、紙の重さを表す単位は極めて重要なものでしょう。
 尺貫法からメートル法への移行は重大な事態だったことと思います。

 「メートル法の実施」という項目があります。
T13metre03

 期間限定で尺貫法も併用できるわけですが、そのことによって、新旧両方の度量衡制に対応せざるを得なくなったのではないでしょうか。

 私、メートル法に特に関心があるわけではありませんが、古いものが好きなので、3年前にこの様なものを入手しました。
 今回も、同じく古いものが好きということでメートル双六を入手したわけですが、両者が思いがけずも大正13年繋がりで結びついたことで、ご機嫌です。

2025年9月18日 (木)

大正13年の「メートル双六」

 大正13年の「メートル双六」を入手しました。
T13meter01
 これは、『白帆』という雑誌の大正13年新年号の附録です。

 左下欄外にこうあります。
T13meter02
 大阪の版元ですね。
 なぜ大正13年かというと、大正13年の5月に日本でもメートル法が実施されることになっていましたので、その準備と思われます。

 双六の振り出しは右下にあることが多いですけど、この双六では右上方にあります。
T13meter03
 登場人物は、中学校や女学校への進学を目指す3人の児童です。
 左上にありますように、サイコロを振って出た目の数だけ進むのではなく、漢数字で示されたサイコロの目に対応する算用数字のマスに進むシステムです。慣れないと間違えそうです。

 上りは左側です。
T13meter04
 ということで、メートル法を学ぶことで、中学校や女学校に合格しようという趣旨です。

 こんなマスがあります。
T13meter05
 次郎君のセリフの末尾が「ないがねー」となっていますが、どこの言葉でしょう?
 上州弁のようにも思えますが、大阪の会社ですからねぇ。

 別のマス。
T13meter06
 花子さんのセリフの中に「妾(わたし)」が使われています。
 当時の女性の一人称代名詞にこの漢字を使った例はよく見られます。
 
 また別のマス。
T13meter07
 先生がメートル法の仕組みをわかりやすく説明しています。
 左欄外には、1つ1cmの目盛りが示してあって、長さを体感できるようになっています。

 尺貫法からメートル法への移行はなかなか大変だったことでしょうね。

2025年9月16日 (火)

明治29年の「東京名所案内寿語録」(8)

 先日来の明治29年「東京名所案内寿語録」、延々と続いて8回目となります。
 今回で残り全部、これで最後です。

 大森
M29tokyomeisho42
 「八景園あり」とあります。
 大森八景園は明治17年に開園した遊園地でしたが、その土地は関東大震災の頃に分譲されて住宅地になったそうです。

 団子坂
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 「十月上旬 有名 造菊」とあります。
 幕末の団子坂には菊を栽培する植木屋が多く、明治時代には菊人形の名所として有名だったということです。

 吾妻橋
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 隅田川に架かる橋です。

 今戸
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 「やきものゝ名物」でしょうか?
 今戸焼の産地です。
 今戸人形や招き猫が作られました。

 百本杭
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 「鯉釣によし」とあります。
 項目名は「百本杭」で良いと思います。
 最後の文字は「杭・杙」の異体字と思いますが、ぴったりのが見つかりません。
 ただ、「杙」とほぼ同じかと思います。

 百本杭は、隅田川の流れを和らげるために、両国付近の河岸に多数打ち込まれた杭のことです。

2025年9月15日 (月)

明治29年の「東京名所案内寿語録」(7)

 2日置いてまた明治29年「東京名所案内寿語録」に戻ってきました。
 今回は7回目になります。何か言語的に興味を憶えたものや、ナゾのあるものを集めました。

 玉川
M29tokyomeisho33
 「名物あい」とあります。
 「あゆ」のことですね。
 滋賀県で生まれ育った祖父は、「樋(とい)」のことを、「とよ」だったか「とゆ」だったかと言っていました。
 「yu」「yo」は「i」と交替しそうですね。

 赤門
M29tokyomeisho40
 「帝国大学の前にあり」とあります。
 帝国大学自体は独立項目として登場していますので、二重に登場していることになります。
 ま、赤門は元々は前田家の屋敷の門ですから、二重というわけでもありません。

 日暮
M29tokyomeisho44
 これ、「日暮里」のことを明治29年の頃には「日暮」と言ったのかと思いましたが、そうではなさそうです。
 日暮里はもとは「新堀(にひほり)」だったのを、享保の頃から「日暮里」と言うようになったとのことですので、語源的には「里」は切り離せません。
 描かれている竹の子のようなのはなんでしょうね。石碑でしょうか。

 百花園
M29tokyomeisho41
 「四季の草花あり」とあります。
 向島の百花園ですね。
 それは良いのですが、右側の絵が分かりません。
 茶碗を積み重ねて紐で縛ったものとお弁当でしょうか。
 見尽くせないほどいろいろな草花があるので、お弁当持参で見に行ったのか?

 目黒
M29tokyomeisho43
 「不動の滝あり」とあります。
 目黒不動ですね。近くに独鈷の滝があります。
 絵は竹の子でしょうか。竹の子の産地だったのでしょうかね。
 目黒のサンマではありません。


【追記】
 「百花園」について、まほろばメイトの「源さんの後輩」さんからメールでご教示頂きました。
 国会図書館のデジタルコレクションで読むことのできる『日本庭園史話』のP.258が参考になるとのことです。
https://dl.ndl.go.jp/pid/1067114/1/140?keyword=向島%E3%80%80梅干%E3%80%80百花

 早速見てきました。
 バッチリですね。
 平たいのは梅干し、積み上げているのは隅田川焼ですね。
 当時の人は、この絵を見れば、それと分かったのでしょうね。

2025年9月12日 (金)

明治29年の「東京名所案内寿語録」(6)

 明治29年の「東京名所案内寿語録」、まだ続きます。
 なんかすべてのマスを載せてしまいそうな感じです。
 6回目の今回は、江戸時代以来の名所です。

 浅草
M29tokyomeisho34
 「公園には種々の見世ものあり」とあります。
 浅草は江戸時代から繁華街でしたが、明治になってからも劇場や映画館ができたりして、栄えていたのですね。
 見世物もたくさん出ていたことでしょう。

 吉原
M29tokyomeisho35
 左下の文字はよく分からなかったのですが、Twitterで、相互フォロワーのわこにょさんから、三景容の「夜桜 俄 燈籠」ではないかとのご教示をいただきました。
 「三景容」は、恥ずかしながら聞いたこともなかったのでググってみましたら、吉原においてお客も遊女も盛り上がった三大イベントだそうです。
 春の夜桜、お盆に店の軒先にずらりと並んだ玉菊燈籠、そして俄狂言です。
 わこにょさん、ありがとうございました。 

 御茶水
M29tokyomeisho36
 「時鳥」とあります。
 お茶の水はホトトギスの名所だったのでしょうね。

 王子
M29tokyomeisho37
 「滝あり 夏はすずみ」とあります。
 武蔵野台地の突端である王子近辺には滝が多く、かつては「王子七滝」と呼ばれる7つの滝があったそうです。
 現在は1つしか残っていないそうです。明治29年にはいくつの滝が残っていたのでしょうね。


 永代の渡
M29tokyomeisho38
 永代橋の他に、渡し船もあったのでしょうか。

 待乳山
M29tokyomeisho39
 「雪見によし」とあります。
 雪見の名所だったのですね。

2025年9月11日 (木)

明治29年の「東京名所案内寿語録」(5)

 明治29年「東京名所案内寿語録」、まだ続きます。
 すみません。もう飽きますよね。
 今回は5回目で、神社仏閣です。

 湯しま
M29tokyomeisho26
 「忍ヶ岡のぞむ」とあります。
 湯島天神ですね。お蔦主税。

 神田明神
M29tokyomeisho27
 「初日の出」とあります。
 初日の出を拝むのにふさわしい眺望があったのでしょうかね。

 琴平神社
M29tokyomeisho28
 「毎月十日例祭」とあります。
 この神社は知りませんでした。
 虎ノ門に金刀比羅宮がありますので、これかもしれません。

 佃島
M29tokyomeisho29
 「住吉神社をまつる」とあります。

 増上寺
M29tokyomeisho30
 「第一の勧業場あり」とあります。

 深川不動
M29tokyomeisho31
 これも有名ですね。

 海晏寺
M29tokyomeisho32
 恥ずかしながら、これも知りませんでした。
 調べてみたら、品川にあるお寺で、北条時頼が開基、蘭渓道隆が開山だそうです。
 本尊の観音像は、品川沖でかかった鮫の腹から出たものと伝えられ、一帯の「鮫洲」という地名の由来となっているとのことです。

 知らないことだらけ。

 東京にはお寺がたくさんありますけど、寛永寺などは載っていません。
 載っている社寺ばかりでなく、載っていない社寺に目を向けても面白いかもしれません。

2025年9月10日 (水)

明治29年の「東京名所案内寿語録」(4)

 明治29年「東京名所案内寿語録」、まだ続きます。
 4回目の今回は、明治になってできた名所です。

 帝国大学
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 「本郷にあり」とあります。

 歌舞伎座
M29tokyomeisho21

 明治座
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 日本銀行
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 帝国ホテル
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 九段
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 「靖国神社あり」とあります。

 なぜか「帝国大学」には「本郷にあり」、「九段」には「靖国神社あり」となっていて、施設名と地名とが逆になっています。

 これらが明治になってから建てられた新名所といえましょうか。

 ただ、凌雲閣(十二階)は明治23年に竣工しており、また鹿鳴館も明治23年以降は華族会館として現存はしていますが、取り上げられていません。
 他にも、取り上げられてもおかしくなさそうなのに、取り上げられていないものがあるかもしれません。

2025年9月 9日 (火)

明治29年の「東京名所案内寿語録」(3)

 一昨日載せた明治29年「東京名所案内寿語録」の続きです。
 3回目になります。
 今回は年中行事です。

 品川
M29tokyomeisho14
 汐干 四月上旬
 今だと「潮干狩り」ですが、「狩り」はありませんね。

 両国
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 七月上旬 川開の花火

 入谷
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 朝がほ 八月上旬
 入谷の朝顔市。

 芝神明
M29tokyomeisho17
 九月大祭 名物せうが
 かつて芝大神宮の周辺が生姜畑だったことから、祭りの期間中に生姜市が開かれ、生姜を食べると諸厄が払われ風邪をひかないといわれたことで、買い求める人が多かったということです。

 愛宕山
M29tokyomeisho18
 九月廿六夜 月見
 二十六夜の月というと、上の絵に描かれているように、かなり細い月ですね。
 この夜の月光の中に阿弥陀如来・観音菩薩・勢至菩薩の三尊が現れ、これを拝むと幸運が得られるという月待講の信仰によるマスです。

 酉の市
M29tokyomeisho19
 十一月 酉の日大祭
 今も酉の市は盛んですね。

2025年9月 8日 (月)

明治29年の「東京名所案内寿語録」(2)

 昨日載せた明治29年「東京名所案内寿語録」の続きです。
M29tokyomeisho01

 この双六のマスは、振り出しから上がりまで全部で46コマあります。
 以下の通りです。
  日本橋→新橋→日本銀行→亀戸→団子坂→百花園→九段→泉岳寺→四つ目→御茶水→永代の渡→
  隅田川→両国→待乳山→大森→赤門→吾妻橋→不忍の池→芝神明→湯しま→梅やしき→今戸→
  浅草→歌舞伎座→神田明神→大久保→増上寺→深川不動→明治座→目黒→琴平神社→百本杭→
  帝国ホテル→王子→酉の市→堀きり→愛宕山→吉原→海晏寺→玉川→帝国大学→佃島→品川→
  入谷→日暮→博物館

 江戸時代以来の名所と、明治になってから建設された建物とが混在しています。
 どのような名所が取り上げられているのか、江戸名所図会や広重の名所江戸百景と比べてみたい気がします。

 花の名所はこの様になっています。
 季節順に並べます。

 梅屋敷
M29tokyomeisho07
 臥龍梅。二月下旬より。

 隅田川
M29tokyomeisho08
 桜の名所。四月上旬。
 竿に鳥のようなものがぶら下がっているのは何でしょうか。
 隅田川といえば都鳥。都鳥のおもちゃかもしれません。

 大久保
M29tokyomeisho09
 つつじ園。五月上旬。

 四ツ目
M29tokyomeisho10
 四つ目というのは何だろうかと調べてみたら、本所4ツ目でした。
 本所2ツ目は吉良屋敷。
 植文の牡丹園。五月上旬。
 「植文」がまた分かりませんでしたが、植木屋さんの屋号でした。

 亀戸
M29tokyomeisho11
 五月上旬。藤の花盛

 堀切
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 花菖蒲。六月上旬

 不忍池
M29tokyomeisho13
 蓮の盛は八月上旬

 絵がそれぞれ味があります。

2023年6月16日 (金)

「日本地図おつかい旅行すごろく」(奈良県が……)

 このような双六を入手しました。新しいものです。
Otsukaisugoroku01
 日本中を旅行して各地の名物を集めよう、という趣旨です。

 東北地方。
Otsukaisugoroku02
 青森県はねぶた祭やりんご、秋田県は秋田犬やきりたんぽ鍋など、各県を代表するあれこれが描かれています。勉強になります。
 そして、それぞれの県の丸の中に入っているものが収集すべき名物です。
 宮城県の笹かまはよく分かります。秋田県はなまはげの簑です。これをお土産にもらっても。(^_^;

 群馬県から中部・北陸地方。
Otsukaisugoroku03
 群馬にはこんにゃく芋、新潟には火焔式土器、石川には兼六園、福井には恐竜化石などが描かれています。
 丸の中の名物は、群馬はだるま、新潟は柿の種、石川は輪島塗です。

 近畿西部から中国地方。
Otsukaisugoroku04
 金閣寺、太陽の塔、姫路城、岡山城、出雲大社、石見銀山、原爆ドーム、宮島、錦帯橋、などなどが描かれています。
 丸の中の名物は、岡山はキビ団子、広島は牡蠣です。兵庫はたこつぼ、鳥取は砂丘の砂、島根はどじょうすくいのざるです。

 愛知から近畿地方。
Otsukaisugoroku05
 細かくは述べませんが、それぞれに名所や名物が描かれています。奈良には金魚も描かれていて、ご機嫌です。
 そんな中で丸の中に描かれた名物が、奈良はなんと鹿せんべい! です。
 鹿せんべいは名物ちゃう。
 ちょっと考えても、奈良漬け、一刀彫り、吉野葛、柿の葉寿司、墨、などなどあるのに、なぜ鹿せんべい。
 ま、鹿関連のものが名物になっていて嬉しいですけど、なんか違う気がします。

2025年12月
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