地図・航空写真

2023年2月12日 (日)

玉村町パズル

 このようなものを購入しました。
Tamamurapuzzle01
 玉村町パズルです。
 それぞれのピースには地名が記入してありますが、これは玉村町内の大字(おおあざ)です。
 これらの大字は、それぞれの名も範囲も江戸時代の村にほぼ相当します。
 地名は文化財と言えましょう。

 玉村町は、北は昨日のブラタモリに登場した前橋市、東は伊勢崎市、西は高崎市と接しています。
 南にも高崎市がありますが、ここは新町です。以前は独立した地方自治体でしたが、平成の合併で高崎市新町になりました。
 新町の東の上里町は埼玉県です。

 中央部です。
Tamamurapuzzle02
 下新田に町役場があります。
 私が30年以上にわたって勤めていた元の職場はその南の上之手にあります。
 就職以来7年ちょっと住んでいた住宅は、下新田の西の上新田にあります。
 下新田の斜め左上(北西)に上新田の飛地がありますね。これは知りませんでした。
 失くしてしまいそうな小さなピースですが、きちんと作ってあります。

 バラすとこうなります。
Tamamurapuzzle03
 多分復元できると思います。(^_^)

 このパズルは、群馬県立女子大学群馬学センターのツイートによって知りました。
 知ってすぐに注文してしまいました。
https://twitter.com/GunmaStudies/status/1622927499352248326

 この作家さんはたくさんの地図パズルを作っています。
 その中には、大宝元年の日本の各国をピースにしたパズルなどというマニアックなものもあります。
 買ってしまうかもしれません。

2023年1月22日 (日)

昭和7年の「参宮急行名所図絵」

 このようなものを入手しました。
S07sangu01
 縦に2つ折りにして、表裏の表紙になっています。

 中身です。
S07sangu02
 細かすぎてよく分かりませんが、吉田初三郎描く鳥瞰図です。
 発行者は、大軌(現在の近鉄)の子会社である参宮急行電鉄です。
 発行年は不明ですが、伊勢神宮の解説文の中に、神宮の創始を垂仁天皇26年とし、「今を距る一千九百三十五年の昔である」とあることで、計算すると、この文中の「今」というのは昭和7年(1932)であることが分かります。

 右上隅をアップにします。
S07sangu03
 右上に巨大な大軌本社。神戸、下関、門司、そして釜山まで描かれていますが、そこまでは見えませんよね。(^_^;
 下には生駒山や法隆寺、信貴山が描かれています。

 奈良附近。
S07sangu04
 右上に大極殿趾が描かれています。
 奈良市内には大仏殿、猿沢池、春日神社など、おなじみの奈良の名所が描かれています。
 その中に、奈良ホテル、月日亭という宿泊施設も描かれています。有名な施設だったのでしょうね。
 左下には「大軌奥山廻り遊覧自動車」の文字があります。大軌が運営しているバス路線なのでしょう。

 飛鳥附近。
S07sangu05
 二上山、安倍文殊院、多武峰、三輪神社、長谷寺、天理教本部などが見えます。

 松坂と斎宮趾。
S07sangu06
 松坂には鈴の屋旧宅や本居宣長の墓。左下には斎宮旧趾が載っています。

 外宮。
S07sangu07

 内宮。
S07sangu08

 二見浦附近。
S07sangu09
 夫婦岩が描かれています。

 いつもながら、初三郎の鳥瞰図は、それぞれの位置関係がよく分かりますし、細かくて、見ていて楽しい絵図です。

2022年12月 3日 (土)

奈良市の古都保存法規制区域図

 このような地図を入手しました。
Kotohozonho01
 青焼きの地図で、折り畳んだ箇所が黄変しています。
 上部中央に「奈良市全図」とあり、それに重ねるように、手書きで「古都保存法規制区域図」と書かれています。

 左下に凡例があります。
Kotohozonho03

 赤い線で囲んだ「古都保存法保存区域」は3ヶ所あります。
 そのうちの西の赤枠。
Kotohozonho04
 この範囲内には「山陵特別保存地区」と「平城宮跡特別保存地区」とが含まれます。

 南の赤枠。
Kotohozonho05
 この範囲内には「唐招提寺特別保存地区」と「薬師寺特別保存地区」とが含まれます。

 東の赤枠。
Kotohozonho06
 この範囲内には「春日山特別保存地区」が含まれます。

 西の赤枠と東の赤枠との間をアップで示します。
Kotohozonho07
 2つの赤枠の間にすき間があります。
 奈良市街から転害門の前を通って北に延びる奈良坂越えの道周辺が、古都保存法保存区域から除かれています。
 保存区域に含まれるといろいろと制約を受けることになりますので、含むか含まないかの線引きはなかなか難しいものと思われます。

 昭和41年に古都保存法が施行された頃の地図なのでしょうが、詳細は分かりません。

2022年11月29日 (火)

『トランヴェール』11月号の特集は「常陸国。水の旅、川の旅」

 愛読している『トランヴェール』の11月号の特集は「常陸国。水の旅、川の旅」です。
Trainvert202211a
 先週の金曜日に前橋まで日帰り往復したときに入手しました。
 最初、タイトルは「『トランヴェール』最新号の特集は~」と書きそうになりましたが、明日は30日。もうすぐ12月号に変わりますね。

 常陸国を中心とした地域の太古からの変遷が模型で示されています。
Trainvert202211b
 「ブラタモリ」を思い浮かべました。
 長期間の間にずいぶん大きな変遷をしていますね。

 今から1000年前の推定地図が載っていました。
Trainvert202211c

 今の地図も載っています。
Trainvert202211d

 両者を比べると、1000年前はかなり水浸しですね。
 常陸国風土記の時代もこの地図に近いものだったのではないでしょうか。
 常陸国風土記を読むときにはこの地図を参照すべきものと思います。

 平将門は、この1000年前の地図の左から1/3位の中央部にある「岩井」を本拠地にして、地政学上の要衝を押さえていた、との指摘もありました。
 それもまた重要な指摘と思います。

 難しいことですが、文献を読むときにはできるだけ当時の地形を知ることは大事ですね。

2022年10月10日 (月)

明治38年の「奈良名勝独案内図」

 このような地図を入手しました。
M38narameisho01
 明治38年の地図で、左上が北です。
 右端中央に白毫寺、右上に春日大社、左上に般若寺、左下に興福寺があります。
 現代の地図のように北を上にすると、横長の地図では般若寺が収まらないので斜めにしたのでしょうかね。
 明治の奈良絵図では、同じような角度のものが多いです。

 左下隅。
M38narameisho02
 三条通には歩行者と人力車とが描かれています。
 この時代には三条通を行き交う人力車も多かったことでしょう。
 画面中央やや上には、興福寺の境内でくつろぐ鹿がいます。
 下辺中央部の采女社にも鹿が描かれています。
 歩行者や人力車に比べて、鹿が異様に大きいです。♪
 この絵図の作者は鹿が大好きなのかもしれません。(^_^)

 左上附近。
M38narameisho03
 左下に景清門があります。転害門は当時景清門と呼ぶことが一般的だったのでしょうかね。
 上にも書きましたように、左上を北にすれば般若寺まで収まります。

 上部欄外に「NARA GOOD SCENERY BYONESSELF GAIDO PICTURE」という英文タイトルがあります。
 このうちうしろから2つ目の「GAIDO」は「GUIDE」の誤りでしょうね。
 私レベルの間違いです。
 その1つ前の「BYONESSELF」も間違っていると思うのですが、恥ずかしながら正解が分かりません。(^_^;

2022年8月25日 (木)

明治36年の「奈良名所早見図」

 明治36年の「奈良名所早見図」を入手しました。
M36narameisho01
 下部欄外に「明治卅六年二月廿八日印刷仝年三月五日発行著作印刷兼発行者奈良県奈良市大字雑司百廿番邸筒井梅吉」とあります。

 この絵図と似たものに「奈良名所絵図」があります。
Naraezu01
 発行年は不明ですが、江戸時代または明治初期のものではないかと思います。
 版元は絵図屋庄八で、筒井梅吉も同じ版元です。

 江戸期のものと思われる「絵図」と、明治36年の「早見図」とを何ヶ所か比較してみます。
 左上の興福寺。
 「絵図」。
Narameishohikaku01

 「早見図」。
Narameishohikaku02
 「早見図」では、北の方に県庁、裁判所、師範学校などが建っています。
 また、「絵図」にはあった南大門や回廊が、「早見図」ではなくなっています。

 東大寺の左側。
 「絵図」。
Narameishohikaku03

 「早見図」。
Narameishohikaku04
 「絵図」では戒壇院、正倉院、転害門が建っていますが、「早見図」ではそれらを無視して大仏の紹介が書かれています。
 戒壇院や転害門などよりも大仏の紹介を重んじているかのようです。

 飛火野。
 「絵図」。
Narameishohikaku05

 「早見図」。
Narameishohikaku06
 「絵図」では広々としていて鹿が3頭遊んでいますが、「早見図」では奈良国立博物館や商品陳列場が建っています。
 鹿は1頭に減ってしまいました。(^_^;

 猿沢池。
 「絵図」。
Narameishohikaku07

 「早見図」。
Narameishohikaku08
 こちらは両方ほぼ同じです。
 猿沢池の左側に鹿と人が描かれています。
 この人は鹿にエサをやろうとしているのでしょうか。
 当時、既に鹿せんべいはあったのでしょうかね。

 単独でも面白いですが、時代の異なる2つの史料を比較するのはもっと楽しいです。

【追加】

 三友亭主人さんのコメントにお応えして画像を2枚追加します。
 春日大社の西側です。

 「絵図」。
Narameishohikaku09

 「早見図」。
Narameishohikaku10

2022年8月 4日 (木)

昭和23年の『新日本地図』(下)

 2回に亙って取り上げた昭和23年の『最も要約された 新日本地図』の続きです。
 日本列島の途中で紙を貼り継いでまで用紙の節約を図ったと思われる日本地図。
S23shinnihonchizu05

 北海道の端から鹿児島の端まで、ギチギチに日本列島を収めています。

 いえ、実は収まっていなくて、知床岬は切られてしまっています。
S23shinnihonchizu10
 伊豆諸島は仕方ないとしても、もう少し伸ばせば知床岬は入ったでしょうに、ほんと徹底しています。

 他の島嶼部もこんなです。
S23shinnihonchizu11
 対馬も、種子島、屋久島も、五島列島も、記念写真で当日欠席したお友達状態。

 沖縄はありません。
 まだ米軍統治下で日本に施政権がなかった時代だからでしょう。

 仔細に観察すれば、今と違う点もいくつか見つかるかもしれませんが、すぐに見つかったのは、今は亡き八郎潟です。
S23shinnihonchizu12
 今は埋め立てられてしまいましたね。
 巨椋池もこの時点では既に形跡もなかったはずです。

 地図を見るのは楽しいです。

2022年8月 3日 (水)

昭和23年の『新日本地図』(中)

 7月31日(日)に、昭和23年の『最も要約された 新日本地図』を取り上げました。
 その続きです。

 この地図の裏面には6つの都市圏の拡大図が載っています。
S23shinnihonchizu06

 このうち、関東と近畿は次の通りです。
S23shinnihonchizu07
S23shinnihonchizu08

 年齢別の人口ピラミッドが載っていました。
S23shinnihonchizu09
 昭和15年と21年のものを重ねています。
 戦争による人口減が顕著です。
 痛ましい思いがします。

 このグラフの大枠の左側の線が斜めになっています。折り目も見えます。
 この理由は、表側にあります。表側はこのようになっています。
S23shinnihonchizu05

 この地図は、日本列島の途中で貼り合わせてあります。
 手作業と思われますので、すごい手間です。

 北を上にして日本列島の地図を描くと、日本海など、海の部分が大きくなってしまいますので、陸地を描くには合理的な方法ではあります。
 なかなかユニークな方法と思います。
 もののない時代ですので、少しでも紙を減らそうという思いもあったのでしょうか。

2022年7月31日 (日)

昭和23年の『新日本地図』(上)

 昭和23年の『最も要約された 新日本地図』を入手しました。
S23shinnihonchizu01
 下の方に赤字で1949とありますが、後述するように、奥付に拠れば発行は1948年(昭和23年)です。
 翌年用に前年に発行したということでしょう。

 裏表紙です。
S23shinnihonchizu02
 こちらには、行政区画と、五畿七道図が載っています。

 1月、7月、年間の雨量、等温線、風向きなどの地図。
S23shinnihonchizu03
 上部にこの地図の趣旨、下部に奥付が載っています。

 その部分の切り貼り。
S23shinnihonchizu04

 肝腎の地図本体はちょっとややこしくて、それをまとめていると日付が変わりそうなので、そちらは(下)として後日に回します。

2022年7月23日 (土)

『地図で巡る万葉集』(昭文社)

 このような本が出ていたことを最近知りました。
R01chizuman01
 版元は昭文社で、令和元年7月1日刊行。
 新元号が「令和」と発表されてからわずか3ヶ月での出版です。

 昭文社は主に地図を発行している出版社ですよね。
 新元号が万葉集から採られたということで、万葉集と、得意分野の地図とを組み合わせたのでしょうね。
 時宜を得た出版と思います。
 万葉集の専門家の監修を経たものではないようで、業界の方のお名前は載っていませんでした。
 そのせいか、表紙には紅梅の絵が描かれています。

 地図の説明です。
R01chizuman02
 やや盛りだくさん過ぎるという気もしますが、意欲的で充実しています。
 項目の4番にある「国家大観」という誤りはあるあるですね。

 地図のメッシュと目次。
R01chizuman03
 この辺はいかにも地図出版社らしい香りがします。

 万葉歌がたくさんよまれている地域は、さらに細かいメッシュになっています。
R01chizuman04
 細かいメッシュは、畿内の19~24の他に、越中や筑前も対象になっています。

 それでも、たとえば上の24番の地図は以下のようです。
R01chizuman05
 真っ赤です。
 さらに、この地図上に飛鳥付近の情報はとても入り切らないので、別ページに示してあります。
 まさに畿内、特に飛鳥・奈良は万葉故地であるなぁという思いを新たにしました。

 あれこれケチを付けましたが、なかなか有用な地図帳と思います。

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