台本

2023年1月24日 (火)

昭和45年のNHK紅白歌合戦の台本

 昭和45年(1970)のNHK紅白歌合戦の台本を入手しました。
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 今から52年前のものですね。半世紀。大昔です。
 時間は21:00~23:45です。今よりだいぶ短いですね。
 会場は東京宝塚劇場。NHKホールではありません。

 オープニング。
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 ガリ版です。文字が小さいので判読してください。
 スクーツメイツの男女200人がエネルギッシュに踊ったようです。
 大掛かりです。

 司会者と歌手入場。
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 司会は宮田輝と美空ひばりです。
 両司会者の登場では、(舌戦あり)ということで、セリフまでは書いてありません。アドリブでしょうか。

 審査員紹介。
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 日本全国各地8ヶ所から地域別に5人ずつ、合計40人の審査員ということで、超大袈裟、もとい超豪華な審査員陣です。
 関東地方代表の審査員5人の筆頭に坂東玉三郎がいます。芸歴、長いですね。
 この5人の最後に大坪指方(柳生道場師範)がいるのは、翌年の大河が柳生宗矩を主人公にした「春の坂道」であることによるものと思われます。
 審査員陣の中には、近畿地方に三田佳子、中部地方に玉の海、中国地方に田中絹代、九州地方に中山律子、東北地方に志村喬、四国地方に武原はんなどがいます。
 当時私は浪人生でした。紅白は見ていたはずですが、40人もの審査員というのは全く記憶にありません。
 ぼーっと見ていたのでしょう。(^_^;

 トップバッターは水前寺清子です。
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 一番上の丸数字がカメラです。
 全部の歌詞が書いてあって、どの歌詞のところではどのカメラというカメラ割りが示してあります。

 大トリは美空ひばりです。
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 美空ひばりは、紅組の司会と大トリ、大活躍です。

 細かく見て行くとあれこれおもしろいのですが、キリがないので、この辺で。

2022年9月 4日 (日)

アニメ『いなばの白うさぎ』の台本

 アニメ『いなばの白うさぎ』の台本を入手しました。
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 正確には「アニメ古事記」の『いなばの白うさぎ』です。
 シリーズものの1冊なんでしょうかね。よく分かりません。
 畏れ多くも神社本庁監修です。

 冒頭。
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 島にいる白うさぎの場面から始まっています。
 以後は時間の経過順で、古事記のような複雑さはありません。
 小さい子にはこの方が分かり易いでしょう。
 でも、こうすると主役が大国主ではなくてうさぎになってしまいかねないと、以前、朝倉山のオニさんが書いていらして、なるほどと思いました。

 大国主が治療法を教える場面。
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 うさぎの他に動物たちが登場しています。
 大国主は偉そうじゃなくて、フレンドリーな物言いです。
 治療法は蒲の花粉ではなくて、蒲の穂です。
 あ、ワニはワニザメになっています。

 ラストシーン。
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 衆人環視(じゃなくて、衆動物環視)の中で、ヤガミヒメが夫を選ぶ設定です。
 ヤガミヒメは、八十神達を差し置いて大国主を選びます。

 全体として、主人公はうさぎという感じです。
 タイトルが「いなばの白うさぎ」なので、主人公がうさぎでも問題ありませんね。

 配役。
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 この台本はいつのものか分かりませんが、ワープロ専用機やパソコンの普及前かと思います。
 声優さんの活躍時期や死亡時期が手がかりにならないかと考えました。

 喜多道枝さんと堀勝之祐さんは80代でご健在です。
 他の方々もあらかたご健在な中で、大国主役の長谷有洋氏が1996年7月に31歳の若さでなくなっています。
 はせさん治氏のご子息なのですね。
 長谷有洋氏は、1982年「超時空要塞マクロス」で主役の一条輝役を演じたのがデビュー作のようですから、「いなばの白うさぎ」は1982年(昭和57)~1996年(平成8)のものということになります。

 思わぬ事を知ってしまいました。
 謹んでご冥福をお祈り致します。

2022年7月27日 (水)

「ちびまる子ちゃん」の台本

 「ちびまる子ちゃん」の台本を入手しました。第83話です。
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 右上に「AR台本」とあります。
 「なんじゃろ?」と思ってググってみたら、アフターレコーディング台本の略で、声優がアフレコの時に使う台本のことだそうです。
 なるほど。

 放送日は分かりませんが、配役表にはおじいさん(友蔵さん)の声を富山敬さんが担当していますので、Wikipediaによれば平成7年(1995)の9月17日以前の放送です。

 冒頭部分。
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 上段に画面、下段にセリフが書かれています。

 まる子がラジオ体操に向かう場面。
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 下段中央のナレーションの言い回しはおなじみの口調です。
 最後の行のまる子のセリフの末尾も、まる子っぽいです。

 妄想?(劇中劇?)場面。
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 遠山の金さんと水戸黄門の合体です。
 上段中央部、黄門様は東野英次郎です。初代ですね。古い。(^_^)

 夜中に、まる子とおじいさんがTVを見ている場面。
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 月亭可朝が出ています。
 これまた古い。

 「ちびまる子ちゃん」の時代設定は、さくらももこの子供時代なのですよね。

2022年6月 3日 (金)

『魔法使いサリー』43の台本

 先日の『ひみつのアッコちゃん』の台本に続き、『魔法使いサリー』の台本を入手しました。
 私、正直言って、この両者、記憶がかなりごっちゃになっています。(^_^;
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 第43話とあります。
 ウィキペディアによれば、第43話は「こまった生徒」のタイトルで、1967年(昭和42年)9月25日放送です。
 先日のアッコちゃんの放送日は1969年(昭和44年)の4月21日ですので、今回のサリーの方が1年半ほど早いです。

 こちらにも、冒頭に「製作意図」が載っています。
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 これまた、製作意図と言えるかどうか。

 テーマソング。また冒頭のみ載せます。
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 懐かしいです。
 アッコちゃんのテーマソングも同じく小林亜星の作曲でした。

 配役。
 縦に長いので二分割しました。
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 サリーのところに「かわいい魔法使いの少女」とありますが、「魔」の字が、まだれに「マ」と書いてあります。画数が多いですからねぇ。
 サリーちゃんのママは、魔法の国の女王様だったのでしたか。記憶が曖昧でした。

 台本部分の冒頭。
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 セリフだけではなく、情景も書かれています。
 この台本ができあがってから作画にも取り掛かったのでしょうかね。
 あるいは、声優さんにとって、セリフだけの台本ではやりにくいので、情景も書いたのか。

 やはりナマの資料は楽しいです。

2022年5月23日 (月)

「ひみつのアッコちゃん」の台本

 「ひみつのアッコちゃん」の台本を入手しました。
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 「TVアニメ」ではなく「TV漫画映画」とあります。
 そうですね。この時代は「漫画映画」でした。

 裏表紙に日付が書いてあります。
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 昭和43年(1968年)の11月14日です。

 ウィキペディアを見ると、「ひみつのアッコちゃん」の毎回のタイトルと放送日が書いてありました。
 それによると、この「ドラがあぶないッ」は第16回で、放送日は昭和44年(1969年)4月21日です。
 どういうことでしょうね。台本ができあがったのが昭和43年11月14日で、実際に放送されたのが5ヶ月後の翌年4月21日ということですかね。

 冒頭に「製作意図」が載っています。
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 内容的には、製作意図といえるかどうか。

 次のページに「テーマソング」と「サブテーマ」とが載っています。
 懐かしい歌詞ですが、丸ごと載せて音楽著作権協会から何か言われると困るので、それぞれ冒頭部だけ載せます。
 冒頭部でもアウトかもしれませんけど。
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 放送の冒頭にテーマソング、最後にサブテーマが流れました。サブテーマを歌ったのは漫画家の水森亜土でした。

 役名欄。
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 声優欄もありますけど空白でした。
 台本ができたのが放送の5ヶ月前だったとすれば、声優はまだ決まっていなかったのかもしれませんね。

 台本の冒頭です。
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 あれこれ懐かしいです。

2022年3月 4日 (金)

昭和34年、日テレの「赤穂浪士」台本

 先日、昭和36年NHKの「忠臣蔵」台本を数回にわたってご披露しました。
 今回、昭和34年の日テレの「赤穂浪士」台本を入手しました。
 第3稿と、
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 決定稿の前半です。
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 夜8時から9時までの1時間番組です。
 昭和34年、私は小学2年生です。夜8時はそろそろ寝る頃ではないかと思います。

 配役は以下の通りです。切り貼りしました。
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 堀部安兵衛は丹波哲夫とあります。丹波哲郎の間違いか、あるいは別人でしょうか。
 継ぎ目部分の後半に市川小太夫がいます。昭和36年のNHK「忠臣蔵」にも出演していました。

 冒頭部分。
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 後半3行を読むと、もう既にカラー放送が行われていたことが知られます。これはびっくりしました。

 1時間の放送時間で刃傷から討ち入りまでを描いています。
 ドラマ部分は主に刃傷と討ち入りだけです。
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 こんな風に、悲報を赤穂に知らせる早かごはアニメーションになっています。これにも驚きました。

 途中、大石の遊蕩については、中央義士会の会長さんからのコメントが出てきたりします。

 関係者の子孫による座談会もあります。
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 それやこれやひっくるめての1時間番組です。
 ドラマは全体の一部分ということになります。
 私のライフワークの1つである「忠臣蔵配役表」に入れるべきかどうか迷います。

2022年2月16日 (水)

昭和36年のNHK「忠臣蔵」(第5回)

 今まで4回に亙ってご紹介してきた昭和36年のNHK「忠臣蔵」、ネットオークションにもう1冊出てきました。第5回「梅の巻」です。
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 第4回(雪の巻)が最終回かと思っていましたに。ちょっと意外でした。
 ま、第4回は、吉良を討ち取ったところで終わっていましたので、終わり方としては尻切れトンボではありました。
 それは、音楽やカメラワークで最終回っぽくしたのだろうかと思いました。

 これも、作者の村上元三氏に渡されたものですね。
 オークションへの出品者は同じ人です。前回も書きましたが、5冊揃っているなら、揃いで出して欲しかったです。別々の人が落札したら、散逸してしまいます。
 それを避けるために、今回は(も)、何としても落とさねばと思いました。幸いに、ほぼ開始価格で落札できました。

 巻名は、花、月、雲、雪ときて、最後は「梅」でした。
 赤穂浪士の切腹は旧暦の2月4日ですので、梅の季節といえそうです。

 タイトルの「忠臣蔵」の文字が薄いように見えます。拡大します。
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 網点の文字です。
 ガリ版印刷ですが、こうした技があるのですね。

 この第5回「梅の巻」の内容は、清水一学の妻のこと、毛利小平太が恋人と心中すること、細川家に預けられた浪士達が細川越中守の意向で厚遇されること、磯貝十郎左衛門と恋人のこと(磯貝の恋人が病を押して縫った肌着が磯貝の元に届けられるが、2月4日の朝、息を引き取る。磯貝はその肌着を着て切腹することになる)です。

 配役の一部。
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 細川家で浪士達の世話をする掘内伝右衛門は市川小太夫が演じています。
 後に三船の「大忠臣蔵」で途中から吉良を演じることになる、あの小太夫でしょうか。
 歌舞伎役者は襲名するので、紛らわしいです。(^_^;

 細川家に預けられた浪士と、その恋人の話ということになると、浪士は大体磯貝ですね。(^_^)
 磯貝の遺品の中に琴の爪があったということから、磯貝がそういう役割になるのでしょう。
 この作品では、琴ではなく小鼓です。

 台本の末尾。
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 切腹が行われる細川家です。
 小鼓を打っているのは磯貝十郎左衛門。
 巻の名にもなっている梅の花が散っています。

2022年2月 7日 (月)

昭和34年の台本「高田馬場」(VTRと異体字)

 また珍しいものを入手しました。
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 昭和34年のフジテレビの台本「高田馬場 前篇」の台本です。

 後篇もセットで入手できました。
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 それぞれ、右上の部分を並べて切り貼りします。
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 右側が前篇、左側が後篇です。

 鶴田浩二シリーズの第22夜と第23夜です。
 当時、鶴田浩二は人気の映画俳優だったはずです。テレビに出演することを映画会社が承認したのですね。
 30分番組で、毎週土曜日の放送です。放送日は2夜に別れていますけど、VTRは同日、2本撮りですね。
 VTRがどちらも30分ずつになっていますけど、これは間違いでしょうね。30分では1回分しか撮れません。

 昭和34年(1959)というと、今から63年前。こんな大昔にもうVTRがあったことに驚きました。
 このずっと後に放送が始まった「水戸黄門」や「大岡越前」はフィルムでしたのに。

 作と脚色はこのように書かれています。
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 脚色は村上元三ですね。当時大活躍していたことが知られます。
 作が読めませんでした。見たこともない字です。
 ただ、1番下は「伸」、その上は「川」だとすれば、「長谷川伸」かと思い、そのつもりで見れば、そう読めます。
 何とも個性的な書き方です。興味深く思えました。

 前篇の終わり近く。
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 酔っ払って帰宅した堀部安兵衛が高田馬場に向かって疾走する場面です。この先は次週に続く。
 視聴者はさぞ待ち遠しかったことでしょう。
 「細井」とあるのは細井広沢です。中丸忠夫(たぶん中丸忠雄)が演じています。
 最後の行の細井広沢のセリフの中に「長進一番」とあります。
 見たこともない語でしたが、日国に「長進」は立項されていて「遠くまで進むこと。大いに進むこと。大いに進歩すること。」とありました。
 年をとっても知らないことがいっぱい。
 長谷川伸はすごい。

2022年2月 5日 (土)

昭和36年のNHK「忠臣蔵」(第1回)

 昭和36年NHKの「忠臣蔵」の第1回を入手しました。
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 「花の巻」ですね。第2回は「月の巻」、第3回は「雲の巻」、第4回は「雪の巻」。
 第1回の「花」、第4回の「雪」は鉄板ですが、「月」と「雲」は予想できませんでした。どちらかは「風」かと。

 4冊とも同じ人の出品です。2-3-4-1という不思議な順序での出品でした。
 幸い、私が全部落札できましたけど、4冊散逸しないように、一括して出してくれれば良いのにと思いました。

 演出は5名です。
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 この5人が全冊を分担したか、共同執筆したかなのでしょう。
 大河に深く関わられた大原誠氏の名前があります。

 第4冊の表紙にだけ「演出」として和田勉氏の名前があるのを不思議に思っていましたが、第1冊に和田氏の名前を載せなかったためと考えれば納得できます。
 第1冊に名前があるどなたかと差し換えたか、あるいは途中から加わることになったか、という事情がありそうです。

 配役表の一部。
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 浅野内匠頭の名前がありません。
 台本ができた時点で、未定だったようです。
 ネットで得た情報に依れば、浅野内匠頭は佐竹昭夫だったようです。納得できます。

 多門伝八郎を河野秋武が演じています。
 河野秋武は古武士のような風格の俳優さんで、好きでした。
 民放の大河「徳川家康」で本多作左衛門、三船の「大忠臣蔵」で奥田孫太夫を演じています。
 NHKで主演の田中正造を演じたこともこともありました。
 この「忠臣蔵」の多門伝八郎は適役と思います。

 その多門が登場している場面。
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 内匠頭の辞世は、「いかにとやせん」か「いかにとかせん」か揺れていたようです。

 この第1冊では、浅野内匠頭の刃傷と切腹とが描かれますが、冒頭附近には清水一学が登場します。
 品川御殿山で、清水がごろつき達とケンカになったのを、磯貝十郎左衛門が仲裁に入ります。
 そして、花見をしている堀部安兵衛たち浅野家の同僚達の席に招き入れます。
 清水と、礒貝、堀部の3人は同じ剣術道場で腕を磨いたもの同士で、清水は浪人です。
 どうもこの作品では清水一学の位置づけが大きいようです。

 しかし、元禄14年の春に浅野家の武士達がのんびりと花見をしているというのも不思議です。
 勅使接待の準備で忙殺されていたのではないでしょうか。(^_^;

2022年1月29日 (土)

昭和36年のNHK「忠臣蔵」(第4回)

 これまで2回ご紹介してきた昭和36年のNHK「忠臣蔵」の第4回の台本を無事に入手することができました。
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 巻の名は「雪の巻」。これはそれ以外には考えられませんね。
 元禄15年夏以降の、清水一学の話、毛利小平太の話、討ち入りを前にした堀部親子の話、そして討ち入りです。
 吉良の首を取ったところまでで、引き揚げはありません。
 吉良上野介役は薄田研二です。薄田研二は、様々な映画で吉良役または堀部弥兵衛役で出演しています。

 表紙の左下に、「演出 和田勉」とあります。これまでの2回には演出家の名前は一切載っていませんでした。
 和田勉が演出したのは全回なのか、この回だけなのかは不明です。

 和田勉についてググってみました。
 和田勉は昭和5年(1930)6月3日生まれ。
 昭和28年(1953)にNHK入局。
 昭和34年(1959)には「日本の日蝕」で第14回芸術祭奨励賞受賞。29歳。
 昭和36年(1961)12月の「忠臣蔵」当時は31歳です。
 新進気鋭の期待の演出家でしょうか。
 和田勉の作品のうち、私が熱心に見ていた「文五捕物絵図」は昭和42年、大河ドラマ「竜馬がゆく」は昭和43年、「朱鷺の墓」は昭和45年となります。

 この雪の巻が最終回でしょうね。
 その後の、4大名家にお預けになった浪士達の暮らしから、切腹までを描いた回があったかどうか?
 多分ないと思いますが、当時の新聞の縮刷版のテレビ欄を見れば明らかになります。
 いずれそういうページもネットで見ることができるようになると嬉しいです。

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