文学

2024年4月12日 (金)

『万城目学さんと読む ビジュアル竹取物語』

 『万城目学さんと読む ビジュアル竹取物語』(ポプラ社、2024年4月刊)を購入しました。
Visualtake01
 この本のことは、監修者でいらっしゃる福田智子先生がFacebookで紹介されているのを見て知りました。

 中身を載せることはできませんが、最小限だけ。
 「この本の使いかた」です。
Visualtake02
Visualtake03
 全体はおおよそこのような構成になっています。

 単語の解説は、表紙から一部を拡大します。
Visualtake04

 大変に分かりやすく、そして竹取物語について詳しく正確に知ることのできる本です。
 竹取物語だけではなく、平安時代の制度や文化についても知ることができます。

 対象学年はどれくらいでしょうね。
 総ルビですので、絵本として読むには小学生でも可能です。
 学習段階に応じて、中学生から大学生まで対象になります。
 変体仮名まで学べます。
 対象範囲の大変に広い本です。

 「監修のことば」を載せます。
Visualtake05

 全部で100ページ近い大冊です。
 裏表紙に「図書館用特別堅牢製本図書」とあるように、とても頑丈にできています。
 4000円という価格ですが、たくさんの図書館、学校図書館に備えていただければと思います。

2024年3月17日 (日)

創作童話「上に候ふ御猫は」

 今から1000年ほども昔のことです。時の帝に大層かわいがられている猫がいました。
Okinamaro01
 五位の位まで賜わり、命婦のおとどという名で呼ばれていました。

 あるとき、お世話係の馬の命婦がふと見ると、命婦のおとどが横になって寝ています。
Okinamaro02
 「まぁ、なんてお行儀の悪い」と言って起こそうとしますが、命婦のおとどはぐっすり眠っていて、起きる気配もありません。
 そこで馬の命婦は、命婦のおとどをおどかそうと、「翁麻呂、命婦のおとどに噛みつけ」と言って、翁麻呂をけしかけました。

 翁麻呂というのは、中宮様がかわいがっていらっしゃる犬です。
Okinamaro03

 翁麻呂は、お許しが出たので、命婦のおとどに飛びかかりました。
Okinamaro04

 命婦のおとどは必死で逃げ、丁度いらしていた帝の懐に飛びこみました。
Okinamaro05

 帝は驚き、「馬の命婦よ。これはいかなることか?」とお尋ねになります。
 馬の命婦はかしこまり、訳を話しますと、帝は大変にお怒りになり、「翁麻呂を打ち据え、遠くに追放せよ。馬の命婦は世話役を解任する」と仰せになりました。

 かわいそうに、翁麻呂は引っ立てられて行きました。

 中宮様は、かわいがっていた翁麻呂がいなくなって、とても寂しい思いをしていらっしゃいました。
 事件から3~4日経った頃、犬が激しく鳴く声が聞こえます。

 何ごとかと思って、事情を聞きに遣らせると、犬を散々に打ち据えたところ、死んでしまったので、死骸は捨てたとのことでした。
Okinamaro06
 犬を打ち据えたのはこの連中です。
 宮中にもこんなにガラの悪いのがいるのですね。

 その日の夕方、傷だらけの犬がやってきました。翁麻呂によく似ています。
Okinamaro07

 「あれは翁麻呂ではないか?」
Okinamaro08
 「翁麻呂ならば、名を呼べばやってくるはずだ」ということで、名を呼んでみましたが、反応がありません。
 エサを与えても食べません。
 「では、翁麻呂とは違うのだろう」ということになりました。

 その翌朝、中宮様がふと目をやると、柱の下に犬がうずくまっています。
 「ああ、翁麻呂は今頃来世で何になっていることだろう」と呟かれたところ、その犬は体を震わせて涙を流しました。
Okinamaro10
 その犬は翁麻呂だったのです。また打たれるかと恐ろしかったのか、あるいは帝のお怒りを受けた身を憚ってのことでしょうか、一晩、身を隠していたのでしょう。
 女房達は、「翁麻呂は生きていた」「翁麻呂が帰ってきた」と大騒ぎです。
 その様子をご覧になった帝も、翁麻呂をお許しになりました。

 命婦のおとどは、自分のせいでひどい目に遭った翁麻呂を気の毒に思い、傷をなめてやりました。
 翁麻呂も、面白半分に命婦のおとどを追いかけまわしたことを反省して謝りました。
Okinamaro09
 その後、ふたりは仲良く暮らしたとのことです。

 今回のお話し、原作がありますので「創作」童話というには憚りがあります。(^_^;
 脚色童話でしょうか。

2024年3月 8日 (金)

ヤマトタケルシンポジウムの報告

 昨年の8月5日に、昭和女子大学で「ヤマトタケル 敗者の形象」と題するシンポジウムが開催され、私もオンラインで参加しました。
Yamatotakeru01
 主催は昭和女子大学近代文化研究所です。なぜ近代文化研究所なのかはよく分かりません。

 本日、『昭和女子大学 近代文化研究所紀要』第19号が届きました。
Sj_yamatotakeru01
 ひょんなことからご縁ができて、この紀要は数年前からお送り頂いています。

 去年のヤマトタケルのシンポジウムについては、報告の形で4ページに亙って掲載されていました。
 最初のページにはプログラムとシンポジウムの趣旨が載っています。
Sj_yamatotakeru02
 このページのあと、パネリスト4氏の発表要旨が2ページ半ほどに載っています。
 おひとり半ページ強ほどです。こちらの掲載は控えますが、こういう形で記録が残って幸いです。

 参加人数は108名(オンライン58名、会場50名)だったそうです。

2024年1月 8日 (月)

「光る君へ」第1回視聴

 昨日から始まった今年のNHK大河「光る君へ」の第1回を視聴しました。
Hikarukimi01

 見る前は、紫式部が主役というのが、なんかピンときませんでした。
 NHK大河は第2作の「赤穂浪士」からずっと見ていますけど、かつては「大型時代劇」と言われていたように、時代劇という大原則があったように思います。
 NHKもそれは承知していて、昭和60年頃に3年間近代の大河が製作されたときには、その代わりとして、水曜に「真田太平記」「武蔵坊弁慶」「宮本武蔵」がそれぞれ1年間放送されたのも、その証左と言えましょう。
 その3年間以降、大河は「いだてん」までまた時代劇でした。

 時代劇といえばお侍さん。平安時代も時代劇といえば時代劇なのでしょうけど、貴族社会が舞台では、お侍さんが活躍できない。
 それでピンとこなかったのです。
 ピンとこなくても、飛鳥・奈良時代ならば大歓迎なのですけど。←矛盾!!(^_^;

 そんなことで、ちょっと戸惑いながら見始めた第1回でしたが、面白かったです。
 1年間、ついてゆけそうです。

 紫式部の生涯はほとんど知られていないので、主人公については創作だらけになることでしょうが、周辺の歴史はかなり詳しく知られているので、その中での創作になるのでしょう。
 ちょうど、呂宋助左衛門が主人公だった「黄金の日日」や、井伊直虎が主人公だった「おんな城主直虎」のような感じかと。

 『大鏡』『栄華物語』『枕草子』などに登場するエピソードもあれこれ使われそうですね。
 そればかりか、昨日は源氏物語の「雀の子を犬君が逃がしつる。伏籠の中に籠めたりつるものを 」を踏まえたと思われるストーリーが。
 こういうの、今後も出てきそうですね。源氏物語に詳しい人は楽しみなことでしょう。私はまるでダメです。
 まひろが三郎に、自分は高貴な血筋だと嘘をつくのも、まひろの妄想癖、もとい物語創作能力の発露なのでしょうね。

 大事な役柄の国仲涼子が第1回で退場は意外でした。
 野村萬斎の今川義元のよう。
 主役級の役者さんを贅沢に使うのが大河の楽しさです。

 1年間、楽しめそうです。

2023年9月24日 (日)

五味太郎『百人一首ワンダーランド』

 先日購入した五味太郎氏の『きんぎょが にげた』を気に入ってしまい、五味氏の本を他に何か読みたくなりました。
 たくさんあるので、選びようがありませんでしたが、百人一首を描いたという変わり種がありましたので、これを選びました。
Gomihyakunin01

 中身は以下の3点セットです。
Gomihyakunin02

 本当は中身を載せてはいけないのでしょうが、それでは紹介になりませんので、最低限を。
 まず、絵巻の冒頭です。
Gomihyakunin03
 折り本状になっていて、絵は表から裏に続くという壮大なものです。
 まさに絵巻物といいますか、絵折り本です。
 こんな感じで百首が載っていますが、歌と絵とは直接は関係ありません。

 解説本は、見開きページに1首ずつ載っています。
 右ページは歌の本文と口語訳、注。
 左ページには五味氏の独自のエッセイが載っています。
 たとえばこんな感じです。この文章には「優雅な無責任」というタイトルが付いています。
Gomihyakunin04

 そして、かるた。
Gomihyakunin05
 取り札には、絵札と一部が共通する絵が描いてあります。これも楽しいです。

2023年9月20日 (水)

イソップ寓話集

 先日「イソップかるた」を入手したことで、にわかにイソップに関心が向きました。
S06isoppu02

 影響されやすい人間です。

 たまたまネットオークションで講談社の絵本を見かけましたので、早速入手しました。
S12isoppu
 昭和12年の刊行です。
 この表紙の絵は分かります。

 次いで、岩波文庫。
Aesop
 こういうときは岩波文庫。
 1999年(平成11)の刊行です。
 全部で471篇を収録しているとのことです。
 嗜好の大変に偏っている私は、恥ずかしながら岩波の赤帯は数えるほどしか持っていません。
 今さらながらですが、もっと幅を広げねば。

 イソップ、なかなかおもしろいです。

2023年6月25日 (日)

8月5日に昭和女子大学でヤマトタケルのシンポジウム

 少し先ですが、8月5日(土)に昭和女子大学で「ヤマトタケル 敗者の形象」と題するシンポジウムが開催されます。
Yamatotakeru01
Yamatotakeru02

 報告と総括は次の方々です。
Yamatotakeru03

 申し込みは以下から。
Yamatotakeru04

 上に載せたチラシのPDFは以下をご覧ください。
http://kitagawa.la.coocan.jp/yamatotakeru.pdf

2023年5月31日 (水)

創作童話「うさぎとかえる」

 好評の(?)創作童話の第5弾です。

 うさぎの学校ではいろいろなことを学びます。
Kakurezato05
 中でも、「いなばのしろうさぎ」と「うさぎとかめ」は、学習指導要領が変わっても、変わらずに教えられています。
 「いなばのしろうさぎ」からは、人をだましてはいけないということを、「うさぎとかめ」からは、どんな状況でも油断してはいけないということを学びます。
 あとは、うさぎの生き肝を食べても何の効能もないということも学びます。デマと戦うためです。

 「うさぎとかめ」の話を学んだぴょん太は、うさぎがかめに負けたことが残念で堪りません。大昔のことなのに、この話は多くの人に知られています。何とかして名誉回復したいと思いました。
 でも、今さらかめと再戦しても仕方ありません。足の速さは比べものになりませんので、勝って当たり前です。
 そこで、仲良しのかえるのけろきちくんと競走しようと思いました。
Usakae01
 「ねえねえ、けろきちくん、ぼくとかけっこしない?」
 「いいね。でも、うさぎとかえるとでは勝負にならないよ。そこで、こういうのはどうだい。今年のNHK大河にちなんで、浜松から豊橋まで競走しない? 途中に浜名湖があるから、ぼくは泳ぎ、きみは浜名湖の北の岸を走る。それでハンディになるんじゃないかな」
Usakae08
 「けろきちくん、相変わらず日本地理に詳しいねぇ。これは、ほら、あの、……」
 「たにぐくのさ渡る極み」(^_^)
 「あ、それそれ。じゃ、1週間後に」

 その夜、ぴょん太くんは夢を見ました。
 夢に、黒、白、灰色のうさぎが現れました。
Usakae02
 黒うさぎがこう言いました。
 「この勝負は絶対に勝たないとね。どんな手を使っても。どうだい、知り合いのワニくんに頼んで、背中に乗せて貰うとか、空飛ぶぐんまちゃんに頼んで空を飛ぶか、舞ちゃんに頼んで空飛ぶクルマに乗せて貰うとか」
Usakae03
Usakae04
Usakae05
 すると、白うさぎがこう言いました。
 「そんなのダメだよ。卑怯な手を使って勝っても意味ないよ。正々堂々と戦わないと」
 「何を言ってるんだい。かめに負けた雪辱戦なんだから、絶対に勝たなくちゃ。バレなきゃいいんだよ」
 「誰も見ていなくたって、お天道様は知っているし、自分だって知っている。ズルして勝ったら、一生後悔するよ」
 「灰色うさぎはどう思う?」
 「それぞれに正しい」

 夢から覚めたぴょん太くんは、正々堂々と競走することにしました。友達のけろきちくんをだます様なことはしたくなかったのです。

 当日、ぴょん太くんは全力で走りました。湖を回り切ったあたりで疲れ果てました。
 ちょっと休憩しようと横になったら、あっという間にそのまま寝てしまいました。
Usakae06
 どれくらい寝たでしょうか。はっと目が覚めると、日は西に傾いています。
 「しまった!」
 大急ぎで立ち上がると、全力で走り出しましたが、けろきちくんは既にゴールしていました。
 何のことはない、「うさぎとかめ」の再現です。
 ぴょん太くんは家に帰ると、泣きながら寝てしまいました。
 その夢にまた3羽のうさぎが現れました。
Usakae02
 黒うさぎは、「だから言っただろ。言われたとおりにすれば良かったんだ」と言いました。
 白うさぎは、「ズルをしなかったのは偉いけど、寝ちゃったんじゃ何にもならないよ」と言いました。
 灰色うさぎは、「正々堂々と戦って、立派だったよ。途中で寝てしまったのは、全力で走って疲れたせいだよね。油断したわけじゃないんだから、仕方ないよ。けろきちくんともずっと仲良しでいられるし、良かったんじゃない?」

 一方、けろきちくんは、ぴょん太くんとは別の道を通ったために、ぴょん太くんが途中で寝てしまったことは知りませんでした。
 もし、同じ道を通っていたら、道で寝ているぴょん太くんに気づいたことでしょう。
 そうしたら、けろきちくんの頭の中にも黒いかえると白いかえるが出てきて、
 「お! チャンスチャンス。ぴょん太くんを起こさないように、そうっと脇を通ろう」
 「ダメだよ。起こしてあげないと」
などと、言い争いをしたことでしょう。別の道を通って幸いなことでした。

2023年5月29日 (月)

『トビウオが飛ぶとき』

 前期のNHKの朝ドラ「舞いあがれ!」を毎日楽しみに見ていました。
 あのドラマで、主人公舞ちゃんと結婚した貴司くんは歌人という設定でした。
 貴司くんの作った短歌や、貴司くんを師と仰ぐ秋月史子さんの短歌も登場するなど、短歌はドラマの中でも大きな位置を占めました。
 さらに、この番組を見ていた歌人の俵万智さんがドラマの短歌に反応して応える歌を作るなど、大きな話題になりました。
 貴司くんや秋月さんの歌は、脚本家の桑原亮子さんの作です。
 桑原さんは歌人でもあるそうで、ドラマのそれぞれの登場人物に合わせて短歌を作り分けているわけで、俵さんは桑原さんのことを、源氏物語の作者である紫式部になぞらえたりもしていました。

 本日、桑原亮子さんの著書『トビウオが飛ぶとき』がKADOKAWAから刊行されました。
 作中に登場した歌や登場しなかった歌も含めた歌集です。解説は俵万智さん。
 で、買ってしまいました。(^_^)
Tobiuoga01

 内容紹介。
Tobiuoga02
 上で縷々述べたことが簡明に述べられています。(^_^;

 桑原さんのコメント。
Tobiuoga03

 貴司くんの歌。
Tobiuoga04
 このうち2首目は、万葉集の狭野弟上娘子の本歌取りとされていましたが、あまり納得できません。(^_^;

 秋月史子さんと、編集者のリュー北條さんの歌。
Tobiuoga05
 リュー北條も短歌を作っていたとは知りませんでした。
 この本の中で、リュー北條の本名は北條龍之介だと知りました。

 目次のあとに、「短歌にしたら 一瞬が永遠になるんやんな?」という舞ちゃんのセリフが引用されていました。
 そうですね。短歌の本質をよく捉えていると思います。

2023年5月25日 (木)

雀の学校の端布(2)

 昨日、「雀の学校の端布」という記事を載せました。
 その端布には雀の絵が3つ載っていて、それぞれに歌詞が書いてありました。
Suzumeno03
Suzumeno02
Suzumeno04

 歌詞は以下の通りです。
 「あさは はよから すずめの がつこう」
 「おうちの おやねから (ぴ)いちく (とん)でくる」
 「こえをからして おうたを うたう」
 絵に隠れている文字は、推定した文字を( )を付けて示しました。

 誰の歌かはググればすぐに分かると思ったのですが、見つかりません。
 そこで、ChatGPTに聞いてみました。
 そうしたら、金子みすゞの作だとのことです。
 確認すべく、金子みすゞの童謡全集を買ってしまいました。
 昨日、某アマゾンに注文して、今日の夕方届きました。
Kanekomisuzu
 こういう本の買い方をしているので、本が止めどもなく増えます。
 で、512編、全部見ましたが、載っていませんでした。
 金子みすゞの作ではなかったようです。
 どうも、ChatGPTは信用しきれません。
 ま、あとからよく見たら、端布の歌詞は現代仮名遣いですね。
 気付くのが遅かったです。
 折角買った本ですので、今度じっくり読むことにします。

 この本は、置き配で届きました。
 片手で掴んだところ、親指と人差し指の付け根の部分に濡れた感じがしました。
 見ると、ナメクジでした。吹いたら飛んで行きました。
 ちょうど手に触れる場所で良かったです。
 そうでないと、気づかないまま、ナメクジを家の中に持ち込んでしまうところでした。
 油断のならない世の中です。

より以前の記事一覧

2024年4月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
無料ブログはココログ

ウェブページ