民俗・宗教

2022年2月12日 (土)

大正12年の『大正新脩大蔵経』会則

 珍しそうな紙モノの収集癖が止まりません。
 今度はこのようなものを入手しました。
T12taishozocat01
 『大正新脩大蔵経』の会則及び内容見本で、全40ページの冊子です。

 冒頭に、仏教連合会の「決議」があり、この出版事業に対し、仏教各宗派はその成功を希望し賛同の意を表しています。
 続いて、3ページに亙って高楠順次郎と渡邊海旭の「刊行趣旨」があります。

 それから、「編纂要旨」。
T12taishozocat02
 「編纂要旨」という4文字が「卍」で囲われているのがおシャレです。
 冒頭部のみ示しますが、ここに見えている「編纂の内容」以下、「編纂の組織」「原典の対校」「厳密なる加点」「校訂の順序」「閲覧の便益」「捜索の利便」「内外の協賛」「本書の出版」「頒布の至廉」と続きます。

 そして、「編輯顧問」。
T12taishozocat03
 これも冒頭部のみ示しますが、各宗派のトップと思われる大僧正、上人、管長、長老などが並びます。総勢103名。続いて、「外護顧問」として、各国大使や大学教授など、外国人が28名。
 『大正新脩大蔵経』というと、国語国文学の研究者にとっては、仏典を手軽に閲覧することのできる研究資料という位置づけになりますけれども、本来は仏教界のための叢書なのですね。遅まきながら、そんなことに気づきました。

 次に「編纂評議員」。
T12taishozocat04
 これまた冒頭部のみ示します。こちらには大学教授などの文化人や、仏教関係者などが403名。
 私が名前を知っている人を挙げると、以下のような方々です。
  東京帝国大学教授・工学博士 伊東忠太
  東北帝国大学教授・文学博士 宇井伯寿
  東京帝国大学教授・文学博士 上田萬年
  東京帝国大学教授・文学博士 宇野哲人
  東洋大学教授        河口慧海
  東京帝国大学教授・文学博士 黒板勝美
  文学博士          幸田露伴
  貴族院議員・国民新聞社長  徳冨猪一郎
  東京帝国大学教授・文学博士 内藤虎次郎
  京都帝国大学教授・文学博士 西田幾太郎
  國學院大学長・文学博士   芳賀矢一
  文学博士          萩野由之
  東京帝国大学教授・文学博士 三上参次
  帝国博物館長        三宅米吉
  史料編纂官・文学博士    和田英松
 私にとっては、多くは「お名前は見たことがある」というレベルですが、超大物揃いであることは分かります。
 大事業です。

 裏ページの裏には予約規定が載っています。
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 全55巻を毎月1冊ずつ、55ヶ月にわたって刊行する計画です。

 このうち、中段の費用の部分を拡大します。
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 左側の一覧表を見ると、洋装特製本の場合、毎月払いだと月々12円ずつで総額は、12円×55ヶ月=660円になります。
 2回分割ならば、315.5円×2回=631円。全額一括払いならば594円。
 この他に送料も会員負担なのですね。
 大正12年当時の600円というと今のいくら位に当たるのでしょうね。それを知る資料もありましょうが、まあ。

 こうした計画ですが、この本を計画通りにきっちり刊行できるものやら。
 しかも、大正12年には関東大震災がありましたし。
 このあたりのことについても、知る資料はありそうですが、まあ。

 まったくツメの甘い人間です。(^_^)

2022年2月 2日 (水)

『ならら』最新号の特集は修二会の神名帳

 先日、『ならら』の2022年2月号が届きました。
 特集は、東大寺二月堂修二会の神名帳です。
Narara202202a
 「神名帳」というと、延喜式神名帳しか知りませんでした。
 修二会の神名帳もあったとは。
 と、恥ずかしげもなく無知をさらしています。見栄は張らない。(^_^;

 本文によれば、東大寺二月堂修二会の神名帳は「二月堂神名帳」と称され、修二会の際に、鎮守神や日本全国の天神地祇、陰陽神、御霊を含めて、449項522柱の神々が読み上げられるとのことです。
Narara202202b
 上は、二月堂神名帳の冒頭部です。
 ここから初めて、あまねく全国の神を勧請するための神名帳ということだそうです。

 長く生きていても、知らないことだらけ。
 『ならら』、良いです。

2021年8月13日 (金)

阿弥陀経かるた

 このようなものを入手しました。
Amidacard01

 これで阿弥陀経を学び、極楽往生を遂げようというわけではなく、まだまだ達者でいたいと思っています。
 いや、どんな内容なのかなと気になりまして。

 絵札と読み札はこんな感じです。
Amidacard02

 もう1組。
Amidacard03
 文殊菩薩は私の守り本尊だそうで、知恵第一というのが気に入っています。

 解説の冊子が付いています。
Amidacard04

 たとえば「い」はこんな感じです。
Amidacard05

 全てこのような内容で、勉強になります。

 奥付です。
Amidacard06

 極楽往生はまだまだ先でも、この解説を読んで、阿弥陀経を学んでみようという気になりました。

2021年7月30日 (金)

『ならら』最新号は盆踊り特集

 毎月定期購読している『ならら』最新号が届きました。
Narara202108
 特集は、「災厄を祓う「風流」」です。

 分かりにくいタイトルですが、「お盆発祥の地・奈良」に、今なお受け継がれる「風流(ふりゅう)踊」という意味で、「風流踊」は2022年にユネスコの無形文化遺産への登録を目指しているそうで、そういう点でタイムリーな話題です。
 また、災厄を祓うという意味では、新型コロナ禍の少しでも早い収束を願います。
 この特集は18ページにわたります。

 「お盆発祥の地・奈良」という表現に、最初は「はて?」と思いましたが、お盆が仏教行事であることを考えれば、大和国が発祥の地というのは、確かにそうだと思います。
 史料的には、推古天皇14年4月8日条に、「是年より初めて寺毎に、四月の八日・七月の十五日に設斎(をがみ)す。」とある、4月8日が灌仏会、7月15日が盂蘭盆会の初めとされるようです。

2021年7月27日 (火)

合掌動物、ねこ尽くし

 何度かご紹介している合掌動物、いつもはいろいろな動物がセットになっていて、それはそれで素敵ですが、今回はねこだけのチームです。

 正面から。
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 種類は、向かって左から、ノルウェージャンフォレストキャット、エキゾチックショートヘア、三毛猫、スコティッシュフォールド、ロシアンブルーです。
 長い名前は憶えられない。(^_^;
 黒ねこがいないのは残念です。

 うしろから。
Gassho17

 側面から。
Gassho18

 今回もまた、全員真摯に祈っています。

2021年7月11日 (日)

卒塔婆を持ってクリニックへ

 先日の水曜日に、菩提寺にお塔婆を頂きに行って、ねこの写真を撮ったことを書きました。
 実は、その後、かかりつけのクリニックに行きました。卒塔婆を持って。
 卒塔婆は、以前上野で買ったこういう袋に入れました。
Myokenjineko01
 
 荷物になるとは思いましたが、一旦家に寄って出直すよりは早くて楽なので、そうしました。

 クリニックの先生も看護師さんも、中身がなんだか分かりませんでした。
 先生は最初は弓かと思われたようですが、弓にしては短いし。
 刀や木刀にしては反りがないし、竹刀にしては豪華だし、ゴルフのクラブにしては柄がミスマッチだし。
 普通分からないと思います。

 この袋を買う前は、仕方ないので、むき出しのままでした。
 卒塔婆をむき出しのまま運んでいる人を見たことがありません。

 後から思うに、卒塔婆を持って医院に行くって、縁起でもないかもしれませんね。
 お医者さんや看護師さんは科学者なので、気にしないかもしれませんが、待合室に高齢者がいたら、イヤだったかもしれません。
 むき出しのままでなくて幸いでした。

 ということに、今日になって気づいた次第です。(^_^)

2021年7月 7日 (水)

お寺のねこ(5)

 菩提寺では、毎年、お盆と春秋のお彼岸には本堂に集まって、法話と法要が行われてきましたが、コロナ禍の影響で、去年からはお寺に集まることは中止されています。

 そういう次第で、今日は、お盆のお塔婆だけ頂きに行ってきました。
 お寺に伺うに当たっては、事前にご都合を伺わねばと思って、昨日メールを差し上げたのですが、大失敗をしていました。
 今日か明日にお邪魔するつもりで差し上げたメールに、

 >お塔婆を頂きに上がる日程について、すぐの日で申し訳ないのですが、28日(水)か29日(木)の夕方はご都合いかがでしょうか。

と、書いてしまいました。今週の水木のつもりで「すぐの日で申し訳ないのですが」と書きながら、具体的な日程が「28日(水)か29日(木)」ですねぇ。3週間も先。(^_^;

 多分、ワクチンの第2回目接種の予約が7月28日でしたので、その日程が頭にこびりついてしまっていたのだと思います。
 ボケています。不安。

 幸いにご住職はご在宅でしたが、びっくりさせてしまいました。
 申し訳ないことです。

 お玄関脇に新しい座布団がありました。南部煎餅を模したものです。
Myokenjineko23
 薄っぺらいのは、「煎餅布団」を意味しているようです。洒落ています。
 お寺のねこがこの座布団を気に入ったようで、よく座っているそうです。

 ちょうど時分時でしたので、ご住職がねこのゴハンを用意すると、いつものねこが早速やってきて食べ始めました。
Myokenjineko24

 このねこ、前回は私を用心して、なかなか近づかなかったのですが、今日はすぐにやってきました。
 お腹が空いていたのでしょう。

 なかなかの美ねこさんです。
Myokenjineko25

 もう1匹、鼻の脇に黒い模様のあるのがいるのですが、今日は現れませんでした。

 先ほどのねこのためにご住職の用意したゴハンは、カリカリと魚(2種かなぁ)の盛り合わせという豪華版でした。

2021年6月30日 (水)

大祓の日に御霊神社

 今日で6月もおしまい。
 1年の半分が過ぎてしまったとは。とは。

 六月の大祓ですね。疫病退散を願います。

 この日に相応しく(?)、ツイッターに鈴木喬さんが秋篠の八所御霊神社の写真をアップされていました。
https://twitter.com/farunifa/status/1410116590998212608
 この神社のことは知りませんでした。
 地図を見ると、秋篠寺のすぐ近くです。秋篠寺にも1回しか行ったことがなく。

 祭神は、
  火雷大神
  崇道天皇(早良親王)
  伊予親王
  藤原夫人
  橘逸勢
  文屋宮田麻呂
  藤原広嗣
  吉備大臣
といった面々です。

 祟りそうです。
 あ、祟らないように祀っている神社なのでしょうね。

 似たような面々を祀っている神社があったのを思い出しました。
 元興寺の近くの御霊神社です。
Goryo01

 こちらの祭神は、
  井上皇后
  他戸皇太子
  事代主神(えびす)
  早良親王
  藤原大夫人
  藤原広嗣
  伊予親王
  橘逸勢
  文屋宮田麻呂
という面々です。
Goryo02
 こちらも怖そう。

 両神社に共通するのは、
  崇道天皇(早良親王)
  藤原夫人
  藤原広嗣
  伊予親王
  橘逸勢
  文屋宮田麻呂
の6神です。

 八所御霊神社にのみ祀られているのは、火雷大神と吉備大臣。
 御霊神社にのみ祀られているのは、井上皇后、他戸皇太子、事代主神(えびす)。

 かなり共通しますが、出入りもあります。

 「御霊神社」という名前の神社はあちこちにあるようで、滋賀県の大津には大友皇子を祀る御霊神社がある様です。

 祟りは怖い。

 ということで、全くまとまりませんが、大祓の日に相応しい(?)話題になりました。

2021年6月13日 (日)

合掌動物フィギュア(4)

 菩提寺で初めて見た合掌動物ですが、自分でも集めるようになって、今回は第4弾です。
Gassho11
 向かって左から、タヌキ、ニワトリ、サル、リス、ハムスターです。

 側面から。
Gassho12
 今回も、みな一心に祈って合掌しています。

 今回、最もダイナミックな造型と感じたのはニワトリです。
Gassho13
 翼と尾羽が存在感を主張しています。

 ただ、問題はバランス。
 足はこんなです。
Gassho14
 この足の裏の面積では体を支えられません。(^_^;
 何度か試みたのですが、倒れてしまいます。

 それで、撮影の時は、タヌキに寄り添ってもらい、サルに足を踏んでもらいました。(^_^)
Gassho15

 これでめでたく撮影できました。♪

2021年4月19日 (月)

鎮花祭の祝詞&「うづなふ」

 恥ずかしながら、今まで鎮花祭のことは何も知りませんでしたので、昨日の大神神社の鎮花祭のニュースで、大いに関心を持ちました。
 鎮花祭でも当然祝詞が奏上されたことでしょうが、延喜式には鎮花祭の祝詞は載っていません。
 ググってみたら、国会図書館のデジタルコレクションに『祭之墨縄』(三宅古城編)という書籍があり、そこに鎮花祭の祝詞が載っていました。明治19年のものです。もっと探せば、もっと古いものが見つかるかもしれません。
 勝手に貼って良いかどうか分かりませんが、貼ってしまいます。
Hanashizume

 実際にはページをまたがっているのですが、切り貼りしました。

 漢字かな交じりにするとこのようになります。
-----------------------------------------------------------------------------------------------
 此(これ)の某郷村の某社と称辞(たたへごと)竟(をへ)奉る、挂将(かけまく)も惶(かしこ)き、我大神の大前に官姓名謹み敬ひ惶み惶みも頸根(うなね)衝抜(つきぬき)て申さく。
 梓弓春の季(すえ)つ方、桜の花の散ばふ時に、疫神も比(たぐ)ひ散て、世間に疫病の流行(はやる)と云ふ事も、其を鎮め遏(とどむ)る御祭の事も、大宝の御令に載られたれば、当時(そのかみ)既に天の朝(みかど)にして、其御祭を、厳かに奉仕(つかへまつり)給ひけむ事は、云むも勿論(さら)在(なる)事になも、故是を以て、惶けれども其御式(みのり)に奉慣(ならひまつり)て、何時は雖有(あれど)、桜の花の散に比(たぐ)ひて、疫病さへ散ばふと云ふ時を時と為て、大前に、大御饌大造り修め繕ひ奉りしが故に、元の如くに還し奉り、鎮め奉る事を御心和やかに聞(きこ)し食(め)し諾(うづ)なひ給へと、恐み恐みも白す。-----------------------------------------------------------------------------------------------

 ここには、漠然と春の花という表現ではなく、はっきりと「桜の花」とあります。桜の花が散るときに、それに連れだって疫病が流行るので、それを鎮め留めると言っています。
 これはどういう発想なのでしょうかね。
 桜の花を良いもの、霊力のあるものと考え、それが散ってしまうと悪いことが起きる、疫病も流行る、ということでしょうか。
 冷暖房が脆弱だった古代においては、湿度の高い梅雨時や、高温・低温の真夏や真冬に病気になる人が多かったと思いますが。

 言葉の上では、終わり近くに「うづなひ」とあるのに興味を惹かれました。
 「諾」は普通「うべなふ」と読む文字ですが、「うづなひ」と読んでいます。

 日国で「うずなう」にはこうあります。
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うずな・う[うづなふ]〔他ハ四〕
 良しとする。良しとして大切に思う。うずのう。
 *続日本紀‐和銅元年〔708〕正月一一日・宣命「此の物は天(あめ)に坐(ま)す神、地(くに)に坐す祇(かみ)の相于豆奈比(ウヅナヒ)奉り福(さき)はへ奉る事に依りて」
 *万葉集〔8C後〕一八・四〇九四「天地(あめつち)の 神あひ宇豆奈比(ウヅナヒ) 皇御祖(すめろき)の 御霊(みたま)たすけて〈大伴家持〉」
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 続日本紀宣命の例は秩父から銅が見つかった折の宣命で、万葉集の例は陸奥国から黄金が出たのを受けての家持の歌です。

 宣命には全部で5例あり、すべて「あひうづなひまつる」という形で、定型化しています。
 万葉集には「うづなふ」の例は家持のこの1例のみです。

 祝詞には「うづのふ」という語形で大嘗祭の祝詞に用いられています。
 どうやら「うづなふ」「うづのふ」は祝詞・宣命に特有の用語のようです。

 『祭之墨縄』は明治19年のものですが、そこに載っている鎮花祭の祝詞は、それなりに古いものではないかと思います。

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