古事記

2020年8月10日 (月)

『古事記 修訂版』と『萬葉集』を発掘

 2週間ほど前に「『古事記 修訂版』を発掘」という記事を書きました。
Kojiki_kenpon
 おうふうの廃業によって、このテキストを入手できなくなって困っていたところ、個人研究室を撤収したときに持ってきた段ボール箱の中から献本を発見したという内容です。

 段ボール箱、その後もほそぼそと開梱しています。
 この度、新たに開けた箱からまた新たな発掘成果がありました。
Kojiki_kenpon02

 『古事記 新訂版』は版違いなので授業では使えませんが、新装幀の修訂版は、中身は一緒です。
 『萬葉集』も4冊見つかりましたが、他の箱にまだありそうです。
 3冊は「おうふう」ですが、もう1冊は「桜楓社」とあり、年代物です。

 もう1つ、大学基準協会の『大学評価マニュアル』が出てきました。
 あまり見たくありません。(^_^;

2020年7月30日 (木)

『ならら』8月号は「まきむく」「あなし」「みわ」

 毎号定期購読している『ならら』8月号が今日届きました。
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 特集は「古代の地名を考える「まきむく」「あなし」「みわ」」です。
 以前の号と同様、「特集」といっても、これらの地名に関する論考が複数本並んでいるわけではなく、論考は9ページのものが1本のみです。
 内容は、「まきむく」については、桜井市纏向学研究センターの研究紀要『纏向学研究』第8号(今年の3月発行)に掲載された森暢郎氏の「「マキムク」地名小考」の紹介、「みわ」については、同じく『纏向学研究』第3号(2015年3月発行)に掲載された前田晴人氏の「三諸の神について」の紹介が中心です。

 『纏向学研究』は、桜井市の纏向学研究センターのHPhttps://www.city.sakurai.lg.jp/sosiki/kyouikuiinkaijimukyoku/makimuku/index.html)で読むことができますが、今のところ掲載されているのは去年発行の第7号までで、残念ながら第8号はまだです。

 「まきむく」についての森氏の論文は、古代から近世に至るまでの諸文献から「まきむく」の用例を468例集め、それを整理されたものだそうです。
 垂仁天皇の「まきむくのたまきの宮」、景行天皇の「まきむくのひしろの宮」の「まきむく」は、記紀ともに「纏向」であるのに対して、古語拾遺では垂仁天皇の方は「巻向」で、景行天皇の方は「纏向」で、この古語拾遺における表記のあり方は、後世の神皇正統記や帝王編年記など多くの文献で同様だそうです。そこで森氏は、「個々の書籍が『日本書紀』自体を読み込み改変したというより、それらの書籍が引用-被引用関係にある蓋然性が高いことを示している」とされているそうです。

 「みもろ」についての前田氏の論文は、三諸山と三輪山ははっきりと区別して論じるべきだとされ、「三輪山」という山名は7世紀中葉頃に登場し、それ以前は「三諸山」と呼ばれていたのではないかと推測されている、としています。前田氏の論文は纏向学研究センターのHPからPDFをダウンロードすることができます。

 今号の目次を切り貼りして示します。
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 字が小さくてすみません。

 新連載も始まり、充実した内容です。

2020年7月27日 (月)

『古事記 修訂版』を発掘

 大学での古事記の授業は、毎年、西宮先生の『古事記』を使ってきました。
 その際、版元から、教師用といいますか、1冊献本を頂いていました。
 でも、毎年新しいのをおろす必要はないので、頂いた献本の多くはそのままになっていました。

 定年退職の折に、研究室から大量の私物を段ボール箱に入れて家に送りましたが、大部分の箱はそのまま玄関先に積み上がった状態です。
 3年も経つのに。(^_^; お恥ずかしいことです。
 この度、心を入れ替えて、それを順次片づけることにしました。

 2箱目の段ボールを開けたら、その『古事記 修訂版』が6冊出てきました。ラッキーです。
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 といいますのは、この本、後期の演習で使う予定にしていたのですが、おうふうの廃業によって、新本ではもう入手できなくなってしまいました。
 3年生以上は問題ないのですが、2年生は演習も講義講読も初めてですので、この本は誰も持っていないはずです。
 私の演習を取る2年生は少数と思いますので、この献本が見つかれば対応可能です。それが箱を開けることにしたきっかけの1つです。
 2箱目で見つかったのは本当にラッキーでした。
 ただ、保存状態にはややばらつきがあります。4冊はOKですが、2冊にはやや劣化が見られます。何とか4人で収まると幸いです。
 他の段ボール箱にも入っている可能性がありますので、開梱を急ぎます。

 様々な意味で、本当に、おうふうの廃業は痛いです。

2020年4月 6日 (月)

『日本お伽噺集』と稲羽の素兎

 ネットオークションで買いました。
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 扉。
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 著者は巌谷小波、装幀は恩地孝四郎です。

 奥付。
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 発行所はアルス、「日本児童文庫」というシリーズの中の1冊です。

 目次。2ページにわたるのを上下に切り貼りしました。
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 以上の通り、全部で19話が収められています。
 有名な話が多いですね。

 上段の後ろから4行目にある「玉の井」というのは、海幸山幸です。
 山幸が海宮に到着した時のエピソードがタイトルになっているのでしょう。
 次のような挿絵があります。
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 挿絵は、泉鏡花の著書の装幀などで知られる小村雪岱です。
 「玉の井」という作品名は、海幸山幸を題材にした観世信光作の「玉の井」という謡曲がありますので、そこから取ったものと思います。

 目次下段の後ろから5行目にある「兎と鰐」は稲羽の素兎です。
 古事記の稲羽の素兎は、八十神が兎と出会う→大国主が兎と出会う→兎がいきさつを語る→大国主が兎を救う
という順序で話が展開します。
 このお伽噺集では兎が隠岐の島にいて鰐をだますところから話が始まり、以下、時系列の順序で話が進みます。
 その点が大きな相違点です。
 鰐は鰐です。
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 かなり波がありそうですね。このように波立っているところに鰐が浮いているというのはやはり違和感があります。

 大国主と兎との場面の一部。
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 続き。
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 大国主の問いかけに対して、兎の言葉は、「へいへい」で始まっています。現代から見ると違和感があります。昭和2年というと、今から93年前になりますか。
 兎のセリフに「~まして、」の多用が目立ちます。「だます」が「だまかす」ですね。
 この場面ではまだ大国主という名は出てきていません。「神様」と呼ばれています。「大国主」の名が出るのは兎が治った後です。
 兎の治療に何を使ったのかについては、蒲の穂綿ではなくて、蒲の花となっています。

 なかなかおもしろい本です。やはり同時代資料は楽しいです。

 あ、どの話もみな「めでたしめでたし」で終わっています。
 気の重い今日この頃、話がめでたく終わるのは良いです。

2020年3月18日 (水)

塩盈珠・塩乾珠は緑と赤?

 このようなものを入手しました。
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 大正11年に創刊された『少年少女美談』という雑誌(これは全く知りませんでした)の大正15年新年号の付録です。
 「大傑作双六」という、意味不明な名前が付いています。
 この双六についてはまた改めて扱うかもしれません。

 右上隅にこのような絵があります。
T15kessaku02
 海神の宮から葦原中国に帰って行く山幸ですね。
 鰐の背中にまたがって、手に2つの玉を持っています。緑の玉と赤い玉。
 私、塩盈珠・塩乾珠は、2つとも無色透明な球体をイメージしていました。水晶玉のような感じです。
 この絵では色が付いていますね。新鮮な気がしました。
 確かに、同じ玉だとどちらがどちらだか区別がつきません。(^_^)

 稲羽の素兎は、絵本があったり、教科書に取り上げられていたりするそうですけど、海幸山幸はどうなのでしょう。
 もしもそういうものがあるとすると、そこでは2つの玉はどう描かれているのでしょうね。

 また、山幸がまたがっているのは鰐ですけれども、これはどう描かれていましょうかね。
 稲羽の素兎の場合は、近年は鮫の姿で描かれることが多いようですけど。

 あれこれ興味深いです。

2020年1月30日 (木)

「日本昔絵すごろく」

 こういうものを入手しました。
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 「日本昔絵すごろく」。いつのものか分かりません。
 文字が左横書きですし、絵柄から見ても、間違いなく戦後のものでしょう。いつごろのものでしょうね。
 編集は神社本庁、絵はひらさわていじん氏です。

 項目(というのか?)は次の通りです。

  1.天のうきはし
  2.いなばのしろうさぎ
  3.やまたのおろち
  4.くにびき
  5.すくなひこなのみこと
  6.くさなぎのつるぎ
  7.ちいさこべのすがる
  8.きんのとび
  上り.あめのいわと

 記紀神代巻の神話が多いですけど、神武紀の「きんのとび」や、雄略紀の「ちいさこべのすがる」、出雲国風土記の「くにびき」もあります。「くにびき」のみならず「すくなひこなのみこと」も採られているあたり、出雲への配慮が見られましょうか。

 天孫降臨がないのは、戦後の時代背景を意識して、あえて外したのでしょうかね。

 1.天のうきはし。
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 天浮橋は虹とみているのですね。

 2.いなばのしろうさぎ
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 うさぎは白兎として描かれています。また蒲は花粉ではなくて穂綿を念頭に置いてのものでしょう。

 3.やまたのおろち
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 頭も尾も1つのように見えますけど、場所が狭いので省略したのでしょうか。姿は蛇というより龍ですね。

 7.ちいさこべのすがる
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 右下にねこがいますね。かわいいです。絵師はねこ好きなのでしょうかね。(^_^)
 ……と考えましたが、ひょっとすると、このねこは、蚕を食べるねずみ除けなのかもしれません。←深読みが過ぎるかも。(^_^;

 ほのぼのとしたすごろくと思います。

2020年1月28日 (火)

勾玉のお守り

 今日は、元勤務先である非常勤先の授業の日でした。3限と4限。
 大雪が心配されましたが、雨に変わり、1限から通常通りの授業でした。
 火曜日は今日が今学期最後の授業になります。

 4限の上代文学演習には、上代で卒論を書いた4年生4人が聴講生として出席しています。
 その4人が出雲に卒業旅行に行ってきたということで、このようなおみやげを買ってきてくれました。
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 お守り袋には、勾玉の絵や雲の絵が描いてありますね。雲は「八雲立つ出雲」の雲なのでしょう。

 お守り袋の中には勾玉が2つ入っていました。パワーストーンですね。
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 緑の勾玉は青瑪瑙で健康、青の勾玉はソーダライトで学業だそうです。

 希望によって勾玉の種類を選べるそうです。健康と学業というのは、本当に良いものを選んでくれました。ありがたいことです。
 健康に留意して、学業成就に励む所存です。

2019年10月27日 (日)

國學院大學で国際シンポジウム

 昨日は、このようなシンポジウムを聴きに、渋谷の國學院大學に行ってきました。
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 このうちの左側、第2回目です。

国際シンポジウム「神話・伝承の教材化と実践―『子ども古事記』がひらく世界―」
【日時】令和元年10月26日(土)13時~17時30分
【場所】國學院大學 渋谷キャンパス 学術メディアセンター1階 常磐松ホール

 小学校の国語科の学習指導要領で、1年生・2年生に昔話や神話・伝承などのわが国の伝統的な言語文化に親しむことが定められているのを受けてのシンポジウムです。

 松本久史先生(國學院大學/神道学)の総合司会のもと、会が始まりました。

 学長挨拶の後、4人のパネリストによる報告がありました。

■吉永安里氏(國學院大學/国語科教育法・保育内容指導法(言葉))
 「国語科教育と神話・伝承」

■原田留美氏(東京都市大学/上代文学・児童文学)
 「教育・保育の素材のための古事記神話の再話について考える」

■シャロンドン・エミリア氏(元関西学院大学/比較文化論)
 「日本神話を伝える方法と対象を考えて」

■岩瀬由佳氏(國學院大學/説話文学)
 「現代インドにおける説話の伝承:子どもパンチャタントラの構成と内容」

 吉永先生は、小学校における実践報告、教材化にあたっての工夫や問題点、
 原田先生は、古事記の概説と、幼い子供たちが物語に親しむ意義、神話に親しむ意味、神話に親しむ上での難しさと、それに対する工夫、
 シャロンドン先生は、神話の特徴、神話を伝える方法について、
 岩瀬先生は、インドの古物語「パンチャタントラ」の子供向けリライト版から猿とワニの物語を取り上げてお話しくださいました。

 その後、成田信子先生(國學院大學/国語教育学)の司会のもと、4人のパネリストによる討議が行われました。

 充実した内容で興味深く、勉強になりました。

 それから、第2部として、小山茉美氏(声優・ナレーター)による「日本神話イザナミ語り」がありました。

 小山氏は著名な声優さんですが、古事記の専門家ではありませんので、果してどんな語りになるのかという不安がありましたが、語りが始まったら、ほんの数分で、それが大変に失礼な思いであったことが分かりました。

 すばらしかったです。

 台本もご自身で作られたそうです。古事記の内容に忠実に従いながら、適宜省略して、とてもわかりやすい内容になっていました。1時間かけて、天地開闢から国譲りまでを語られました。稲羽の素兎やスクナビコナのセリフはおなじみのアニメ声で語られ、楽しかったです。

 國學院大學の学生さんの雅楽サークルによる演奏もありました。

 とても充実した4時間半でした。行って良かったです。

 昨日の渋谷駅付近はハロウィーンの混乱が予想されましたので、帰りは渋谷駅ではなく、恵比寿駅に出ました。平穏に帰れました。(^_^)

2019年8月 5日 (月)

「日本誕生」の台本

 「日本誕生」という東宝映画があります。
 昭和34年の作品で、東宝の制作本数1000本の記念作品です。
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 メインストーリーは倭建命ですが、途中、天石屋戸と八俣大蛇の話が挿入されています。

 その台本を入手しました。
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 ただしこれ、横長ですし、裏表紙に「非売品」という記載もありますので、撮影に使われた台本そのものではないと思われます。
 横長では役者さんが手に持つのも不便でしょう。

 キャストのページの冒頭。
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 三船敏郎がスサノヲとヤマトタケルの二役です。スサノヲと小碓命の両方に名前が載っているのは当然として、日本武尊のところにも載せているのは余計と思います。(^_^;

 焼津の火難の部分。
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 この映画では、ヤマトタケルが焼き殺されそうになったとき、その傍らに弟橘姫がいたことになっています。古事記における「さねさし」の歌を思えば、この設定はアリかと思います。

2019年5月25日 (土)

九州女子大学・九州共立大学で上代文学会

 今日・明日は、2019年度の上代文学会の大会です。
 
 鹿児島本線の折尾駅で降りて会場校に向かって歩いて行くと、会場校の手前に地下歩道がありました。歩道には壁画が。
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 会場校の学生さん達の作品でした。
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 こういう地域貢献は良いことと思います。

 会場校の門。大変に良いお天気でした。
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 会場のある建物。
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 学会挨拶。代表理事の品田悦一先生。
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 会場校挨拶。教育機構副長の中島久代先生。
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 新元号「令和」がらみで、大宰府のことや、大学の校章が梅の花であることなどにも触れられました。

 工藤浩先生の講演。演題は「大嘗祭に関する二、三の問題」。
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 佐藤隆先生の講演。演題は「大伴家持とその意匠ー「白」への関心ー」。
Jodai2019l
 このあと懇親会が開かれ、第1日目は無事に終了しました。

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