古事記

2024年3月10日 (日)

瀬間正之氏『上代漢字文化の受容と変容』(花鳥社)

 3月1日に瀬間正之氏の『上代漢字文化の受容と変容』(花鳥社)が刊行されました。
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 帯にはこのようにあります。
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 文字を持たなかった古代日本人が、中国語を表記するための漢字を用いて、いかにして日本語を表記できるようにしていったのか、その過程を広い視野から多角的に論じています。

 目次は以下の通りです。

  凡例
  初出及び関連論文
  序に代えて

  第一篇 表記と神話-東アジアの文学世界-
   第一章 高句麗・百済・新羅・倭における漢字文化受容
   第二章 〈百済=倭〉漢字文化圏-音仮字表記を中心に-
   第三章 『古事記』の接続詞「尓」はどこから来たか
   第四章 上代日本敬語表記の諸相-「見」「賜」「奉仕」「仕奉」-
   第五章 文字言語から観た中央と地方-大宝令以前-
   第六章 漢字が変えた日本語-別訓流用・字注訓・字形訓の観点から-
   第七章 高句麗・百済建国神話の変容-古代日本への伝播を通して-
   第八章 歌謡の文字記載
   第九章 清明心の成立とスメラミコト-鏡と鏡銘を中心に-

  第二篇 文字表現と成立-達成された文字表現から成立論へ-
   第一章 万葉集巻十六題詞・左注の文字表現
   第二章 『論語』『千字文』の習書木簡から観た『古事記』中巻・下巻の区分
   第三章 藤原宇合の文藻-風土記への関与を中心に-
   第四章 菟道稚郎子は何故怒ったのか-応神二十八年高句麗上表文の「教」字の用法を中心に-
   第五章 欽明紀の編述
   第六章 続・欽明紀の編述
   第七章 『日本書紀』β群の編述順序-神武紀・景行紀の比較から-
   第八章 日本書紀形成論へ向けて

  後記
  総合索引/研究者・辞典類・研究機関索引

 章の下の節は省略しました。
 朝鮮半島における漢字使用も視野に収め、日本の文献も記紀、風土記、万葉集に及び、実に幅広く、圧倒される思いがします。
 じっくり拝読し、勉強いたします。

2024年3月 8日 (金)

ヤマトタケルシンポジウムの報告

 昨年の8月5日に、昭和女子大学で「ヤマトタケル 敗者の形象」と題するシンポジウムが開催され、私もオンラインで参加しました。
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 主催は昭和女子大学近代文化研究所です。なぜ近代文化研究所なのかはよく分かりません。

 本日、『昭和女子大学 近代文化研究所紀要』第19号が届きました。
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 ひょんなことからご縁ができて、この紀要は数年前からお送り頂いています。

 去年のヤマトタケルのシンポジウムについては、報告の形で4ページに亙って掲載されていました。
 最初のページにはプログラムとシンポジウムの趣旨が載っています。
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 このページのあと、パネリスト4氏の発表要旨が2ページ半ほどに載っています。
 おひとり半ページ強ほどです。こちらの掲載は控えますが、こういう形で記録が残って幸いです。

 参加人数は108名(オンライン58名、会場50名)だったそうです。

2024年1月28日 (日)

今日は古事記の誕生日

 古事記の序文末尾に次のようにあります。

  和銅五年正月廿八日 正五位上勲五等太朝臣安萬侶

 ということで、本日1月28日は古事記の誕生日です。
 日本書紀と古事記と、両方が作られ、両方とも今日に伝わっていることは、大変にありがたいことと思います。
 どちらか一方だけでは分からなかったことがたくさんあることでしょう。

 この画像は、真福寺本古事記のクリアファイルです。
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 以前、橿原考古学研究所附属博物館のミュージアムショップで購入しました。
 かっけーです。勿体なくて使えません。(^_^)

2023年12月 8日 (金)

『神典』を入手

 昭和11年に刊行された『神典』を入手しました。
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 これは箱です。

 大きさを示すために、またうちの劇団員さん達に参加してもらいました。
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 大きさ、よく分かりませんね。手で持ってみます。←初めからそうすれば良いのに。
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 手のひら大です。

 小口は三方金です。
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 この1冊の中に以下の通りの本文が収められています。
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 本当かなぁという気がしますが、本当のようです。
 用紙は比較的薄く、全部で2156ページもあります。
 本文は全て訓読文で、原文は付いていません。
 風土記は五風土記の他に逸文まで収めています。
 万葉集は必ずしも多くの歌を収めているわけではありませんが、94ページあります。

 奥付は以下の通りです。
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 この本は、以前、國學院の青木周平さんが持っていらしたのを見て、「便利そうだなぁ」と思ったのでした。
 このハンディな本に、記紀、風土記、古語拾遺、続日本紀宣命、新撰姓氏録の全文を収め、一部とはいえ律令と延喜式、万葉集を収めているのですから、もうもう。

2023年9月14日 (木)

『歴史人』最新号の特集は「古代史研究最前線」

 『歴史人』の2023年10月号の特集は「古代史研究最前線」です。
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 主な内容は表紙に記されているとおりです。
 富雄丸山古墳から出土した蛇行剣と盾形銅鏡の解説。そして、古代史のあれこれに関する令和の研究最前線です。

 目次は以下の通りです。
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 蛇行剣と盾形銅鏡に関しての詳細は何も知りませんでしたので、勉強になりました。
 あとは、まあまあでした。←ナゾの上から目線。

2023年6月25日 (日)

8月5日に昭和女子大学でヤマトタケルのシンポジウム

 少し先ですが、8月5日(土)に昭和女子大学で「ヤマトタケル 敗者の形象」と題するシンポジウムが開催されます。
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 報告と総括は次の方々です。
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 申し込みは以下から。
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 上に載せたチラシのPDFは以下をご覧ください。
http://kitagawa.la.coocan.jp/yamatotakeru.pdf

2023年6月17日 (土)

今日は宮崎で古事記学会

 今日明日は宮崎で古事記学会です。
 会場とオンラインとのハイブリッド方式で、私は自宅からZoomで参加しました。
 今日の第1日は、公開講演会です。

 最初は、歌人・宮崎県立看護大学名誉教授の伊藤一彦氏「現代の歌人と「古事記」の世界」
 お2人目は、國學院大學教授の上野誠氏「書物の権威と語りの権威と-国司と『古事記』『日本書紀』-」

 そのあと総会と古事記学会奨励賞の表彰式がありました。
 今年度の受賞者は、
  近世諏訪明神縁起研究の間枝遼太郎氏と
  『先代旧事本紀』研究の星愛美氏です。

 間枝氏。
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 星氏。
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 勝手に画面キャプチャーしてよかったかどうかという問題はありますが、まあ。
 タイミングが悪く、星さんの方が頭が高い画像になってしまいました。済みません。
 バックにはZoomの参加者名が並んでいます。ちょうど星さんの腕の所に私の名も。

 総会の後は、懇親会も開催されました。
 それはZoomによる中継はなし。
 私も家でアルコール度数3%の缶チューハイを飲みました。

 明日は研究発表会です。

2023年5月22日 (月)

昭和37年の『日本神話集』(2)

 昨日の「昭和37年の『日本神話集』」の続きです。
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 昨日は前半の「やまたのおろち」を見ました。
 今日は後半の海幸山幸です。
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 タイトルは「うみひこ やまひこ」となっています。
 「うみひこ」「やまひこ」などという名は記紀には登場しません。
 「うみさちひこ やまさちひこ」が長すぎるならば、「うみさち やまさち」とすべきものと思います。

 山幸彦が海神の宮に着いて歓待される場面
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 山幸は豊玉姫と結婚はしません。

 山幸が兄の釣針のことを思い出した場面。
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 鯛の口の中から釣針が見つかった場面。
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 小さな2匹の鯛がかわいいです。胸びれが手の様に見えます。
 のどに釣針が刺さっていた鯛は巨大ですね。私が抱き枕にしている魚くらいの大きさです。
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 私、これ金魚だと思っていたのですが、違いますね。鯛ですね。
 ま、鯛でも良いです。金魚は大きくなれば鯛になります。←なりません。

 最後の部分です。
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 記紀では山幸はワニに乗って帰って行くことになっていますが、これは鮫の姿ですね。

 文章はこうあります。
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 「わにざめ」とあります。
 新しい説に従っていますね。

 記紀では、山幸は潮の干満を掌る2つの玉を海神から授かって、それを用いて兄を懲らしめるのですが、この絵本では、ここで終わりですので、2つの玉を授かることもありません。
 長さの関係でここで切ってしまったのかもしれません。
 それならば2つの玉のことは不要ですね。

 先日来、端布に関して取り上げた翳が描かれています。
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 豊玉姫が手に持っています。
 2つの画面で、違う翳を持っていますね。お姫様なので、たくさん持っているのでしょう。

 昭和37年当時の子供向けの絵本に日本神話がどのように取り上げられているのか。
 それを知る資料となりましょう。

 なかなか興味深いものが手に入りました。
 同時代資料は面白いです。

2023年5月21日 (日)

昭和37年の『日本神話集』

 昭和37年発行の講談社の絵本『日本神話集』を入手しました。
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 内容は、八岐大蛇と海幸山幸です。
 無難な選択ですね。他に稲羽の素兎あたりが子供向けの神話として取り上げられやすいようです。

 まずは八岐大蛇。
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 タイトルは「おろちたいじ」となっています。
 「おろちたいじ」といっても、上の絵にあるように、物語は高天原におけるスサノオの乱暴から始まりますので、天の岩屋戸も含みます。
 上の絵では、馬の皮を投げ込むことになっていますが、記紀で投げ込んだのは皮か馬か微妙なところと思います。
 「高天原」は「たかまのはら」と読んでいます。
 当時は「たかまがはら」が一般的と思いますので、「たかまのはら」は新しい読みですね。

 天照大御神が天の岩屋戸から姿を現した場面。
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 おろち退治。
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 おろちの姿は龍のようです。

 宝剣出現。
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 物語はここで終わりです。

 上の場面の宝剣に関する文章。
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 ここでは、おろちの尾から出た剣はスサノオが自分の宝としたと書かれています。
 天照大神に献上して三種の神器の1つになったと書いては不都合なのでしょうかね。

 後半の海幸山幸の話は後日(たぶん明日)。

2023年4月 6日 (木)

創作童話「ワニとうさぎ」

 ブルーナさんのうさぎを何体かお迎えしました。
 それを見ているうちに物語が降ってきました。
 でも一応、構想3日です。

 昔、北の海にワニが住んでいました。[見た目はサメですけど、昔、この物語の地ではワニと呼んでいましたので、ワニで行きます。]
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 ワニは毎日小魚などを食べていましたが、それにも飽きてきました。
 水の中から陸地を見ると、陸にはおいしそうな果物が実っています。
 「おいしそうだなぁ。食べたいなぁ。でも、ワニは陸では息ができないからなぁ。」
 そんなことを考えているときに、うさぎの生き肝を食べるとワニも陸で息ができるという噂を耳にしました。
 「いいことを聞いた。うさぎ♪ うさぎ♪」

 近くの島に行くと茶色の子うさぎがいました。
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 「ねえ、ねえ。海の中に行ってみない? ご馳走するよ」
 「えー? ほんとかなぁ。隣の島のうさぎがワニにだまされて食べられたって聞いたよ」
 「なんだって!? それは話が逆だよ。うさぎがワニをだましたんだよ。それにワニはうさぎを食べたりしていないよ。毛皮を剥いだだけだよ」
 「そうなの? ま、ワニには近づかない方がいいってお父さんが言ってたから、さよなら。他のみんなにもワニに気を付けるように言っておくね」

 ワニはこの島でうさぎを捕まえることは諦め、別の島に行きました。
 その島には白い子うさぎがいました。
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 「ねえ、ねえ。海の中に行ってみない? ご馳走するよ」
 「わー、すてき。でもお母さんに聞いてみないと」

 「あ、お母さん!」
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 「わ! でかい!! 肝っ玉母さんか」
 「なんだい? なんか悪そうなワニだねぇ。近づくんじゃないよ。他のみんなにもワニに気を付けるように言っておくから」

 「ちぇっ! しょうがないなぁ。また別の島に行こう。」

 次の島には灰色の子うさぎがいました。
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 「ねえ、ねえ。海の中に行ってみない? ご馳走するよ」
 「わーい。連れてって」
 「こっちにおいで」
 ぱくっ!
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 ワニは灰色の子うさぎの耳に噛みつきました。
 でも、次の瞬間、ワニは口の中に電気が流れたような気がして、口が痺れました。

 灰色のうさぎは金色に光り輝いていました。
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 ワニはびっくりしてうさぎを離しました。
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 「私はうさぎ神だ。お前はうさぎたちに何をしようとしているのか?」
 「神様でしたか。すみません。ごめんなさい。私は陸で暮らしたかったんです。それにはうさぎの生き肝を食べる必要があると聞きましたので……」
 「そういうことか。しかし、その情報は間違っている。うさぎの生き肝を食べたとて、ワニが陸で暮らせるようにはならないよ」
 「えー、そうだったんですか。私はだまされていたのか」
 「いいかげんな情報を信じてはいけないよ。ちゃんと考え、確かめないと」

 がっかりしたワニは、うさぎ神に謝ると、すごすごと海に帰って行きました。
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 その時に、さめざめと泣きながら泳いだので、こののち、ワニはサメと呼ばれるようになったとなむ、語り伝えたるとや。

 登場したうさぎの皆さんです。
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 このうち、金のうさぎと大きなうさぎは以前ご披露しました。他のうさぎは、今回お迎えした新しい劇団員です。
 以後お見知りおきのほど。

 今回のお話しは完全な創作です。
 ストーリーをお使いくださりたい方は、どうぞご遠慮なく。
 歌舞伎、宝塚、新派、劇団四季、木馬座、NHK、いずれも大歓迎です。

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