古事記

2018年3月22日 (木)

「トンボの眼」でヤマトタケル

 今日は品川で「トンボの眼」の講座をしてきました。タイトルは「ヤマトタケル伝承」です。レジュメはこちら

 古事記と日本書紀とを比較しました。大筋ではほぼ同じですが、その一方で、かなり異なる部分もありますね。今日はその相違点などを主に話しました。正味110分ではかなり時間が足りず、超特急の進行になりました。

 今日は古事記、日本書紀は次回、という風に分けて話すことも考えたのですが、次回はいつになるか分かりませんし、時間が経ってしまうと、聴いてくださるほうの記憶が薄れてしまいましょう。それに、古事記だけを110分で話したとしてもやはり急いで話すことになりましょう。それならば、いっそ1回で、と思ってしまいました。

 古事記に3/4位の時間を割き、日本書紀の方は相違点を中心に話しました。これで良かったのではないかと思います。

 絵が無いと寂しいので、貼っておきます。熱田神宮の近くにある白鳥御陵です。
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2018年2月 5日 (月)

後手にふきつつ逃げ来

 もう30年ほど前、テレビで「世界まるごとハウマッチ」という番組を見ていました。大橋巨泉が司会で、石坂浩二やビートたけしがレギュラー解答者だったクイズ番組です。

 ある時、その番組で、インドかインドネシアで、亡くなった人を火葬するにあたって、後ろ手で薪に点火するという風習が紹介されていました。

 ぼーっと見ていたのですが、慌ててメモしました。

 というのは、古事記に次のような話があるからです。

 ・御佩かしせる十拳の剣を抜きて、後手にふきつつ、逃げ来つ。(黄泉国訪問)

 ・この鉤を以て其の兄に給はむ時に、言はむ状は、「この鉤は、おぼ鉤・すす鉤・貧鉤・うる鉤」と、云ひて、後手に賜へ。(海幸山幸)

 1番目の例は、追っ手を牽制しつつ逃走するわけですから、牽制のために後ろ手に剣を振ったのだという可能性もありますが、場所が黄泉国ですので、死にまつわる所作、あるいは呪的行為の可能性もあります。

 2番目の例は、呪的行為と思われます。

 そういったことがあったので、火葬の火をつけるときに後ろ手で行う、ということに反応したのでした。

 人の死にまつわる動作なので、非日常の所作で行うということになりましょうか。亡くなった人の死装束の打合せが左前であることと通じそうです。

 番組を見てメモを取ったのでしたが、引越したこともあって、そのメモを無くしてしまい、番組で取り上げられていたのが、インドだったのかインドネシアだったのか、分からなくなってしまいました。

 爾来30年近く。

 ところが、先日の集中講義でその話をしたら、受講生の1人のサウジアラビアからの留学生が、「それはインドですね」と発言しました。

 自信をもって断言していたので、理由を聞いてみたら、イスラム教では火葬はしないということでした。言われてみれば、インドネシアはイスラム教ですね。

 30年来の疑問が氷解しました。(^_^)

 ただ、帰宅してからググってみたら、インドネシアにおけるイスラム教徒の数は9割弱とのことでした。多くの島からなっている国ですし、地域によってはイスラム教徒以外が火葬しているケースがあるいはあるのかも知れませんが、可能性としては、やはりインドの可能性が遥かに高そうです。

 ……と、ここまで書いてからググってみましたら、バリ島では火葬をするとのことでした。(^_^;

 ううむ。振り出しに戻ってしまったかも。
Gunmac_hatena

2017年6月17日 (土)

中京大学で古事記学会

 今日・明日は名古屋の中京大学で古事記学会の大会です。1日目の今日は公開講演会でした。

 毛利正守先生の代表理事挨拶。
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 鈴鹿千代乃先生の講演。
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 演題は「二つの降臨 ―伊勢と日向と―」です。高千穂への天孫降臨に先だって、天孫は伊勢に天降っているという内容でした。

 犬飼 隆先生の講演。
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 演題は「古事記と木簡」です。後世の書写を歴ていないナマの資料としての木簡の表記を通して、古事記の文章を古代日本の文章史の流れの上に位置づけた内容でした。

 どちらのご講演も大変に刺激的でした。

 この度、古事記学会のHPがリニューアルオープンしました。その表紙が総会でお披露目されました。
Kojikihp
 URLも変わりました。新しいURLは、http://www.kojiki-gakkai.jp/です。ぜひ御一見ください。

2017年1月 9日 (月)

國學院大学で「神話の詩学」

 来週末、國學院大學21世紀研究教育計画委員会研究事業「古事記学」の構築 国際シンポジウムが開催されます。

 総合テーマは「神話の詩学―舞・歌・型―」です。
Shinwanoshigaku
 この国際シンポジウムは、「古事記学」の推進拠点形成―世界と次世代に語り継ぐ『古事記』の先端的研究・教育・発信―の一環として開催されるものだそうです。

 日時:平成29年1月21日(土) 13:30~17:00
 場所:國學院大學 渋谷キャンパス 百周年記念館4階 百周年記念講堂

 第一部 「受け継がれる神話的世界―宮地嶽神社の「ツクシ舞」と巨石古墳―」
  「ツクシ舞と阿曇磯良」浄見 譲氏(宮地嶽神社宮司・ツクシ舞家元)
  ツクシ舞実演 「ツクシ神舞 浮神」「ツクシ神舞 秋風の辞」「八乙女舞 橘」

 第二部 「神話の詩学」
  「記紀歌謡の世界」渡邉 卓氏(國學院大學研究開発推進機構助教)
  「神話の詩学」 アラン・ロシェ氏(フランス高等研究実習院教授)
  司会進行 平藤喜久子氏(國學院大學研究開発推進機構准教授)

 ※参加費無料、事前申込み不要。直接会場にお越しください、とのことです。

 恥ずかしながら、私はツクシ舞のことは知りませんでした。福岡県の宮地嶽神社ゆかりの神舞のようですね。

 どんなもんでしょうか。行くかどうか検討中です。

2016年8月10日 (水)

前橋で出前講座(いなばのしろうさぎ)

 今日は、前橋で出前講座をしてきました。テーマは、「古事記をよむーいなばのしろうさぎの話」です。

 稲羽の素兎については、新潟青陵大学の原田留美先生がかねがね研究なさっているのと、原田先生は児童文学や絵本、絵本の読み聞かせについての研究もなさっているので、原田先生にお願いして、今回はコラボでの講演となりました。

 大いにその成果はあったと思います。来て下さった方々も静かに熱心に聴いてくださいました。

 レジュメはこちら。共同のレジュメです。

 この他に、スクリーンに画像を映写したり、原田先生はお持ちくださった絵本を実物投影機でお示しくださり、ビジュアル的にも楽しかったです。

 島根県のご当地キティちゃん。
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 ワニではなく、サメに乗っていますね。

 以前採集した蒲の花粉も映写することができました。
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 花粉の台にしている青い布のようなものは、畏れ多くも西宮先生の『古事記』です。(^_^; 色が補色になるかなぁと思ったのと、古事記つながりだから良いかと思ったのとがその理由です。西宮先生も苦笑いしながらお許しくださることでしょう。

 

2016年6月20日 (月)

盛岡大学で古事記学会(3)

 1日目の夜は、盛岡駅近くのホテルで懇親会でした。会場は14階でしたので、眺望は良かったです。

 北西に見える岩手山。逆光気味です。
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 北北東に見える姫神山。
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 もう1つ、南東に見える早池峰山を加えて三山と総称するそうです。残念ながら早池峰山は雲に隠れて見えませんでした。

 大和三山、熊野三山、出羽三山。3という数字は落ち着きが良いのでしょうかね。群馬にも上毛三山があります。赤城・榛名・妙義。軍艦名にも使われていますね。

 懇親会に出たお酒。これは三友亭主人さんに見て頂こうと思って撮影しました。(^_^)
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 1日目の昼食。
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 2日目の昼食。
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2016年6月19日 (日)

盛岡大学で古事記学会(2)

 1日目は公開講演会です。

 1本目は帝塚山学院大学教授の及川智早氏の「イザナキ・イザナミ神婚譚の幕末、近代における受容と変容」でした。
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 スクリーンにさまざまな資料を投映してのご講演で、興味深かったです。

 「京都 のむらや」の絵はがき。
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 粟おこしの引き札。
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 撮影(事後承諾でしたが)、紹介のご承諾を頂きました。どちらの絵にも、セキレイが描かれています。

 2本目は盛岡大学教授の高橋俊和氏の「堀景山と本居宣長」でした。
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 私は不勉強で全く知らなかったのですが、堀景山は本居宣長の儒学の師だそうです。勉強になりました。

 公開講演会の後は古事記学会奨励賞の授賞式と総会。

 受賞者は、上智大学大学院生の葛西太一氏です。
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 受賞者挨拶。
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 盛岡駅近くのホテルで懇親会が開かれました。懇親会場までは貸し切りバスで。バスの車体は銀河鉄道風でした。
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 バスのフロントガラスの看板です。
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2016年6月18日 (土)

盛岡大学で古事記学会(1)

 今日明日、岩手県の盛岡大学で古事記学会です。

 会場校の最寄り駅は、いわて銀河鉄道の滝沢駅。「銀河鉄道」って、良い名前です。♪

 盛岡駅のホームで。
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 この表示を見ると、10:20の次が12:40のように見えますけど、そんなことはありません。もう1つホームがあって、2つのホームで運行していますので、この2本の間にあと4本あります。なぜかもう1つのホームの方が本数が多いです。

 これが車両です。
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 会場校の敷地から見える岩手山。良い天気でした。
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 会場の看板。
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 代表理事の毛利正守先生の挨拶。
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 会場校の盛岡大学学長徳田元先生の挨拶。
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 徳田先生のご専門は理系で、文系の学会に出席されるのは初めてだそうです。レジュメが縦書きであること、看板が毛筆であることに驚いていらっしゃいました。

 看板が筆文字というのは、文系の学会でも必ずしも一般的ではありませんよね。(^_^)

 続きはまた明日。

2016年5月31日 (火)

ちりめん本『因幡の白兎』

 ちりめん本の『因幡の白兎』を手に入れました。入手先は例によってネットオークションです。(^_^) ほんと、ネットオークションは宝箱のようです。
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 奥付です。明治19年の刊行ですね。
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 ちりめん本というのは、和紙を縮緬のように加工した本です。英語などの欧米語に日本の昔話などを翻訳し、外国に輸出しました。

 船による長期間にわたる輸送でもくしゃくしゃにならないように、このような加工をしたのでしょうかね。あるいは、ジャポニスムといったところでしょうか。

 八十神はこんな感じです。服装はなんとなく中世風ですね。eighty Princes とありますけど、あまりPrinceという感じはしません。(^_^)
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 これが大国主でした。最初はちょっと気付かなかったです。
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 これらの装束を初めて見たときは時代考証の間違いと思ったのですが、別にそんな風にとらなくても、御伽草子の頃のイメージって考えれば良いのかもしれません。

 『古事記』の「稲羽の素兎」は、そもそも日本にワニがいたのかという根本的な疑問から、ここでいうワニはサメのことではないか、などという議論があるのですが、このちりめん本ではcrocodileとなっていました。絵もワニですね。

 あれこれ興味深い本です。

2015年1月13日 (火)

「日本誕生」

 先週と今週、古事記の授業で「日本誕生」というビデオを見ました。
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 授業では倭建命の段を読んでいます。この映画がちょうど倭建命が主人公ですので、映画を見比べるのも面白いかと。(^_^)

 この映画、昭和34年の東宝作品です。制作本数1000本の記念作品であり、芸術祭参加作品だそうです。

 特撮は円谷英二です。(^_^)

 メインストーリーは倭建命ですが、途中、天石屋戸と八俣大蛇の話が挿入されています。主な配役は以下の通りです。

倭建命・須佐之男……三船敏郎(二役)
景行天皇……中村鴈治郎
倭姫……田中絹代
弟橘姫……司葉子
美夜受姫……香川京子

熊曽建・兄……志村喬
熊曽建・弟……鶴田浩二

相模国造……田崎潤

天照大神……原節子

天御中主神……左卜全
思金神……柳家金語楼
天児屋命……三木のり平
布刀玉命……加東大介
玉祖命……榎本健一
伊斯許理度売命……有島一郎
天津麻羅……小林桂樹
手力男命……朝汐太郎
天宇受女命……乙羽信子

奇稲田姫……上原美佐

語り部の媼……杉村春子

 今どきの学生さんは誰一人知らないでしょうね。残念です。

 高天原の神々、お笑いの人や軽妙な芸風の人が多いですね。戦後14年、日本神話を扱うのは、難しかったことでしょう。作り方次第で、右からも左からも責められそうです。

 心を打つような種類の作品ではないのですが、最後、亡き倭建命の魂が白い鳥になって空を飛んでいる姿を見たら、不覚にも涙が出そうになりました。

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