万葉集

2025年2月 5日 (水)

新町公民館で、大幅に遅れた万葉集講座

 今日は、新町公民館で連続講座の3回目をしてきました。
 タイトルに「大幅に遅れた」と書きました。実は、第1回と第2回は昨年の10月と11月に掛けて実施しています。
 第3回はそれに引き続き11月13日に実施する予定でした。
 ところが私の体調不良のため中止のやむなきに至り、2ヶ月半ほど遅れて本日の開催になりました。
 参加者の方にも公民館の方にも、大変にご迷惑をおかけしました。
 ブログには一切書きませんでしたが、体調不良というのは、右脚の股関節痛です。
 11月の半ばから12月の半ばまで続きましたが、ロキソニンで治りました。

 連続講座のテーマは「万葉の女性歌人達」で、
 第1回の「額田王を中心に」、
 第2回の「大伯皇女と但馬皇女を中心に」に続き、
 第3回の今日は「大伴坂上郎女と笠女郎を中心に」です。
 レジュメはこちら

 毎回、話が逸れたりふくらんだりするので、レジュメが終わらず、次回に積み残しが出ます。
 今日も前回の積み残しで大半の時間を使ってしまい、今日の分の多くが次回に積み残しになりました。

 参加者の皆さんは大変熱心に話を聴いてくださり、大変にやりやすかったです。
 質問も活溌に出ました。

 時代順に著名な万葉歌人を取り上げています。
 次回はあの人がメインになりそうですね。

2024年11月 7日 (木)

『トランヴェール』最新号の特集は「筑波山、万葉恋の話」

 先日、群馬に行く時に乗った新幹線で、JR東の新幹線車内誌『トランヴェール』をゲットしました。
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 特集は「筑波山、万葉恋の話」。
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 お話しは上野誠さんです。
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 6ページに亙る講義が載っています。
 第1講は万葉集の簡単な概説です。

 その中に次のような一節がありました。
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 缶詰のたとえ、よく納得できます。
 うまいですねぇ。さすがです。

2024年11月 6日 (水)

新町公民館で万葉集講座&ぐんまちゃんマスク

 今日は、新町公民館で連続講座の2回目をしてきました。
 テーマは「万葉の女性歌人達」で、第1回の「額田王を中心に」に続き、第2回の今日は「大伯皇女と但馬皇女を中心に」です。
 レジュメはこちら

 公民館の職員の方からぐんまちゃんマスクを頂きました。
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 職員の方にはいつもお気遣い頂いています。
 恐縮です。

 ぐんまちゃんマスクの機能等は以下の通りです。
Gunmac_mask06
 左側に「群馬県産」とあります。ネギやコンニャクじゃないですけど。(^_^)
 「国産」ではなく「群馬県産」をアピールしています。
 高性能。個包装の30枚入りです。

 いや、本当に申し訳ありませんでした。
 良いお品を頂きました。

 ぐんまちゃんマスクといっても、中央にどーんとぐんまちゃんが描かれているわけではなく、右下にささやかに描かれています。
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 絵柄はプレスされているようです。

 30枚のうち数枚は保存用にして、あとは大切に使わせていただきます。

2024年10月23日 (水)

新町公民館で万葉集講座

 今日は、高崎市新町公民館で公開講座をしてきました。
 4回連続の講座の第1回です
 テーマは「万葉の女性歌人達」で、第1回の今日は「額田王を中心に」です。

 去年も呼んで頂いて、去年もやはり万葉集で、テーマは「植物をよんだ万葉歌」でした。
 去年は朝ドラが牧野富太郎を扱ったものでしたので、それにちなみました。
 今年は大河の主人公が紫式部なので、それにちなみました。
 どうもテーマの決め方が安易です。(^_^;

 レジュメはこちら

 皆さん大変に熱心に聴いてくださいますし、質問もしてくださいますので、とてもやりやすかったです。
 で、今日の分、終わりませんで、残りは次回に持ち越しました。
 次回はそれから初めて、第2回のテーマは「大伯皇女と但馬皇女を中心に」です。
 また終わらないと、第3回に持ち越しになります。(^_^;

 高崎駅周辺には外国人が多かったです。
 観光客ではなく、スポーツ選手風でした。
 駅の西口には旗がたくさん立っていました。
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 空手の国際選手権大会が、25日(金)~27日(日)に開催されるのですね。
 その関係者ではないかと思います。
 この人達は、店で買い物もするし、ホテルにも泊まります。
 経済効果は大きいですね。

2024年10月13日 (日)

東大で萬葉学会&東大構内のハチ公像

 昨日今日は東京大学で萬葉学会の大会が開催されました。
 私は諸般の事情で今日の午後のみ参加しました。
 引け目を感じて、うしろの方の席に座りたかったのですが、席がなく、結局最前列になってしまいました。(^_^;

 会場では、蜂矢先生、根来さん、阪口さん、植田さん、土居さん、塩沢さん、鈴木さん、乾先生、上野さん(ほぼ対面順)とお話しすることができました。漏れがあったらすみません。

 学会では、研究発表に刺激を受けることと併せて、親しい方々とお話しすることのできることも、大きな幸せと思います。

 東大の農学部の門の内側には、御主人と会えたハチ公の像があります。
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 これは2015年に造られたものです。
 渋谷のハチ公は、ずっと御主人に会えずに待っていますが、こちらのハチ公は幸せです。

 飼い主の上野英三郎博士。
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 ハチ公。
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 ハチ公、嬉しそうです。

2024年9月27日 (金)

NHKカルチャーセンター前橋教室

 今日は前橋で仕事の日でした。
 大分涼しくなりましたので、終わった後、渋川の家に来ています。

 毎月第4金曜日は、NHKカルチャーセンター前橋教室で万葉集の講座をしていました。
Nhkculture01

 この教室はこの9月を以て閉室となりますので、私の講座も今日が最後でした。
 ここで講師を務めるようになったのは平成24年(2012)4月からでしたから、12年半の長きにわたってお世話になったことになります。
 なかなか感慨深いものがあります。
 その間、無遅刻・無欠勤でした。立派です。

 閉室の理由は、この教室に限らず、受講者の減少ということでした。
 受講者の高齢化が進む一方で、若い人が参加しなくなったということです。
 そして、コロナ禍によって減少した受講者数が回復しなかったのだそうです。
 朝日カルチャーセンターなどはどうか分かりませんが、カルチャーセンター文化は岐路に立たされているのではないかと思います。

 私の講座も最後の受講者は4人でした。
 そのうちの女性陣から、記念品を頂きました。
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 ありがたいことです。
 バックがわけ判らなくて済みません。引っ越し荷物だらけで、どこで撮影したら良いやらでした。
 「はて? なぜうさぎ?」と思いますが、結構雑談をしていたことが偲ばれます。(^_^;

2024年8月18日 (日)

山﨑福之氏『萬葉集漢語考証論』(塙書房)

 今年の4月25日に刊行されました。
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 目次は以下の通りです。
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 この本のことは、Twitter(現X)のAsako Negoro氏のポストで知り、早速購入しました。

 山﨑氏は岩波の新大系本の『萬葉集』と岩波文庫版の『萬葉集』の校注者のおひとりで、そのお仕事を経て著されたご著書です。
 まだ届いたばかりですが、萬葉集に及ぼした漢籍の影響がいかに多大であったかを見る思いがします。

 そういえば、先ごろ第1巻が刊行された『萬葉集正義』も漢籍仏典が多く引用されています。

 勉強します。

2024年8月 9日 (金)

『萬葉集正義』(八木書店)到着

 今年の8月から刊行が開始される『萬葉集正義』全10巻、予約していた第1巻が届きました。
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 編者は「萬葉集正義編集委員会」となっています。委員長は國學院大学名誉教授の辰巳正明先生です。
 辰巳先生の教え子の方々を中心に、辰巳先生が編集されたお仕事なのでしょう。

 まだ届いたばかりですが、大いなる興味を持って、早速あちこち見てみました。
 特徴としては、東アジアを中心とした比較文学、民俗学への目配りが目立ちました。
 漢籍仏典や和漢の古辞書の引用が多く、江戸時代の国学の著作からの引用も多くあります。
 その一方で、近現代の研究への参照や国語学的な観点は手薄のように思いました。

 例えば、巻頭歌「籠もよみ籠持ち」の歌で、「家吉閑」を「家聞かな」と訓んでいるのには驚きました。
 確かにこの原文ならばそう読めますけれど、近年の(というか昭和30年代以降の)諸注釈はこれを「家告閑」と校訂して、「家告らせ」と訓んでいます。その理由として、動詞「聞く」には、上代は「尋ねる」「質問する」という意味用法はまだないと考えられるからです。
 『萬葉集正義』が底本の西本願寺本万葉集の本文を重視しようという姿勢は分かりますが、「吉」と「告」とは筆の運び次第で容易に誤写しうる関係にあるので、ここは「告」と校訂して「告らせ」で解釈すべきものかと考えます。

 また、但馬皇女の「遅れゐて恋ひつつあらずは追ひしかむ道の隈廻にしめ結へ我が背」(2-115)の歌の結句の「しめ」は、従来は「目印」「道しるべ」の意に理解するのが普通でしたが、近年は「しめ」は占有の印、部外者立ち入り禁止の意であって、「道しるべ」の意はないということで、その意味で理解できないかという考え方が行われていますが、この注釈では、「目に付くようにした占有の印」というやや分かりにくい解釈がなされています。ここはもう少し詳細な説明が欲しいところです。

 おもしろく思ったのは、中大兄皇子の三山歌の反歌(1-14)です。この4句目・5句目の「立ちて見にこし印南国原」の部分、誰が立って見に来たのかについては、従来の諸注釈は播磨国風土記を参照して、阿菩大神だということで一致していますが、この注釈書では以下のようにあります。
Manyoseigi07

 これ、7月21日に私のブログの創作童話に登場したかめ夫くんの解釈と近いです。
http://mahoroba3.cocolog-nifty.com/blog/2024/07/post-df90b8.html

 かめ夫くんは、印南国原が立ち上がって見に来たと解していたのですが、この注釈では「印南国原(の神)そのものが」としてあります。
 なるほど、印南国原の神ととれば、平野がむくっと立ち上がって見に来たと解するよりは抵抗がないかもしれません。

 どの注釈書も、強みと弱みとがあります。
 この注釈書もそれを承知して学恩に預かりたく思います。

2024年8月 7日 (水)

昭和26年の「中学生必携 日本歴史辞典」

 この様なものを入手しました。
S26nihonshijiten01
 『中学生の友』(小学館)昭和26年11月号の附録です。
 坂本太郎監修・黒板伸夫編。

 巻頭に「日本の社会のうつり変り」というタイトルの3枚のカラー口絵が付いています。
 古代社会。
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 封建社会。
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 近代社会。
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 巻末には年表が付いています。
S26nihonshijiten06
 中国は「シナ」となっています。
 仏教伝来は552年か、538年か思って見てみましたら、年号はなく5世紀前半あたりに「このころ仏教が伝わる。」とあります。
 これはこれで良いかと思います。←ナゾの上から目線。

 項目は例えば次の通りです。
S26nihonshijiten07
 旧石器時代はまだ認められていません。

 もう1つ。
S26nihonshijiten08
 「和歌は万葉がな」で書かれている、というのは不正確ですね。万葉仮名以外に正訓字も使われています。
 代表歌人に大伴旅人が入っていませんね。入れてほしかったです。

 あれこれ眺めてみます。

2024年7月21日 (日)

創作童話「どぐうくん、はにわくん、そして」

 大分日が経ってしまいましたが、久しぶりの創作童話です。

 うさぎのぴょん太くんとかえるのけろきちくんが歩いていると、かめ夫くんに出会いました。
Bocha01
 「やぁ、ぴょん太くんとけろきちくん。どこに行くの?」
 「あ、かめ夫くん、ぼくたち飛鳥めぐりに行くところなんだ。かめ夫くんもいっしょに行かない?」
 「飛鳥めぐりかぁ。いいね。ぼくも心惹かれるけど、やめておくよ。暑くて。甲羅が熱いんだ。ふたりとも気を付けてね」
 「わかった。気を付けるよ。じゃぁね」

 かめ夫くんと別れて、ふたりが歩いていると、向こうから何か茶色いものが歩いてきます。
Bocha02
 「こんにちは。はじめまして」
 「こんにちは」
 「えーと、きみは?」
 「私はどぐうよ。目がチャームポイントなの」
 「ど、どぐうって、歩くの?」
 「そうよ。現に歩いているじゃない。じゃぁね」

 「びっくりしたなぁ。土偶が歩くなんて聞いたことがないよ」
 「ぼくたち、悪い夢でも見ているのかなぁ」

 さらにふたりが歩いていると、また向こうから何か茶色いものが歩いてきます。
Bocha03
 「こんにちは。はじめまして」
 「こんにちは」
 「えーと、きみは……。もしかしてはにわくん」
 「そうだよ。踊る埴輪なんて言われているけど、本当は馬引きだという説もあるんだよ」
 「へー、そうなの。で、実際はどうなの?」
 「う~ん。どっちだったかなぁ? もう1500年も昔のことなんで、忘れちゃったよ。じゃぁね」

 「また悪夢かな。土偶や埴輪が歩いているなんて、怖すぎるよ」

 さらにふたりが歩いて行くと、今度は向こうから何か緑色のものが歩いてきます。
Bocha04
 「こんにちは。はじめまして」
 「こんにちは」
 「えーと、きみは……。なんだろ?」
 「見当も付かないな。苔の固まり?」
 「ブー!」
 「じゃぁ、カビの固まり?」
 「ブー! ブー!! なんてことを。ちょっと見れば分かるでしょ」
 「う~ん。降参」
 「前方後円墳に決まってるじゃない!」
 「前方後円墳?! 土偶や埴輪が歩いてくるのはまだ分かるけど、古墳がむっくり起き上がって歩いてくるなんて、そんなことがあってたまるものかは」
 「そんなこと言われたって、現にこうやって歩いてきたんだから、しょうがないじゃない。じゃぁね」

 「もうダメだ。こんな不条理があっていいわけがない」
 「本当に。頭がおかしくなりそうだ。ちょっと休もう」

 頭が疲れたふたりは、しばらく横になることにしました。
Bocha05

 どれくらい経ったでしょうか。そこにかめ夫くんがやってきました。
Bocha06
 「やっと見つけた。ふたりとも起きて」
 「あ、かめ夫くん、どうしたの?」
 「ふたりがなかなか帰ってこないんで、心配になって探しに来たんだよ。どうしたの? 熱中症じゃない?」
 「いや、そんなことはないと思うけど、実はこれこれこういうことがあったんだ」
 「それ、夢じゃないの?」
 「夢じゃないよ。ふたりが同じ夢を見るなんて、そんなことないし」

 かめ夫くんは何か考え込みました。
Bocha07
 「かめ夫くん、どうしたの? 何を考えているの?」
 「いや、夢かどうかは分からないけど、前方後円墳が歩いてきたっていうことで、ちょっと考えることがあって」
 「なになに?」
 「万葉集に中大兄皇子の三山の歌というのがあって、その反歌(14番歌)は『香具山と耳梨山とあひし時立ちて見に来し印南国原』っていう歌なんだ。
  意味は、『香具山と耳梨山とが争った時に、阿菩の大神が立って見に来た印南国原はここなのだなあ』ということで、諸注釈一致しているよ。
  でも、この歌にも、題詞・左注にも阿菩の大神なんて全く書かれていない。
  じゃぁ、阿菩の大神はどこから出てきたのかといえば、播磨国風土記に阿菩の大神が三山の争いを仲裁しようとしてやって来たという話が載っているので、それを踏まえて、こう解釈されているんだよ。
  これ、本当にそうなのかなぁ。播磨国風土記の説話はそんなに誰もが知っているものなんだろうか?
  阿菩の大神は考えずに、この歌だけを素直に読めば、この歌『香具山と耳梨山とが争った時に、立って見に来た印南国原はここなのだなあ』とならないか? 
  そんな、平野が立ち上がって見に来るなんて考えられないから、そうは解釈されていないけれど、前方後円墳が歩いて来たんだから、印南国原が立ち上がって歩いて来たって、おかしくはないんじゃない?」
 「う~ん。そうかもね」
 「あり得るかも」

 かめ夫くんはもう少し考えてみるそうです。

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