万葉集

2019年11月21日 (木)

ぐんま県民カレッジで講演(3)

 今日は中之条で吾妻教育事務所主催の講座をしてきました。先々週に続き3回目です。
 タイトルは「上野国東歌をよむ~群馬県北部の歌を中心に~」です。今回が最終回になります。

 初回の「令和」ゆかりの梅花宴序と歌に続き、第2回目は大伴旅人を取り上げましたが、今回はその流れは受けずに上野国東歌にしました。
 会場の中之条町内の沢渡神社境内に万葉歌碑があるので、それにちなむ話をすることで万葉集により親しんで貰えるかと思ったのです。
 成果があれば幸いです。
 レジュメはこちら

 レジュメの他に、スクリーンで地図や写真も見て頂きました。

 今回は時間を間違えるという大失敗をしてしまいました。
 時間は14:15~15:45の90分だったのですが、終了時刻を16:00だと思ってしまい、ちょっと早目に終わったものの、15:55頃まで掛かってしまいました。時間を間違えたのは初めてだと思います。
 でも、皆さん、所定の時間を過ぎても普通に聴いてくださいました。ありがたいことです。

 そもそも14:15~15:45という設定が中途半端ですよね。こういうの普通ないです。
 ま、自分で決めたのですけど。(^_^;
 会場の最寄り駅のある吾妻線は本数が少なくて、上下線とも1時間に1本ずつくらいです。
 それで、往復の便を考えた結果、こういう時間設定になりました。

 中之条駅の干し柿。
Agatsuma06
 前回よりも乾燥してきたように見えます。

 駅のホームから見た山。
Agatsuma07
 紅葉が進んでいます。

 一昨日のブログで取り上げた明治42年の「名所かるた」の歌の出典調べ、進んでいます。
 ところが、万葉集や古今集の歌もある一方で、国歌大観に載っていない歌が8首ありました。
 国歌大観に載っている歌の中にも、作者が契沖、賀茂真淵、村田春海、加藤千蔭などもいます。
 範囲が広いです。国歌大観に載っていない8首の作者も、あるいは近世の国学者の可能性もありそうです。
 さらにあるいは近代の歌もあるのかも……。

2019年11月 7日 (木)

ぐんま県民カレッジで講演&吾妻銘菓(2)

 今日は中之条で吾妻教育事務所主催の講座をしてきました。先々週に続き2回目です。
 タイトルは「大伴旅人の歌をよむ~梅花宴の主人、大伴旅人の人と歌~」です。
 前回は「令和」ゆかりの梅花宴序と歌とを取り上げましたので、その続編のような感じです。
 レジュメはこちら

 控室でこのようなお菓子を頂きました。
Agatsuma04
 前回とは違うお菓子です。お気遣い頂き、恐縮です。
 鳥追太鼓というのは、中之条町の鳥追い祭で使われる太鼓です。
 このお祭りに行ったことはありませんが、小正月のお祭りで、400年の歴史を持つといわれます。

 中之条駅には干し柿がいっぱい下がっていました。
Agatsuma05

 中之条から上り電車に乗ったところ、後ろの座席に座った高齢のご夫婦が草津の話をしていました。草津からの帰りのようです。
 奥さんが、「この前のブラタモリで言っていた」ということで、草津のあれこれを説明していました。
 それが極めて詳細で、正確でした。「ブラタモリ」を真剣に視聴していたことが伺えました。
 「ブラタモリ」の熱心なファンとお見受けしました。(^_^)

2019年10月30日 (水)

新町で公開講座。「さる」「なり」も

 今日は新町公民館で講座の日でした。隔週で全5回の講座、無事に終わりました。
 今日は前回に引き続き大伴家持です。
Yakamochizo02

 プリントは最後まで作って前回配ってありますので、今日は準備不要のはずが、そううまくはゆきません。(^_^;
 前回、自分への宿題を2つ課してしまいましたので、それをまとめなければなりませんでした。レジュメはこちら

 宿題の1つは「去る」です。「春されば」「夕されば」などは、「春になると」「夕方になると」の意で、「春が去ると」「夕方が去ると」の意ではありませんね。現代では「去る」は離れて行くことにしか使いませんが、上代では来ることにも使うと、辞書や注釈書に書かれています。
 これまで、授業や講座・講演などでは、それをそのまま受け売りしてきましたが、確認してみたくなりました。集中に「さる」は全部で129例ありました。分類すると以下のようになります。

A.季節が来る 65例
【春されば】春になると 27例
【春さり来れば】春になると 7例
【春さりぬれば】春になると 1例
【春さらば】春になったら 5例
【春さりゆくと】春になってくると 1例
【春さりゆかば】春になったら 1例
【春さりにけり】春が来たことだ 1例
【春さりくらし】春が来たらしい 1例
【春さりて】春になって 1例
【秋されば】秋になると 10例
【秋さらば】秋になったら 8例
【秋さりて】秋になって 1例
【秋さり衣】秋になって初めて着る衣 1例

B.時が来る 41例
【朝されば】朝になると 1例
【夕されば】夕方になると 30例
【夕さり来れば】夕方になると 2例
【夕さらば】夕方になったら 3例
【明けされば】夜が明けると 3例
【明けさりにけり】夜が明けてしまった 1例
【夜さり来れば】夜がやってくると 1例

C.(打消を伴って)欠けることなく 11例
【朝去らず】毎朝 5例
【夕去らず】毎夕 3例
【宵去らず】毎晩 2例
【岩もと去らず】全ての岩蔭に 1例

D.(打消を伴って)離れず 10例
【川淀去らず】川淀を離れず 1例
【海辺常去らず】海辺を常に離れず 1例
【み山を去らぬ】お山を離れない 1例
【朝廷去らずて】朝廷を去らずに 1例
【面影去らず】面影が消えることなく 1例
【床の辺去らず】床のあたりを離れず 3例
【枕去らずて】枕辺を離れず 1例
【ねどなさりそね】この寝床にいつもいてくれ 1例

E.離れて 2例
【枕片さる】あなたの枕が床の一方に寄っている 1例
 ○ここだくも思ひけめかも敷栲の枕片さる夢に見え来し(四・六三三)「枕片去」娘子
【夜床片去り】夜床の片方を開けてやすみ 1例
 ○~はしきよし 妻の命の 衣手の 別れし時よ ぬばたまの 夜床片さり 朝寝髪 掻きも梳らず 出でて来し 月日数みつつ~(一八・四一〇一)「夜床加多左里」大伴家持

 以上です。

 季節が来る、時が来る、の例が多く、特に「春されば」「夕されば」の例が目立ちます。夏や冬が来る例はありませんでした。

 そして、打消を伴って「欠けることなく」「離れず」の例があります。
 また、打消を伴わない「離れて」の例は2例しかありませんでした。この2例は用例を示しました。「枕片去り」「夜床片去り」というよく似た例です。

 何でしょねぇ。

 全体的に不思議な偏りを示しています。
 上代において「去る」は離れることにも近づくことにも使われるとはいいながら、近づく意で使われることが多く、しかも、それは季節と時間とに限られていて、人や動物が近づくことに使われた例はない。
 一方、離れる意で使われた例は打消を伴うことが多く、打消を伴わない例は最後の2例のみで、この2例は似たような意味で使われている。

 何かありそうです。

 表記はレジュメの方に示しましたように、万葉仮名の例の他は、「春去者」「夕去者」などが多いです。そんな中で、「春之在者(春されば)」3例というのがあり、気になります。「春しあれば」は実際に発音される場合には母音連続が回避されて、「春されば」となったことでしょうが(farusiareba→farusareba)、なぜ「春之在者」と書いたのか。

 ちょっとあれこれ考えてみます。

 もう1つの宿題は、いわゆる伝聞推量の助動詞「なり」です。平安以降は伝聞推量の助動詞として使われるこの語は、奈良時代には実際に「声がする」「音がする」という意の本動詞として使われた例が多い、という話をして、それを具体的に説明することになっていました。まとめはレジュメをご覧いただくとして、大部分は「声がする」「音がする」の意で、特に鳥の声についていうことが多いです。鳥の姿は見えなくても、声でなんの鳥なのかが分かって歌にしている例もあり、このようなあたりからも伝聞推量に繋がって行くのかという気がします。

 万葉集の「なり」の多くは「声がする」「音がする」の意ですが、少数ながら「ようだ」の意で用いられているとおぼしき例(4首5例)もありますので、伝聞推量の意でも使われ始めていたことになりましょう。

 毎回、皆さんとても静かに、熱心に聴いてくださり、やりやすかったです。質問も活溌に出ました。それを受けて、私の宿題も増えたのですが。(^_^;

2019年10月24日 (木)

ぐんま県民カレッジで講演&吾妻銘菓

 今日は中之条で講座をしてきました。主催は吾妻教育事務所です。
 タイトルは「「令和」と万葉集~梅花宴序を中心に~」です。
 毎度おなじみの、という感じになっています。(^_^;
 レジュメはこちら

 控室でこのようなお菓子を頂きました。
Agatsuma01

 真田の岩櫃城は隣町にあります。
 先日の台風で大きな働きをしてくれた八ッ場ダムの「八ッ場」も、あんパンになっていました。(^_^)

 今日の講座、こんな顔でやりました。(^_^;
Agatsuma02

 名誉の向こう傷のように見えますが、ケガはしていません。
 昨夜、メガネの、鼻に当たるところの部品が無くなってしまったのです。
Agatsuma03

 このままでは痛いので、修理しようかと思いましたが、難しそうです。
 そこで、顔の方に絆創膏を貼ることにしました。
 良いところに気付きました。(^_^)

 ヘンなところに絆創膏を貼っていることを不審がられてもいけないので、自分の方から事情説明しました。
 受けました。先手必勝です。

2019年10月20日 (日)

千葉で萬葉学会2日目

 今日は、淑徳大学での萬葉学会の2日目です。

 千葉駅前の交番。
2019manyo11
 ユニークで、ほほえましい造型と思います。(^_^)

 淑徳大学のスクールバス。
2019manyo12
 淑徳大学の最寄り駅は蘇我駅です。内房線、外房線、京葉線の停車駅で、なかなか便利そうです。
 蘇我駅から淑徳大学までは徒歩だと20分ほど掛かるそうですが、駅前から大学までスクールバスが出ていて、これに乗ると6分ほどです。
 昨日・今日、多い時で10分おきに運行してくれました。無料です。

 学内のバス乗り場に5台停まっていました。上の写真の2台と、下の写真の3台です。
2019manyo13
 普段も頻繁に運行しているものと思います。学生さん達に対する手厚い福利厚生ですね。

 さて、2日目の研究発表会は、院生さん達の発表もありますので、写真は載せないことにしようかと思いましたが、発表者のかるべさんがいいと言ってくれましたので、かるべさんの写真だけ載せます。
2019manyo14_20191020221201
 
 私の定年退職とともに群馬県立女子大学を卒業して、奈良女子大学の大学院に入学した学生さんです。
 奈良女というのはベストチョイスだったと思います。本人が選んだ進学先です。
 昨年の夏には美夫君志会でも研究発表をしています。このまますくすくと育っていって欲しいです。

 さて、来年の萬葉学会は奈良県のサンゴウチョウだそうです。
 耳で聞いた時には「はて?」と思いましたが、「三郷町」という文字が頭に浮かびました。斑鳩町の西隣ですね。
 会場が奈良県というのは嬉しいです。(^_^)
 日程は、10月17日(土)・18日(日)・19日(月)とのことです。

2019年10月19日 (土)

千葉で萬葉学会

 今日明日は千葉市の淑徳大学で萬葉学会があります。
 第1日目の今日は公開講演会です。
2019manyo01

 司会の鉄野昌弘氏。
2019manyo02

 学会挨拶。学会代表 乾善彦氏。
2019manyo03

 会場校挨拶。大乗淑徳学園理事長 長谷川匡俊氏。
2019manyo04

 講演「古代東国の文字世界と上野三碑」。東京大学名誉教授 佐藤信氏。
2019manyo05

 講演「「青雲」考ー空間を認識するという視点からー」。日本女子大学名誉教授 平舘英子氏。
2019manyo06

 萬葉学会奨励賞授賞式。
2019manyo07

 受賞者挨拶。吉岡真由美氏。
2019manyo08

 会務報告。司会 上野誠氏。
2019manyo09

 一番前であっち向いてホイをしているお二人。
2019manyo10

 夜は学内で懇親会が開かれました。和気藹々とした楽しい会でした。

 明日は研究発表会です。


2019年10月17日 (木)

『国語と国文学』令和元年11月号

 雑誌『国語と国文学』の最新号が上代文学特集と聞いて、早速購入しました。
 今日、届きました。
Kokugoto201911a
 よく見たら、特集のテーマは「上代文学」ではなく、「上代文学のその後」でした。受容史ですね。
 「ありゃ」と思いました。どうも粗忽でいけません。(^_^;

 でも、目次は以下の通りです。
Kokugoto201911b
 これを見ると、田中大士氏、浅田徹氏、池原陽斉氏のなど興味深いタイトルの論文が並んでいます。兼岡氏、小松氏など上代専攻の方々の論文もあります。
 楽しみに拝読することにします。

2019年10月16日 (水)

新町で公開講座&三波石ミニ庭園

 今日は新町公民館で公開講座をしてきました。
 今年度の第4回目です。
 前回の宿題を済ませてから今回の話をしました。今回は大伴家持です。
 レジュメはこちら

 今回の講座でも、頂いたご質問を承けてまた宿題ができました。
 ありがたいことです。
 今回の家持は、次回と2回連続の予定で、レジュメの途中までしか終わっていません。次回は、宿題と、今日の続きということになります。

 新町駅に三波石のミニ庭園が造られています。それが刷新されていました。
Sanbaseki05

 このニュースは上毛新聞の電子版に載っていました。10月11日に工事をしたそうです。
 三波石というのは、群馬県藤岡市などに産出する銘石です。

 今回の刷新では、お客さんが無事に帰ってくるようにとの思いを込めて、カエルの像を加えたそうです。

 カエルのアップ。
Sanbaseki06
 「筑波EXPO85」の文字が見えます。年代物ですね。(^_^)

 三波石の小さいのは私も持っています。
Sanbaseki01
 以前、新町駅で配っていたのを貰ったものです。

2019年10月 2日 (水)

新町で公開講座&新町は群馬の玄関

 今日は、新町公民館で今年度3回目の公開講座でした。テーマは大伴坂上郎女です。
 レジュメはこちら
 今回もまた、皆さんとても熱心に聴いてくださいました。質問も活溌に出て、次回の私の宿題は3つになりました。(^_^;

 新町駅のホームに長い横断幕があります。東京方面に向かう列車のホームから見えます。
 写真を撮るにも、長すぎて1枚に収まりきれないので、分割しました。

 向かって左端。
Shinmachi_gunma01
 SLとリゾートやまどりがJR東日本高崎支社のお宝で、基本的に毎週土日に運行しています。

 中央部。
Shinmachi_gunma02
 日本語の他に、米中韓3ヶ国語でアピールしています。

 そして右端。
Shinmachi_gunma03
 「群馬の玄関」とあります。
 東京方面から高崎線を北上して行くと、新町駅の1つ手前の神保原駅までが埼玉県、新町駅からが群馬県になりますので、新町駅は確かに群馬の玄関口になります。群馬県最南端の駅です。

2019年9月28日 (土)

山上碑・金井沢碑を愛する会で講演

 今日は高崎市山名町で講演をしてきました。
 主催は「山上碑・金井沢碑を愛する会」です。
 上野三碑のうち、山上碑と金井沢碑は山名町にあります。
 多胡碑だけは吉井町ですので、多胡碑は置いといて、他の二碑を愛する会なのだと思います。

 会場は南八幡公民館です。最寄り駅は山名駅。ホームにこんなベンチがありました。
Minamiyahata01
 これだけでぐんまちゃんと分かりますね。(^_^)

 会場の玄関脇に二碑のレプリカが鎮座していました。
Minamiyahata02
 この公民館が二碑を愛する会の拠点のようです。

 控室で出されたお茶請け。
Minamiyahata03
 高崎名物のみそまんは知りませんでした。群馬には、みそパンや焼き饅頭などもあり、味噌が人気です。
 ぐんまちゃん最中は嬉しいお菓子です。

 講演のタイトルは「万葉集 東歌の世界-石碑の路を中心に」でした。
 レジュメはこちら。他にスクリーンで30枚近くの写真や地図を見て頂きました。
 久し振りに「令和」絡みでない講演でした。(^_^)

より以前の記事一覧

2019年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ

ウェブページ