かるた

2023年3月19日 (日)

万葉かるた(古都の会)

 こういう万葉かるたを入手しました。
Manyocard04
 枚数は読み札・取り札ともに100枚です。

 そのうち任意の6枚です。
Manyocard05

 解説書が付いていて、1首につき1ページを宛てて、口訳とともに歌の解説と作者の解説が書かれています。
Manyocard06

 製作されたのは昭和59年で、中西進氏の監修、近藤信義氏の訳・解説です。
Manyocard07

 採り上げられている100首は以下の通りです。

 ・たまきはる宇智の大野に馬並めて朝踏ますらむその草深野(1-4)中皇命
 ・熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな(1-8)額田王
 ・あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る(1-20)額田王
 ・紫草のにほへる妹を憎くあらば人妻ゆゑにわれ恋ひめやも(1-21)天武天皇
 ・春過ぎて夏来るらし白栲の衣干したり天の香具山(1-28)持統天皇
 ・楽浪の志賀の大わだ淀むとも昔の人にまたも逢はめやも(1-31)柿本人麻呂
 ・東の野にかぎろひの立つ見えてかへり見すれば月かたぶきぬ(1-48)柿本人麻呂
 ・采女の袖吹きかへす明日香風都を遠みいたづらに吹く(1-51)志貴皇子
 ・引間野ににほふ榛原入り乱れ衣にほはせ旅のしるしに(1-57)長意吉麻呂
 ・君が行き日長くなりぬ山尋ね迎へか行かむ待ちにか待たむ(2-85)磐姫皇后
 ・秋山の木の下隠り行く水の我れこそ益さめ御思ひよりは(2-92)鏡王女
 ・我はもや安見児得たり皆人の得かてにすといふ安見児得たり(2-95)藤原鎌足
 ・我が背子を大和へ遣るとさ夜更けて暁露に我れ立ち濡れし(2-105)大伯皇女
 ・あしひきの山のしづくに妹待つとわれ立ち濡れぬ山のしづくに(2-107)大津皇子
 ・吾を待つと君が濡れけむあしひきの山のしづくに成らましものを(2-108)石川郎女
 ・いにしへに恋ふる鳥かも弓絃葉の御井の上より鳴き渡り行く(2-111)弓削皇子
 ・人言を繁み言痛み己が世に未だ渡らぬ朝川渡る(2-116)但馬皇女
 ・ますらをや片恋せむと嘆けども醜のますらをなほ恋ひにけり(2-117)舎人皇子
 ・たけばぬれたかねば長き妹が髪このころ見ぬに掻き入れつらむか(2-123)三方沙弥
 ・人は皆今は長しとたけと言へど君が見し髪乱れたりとも(2-124)園生羽女
 ・岩代の浜松が枝を引き結びま幸くあらばまた帰り見む(2-141)有間皇子
 ・家にあれば笥に盛る飯を草枕旅にしあれば椎の葉に盛る(2-142)有間皇子
 ・山吹の立ちよそひたる山清水汲みに行かめど道の知らなく(2-158)高市皇子
 ・磯の上に生ふる馬酔木を手折らめど見すべき君が在りと言はなくに(2-166)大伯皇女
 ・降る雪はあはにな降りそ吉隠の猪養の岡の寒からまくに(2-203)穂積皇子
 ・鴨山の岩根しまける我れをかも知らにと妹が待ちつつあるらむ(2-223)柿本人麻呂
 ・今日今日と我が待つ君は石川の峽に交りてありといはずやも(2-224)依羅娘子
 ・天離る夷の長道ゆ恋ひ来れば明石の門より大和島見ゆ(3-255)柿本人麻呂
 ・近江の海夕波千鳥汝が鳴けば心もしのにいにしへ思ほゆ(3-266)柿本人麻呂
 ・旅にしてもの恋しきに山下の赤のそほ船沖を漕ぐ見ゆ(3-270)高市黒人
 ・桜田へ鶴鳴き渡る年魚市潟潮干にけらし鶴鳴き渡る(3-271)高市黒人
 ・あをによし奈良の都は咲く花のにほふがごとく今盛りなり(3-328)小野老
 ・憶良らは今は罷らむ子泣くらむそれその母も我を待つらむぞ(3-337)山上憶良
 ・家にあらば妹が手まかむ草枕旅に臥やせるこの旅人あはれ(3-415)聖徳太子
 ・百伝ふ磐余の池に鳴く鴨を今日のみ見てや雲隠りなむ(3-416)大津皇子
 ・君待つと我が恋ひ居れば我が宿の簾動かし秋の風吹く(4-488)額田王
 ・み熊野の浦の浜木綿百重なす心は思へど直に逢はぬかも(4-496)柿本人麻呂
 ・君に恋ひ甚も術なみ平山の小松が下に立ち嘆くかも(4-593)笠女郎
 ・目には見て手には取らえぬ月の内の楓のごとき妹をいかにせむ(4-632)湯原王
 ・恋ひ恋ひて逢へる時だに愛しき言尽してよ長くと思はば(4-661)大伴坂上郎女
 ・夕闇は道たづたづし月待ちていませ我が背子その間にも見む(4-709)豊前国の娘子大宅女
 ・妹が見し楝の花は散りぬべしわが泣く涙いまだ干なくに(5-798)山上憶良
 ・銀も金も玉も何せむにまされる宝子にしかめやも(5-803)山上憶良
 ・遠つ人松浦佐用姫夫恋に領巾振りしより負へる山の名(5-871)作者不明 
 ・若ければ道行き知らじ賄はせむ黄泉の使負ひて通らせ(5-905)山上憶良
 ・若の浦に潮満ち来れば潟をなみ葦辺をさして鶴鳴き渡る(6-919)山部赤人
 ・ぬばたまの夜の更けゆけば久木生ふる清き川原に千鳥しば鳴く(6-925)山部赤人
 ・海人娘女棚なし小舟漕ぎ出らし旅の宿りに楫の音聞こゆ(6-930)笠金村
 ・湯の原に鳴く葦鶴は我がごとく妹に恋ふれや時わかず鳴く(6-961)大伴旅人
 ・振り放けて三日月見れば一目見し人の眉引き思ほゆるかも(6-994)大伴家持
 ・山越えて遠津の浜の岩つつじ我が来るまでにふふみてあり待て(7-1188)作者不明
 ・人ならば母が愛子そあさもよし紀伊の川の辺の妹と背の山(7-1209)作者不明
 ・福のいかなる人か黒髪の白くなるまで妹が声を聞く(7-1411)作者不明
 ・名児の海を朝漕ぎ来れば海中に鹿子ぞ鳴くなるあはれその鹿子(7-1417)作者不明
 ・石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも(8-1418)志貴皇子
 ・春の野にすみれ採みにと来しわれそ野をなつかしみ一夜寝にける(8-1424)山部赤人
 ・秋萩の散りの乱ひに呼びたてて鳴くなる鹿の声の遥けさ(8-1550)湯原王
 ・沫雪のほどろほどろに降りしけば奈良の都し思ほゆるかも(8-1639)大伴旅人
 ・山高み白木綿花に落ちたぎつ夏身の川門見れど飽かぬかも(9-1736)大倭
 ・旅人の宿りせむ野に霜降らば我が子羽ぐくめ天の鶴群(9-1791)遣唐使の母
 ・勝鹿の真間の井見れば立ち平し水汲ましけむ手児名し思ほゆ(9-1808)高橋虫麻呂
 ・藤波の散らまく惜しみ霍公鳥今城の岡を鳴きて越ゆなり(10-1944)作者不明
 ・風に散る花橘を袖に受けて君がみ跡と偲ひつるかも(10-1966)作者不明
 ・天の川楫の音聞こゆ彦星と織女と今夜逢ふらしも(10-2029)柿本人麻呂歌集
 ・たらちねの母が手放れ斯くばかり為方なき事はいまだ為なくに(11-2368)柿本人麻呂歌集
 ・朝寝髪我は梳らじうるはしき君が手枕触れてしものを(11-2578)作者不明
 ・難波人葦火焚く屋のすしてあれど己が妻こそ常めづらしき(11-2651)作者不明
 ・泊瀬川早み早瀬をむすび上げて飽かずや妹と問ひし君はも(11-2706)作者不明
 ・葦垣の中の和草にこやかに我れと笑まして人に知らゆな(11-2762)作者不明
 ・朝影に我が身はなりぬ玉かぎるほのかに見えて去にし子ゆゑに(12-3085)作者不明
 ・紫は灰さすものそ海石榴市の八十の衢に逢へる子や誰(12-3101)作者不明
 ・たらちねの母が呼ぶ名を申さめど道行く人を誰れと知りてか(12-3102)作者不明
 ・磯城島の大和の国に人二人ありとし思はば何か嘆かむ(13-3249)作者不明
 ・馬買はば妹歩行ならむよしゑやし石は履むとも吾は二人行かむ(13-3317)作者不明
 ・多摩川に曝す手作さらさらに何そこの児のここだ愛しき(14-3373)武蔵国東歌
 ・にほ鳥の葛飾早稲をにへすともその愛しきを外に立てめやも(14-3386)下総国東歌
 ・信濃なる筑摩の川の細石も君し踏みてば玉と拾はむ(14-3400)信濃国東歌
 ・我が恋はまさかもかなし草枕多胡の入野の奥もかなしも(14-3403)上野国東歌
 ・稲つけばかかる我が手を今夜もか殿の若子が取りて嘆かむ(14-3459)未勘国東歌
 ・君が行く海辺の宿に霧立たば吾が立ち嘆く息と知りませ(15-3580)遣新羅使人の縁者
 ・家人は帰り早来と伊波比島斎ひ待つらむ旅行く我れを(15-3636)遣新羅使人
 ・草枕旅を苦しみ恋ひ居れば可也の山辺にさを鹿鳴くも(15-3674)壬生宇太麻呂
 ・天離る鄙にも月は照れれども妹ぞ遠くは別れ来にける(15-3698)遣新羅使人
 ・君が行く道のながてを繰り畳ね焼きほろぼさむ天の火もがも(15-3724)狭野弟上娘子
 ・帰りける人来れりといひしかばほとほと死にき君かと思ひて(15-3772)狭野弟上娘子
 ・旅にして妹に恋ふれば霍公鳥我が住む里にこよ鳴き渡る(15-3783)中臣宅守
 ・春さらばかざしにせむと我が思ひし桜の花は散りにけるかも(16-3786)壮士某
 ・荒雄らを来むか来じかと飯盛りて門に出で立ち待てど来まさず(16-3861)作者不明
 ・家にてもたゆたふ命波の上に思ひし居れば奥か知らずも(17-3896)大伴旅人の傔従
 ・霍公鳥いとふ時なしあやめぐさかづらにせむ日こゆ鳴き渡れ(18-4035)田辺福麻呂
 ・なでしこが花見るごとに娘子らが笑まひのにほひ思ほゆるかも(18-4114)大伴家持
 ・春の園紅にほふ桃の花下照る道に出で立つ娘子(19-4139)大伴家持
 ・もののふの八十娘子らが汲み乱ふ寺井の上の堅香子の花(19-4143)大伴家持
 ・藤波の影なす海の底清み沈く石をも玉とぞ我が見る(19-4199)大伴家持
 ・春の野に霞たなびきうら悲しこの夕影に鴬鳴くも(19-4290)大伴家持
 ・わが妻はいたく恋ひらし飲む水に影さへ見えて世に忘られず(20-4322)若倭部身麻呂/遠江防人
 ・時々の花は咲けども何すれぞ母とふ花の咲き出来ずけむ(20-4323)丈部真麻呂/遠江防人
 ・唐衣裾に取りつき泣く子らを置きてそ来ぬや母なしにして(20-4401)他田舎人大島/信濃防人
 ・草枕旅の丸寝の紐絶えば我が手と付けろこれの針持し(20-4420)椋椅部弟女/武蔵防人妻
 ・新しき年の初めの初春の今日降る雪のいやしけ吉事(20-4516)大伴家持

 ざっと見ると、著名な歌が採られていて、順当な選歌と思いますが、よくよく見ると、たとえば次のような歌が採られていません。

 ・楽浪の志賀の辛崎幸くあれど大宮人の舟待ちかねつ(1-30)柿本人麻呂
 ・笹の葉はみ山もさやにさやげども我れは妹思ふ別れ来ぬれば(2-133)柿本人麻呂
 ・田子の浦ゆうち出でて見れば真白にぞ富士の高嶺に雪は降りける(3-318)山部赤人
 ・み吉野の象山の際の木末にはここだも騒く鳥の声かも(6-924)山部赤人
 ・我が宿のいささ群竹吹く風の音のかそけきこの夕かも(19-4291)大伴家持
 ・うらうらに照れる春日にひばり上がり心悲しも独し思へば(19-4292)大伴家持

 このうち最後の2首は家持の春愁三首のうちの2首です。春愁三首のうち1首だけ採ったということで理解できますが、3首目の赤人の富士山の歌などはなぜ落としたのか不思議です。
 ま、いいのです。選者によって考え方には個人差がありますので、みんな同じではつまりません。
 その一方で、主に作者不明の歌の中にあまり有名でない歌が何首か採られています。そのあたりもこのかるたの個性と思います。

2023年2月18日 (土)

昭和17年の「オトギノクニ イロハカルタ」

 このようなカルタを入手しました。
S17otogi01
 顔が横長で特徴的です。
 桃太郎は犬と、犬は猿と手を繋いでいます。ちょっと珍しい絵柄ではないでしょうか。
 金太郎と熊、兎と亀も仲良さそうです。見ていて気持ちがいいです。

 箱の裏に奥付があります。
S17otogi02
 昭和17年10月のものです。
 太平洋戦争が始まってから10ヶ月。戦局が変わったミッドウェー海戦はこの年の6月でした。
 そういう時代背景のものですが、戦時色は全くありません。

 まず4枚。
S17otogi03
 字札は以下の通りです。
  ア:アトカラ イヌサルキジガ オトモスル
  ウ:ウシワカマルノ ハナレワザ
  カ:カレキニ ハナガ サキマシタ
  キ:キンタロサンハ チカラモチ

 キビ団子は串に刺されているのでしょうかね。これは初めて見ました。
 金太郎の怪力ぶりを見るうさぎのしぐさがかわいいです。

 続けて6枚。
S17otogi04
 字札は以下の通りです。
  タ:タケノ ナカカラ カグヤヒメ
  ト:トレテ ウレシイ ホホノコブ
  ナ:ナカカラ パット シロケムリ
  ネ:ネテヰル ウサギハ カメニマケ
  レ:レツヲ ツクッタ ワニザメサン
  京:京ヘ ノボッタ イッスンボウシ

 驚いたのは「レ」の札です。いなばの白うさぎで、字札には「ワニザメ」とあり、絵札にもサメの絵が描かれています。
 当時、この物語に登場するワニをワニザメとする説が既にあり、有力でもあったのでしょうね。意外でした。
 「ア」「ウ」の札を除き、どの札も皆にこにこしていますね。玉手箱を開けてお爺さんになってしまった浦島まで。
 本当に穏やかです。

 物語別に集計すると次のようになります。
  桃太郎   6
  一寸法師  6
  金太郎   5
  舌切雀   5
  花咲爺   4
  浦島太郎  4
  猿蟹合戦  3
  竹取物語  3
  牛若丸   2
  かちかち山 2
  文福茶釜  2
  こぶとり  2
  兎と亀   2
  天の羽衣  1
  因幡の素兎 1

 今までに収集したおとぎ話のかるたの中に入れてみます。
S17otogi05
 桃太郎はどのかるたでも不動のトップです。

2022年12月28日 (水)

「ニコニコかるた」

 このようなものを入手しました。
Nikocard01
 「ニコニコかるた」です。
 箱も中身も紙質はあまり良くありません。
 興味深いのは箱に描かれた人たちの髪の毛です。
 みんな茶髪ですね。
 今の茶髪が始まったのは20年ほど前からでしょうか。
 このかるたはそんなに最近のものではありません。
 戦後すぐではないかと思います。
 進駐軍がやって来た影響で、茶髪、金髪に憧れるような風潮があったのでしょうかね。

 まずは4組。
Nikocard02
 「う」の札の「うたのおばさん」というのは、NHKラジオの番組「うたのおばさん」のことと思います。
 ググってみると、この番組は昭和24年8月に始まったのだそうです。
 とすると、このかるたはそれ以降のものということになりますね。
 箱の絵の茶髪からは戦後すぐかと思いましたが、終戦から4年以上経っていました。
 「さけがまわって えがおでおどる」というのは、子どもの遊ぶかるたとしてはどうなんでしょうか。(^_^)
 「せかいへいわで みんなにこにこ」というのは、やはり戦後の実感と思われます。

 もう4組。
Nikocard03
 「にこにこかるたで はつわらい」というのは、このかるたそのものを取り上げていますね。
 「むすめのはれぎで とうさんにこにこ」は、お父さんの気持ちなのでしょうね。
 「娘は嫁にはやらん」なんて。
 「もらってにこにこ たまてばこ」は、結果を知っている者にはシュールです。
 最後の「わ」の札は、全体のまとめのようですね。

 「ゐ」「ゑ」「を」の札はありません。それが良いと思います。

 このかるた、多くの札に「にこにこ」という語が使われています。
 使われていなくても、内容は「にこにこ」。
 短気な私ですが、いつもなるべく「にこにこ」としていたいです。

2022年11月27日 (日)

切り絵・郷土かるた「わたしたちの島根」

 このようなかるたを入手しました。
Shimanecard01
 編集は島根県社会科教育研究会、絵は松本伴四郎氏です。

 島根県はかつての出雲国と石見国に当たります。
 まずは古代。
Shimanecard02

 絵札の裏には解説が書かれています。たとえばこんな感じです。
Shimanecard05
 この解説には書かれていませんが、鰐淵寺の観世音菩薩には持統6年(692)と考えられる造像記があります。
 文面は「壬辰年五月出雲国若倭部臣徳太理為父母作奉菩薩」です。

 中世から近代のもの。
Shimanecard03
 新島守の歌は後鳥羽院ですね。「鎌倉殿の13人」。

 名産品と郷土芸能など。
Shimanecard04

 このかるたには奥付がありませんが、いつのものかを知る手掛かりはあります。
 この2枚の札の解説です。
Shimanecard06
 右の札の解説により、このかるたは昭和55年11月以降のものであることが知られます。
 また、左の札の解説によって、このかるたが作られた時には、安部栄四郎氏は存命だったことが分かります。
 安部栄四郎氏が亡くなったのは昭和59年12月18日です。
 ということで、このかるたの成立は、昭和55年11月から昭和59年12月18日までの間ということになります。

 狭い範囲に絞り込めると嬉しいです。♪

2022年11月14日 (月)

「童謡かるた」

 かるたも収集品の1つです。
 どうも収集品が多くて。(^_^;

 「童謡かるた」を入手しました。
Doyocard05
 結構バタ臭い(←死語か)箱の絵ですが、中身は日本の歌が多いです。

 4組だけお示しします。
Doyocard06
 うさぎの登場する札が2組もあるのは、個人的な好みです。

 「は」の札は「春の小川」ですね。
 歌詞が「春の小川は さらさらゆくよ」となっています。

 最初の歌詞は「さらさら流る」だったのが、昭和17年に、当時の国民学校令施行規則では国語で文語文を教えるのは5年生以上と定められていたために、歌詞を「さらさら行くよ」と改訂したということです。
 この改訂は戦後かと思っていましたが、戦中だったのでした。
 このかるたでは「さらさらゆくよ」となっていますので、このかるたは昭和17年以降に作られたものということになります。

 箱の文字の「童謡」の「謡」が「謠」ではなく「謡」となっていますので、当用漢字が制定された昭和21年以降のものでしょう。
 紙の質は悪いです。戦後間もなくの物のない時代かと思います。

 札は帯封の付いたままでした。デッドストックではないでしょうか。
 折角の新品を私が封印切りしてしまいました。

 いろは順に並んでいましたが、「ゐ」「ゑ」「を」「ん」の札はありません。
 これは見識と思います。

2022年8月31日 (水)

未裁断の「おとぎかるた」

 未裁断の「おとぎかるた」を入手しました。
 絵札。
Otogicardn01

 読み札。
Otogicardn02

 4分割して、絵札と読み札とを並べます。
 右上。
Otogicardn03
 当ブログでこれまで取り上げてきたおとぎかるたは、日本のおとぎ話だけを対象にしていたものばかりでしたが、このかるたは国際的です。
 おやゆび姫、ピノキオ、アラビアンナイト、マッチ売りの少女などがあります。
 「れ」の札は「れいにもらったたまてばこ」とありますが、お礼じゃないですよね。
 「ろ」の札の「ろばはそのまににげてゆく」は恥ずかしながら分かりませんでした。

 左上。
Otogicardn04
 「ほ」の札の「ほしのくにのはたおりひめ」が分かりません。
 「そ」の札の「そうだんはねこのすず」はイソップでしょうか。
 「わ」の札の「わたしはことばがわからない」は童謡「青い眼の人形」ですよね。おとぎ話じゃない。

 右下。
Otogicardn05
 「ま」の「まとをいとめたテルのゆみ」はウイリアム・テルの逸話ですが、おとぎ話ではないような。
 「し」のガリバーも。
 「ゑ」の「ゑんとつからサンタクロース」もおとぎ話ではありませんね。
 「き」の「きんのふねがそらをとぶ」は分かりませんでした。
 「て」の「てんまでとどいたヂックのまめのき」は、「ジャック」ではなくて「ヂック」とあります。

 左下。
Otogicardn06
 「め」の絵札のカニですが、他の絵札の動物はみな体丸ごとですが、このカニだけは体は人間の姿で頭だけがカニです。
 これは、このかるただけでなく、他のおとぎかるたでも同様に描かれていることが多いです。

 このかるたは、いろはカルタ形式「い」から始まり「京」で終わっています。
 それで、「ゐ」「ゑ」「を」がありますが、これは発音上は「い」「え」「お」と同じなので、絵札の絵を見ないとどちらの札か分かりません。
 それはそれで、お手つきを誘ってゲームとしては楽しくなるかもしれませんが、小さい子には難易度が高くなりましょう。

 「ゐ」と「ゑ」の読み札は以下の通りです。
Otogicardn07
 どちらも仮名違いで不条理です。
 それはそれとして、それぞれ左側に「ゐの字はこれから(い)をつかう」「ゑの字はこれから(え)をつかう」とあります。
 このかるたはいつのものか分かりませんが、この注記によって、現代かなづかいが制定された昭和21年11月からほど遠からぬ頃に作られたものと推測されます。
 読み札もほぼ現代かなづかいで書かれています。

 紙質もあまり良くなく、あまりもののなかった時代に作られたのだろうことを推測させます。

 このかるたが未裁断であることについては、最初は製作途中のものかと思ったのですが、右上に「おとぎかるた 日光社」とありますので、どうやらこれで完成品ですね。

 あまり厚みもありませんので、買った人が手持ちの厚紙で裏打ちをして、裁断したのでしょう。
 もののない時代、こういう売り方をすれば、日光社は裏打ち用の厚紙も用意しなくて済みますし、箱も作らなくて済みます。裁断してしまうと箱が要りますものね。

 あるいは、このかるたは、おもちゃ屋さんではなく、駄菓子屋さんで売られていたのか、などとも考えました。
 どうでしょ。

2022年7月29日 (金)

「奥の細道」かるた

 「松尾芭蕉「奥の細道」かるた」を入手しました。
Okunohosocard01

 読み札と絵札はこのようになっています。
Okunohosocard02
 絵札は2句目からです。

 有名どころの句の絵札を並べてみます。
Okunohosocard03
 それぞれに味があって良いです。

 蓋の裏に奥付が貼ってありました。
Okunohosocard04
 残念ながら発行年月日は書かれていません。
 ただ、郵便番号が3桁なのが手がかりになります。
 郵便番号が導入されたのは昭和43年(1968)7月1日とのことです。
 郵便番号が7桁になったのは平成10年(1998)2月2日とのことですので、その間ということになります。30年もありますけど。(^_^;

 話は違いますが、郵便番号制が導入されたときは面倒臭かったです。
 特に、相手の郵便番号が分からないときは郵便番号簿で調べなくてはならないので。
 「ぽすたるガイド」なんて名前でした。

 話は戻って、このかるた、箱はだいぶくすんでいますけど、中身は極めてきれいです。
 未使用かもしれません。

2022年7月 4日 (月)

「おとぎかるた」

 「おとぎかるた」を入手しました。
Otogicard11
 いつ頃のものか分かりません。
 タイトルは左横書きですね。読み札は歴史的仮名遣いです。
 紙質は良くありません。
 戦後すぐ位ではないかと思います。

 いろは47枚+「京」の48枚ですが、残念ながら「あ」の読み札がありません。
 「あ」の絵札は以下の通りです。
Otogicard12
 浦島太郎ですね。
 読み札は「あっというまにおぢいさん」あたりかと思います。

 これまでに、当ブログではおとぎかるたの類を4種類ご紹介してきました。
 今度ので5種類になります。
 内容別に集計すると以下の通りです。
Otogicardrank02
 右から2つ目の「おとぎかるた1」というのが今回のです。

 どのかるたでも桃太郎が不動の1位です。人気がありますね。
 今回のかるたでも一寸法師と並んで1位ですし、箱の絵にも使われています。

 本来は外国の話である「兎と亀」も全てのかるたに取り上げられています。

 絵札が興味深かったものを2点ご紹介します。
Otogicard13
 上のは浦島太郎が地上世界に戻ってきたところですね。
 「へんなところだ おどろいた」とありますが、こちらが驚きました。
 車が走っている現代ですよね。浦島でこんな絵札は珍しいのではないでしょうか。(^_^)

 下のは舌切雀です。
 帽子をかぶっている雀や、洋服を着ている雀がいます。
 これも新鮮です。

 読み札で興味を惹かれたもの。粗探しをする気はないのですが、つい見つけてしまいました。
Otogicard14
 上の札は文福茶釜。
 「ちゃまが」になっています。

 下の札は浦島太郎。
 「おむかへ」でしょうね。

 同時代資料は楽しいです。

2022年4月20日 (水)

ナゾの旧国かるた?

 ちょっとミョーなものを入手しました。
 旧国かるたのようなものです。

 字札。
Kyukokucard01
 東京府、大坂府、京都、伊勢神宮、横浜、神戸。あとは、旧国の中から大和と上野。
 読み札を読むと、東京、大阪、京都は3府、横浜と神戸は5港のうちの2つです。
 5港というのは、安政五ヶ国条約によって開かれた、箱館・横浜・新潟・神戸・長崎を指します。
 東京には「トウケイ」、大坂には「オオザカ」というルビが付いています。

 絵札のうち、3府、伊勢神宮、神戸・横浜。
Kyukokucard02
 絵柄はその土地にまつわるあれこれで、時代はまちまちです。
 神戸といえば楠公さん。

 これ以外の旧国から独断と偏見で12ヶ国を選んでみました。
 おおよそ時代順に並べました。
Kyukokucard03
Kyukokucard04

 さて、これはなんでしょうね。
 字札と絵札とがあるところをみると、かるたなのでしょうけど、字札はどう使うのでしょうね。
 単に、「東京府」「大坂府」などというように府県名だけを読み上げるのかどうか。
 用途は学習用ですかね。

 なお、箱はなく、字札・絵札ともに北海道、中国、四国、九州は1枚もありません。
 失われてしまったのか、あるいはこれが上巻で、別に下巻があるのか。
 あれこれナゾです。

2022年2月20日 (日)

ぷくぷくまんぷくかるた

 ネットオークションで面白そうなかるたを見つけたので落札してしまいました。
 「ぷくぷくまんぷくかるた」(チャイルド本社)です。
Manpukucard01
 箱の絵から分かるように、食べ物をテーマにしています。

 上の画像では帯に隠れてしまっていますが、帯をずらすとうさぎがいます。
Manpukucard02
 なぜうさぎが旗になっているのか分かりません。
 うさぎも食材ではありますけれども……。
 多分作者がうさぎ好きというような理由かと思われます。

 読み札から厳選6枚。
Manpukucard03
 いずれもリズミカルです。
 こういう語呂合わせのようなもの、韻を踏んでいるものが多いです。
 その中から特に良いと思われるものを選びました。意見には個人差があります。

 これに対応する絵札。
Manpukucard04
 皆かわいいです。

 絵札の裏はクイズになっています。
Manpukucard05
 簡単なのもあれば、難しいのもあります。
 絵札に登場した食材がテーマになっています。
 ハンコは、元の持ち主が捺したのでしょう。

 解説書。
Manpukucard06
 かるたの主旨がよく分かります。

 クイズの解説。
Manpukucard07

 楽しいかるたです。

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