文字・言語

2019年11月16日 (土)

『ならら』のロゴ

 定期購読している奈良の情報誌『ならら』、しばらく前に届いた最新号は大嘗祭の特集です。タイムリー。
Narara201911a

 この号で、誌名の新ロゴのアンケートがありました。
Narara201911b

 候補は以下の4つで、投票はメールまたはフェイスブックで行います。
Narara201911c

 う~ん。どれもなぁ。←意見には個人差があります。(^_^)

 見慣れているということはあるかもしれませんが、現行のロゴが一番良いと思います。
 そう書いて投票してしまおうかしらん。

2019年11月14日 (木)

ほの国百貨店閉店へ

 今日のネットニュースで標題のことを知りました。豊橋の百貨店です。
 といっても、私、この百貨店に行ったことはありません。
 先年、何回か豊橋の愛知大学で開催されたシンポジウムに参加した時に、この百貨店のことを知りました。

 古代、のちの東三河の地は「穂の国」と呼ばれていました。
 国造本紀の東海道の部分は、尾張国造-参河国造-穂国造-遠淡海国造、という順で並んでいます。参河国と遠淡海国との間に穂国があったのでしょう。律令時代になると、穂国は参河国と一緒になってしまいます。

 でも、現在、東三河の地では、かつてこの地が穂の国であったことが意識されているのでしょうね。
 豊橋駅構内で、このような看板を見ました。
Honokuni01

 このような行き先表示板も。
Honokuni02

 ほの国百貨店の閉店で、その一角が崩れてしまうようで残念です。
 閉店の原因は、インターネット通販の増加などで売り上げが伸び悩んだことが大きいそうです。
 インターネット通販の影響は、書店やパソコンショップなど、各方面に大きいですね。

2019年10月30日 (水)

新町で公開講座。「さる」「なり」も

 今日は新町公民館で講座の日でした。隔週で全5回の講座、無事に終わりました。
 今日は前回に引き続き大伴家持です。
Yakamochizo02

 プリントは最後まで作って前回配ってありますので、今日は準備不要のはずが、そううまくはゆきません。(^_^;
 前回、自分への宿題を2つ課してしまいましたので、それをまとめなければなりませんでした。レジュメはこちら

 宿題の1つは「去る」です。「春されば」「夕されば」などは、「春になると」「夕方になると」の意で、「春が去ると」「夕方が去ると」の意ではありませんね。現代では「去る」は離れて行くことにしか使いませんが、上代では来ることにも使うと、辞書や注釈書に書かれています。
 これまで、授業や講座・講演などでは、それをそのまま受け売りしてきましたが、確認してみたくなりました。集中に「さる」は全部で129例ありました。分類すると以下のようになります。

A.季節が来る 65例
【春されば】春になると 27例
【春さり来れば】春になると 7例
【春さりぬれば】春になると 1例
【春さらば】春になったら 5例
【春さりゆくと】春になってくると 1例
【春さりゆかば】春になったら 1例
【春さりにけり】春が来たことだ 1例
【春さりくらし】春が来たらしい 1例
【春さりて】春になって 1例
【秋されば】秋になると 10例
【秋さらば】秋になったら 8例
【秋さりて】秋になって 1例
【秋さり衣】秋になって初めて着る衣 1例

B.時が来る 41例
【朝されば】朝になると 1例
【夕されば】夕方になると 30例
【夕さり来れば】夕方になると 2例
【夕さらば】夕方になったら 3例
【明けされば】夜が明けると 3例
【明けさりにけり】夜が明けてしまった 1例
【夜さり来れば】夜がやってくると 1例

C.(打消を伴って)欠けることなく 11例
【朝去らず】毎朝 5例
【夕去らず】毎夕 3例
【宵去らず】毎晩 2例
【岩もと去らず】全ての岩蔭に 1例

D.(打消を伴って)離れず 10例
【川淀去らず】川淀を離れず 1例
【海辺常去らず】海辺を常に離れず 1例
【み山を去らぬ】お山を離れない 1例
【朝廷去らずて】朝廷を去らずに 1例
【面影去らず】面影が消えることなく 1例
【床の辺去らず】床のあたりを離れず 3例
【枕去らずて】枕辺を離れず 1例
【ねどなさりそね】この寝床にいつもいてくれ 1例

E.離れて 2例
【枕片さる】あなたの枕が床の一方に寄っている 1例
 ○ここだくも思ひけめかも敷栲の枕片さる夢に見え来し(四・六三三)「枕片去」娘子
【夜床片去り】夜床の片方を開けてやすみ 1例
 ○~はしきよし 妻の命の 衣手の 別れし時よ ぬばたまの 夜床片さり 朝寝髪 掻きも梳らず 出でて来し 月日数みつつ~(一八・四一〇一)「夜床加多左里」大伴家持

 以上です。

 季節が来る、時が来る、の例が多く、特に「春されば」「夕されば」の例が目立ちます。夏や冬が来る例はありませんでした。

 そして、打消を伴って「欠けることなく」「離れず」の例があります。
 また、打消を伴わない「離れて」の例は2例しかありませんでした。この2例は用例を示しました。「枕片去り」「夜床片去り」というよく似た例です。

 何でしょねぇ。

 全体的に不思議な偏りを示しています。
 上代において「去る」は離れることにも近づくことにも使われるとはいいながら、近づく意で使われることが多く、しかも、それは季節と時間とに限られていて、人や動物が近づくことに使われた例はない。
 一方、離れる意で使われた例は打消を伴うことが多く、打消を伴わない例は最後の2例のみで、この2例は似たような意味で使われている。

 何かありそうです。

 表記はレジュメの方に示しましたように、万葉仮名の例の他は、「春去者」「夕去者」などが多いです。そんな中で、「春之在者(春されば)」3例というのがあり、気になります。「春しあれば」は実際に発音される場合には母音連続が回避されて、「春されば」となったことでしょうが(farusiareba→farusareba)、なぜ「春之在者」と書いたのか。

 ちょっとあれこれ考えてみます。

 もう1つの宿題は、いわゆる伝聞推量の助動詞「なり」です。平安以降は伝聞推量の助動詞として使われるこの語は、奈良時代には実際に「声がする」「音がする」という意の本動詞として使われた例が多い、という話をして、それを具体的に説明することになっていました。まとめはレジュメをご覧いただくとして、大部分は「声がする」「音がする」の意で、特に鳥の声についていうことが多いです。鳥の姿は見えなくても、声でなんの鳥なのかが分かって歌にしている例もあり、このようなあたりからも伝聞推量に繋がって行くのかという気がします。

 万葉集の「なり」の多くは「声がする」「音がする」の意ですが、少数ながら「ようだ」の意で用いられているとおぼしき例(4首5例)もありますので、伝聞推量の意でも使われ始めていたことになりましょう。

 毎回、皆さんとても静かに、熱心に聴いてくださり、やりやすかったです。質問も活溌に出ました。それを受けて、私の宿題も増えたのですが。(^_^;

2019年10月21日 (月)

『決算!忠臣蔵』

 このような本を読み終わりました。文庫本です。
Kessanchu01

 別の本を読んでいたのですが、萬葉学会のために千葉へ泊まりがけで行くのに、荷物が軽い方が良いと考えて、この本を持って行くことにしました。千葉への往復と今日の都内移動で読み終わりました。

 同名映画の原作本といいますか、映画の脚本を小説化したもののようです。

 このカバーを取ると、下にもう1枚カバー。
Kessanchu02

 「大石良雄金銀請払帳」という史料があります。大石内蔵助が瑶泉院から預かった金銭の決算報告書です。私のHPにも載せています
 この史料を解説した山本博文氏の『「忠臣蔵」の決算書』という本(新潮新書)があります。映画及び『決算!忠臣蔵』はこの本を元にしています。

 ということで、なかなかユニークな内容です。大石内蔵助の描き方も従来の人物像とはひと味違います。

 おもしろく読みました。映画も面白そうに思います。

 赤穂浪士達の言葉は関西弁です。播州弁なのかどうかは私には分かりません。浅野内匠頭も関西弁。
 どうなんでしょ。内匠頭は江戸生まれで、初めて赤穂の地を踏んだのは16歳頃だったと思います。江戸弁じゃぁなかったかなぁ、とも思いますが、江戸屋敷で殿様の周囲にいる家臣たちが播州弁ならば、殿様も播州弁かなぁとも思います。

 そこでまたさらに考えるに、浅野家は秀吉の奥さんであるねねさんの実家なので、もとは尾張弁だったはずです。それから常陸笠間を経て播州赤穂に移ってから55年ほどです。赤穂の藩士たち、どんな言葉をしゃべっていたのでしょうね。

 薩摩の島津家のように鎌倉時代以来何百年もずっと薩摩から動かなかった家の家臣たちはバリバリの薩摩弁でしょうけど、そうでない家はどうだったのか気になります。

2019年10月10日 (木)

金魚の門票のフォント

 先日、金魚の門票を作りました
Kingyomonpyo02

 玄関のドアに貼ってしまいました。(^_^;
Kingyomonpyo04

 道行く人や配達員の方々に何と思われるか。
 結構高い位置なので、あまり気づかれないと思います。(^_^)

 一応門票は完成したのですが、フォントには変更の余地がありそうです。
 いくつか作ってみました。
Kingyomonpyo03
 金色のラベル用紙に印刷すると、この白い部分が金色になります。

 さて、どうでしょねぇ。左上が一番良いかなぁと思っています。

 また印刷してみようと思ったら、金色のラベル用紙が見当たりません。
 前回使った後、その辺にポイッと置いてしまったわけではなく、しまった記憶はあるのですが、どこにしまったか。
 歳をとりました。
 今しまうとしたらどこにしまうか、という観点からも考えてみました。候補は3ヶ所思い浮かびました。その3ヶ所に当たってみましたが、ありません。今の発想を超える場所にしまったのでしょうね。(^_^;

2019年10月 6日 (日)

「万葉集を読む」読了。次は。

 『現代思想』の8月臨時増刊号「万葉集を読む」を先日読了しました。
 家に届いたのが7月30日でしたので、読み終わるのにずいぶん掛かりました。(^_^;
Gendaishicho201908
 
 こういう本や雑誌は、興味関心のある論文だけ拾い読みすることが通例なのですが、この雑誌は、論文24本、座談会2本、全部読みました。上代文学を専門とされていない方々も書いていらして、なかなか興味深かったです。勉強になりました。

 さて、今度は何を読もう、ということで、候補は3点です。

 1番。
Manyoganahiragana

 2番。
Kosekikazoku

 3番。
Shinsekigahara

 自分の専門から言えば、迷うことなく1番一択なのでしょうが、2番を選んでしまいました。

 古代の家族に関心があったわけではなく、正倉院文書である古代の戸籍について、きちんと勉強してみたかったというのが動機です。
 1番も近いうちに。
 一番読みたいのは3番であったりするわけなのですが。(^_^)

2019年8月 7日 (水)

惟光さんのところで集中講義(2019夏)

 一昨日から今日までの3日間、惟光さんのところで集中講義をしてきました。

 月曜日の大山。
Tokaidai201908a
 奥に見えるのが大山です。

 火曜日の大山。
Tokaidai201908b
 今日の大山。
Tokaidai201908c
 撮影時刻は、月曜日が8時台、あとの2日は9時台です。

 3枚の写真、手前の建物などが異なります。諸般の事情で、3枚、それぞれ別の所から撮影しました。
 3日間、好天に恵まれました。午後の雷雨などもありませんでした。結構暑かったですけど、部屋の中は涼しく、快適でした。

 大学院の授業で、少人数でしたので、惟光さんが研究室を貸してくださいました。

 履修生は3人で、タイからの留学生が1人いました。

 タイの文字で私の名前はこう書くのだそうです。
Tokaidai201908d
 1行目が「きたがわ」、2行目が「かずひで」とのことです。

2019年4月19日 (金)

石川九楊展2019&新元号の違和感

 昨日から23日(火)まで、神田神保町の「ギャラリー白い点」で石川九楊展が開催されています。今日、行ってきました。去年までなら、白い点のオーナーでもある奥様がにこやかに出迎えてくださったのでしたが、もうお目にかかれないのが、信じられない思いですし、寂しいことでした。

 またサインを頂きました。
Kyuyo2019a
 一昨年までの分はこちらに載せてあります。

 今年の私の名は「かけじ」にしたと仰いました。「はて?」です。

 「和」と「秀」とに「禾」が共通しているので、それを掛けたとのことでした。「掛詞」ならぬ「掛字」なのでした。

 新元号のことが少し話題になりました。九楊氏は、「令」の字の1画目も2画目も払いだということを指摘されました。

 なるほどです。最初に「令和」という文字を見たときに私が受けた違和感の1つはこれだったのかもしれません。

 「令」の字そのものが元号に初めて使われる文字ですが、それだけではなく、こういう大きな2つの払いから始まる文字も異例なのでした。元号に多く用いられた文字の1画目を分類してみました。

 点で始まる文字--永、治、応、文、安、寛
 横線で始まる文字-元、天、正、長、暦、承
 左払で始まる文字-和、延、徳、保、仁

 最後の「左払」については、払といっても、にんべんやぎょうにんべんなどのように、短いものが多いです。

 書家ならではの見方と思いました。

2019年4月 8日 (月)

草津・くさつ・くさづ

 昨日は少し久しぶりに群馬に行きました。高崎駅構内でこのようなポスターを見ました。
Mamapapagunma  
 趣旨が少し分かりにくいですが、パパもママも、群馬で美味しいものをたくさん食べたり、温泉に行ったりしよう、ということでしょう。
 
 どちらのポスターにも、左側にぐんまちゃんが小さく見えています。(^_^)

 2つのポスターのうち、左側の方の湯もみ板に「くさつ」とあります。3字目がやや小さいので、「くさっ(臭っ!)」とも見えます。(^_^;

 ま、確かに草津温泉は硫黄のにおいがします。

 そして、草津の語源として、「くさうづ(臭水)」説があります。変遷は、kusamidu(くさみづ)→Kusamdu(くさむづ)→kusaudu(くさうづ)→kusadu(くさづ)となりましょうか。

 草津は現在、標準的な読み方は「くさつ」だと思いますが、「上毛かるた」では「くさづ」です。
Jomokusazu02
 群馬県民が広く「くさづ」と発音しているかどうかは分かりませんが、地元の吾妻郡では「くさづ」が一般的なような気がします。これは上の語源説に有利な要素ですね。

 ただ、草津温泉の湯もみ板の文字がなぜ「くさづ」ではなくて「くさつ」なのか不審です。(^_^; 県外の一般的な読み方に従ったのでしょうかね。

 日国で「くそうず」を引くと、「(「くさみず」の変化した語)石油の古称。越後国(新潟県)蒲原郡黒川・新津、同頸城(くびき)郡玄藤寺などが産地として古くから知られた。石脳油。くそうずゆ。」とあり、『大和本草』(1709年)の例などが挙がっていて、方言の項に、新潟県の方言とあります。

 同じ語形に石油の意と硫黄温泉の意と両方あることになりますが、一方は新潟、一方は群馬で、地域が違うので、問題ないのかと思います。


【追記】
 昨日は上のように考えたのですが、「くさうづ」→「くさづ」はどうかなぁと思えてきました。「くさうづ」を経ない方があり得そうです。

 kusamidu(くさみづ)→kusamdu(くさむづ)→kusandu(くさンづ)→kusadu(くさづ)です。

 こちらの方が良さそうに思います。

2019年4月 2日 (火)

「令和」に違和感を覚えた理由

 昨日書きましたように、新元号が「令和」と発表されたとき、まず違和感を覚えました。
 その時は、「令」という文字を元号っぽくないと感じました。実際に、「令」は元号には今まで使われなかった文字のようですね。

 ということはありましたが、それだけではなさそうです。
 思うに、「令」という文字は、命令であるとか、使役であるとか、そういう意味で使われる漢字なので、それも元号っぽくないと感じた理由と思います。元号に使われた文字って、「永」「和」「長」「久」「安」などという分かり易い好字が多いです。それで、「令」に違和感を覚えたのだと思います。

 ところが、「令」って、「令夫人」「令息」のように「よい」という意味もありますね。この2語、私はまだ使ったことがないかもしれませんけど。
 現に、「令和」の典拠となった万葉集の用例も「令月」ですね。命令や使役の意味ではなく、「よい」という意味です。

 思えば、「令夫人」や「令息」を使ったことのない私も、「深窓の令嬢」をもじった「深窓の令猫」なら使っていました。
Nakanoneko07
 その時は、うまいもじりだと自己満足しただけで、「令」の意味に思いを致すことはありませんでした。

 「令」の字に「よい」という意味もあることに気づき、違和感はかなり薄らぎました。

 勉強や教養は大切です。文系の学問も大事にしなければ。←そこに行く。

より以前の記事一覧

2019年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ

ウェブページ