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2024年2月 3日 (土)

『万葉用字格』の影印本&正訓・義訓

 先月、『万葉用字格』の版本を入手したことを書きました。
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 ところが、先日渋川の家の片づけをしていたところ、その影印本が見つかりました。
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 奥付です。
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 和泉書院から出ていたのですね。そしてそれを持っていました。(^_^)
 ま、版本の方が版面が大きいし、影印本は縮小して版下を作っている関係で、版本に比べて鮮明さに欠けるので、良しとします。

 影印本の解説は、1ページ半に満たない簡略なものです。
 その末尾にこうあります。
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 「商(アキ)」が正訓の部と義訓の部と、両方に入っているのを不審がっています。
 不審ですかねぇ。同じ文字が正訓として使われたり、義訓として使われたりすることはあり得ることで、不審とは思えません。
 解説の方が不審に思えました。

 『万葉用字格』における当該箇所は以下のようになっています。
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 右が「正訓」の部、左が「義訓」の部です。
 「義訓」の方は行末から次行頭に跨がりますので、切り貼りしました。

 実際に万葉集に当たってみると、「正訓」の「商」は巻7の1264番歌です。
  ○西の市にただ独り出でて眼並(めなら)べず買ひてし絹の商(あき)じこりかも(商自許里鴨)
 『万葉用字格』に「島守(サキモリ)」とあるのは意味不明です。
 ただ、1264番歌の次の歌は、
  ○今年行く新島守(にひしまもり)が麻衣(あさごろも)肩の紕(まよひ)は誰(たれ)か取り見む
なので、用例を引用するときに、これと混線したのかもしれません。

 「義訓」の「商」は巻16の3809番歌です。
  ○商変(あきかへ)し(商変)領(し)らすとの御法(みのり)あらばこそわが下衣(したごろも)返し賜(たば)らめ
 この歌には左注があり、次の通りです。
  *右は伝へて云はく、ある時に幸(うつくしび)せらえし娘子(をとめ)ありき。[姓名詳らかならず] 寵(うつくしび)薄れぬる後に、寄物[俗にかたみと云ふ]を還し賜(たば)りき。ここに娘子怨恨(うら)みて、聊(いささ)かにこの歌を作りて献上(たてまつ)りきといへり。
 歌の解釈は、例えば、釈注では以下の通りです。
  *「商契約の破棄を施行する」などいう法令でもあるのでしたら、私がさし上げた形見の下衣、その衣をお返し頂いても宜しうございましょう。けど……。
 現代の諸注釈、文言には勿論違いはありますが、内容はほぼ同一です。

 なるほど、こうして比べてみると、『万葉用字格』には、「商(アキ)」が正訓の部と義訓の部と両方に載っていますけれども、どちらも正訓と思えます。
 影印本の解説はあまりにも簡略ですが、不審としたのはこの点かもしれませんね。

 もう少し考えてみたく思いました。
 『万葉用字格』の「義訓」の部の「商」には、「商は秋の音なれば也」とあります。
 この注記もよく分かりません。
 ふと、「商」の字義を調べてみようと思い、手元の『角川新字源』を見るとこうありました。
Shunto11
 この解説の⑤に注目です。古代中国の「五音」を五行に配当すると、「商」は秋に当たるということです。
 『万葉用字格』が「商」を「義訓」とするのはこれでしょうね。
 当該歌の「商変」を「秋変わり」などとする解釈があって、『万葉用字格』はこれに拠って、この「商」を義訓としたのでしょう。
 そういう解釈が当時あったのでしょうかね。
 とりあえず『万葉集略解』を見たのですが、略解の解釈も釈注等の現代の諸注釈と同様でした。

 今ここまでです。
 おもしろそうなのですが、ここで中断のやむなきに至っています。
 何か進みましたら、また。

2024年1月19日 (金)

春人上人の『萬葉用字格』

 春人上人の『萬葉用字格』を入手しました。
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 この本の書名は知っていましたが、恥ずかしながら現物を見たことはありませんでした。不勉強です。

 奥付です。
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 書肆の住所は、神田区、浅草区ですね。明治以降の後刷りです。

 あの部。
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 正音は、阿(あ)
 略音は、安(あ)
 正訓は、吾(あ)、我(あ)、旦(あさ、あした)など。

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 義訓は、妾(あ)、商(あき)、白(あき)、金(あき)など。

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 略訓は、網(あ)と足(あ)。
 約訓は、荒礒(ありそ)、荒石(ありそ)など。
 借訓は、余(あ)、穴(あな)、尼(あま)など。

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 戯書は、山下(あらし)、下風(あらし)など。

 それぞれ巻名と簡単に用例も挙がっています。
 なるほど、こういう本だったのかと思いました。
 これはかなりの労作ですね。

 項目はあいうえお順の排列です。
 清濁で項目を分けてはいません。
 ア行のエと、ヤ行のエとを区別してはいません。
 いわゆる上代特殊仮名遣には対応していません。

 あれこれおもしろいです。

2023年10月20日 (金)

日本のハロウィンはいつ頃から?

 渋川の家で、古い『週刊文春』を見つけました。
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 平成4年(1992)の10月29日号。今から31年前です。

 カボチャのお面と黒猫。ハロウィンですね。
 表紙の絵については、作者の和田誠氏の言葉が掲載されています。
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 ここに「日本ではあまりポピュラーではありませんが」とあります。

 私が子供の頃には、ハロウィンなどという風習は全く知りませんでした。
 当時、テレビではアメリカのテレビドラマを多く放送していましたけど、そこでも見ませんでした。
 気がついたら、いつの間にかハロウィンの風習が日本に入ってきていました。
 それがいつ頃からなのかはっきりしませんでしたが、この「表紙はうたう」の証言は貴重です。
 平成4年の頃には、ハロウィンはまだそう広がってはいなかったようです。
 あとは、『現代用語の基礎知識』にいつから登録されるようになったかでしょうね。

2023年9月28日 (木)

お寺のねこ&英語のお経

 今日は、お彼岸のお塔婆を頂きに菩提寺に行ってきました。
 菩提寺に行ったときは、いつもお寺のねこの写真を載せてきました。
 今日もねこいました。しかし、撮ろうとしたら、デジカメが電池切れでした。
 家を出る前にちゃんと確認しないといけませんね。
 やむなくスマホで撮りましたが、私のスマホ、きれいに撮れません。
 性能が低いのか、私の撮り方が悪いのか。
 それで、今日はこの1枚だけです。
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 ご住職はねこを気遣って、ゴハンは4種類くらいの盛り合わせです。
 その中には、水分補給用のゴハンも混じっています。至れり尽くせり。
 愛です。

 話変わって、英文のお経のコピーを頂きました。
 こういうものは初めて見ました。
 画像は切り貼りしました。
 開経偈です。
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 私は英語がさっぱりなので、この英文をネットの「DeepL翻訳」で訳してみました。
 以下の通りです。
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開経の詞
このお経には、最も深遠で素晴らしい教えが説かれている。
このお経は、何千何百万という劫の中で一度でも出会うことは難しい。
今、私たちはこのお経を見、聞き、受け、守ることができました。
*如来の最も優れた教えを理解することができますように!

大乗の最も優れた教えは、私たちにとって理解するのがとても難しい。
このお経を見たり、聞いたり、触れたりすることで、悟りに近づくことができるだろう。
説くは仏の智慧なり。
説くは仏の真理なり。
このお経を構成する文字は、仏陀の顕現である。

香水が近くに置かれたものによってキャッチされるように、このお経には無限の功徳が積み重ねられているので、私たちはその功徳に気づいていなくても、このお経によって豊かな恩恵を受けることができる。

私たちはこのお経の功徳によって、過去の罪を償い、善行を積み、成仏することができる。
私たちが賢いかどうか、お経を信じるか中傷するかは問題ではありません。

このお経は、過去・現在・未来の諸仏が説かれた最も素晴らしく、最も優れたものです。
私たちがこのお経に出会い、それを受け取ることができますように!


                *如来...仏陀の十名の一つ。

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 滑らかな日本語ですねぇ。すごいことです。

2023年9月26日 (火)

けろけろけろっぴの回文かるた

 「けろけろけろっぴの回文かるた」をネットオークションで買いました。
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 箱(じゃなくて、筒です)から出すと、同じデザインの缶です。
Kerokaibun02

 絵札はこんな感じです。
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 相当する読み札は以下の通りです。

 い:いいわ 快適ね キティかわいい
 た:たいやき やいた
 ち:力ためせ 攻めたら 勝ち
 ふ:ふかしたアンパン あたし買ふ(う)
 ゆ:ユズ ゆのなか ホカホカなの 「ユズ湯」
 よ:良いしらせ ワァ! しあわせらしいよ

 「い」の札にはキティちゃんが登場しています。けろけろけろっぴはキティと同じ会社であるサンリオのキャラクターなのですね。
 「た」の札の「たいやき やいた」はシンプルですけど、なかなか良いですね。と思ったのですが、これ「竹やぶ焼けた」という古典的な回文を少し変えただけでもあります。
 「ふ」の札の末尾は歴史的仮名遣いです。44も回文を作るのはさぞ大変だったことと思います。とはいえ、これは何とも苦し紛れですね。遊ぶのは子供ですから、歴史的仮名遣いというのは。
 「ゆ」は良くできていると思います。てるてる坊主もかわいいです。
 「よ」の札の絵の電話機は懐かしいです。

 このかるたにはサンリオの郵便番号が印刷されていますが、3ケタです。
 郵便番号が導入されたのは1968年7月1日で、この時の郵便番号は3桁または5桁でした。
 これが7ケタに変わったのは1998年2月2日でした。
 ということで、このかるたが作られたのは、この期間ということになります。
 電話機の姿もなるほどです。

 かえるのキャラクターがあれこれあって、混乱してしまいましたので、ググってみました。
 けろけろけろっぴはサンリオ、ケロヨンは木馬座ですね。
 薬屋さんの店頭にいるのはケロちゃんだそうで。
 お風呂の黄色い桶はケロリン。これはカエルとは関係ないのですね。
Gunmac_kerorin

2023年9月19日 (火)

「英語かるた」

 「英語かるた」を入手しました。
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 かるたも集めていますけど、私の収集品の中で一番の変わり種です。
 珍しいものが手に入りました。

 絵札と読み札はこんな感じです。
Eigocard02
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 読み札には英語の他に、カタカナの読みと意味とが記されています。
 いろはかるたは、読み札の最初の音が絵札を取る時の最大の手がかりになりますが、このかるたでは、それは全く通用しません。
 読まれた読み札の内容を理解して、それに相応しい絵を選ぶ感じでしょうか。
 abc……も全く無意味ではなく、中心となる語の頭文字がabc……に選ばれています。

 このような説明書が付いています。
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 発行年月日は記されていませんが、旧字新仮名です。
 当用漢字と現代かなづかいが定められたのは、ともに昭和21年11月です。
 印刷所は、現代かなづかいにはすぐにでも対応できますが、当用漢字に対応するための活字はまだ用意できなかったのかもしれません。

 説明書の中程に(新中生、新高校生)とあります。
 これは、新制中学校、新制高等学校の生徒という意味と思われます。
 戦後の学制改革で、新制中学校が発足したのは昭和22年度、新制高等学校の発足は昭和23年度です。

 かるたの用紙は厚紙ですが、紙質はあまり良くありません。
 箱に描かれた「J」の絵札にはジープの絵があります。
 あれこれ思い合わせるに、昭和23年代から数年以内でしょうか。

 もう1つ手がかりになりそうなのが、上に示した「c」の絵札です。
 ここに日めくりカレンダーが描かれています。
 5月19日で土曜日です。
 昭和20年代、30年代で5月19日が土曜日なのは、昭和20年、26年、31年、37年です。
 とすると、昭和26年ですかね。
 「e」の札の電灯の絵も懐かしいです。

 あれこれおもしろいです。

2023年9月11日 (月)

根来麻子氏『上代日本語の表記とことば』

 本日、根来麻子氏『上代日本語の表記とことば』(新典社)が刊行されました。
Jodainihongo

 目次は以下の通りです。

    凡例

  序 本書の目的と構成

第一部 宣命特有の表現
  第一章 「現(御)神」と「明神」―両者の使い分けをめぐって―
  第二章 「現(御)神」「明神」の訓
  第三章 「オホヤシマクニ」の意義―「御宇天皇」の訓みをめぐって―
  第四章 「天地の心を労み重み」「天地の心も労く重く」をめぐって

第二部 宣命の表記に関する問題
  第一章 宣命の表記と読み上げ
  第二章 謙譲語「タマフ(下二段)」の表記「食」について

第三部 正倉院文書特有の表現
  第一章 督促の表現―「怠延」を中心に―
  第二章 「廻」字の用法と熟語

第四部 宣命と正倉院文書とのかかわり
  第一章 「緩怠(怠緩)」「公民」の典拠と運用
  第二章 「暫間」「暫之間」の成り立ちと運用

第五部 上代文献の諸表現
  第一章 『万葉集』「明津神 我が大君」をめぐって
  第二章 『播磨国風土記』賀毛郡雲潤里条の主題―「云尓而已」の解釈を端緒として―
  第三章 『古事記』における「登岐士玖能迦玖能木実」の位置づけ

    初出一覧
    あとがき
    索引

 章の下の節に当たる項目は省略しました。

 上代日本語研究の資料は、古事記、日本書紀、万葉集、風土記などが主に用いられてきましたが、それらの文献は文学作品や歴史書という偏りがあります。
 一方、本書で根来氏が対象とするのは、天皇の命令を宣読した宣命や、行政文書としての正倉院文書です。
 こういう種類の資料も含めて考察することで、上代の日本語のありさまがより明確になってゆくものと思います。
 私もじっくりと拝読し、勉強いたします。

2023年9月 9日 (土)

越中ことば番附の絵はがき

 越中ことばの絵はがきを入手しました。2枚です。
 1枚目。
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 上半分の写真には、「立山連峰ノ雄姿(富山湾ヨリ望ム)」とあります。

 2枚目。
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 下半分の写真には「高岡公園濠端の桜」という解説が付いています。

 越中ことばの部分だけを拡大します。
 1枚目。
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 「越中ことば番附」という表題の下には、「左記方言は古老間に使はるゝが現代人はあまり使はず」という注記があります。
 これはいつの絵はがきか分かりませんが、今はさらに失われてしまっているかもしれませんね。

 2枚目。
Echukotoba04

 2枚の絵はがきは組なのかどうかは不明ですが、こちらの文章に使われている語は、もう1枚の絵はがきの番附に載っているものが多いです。

 大伴家持が越中守として赴任した頃の越中のことばも都とは違っていたようで、家持の4017番の「東風」には「越の俗語に東風を安由乃可是と謂ふ」とあります。
 当時の越中方言と都のことばとの差は今よりは小さかったのでしょうかね。

2023年9月 2日 (土)

和食の英文

 先日のお食事会のお品書きです。
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 字が小さくて見にくいですが、日本語の下に英語表記もあります。
 私は中学校以来英語が苦手で今に至っていますが、日本語との対比には関心があります。
 そこで、ちょっと見てみました。英和辞典はランダムハウスに拠ります。
 3分割して載せます。

 まず最初。
Shunsai41
 appetizer は知りませんでした。辞書には次のようにありました。
  アペタイザー,食前酒,前菜;食欲をそそる飲み物または食べ物.
 なるほどです。

 halta jute がモロヘイヤに当たるのでしょうが、辞書には載っていませんでした。
 jute は次のようにありました。
  1 ジュート(繊維),黄麻(こうま)
    2 ツナソ,ジュート,コウマ:ジュートを採るシナノキ科ツナソ属の植物 Corchorus capsularis (white jute)および C.olitorius (tossa jute);東インド原産. 
   3 2と同属の植物の通称.

 「おつくり」は刺し身のことですけど、「刺す」と言うのを嫌って、「つくり」と言ったものと思います。
 そうだとすれば忌詞ですね。
 日国の「つくり」の項には以下のようにあります。
  (3)魚などの刺身(さしみ)。おつくり。つくりみ。
  *雑俳・冠独歩行〔1702〕「いそがしや・涼の鯉の作り売」
  *兵隊の宿〔1915〕〈上司小剣〉七「造身(ツクリ)を十人前出けまへんやろかて」
  *青井戸〔1972〕〈秦恒平〉「鯛の造りもなくなると」
 元禄時代にはこういう言い方のあったことが分かります。忌詞という記述はありません。

 日国で「おつくり」には次のようにあります。
  (2)(「つくり」は「つくりもの」の略)「さしみ(刺身)」を丁寧にいう語。もと、女房詞。
  *青草〔1914〕〈近松秋江〉五「小い弁当箱に入った鮮麗な鯛のおつくりなどを食べつつ」
 こちらには「もと、女房詞」とありますが、やはり特に忌詞とは書いてありません。
 用例は大正まで降ります。

 2番目。
Shunsai42
 eel は次のようにありました。
  1 ウナギ:無足目 Apodes の腹びれのない長い魚の総称;アナゴ,ハモ,ウツボなどを含む
 穴子も鱧もeel なのですね。sea eelで鱧ということでしょうか。

 conger は次のようにありました。
  1 ヨーロッパアナゴ,モトアナゴ:3m にもなるアナゴ科の海産魚;食用.
  2 アナゴ:アナゴ科 Congridae の魚の総称. (また cónger èel)
 conger eel で穴子なのでしょう。

 最後。
Shunsai43
 赤出汁は miso soup ですね。単にみそ汁ということで、特に赤だしというわけではありません。

 Tempura と Sushi は1字目のみ大文字なのに対して、SASHIMI は語全体が大文字なのですね。

 あれこれおもしろいです。

【追記】
 モロヘイヤに当たると思われる Halta jute が気になりましたので、ネットのDeepl翻訳で、逆に日本語のモロヘイヤを英語に翻訳してみました。
 そうしたら、その結果は、Nalta jute と出ました。
 お品書きの Halta jute は Nalta jute の誤植だったようです。
 すっきりしました。

2023年7月 6日 (木)

「ふみづき」の語源は?

 一昨日、7月4日(火)のNHK「ゆう5時」の気象コーナーで、旧暦7月の異称「文月」の語源の話がありました。
 「諸説ありますが」ということで、書物の虫干しをする月から来ているという説が紹介されました。
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 兵庫県の西宮神社では毎年この季節に虫干しをすること、かつては多くの寺社でも同じくこの季節に虫干しをしていたそうです。
Fumizuki02

 確かに旧暦だともう梅雨は明けている季節ですから、そうかもしれないという気はしますが、どうでしょう。

 万葉集ではただ一首、巻10・2069番歌に「……あらたまの 年の緒長く 思ひ来し 恋尽すらむ 七月の 七日の宵は 我れも悲しも」という歌があり、このうしろから3句目を「ふみづきの」と訓んでいますが、原文は「七月」ですので、「ふみづき」と訓む確証にはなりません。
 古写本では「はつあきの」と訓むものが多く、古い注釈も同様に訓んでいましたが、『万葉集略解』あたりから「ふみづきの」と訓むようになり、現代ではそれが定訓になっています。

 もしも万葉集の例を「ふみづき」と訓んで良いとしたら、「ふみづき」の語源虫干し説が成り立つためには、この時代から7月に本の虫干しをする風習があったのか、ということになりますね。

 語源は難しいです。

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