忠臣蔵

2019年1月26日 (土)

昭和33年大映「忠臣蔵」の台本

 昭和33年の大映「忠臣蔵」の台本を入手しました。
S33chuhon01
 この作品、忠臣蔵の映画やTVドラマの中ではお気に入りの作品なので、嬉しいです。
 中村鴈治郎のものですね。この台本を鴈治郎が実際に手にしたかと思うと、それまた感慨深いものがあります。

 この作品で、鴈治郎は大石東下りの際の垣見五郎兵衛を演じています。大石は長谷川一夫、浅野は市川雷蔵、吉良は滝沢修、瑶泉院は山本富士子、りくは淡島千景、岡野は鶴田浩二、赤垣は勝新太郎、岡野の恋人は若尾文子、などなど豪華な俳優陣です。

 大石と垣見との場面。
S33chuhon02
 垣見のセリフに1ヶ所、変更があります。

 この作品、いろいろと好きな場面がありますが、1つは、討入り前に暇乞いに来た大石の真意に気づかなかった瑶泉院が、夜半過ぎにそれを知って後悔する場面です。
S33chuhon03
 改めて台本を読んで、また泣きそうになりました。(^_^)

 そして、ラストシーン。本懐を果たした浪士達が泉岳寺に引き上げる途中、両国橋に瑶泉院が駕籠で乗り付け、駕籠から降りて、浪士達を出迎えます。
S33chuhon05
 浪士達は瑶泉院に黙礼しながら、その前を通り過ぎて行きます。それを見送った瑶泉院は最後には手を合わせつつ、くずおれてしまいます。
S33chuhon06
 身分ある瑶泉院がここまでするというのは、数ある忠臣蔵作品の中で、稀有なことと思います。大石の暇乞いへの自分の対応を心から後悔した瑶泉院が、その後悔と浪士達への感謝の思いとで、このような行動に出たのでしょう。感動的な終わり方です。また泣きます。(^_^;

 この場面、台本では次のようになっていました。
S33chuhon04
 瑶泉院は、戸を閉めた駕籠の中にいるのですね。大石達は、駕籠脇に戸田の局がいるのを見て、駕籠の主が瑶泉院であると知り、駕籠に向かって黙礼してゆきます。そして、隊列が通り過ぎたあとで、駕籠の戸が開いて、瑶泉院の姿が見えるという形になっています。

 こちらの方がまだしもあり得る設定(いや、こちらもないか)ですし、これはこれで感動的なシーンになると思いますが、実際の映画では、瑶泉院は初めから駕籠から降りて、大石達を出迎える形に変更したのですね。撮影時の判断でしょうか。

 結果的に、変更後の方が良かったと思います。

 台本と実際の作品とを比べるのは楽しいです。

2018年12月20日 (木)

鑑定団に堀部安兵衛の遺書

 「開運! なんでも鑑定団」、毎週楽しみに見ています。(^_^)
 ただ、リアルタイムではなくて、いつも録画しておいて、夜中や翌日以降にじっくり見ます。

 18日(火)の放送を昨日見ていたら、最後に堀部安兵衛の書き置き等3通が出ていました。

 依頼人は福井県小浜市の男性です。飼い猫のハチも登場しました。ハチワレ猫なので、ハチなのでしょうね。
Horibeisho01
 依頼品は以下の3点です。
Horibeisho02
 偽物だろうと思って見ていました。

 中段は堀部安兵衛が堀部文五郎(弥兵衛の甥であり、また養子)に宛てた書き置き。日付は討入りを間近に控えた12月10日。
Horibeisho03
 下段は安兵衛が養母(弥兵衛の妻)に宛てた書き置き。日付は討入り当日の12月14日。
Horibeisho04
 上段は弥兵衛が家族に残した書き置きで、日付はなし。
Horibeisho05
 鑑定の結果は、上段と中段は当人による真筆、下段は同時代の透き写し、ということで、鑑定額は総額950万円でした。本物という鑑定です。

 いやぁ、出てくるものですね。

 この3点は、依頼人の奥さんの実家に代々伝えられたもので、奥さんの家は堀部家の子孫だそうです。安兵衛の書き置きの宛先である堀部文五郎の家に伝来したということであれば、あり得ることと、納得できます。

 依頼人夫妻は売る気満々で、高校生の孫娘が引き留めているとのことでした。誰が所持していても良いのですが、影印と翻刻が公開されると良いです。

2018年12月14日 (金)

昭和29年の忠臣蔵パンフレット2種

 今日は12月14日、討ち入りの日です。泉岳寺で義士祭ですが、前橋で仕事の日でしたので、行きませんでした。

 下は、最近入手したパンフレットで、昭和29年のものです。
S29chu_kan01
 大石は先代の松本幸四郎。風格のある内蔵助です。実際の内蔵助は「元禄繚乱」の中村勘九郎(のちの勘三郎)に近かったような気もしますけど。

 上の表紙には内蔵助の幸四郎と内匠頭の高田浩吉が描かれています。何の違和感もありません。ところが、このパンフレットに載っている配役表にはこうあります。
S29chu_kan05
 高田浩吉がトップで、幸四郎は3番目ですね。主役の幸四郎を差し置いて、これはあり得ないことです。

 この忠臣蔵のパンフレット、実はもう1つ持っています。以下です。
S29chushingura01
 こちらには、高田浩吉の代わりに浮橋太夫の淡島千景が載っています。

 このパンフレットにおける配役表は次の通りです。
S29chu_hai
 こちらは順当に幸四郎がトップです。

 2つのパンフレット、何が違うかというと、前者は大阪版、後者は東京版です。

 大阪版は、表紙に高田浩吉の写真が使われていることも併せて、どうやら高田浩吉をアピールしようとしているようです。

 高田浩吉は兵庫県出身で、ずっと京都在住だったようですので、高田浩吉を前面に出す方が関西ではお客さんが呼べると考えたのでしょうかね。

 あるいは、単に大阪支店の担当者が高田浩吉ファンだっただけかもしれませんけど。

 比較するのは楽しいです。

2018年11月21日 (水)

昭和36年「赤穂浪士」の台本

 このようなものを入手しました。
S36akodaihon01
 昭和36年東映のものです。この頃の映画はもうあらかたカラーになっていたと思いますが、表紙には「総天然色」とうたっています。持ち主は堺駿二。堺正章のお父さんですね。

 ぶ厚いです。
S36akodaihon02
 配役表の冒頭。
S36akodaihon03
 千恵蔵、右太衛門の両御大を筆頭に、東映オールスターです。次のページの筆頭には「大石主税 松方弘樹」とあります。まだずいぶん若かったのですね。

 本文から1ヶ所だけ。内蔵助が九条家用人立花左近と名乗って、江戸に向かいます。ところが、東海道三島宿で本物の立花左近と遭遇してしまいます。左近は証拠の書き付けを見せろと迫ります。
S36akodaihon04
 立花左近はちょっとだけしか登場しないのに、なかなかおいしい役です。この作品では大河内伝次郎が演じています。

 この作品のDVDは持っていますけど、それはそれとして台本も楽しいです。

2018年10月18日 (木)

切腹最中&義士羊羹

 頂き物です。♪
Seppuku01
 中身は、切腹最中と義士羊羹。
Seppuku02
 忠臣蔵ゆかりのお菓子で、製造販売元は芝田村町(現在の住居表示は港区新橋)の新正堂です。このお店は、浅野内匠頭が切腹した田村右京大夫邸のすぐ近くにあります。そのゆかりでこのような和菓子を売り出したのでしょう。

 義士羊羹はともかく、切腹最中のセンスはやや微妙ですね。くださった方もそのようにお考えのようでした。

 箱を横から。
Seppuku03
 これまた切腹のイメージでしょうか。(^_^;

 義士羊羹。
Seppuku04
 名前の文字はそれぞれ自筆かもしれませんね。

 いろいろな種類があって、楽しみです。
Seppuku05

2018年7月26日 (木)

大映「忠臣蔵」(S33)の配役変更

 大映京都撮影所の宣伝課が発行した「特報」を入手しました。3枚ペラで綴じてありません。昭和33年に封切られた大映の「忠臣蔵」に関する特報です。いつの発行か書いてありませんが、「この「忠臣蔵」は……封切は陽春四月第一週、撮影は新春一月十五日より堂々の火蓋を切られることが決定した」とあります。前年昭和32年の11月、12月くらいの発行でしょうか。
S33chutoku01
 これに、96名に及ぶ配役が載っています。
S33chutoku02
 かなり詳しい配役ですので、台本も決定稿ではないにしても、かなりの程度までできていたものと思われます。
S33chutoku03
 これを見ると、
 大石内蔵助:長谷川一夫
 りく:淡島千景

 浅野内匠頭:市川雷蔵
 瑶泉院:山本富士子

 吉良上野介:滝沢修

 岡野金右衛門:鶴田浩二
 大工の娘お鈴:若尾文子

 赤垣源蔵:勝新太郎

 垣見五郎兵衛:中村鴈治郎
などなど、豪華な面々です。

 私の好きな作品で、終盤の瑶泉院など、何度見ても泣きそうになります。

 さて、上に示した配役は実際の映画と同じですが、これ以外については、実際とは異なる点がいくつかあります。

 この作品で、異例ともいうほどに活躍している多門伝八郎を、映画では黒川弥太郎が演じているのに、この「特報」では多門役は根上淳になっています。

 黒川弥太郎は「特報」では片岡源五右衛門を演ずることになっています。その片岡は、映画では香川良介が演じています。香川は「特報」では赤垣源蔵の兄塩山伊左衛門役です。その塩山は映画では竜崎一郎が演じています。竜崎は「特報」にはキャスティングされていません。また、「特報」で多門を演じることになっていた根上淳は、映画では老中土屋相模守を演じています。土屋相模守は「特報」には役名が載っていません。

 ということで、玉突き状態の役替えが行われています。この玉突きは、当初キャスティングされていなかった竜崎一郎を加え、当初は出番がなかった土屋相模守を増やすことで、止めどなく続くことなく収まりました。

 映画では多門伝八郎が異例の活躍をしていますので、この役替えは、黒川弥太郎には幸いですが、根上淳は気の毒なことと思いました。

 役替えは新発見かと思いましたが、そうではなく、『戦後「忠臣蔵」映画の全貌』(谷川建司著、集英社クリエイティブ、2013年11月刊)を見たら、既に書いてありました。(^_^; 新発見はそう簡単にはできません。

 この本では、配役変更の理由は不明としながらも、この作品の渡辺邦男監督が以前から黒川弥太郎を自分の作品に使い続けてきていたので、「贔屓の黒川弥太郎の役を大きくするべく監督特権で調整したのはほぼ間違いないだろう。」とありました。

 役替えだけでなく、台本も変えて、多門の出番を増やしていそうですね。

 これ以外の変更としては、小林平八郎が高松英郎から原聖四郎へ、脇坂淡路守が原聖四郎から菅原謙二へ、関根弥次郎(祇園で大石を罵倒する浪人)が菅原謙二から高松英郎へ、というのがあります。こちらは三角トレードですね。

 また、滝花久子が、堀部弥兵衛の妻から矢頭右衛門七の母へと変わっています。「特報」には矢頭右衛門七の母は登場せず、映画には堀部弥兵衛の妻は登場しません。これは、台本にはなかった矢頭右衛門七の母のエピソードをあとから加えて滝花久子にその役を割り振り、その代わり、滝花久子が演じるはずだった堀部弥兵衛の妻の出番を削ったのでしょう。

 今回入手した「特報」、当初はわがライフワーク(作業はずっと中断していますけど)の忠臣蔵配役表の作成資料にというつもりだったのですが、作成資料にはならず、その代わりもっと面白い資料でした。(^_^)

 1つだけ見ていたのでは分からないことが、2つの資料を比べることで見えてくることってありますよね。古事記と日本書紀もそう思います。比較は面白いです。

2018年6月13日 (水)

大正15年の「忠臣蔵新報」

 このようなパンフレットを入手しました。
T15chushin01
 大正15年4月の発行です。発行元の富士館は浅草六区にあった映画館で、尾上松之助主演映画の上演で人気を博したのだそうです。

 1枚紙の2つ折りで、全4ページです。

 1ページ目に尾上松之助の演説が載っていました。
T15chushin04
 300年の歴史を持つ忠臣蔵も、時代によって描かれ方が変わっていったことが、この文章からも伺えます。

 面白いことが書いてありました。
T15chushin05
 忠臣蔵は雪が降らないと撮れないとあります。今ならば、綿や塩や発泡スチロールを使って雪のシーンを撮影するのでしょうに、この時代は降雪待ちだったのですね。綿や塩だって使えたのでしょうが、予算の関係でしょうかね。

 いつまでも雪が降らない可能性だってあったでしょうに、雪待ちをして、午前3時に総動員しての撮影って、すごすぎます。

 見開きの2~3ページです。
T15chushin02_2
 ここには撮影スケジュールが載っています。

 その冒頭部。
T15chushin06
 末尾。
T15chushin07
 たまたまでしょうけど、撮影日数が47日。ロケもあちこちで行っています。

 最後のページは丸ごと配役表です。
T15chushin03
 さすがに大正15年というと名前を知っている人さえほとんどいません。あと10年くらい後ならば、大河内伝次郎、片岡千恵蔵、阪東妻三郎、月形龍之介、山田五十鈴などなど、知っている人がたくさん並ぶのですけど。

 わがライフワークの「忠臣蔵配役表」(更新はずっと中断していますけど)の貴重な資料になります。

 このパンフレットの発行が大正15年の4月。主演の尾上松之助が亡くなったのはこの年の9月11日だそうです。松之助の最後の作品かもしれませんね。

2018年5月14日 (月)

「元禄忠臣蔵」のパンフレット&草刈正雄

 「元禄忠臣蔵」のパンフレットを入手しました。
Genchu01
 この作品は、昭和16年(1941年)〈前篇〉・昭和17年(1942年)〈後篇〉に封切られたものですが、このパンフレットは当時のものではなく、昭和54年(1979年)に東京の三百人劇場でロードショー上映されたときのものです。

 佐藤忠男氏の文章と、
Genchu02
 新藤兼人氏の文章が載っています。
Genchu03
 写真が載っていますが、松の大廊下は、セットというより、原寸大の実物を建築してしまったそうです。ことのなりゆきに、製作部長や重役が顔色を変えたとありました。(^_^)

 「「忠臣蔵」映画の流れとその時代」と題する見開きページもありました。
Genchu04
 ここには、「忠臣蔵」(1909)〈歌舞伎公演をフィルムに収録したもの〉から「赤穂城断絶」(1978)までの31作品が取り上げられています。

 配役表のページもあり、そこには、出演者である高峰三枝子、中村翫右衛門、市川右太衛門の思い出話も載っています。
Genchu05
 このページに載っている顔写真から4人分、切り貼りします。
Genchu06
 左上から時計回りに、市川右太衛門(徳川綱豊)、市川莚司(武林唯七)、中村梅之助(大石吉千代)、高峰三枝子(磯貝十郎左衛門の許嫁おみの)です。

 中村梅之助は梅雀のお父さんですね。市川莚司って、これどう見ても加藤大介だよなぁ、と思って調べてみましたら、やはりそうでした。(^_^) 顔、変わりません。

 裏表紙ウラです。
Genchu07
 下段は草刈正雄ですね。真田昌幸、このころはずいぶん若々しいです。

2018年5月 7日 (月)

『宝塚グラフ』忠臣蔵特輯

 『宝塚グラフ』の昭和13年1月号を入手しました。忠臣蔵特輯です。
S13takarazuka01
 これまで、忠臣蔵関係の台本、パンフレットなどは、主に映画やTVドラマのものを収集してきましたが、宝塚に手を出してしまいました。(^_^;

 松の廊下。
S13takarazuka02
 役名は、判官、師直、加古川本蔵です。

 萱野勘平。小夜福子。
S13takarazuka03
 こちらの役名は、萱野三平と早野勘平との折衷になっています。

 吉良邸隣家の土屋主税。
S13takarazuka04
 炭小屋前。
S13takarazuka05
 胸の文字は、「赤穂浪士」「吉田沢右衛門」「近松勘六」とあります。

 全体的に、仮名手本忠臣蔵と実録との折衷のようです。

 ここまでの写真に登場したタカラジェンヌのうち、小夜福子と葦原邦子は、私が子供の頃、TVドラマで活躍していましたので、見知っています。あ、葦原邦子という芸名、たぶん「葦原中国」からとったのでしょうね。今頃気づきました。

 このような広告ページがありました。
S13takarazuka06
 薄暗い劇場内でお化粧直しに使えるライトだそうです。こんなオサレな物が販売されていたのですね。文字は左横書きです。

 裏表紙はこうなっています。
S13takarazuka07
 原節子でしょうか。こちらは右横書きです。

2017年9月 6日 (水)

黒猫の『赤穂義士物語』

 こういう本を買いました。平成21年6月1日発行。発行人は The 47Black Cats Planning 、発行所は赤穂市加里屋の赤穂孔版です。
Akogishimono01
 四十七士が黒猫です。なぜ黒猫なのかは以下のように書かれています。
Akogishimono02
 ちょっと分かったような分からないような。(^_^)

 赤穂関係は黒猫ですが、その他の登場人物は黒以外の猫です。吉良さんはグレー。シルバーグレーのイメージでしょうか。
Akogishimono03
 遊里のお姉さんたちは白猫です。大石さん、膝枕でゴロゴロ言っています。(^_^)
Akogishimono06
 猫だらけの中で、将軍綱吉は犬です。犬公方ですからね。でも、絵はちょっとオオカミっぽい。
Akogishimono04
 見開きの右ページが絵で、左ページが文章になっています。
Akogishimono05
 文章ページは、日本語と、英語、フランス語です。グローバル。

2019年2月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28    
無料ブログはココログ

ウェブページ