群馬のことばと文化

2014年2月 3日 (月)

群馬のことばと文化14

 今日は、県民公開授業「群馬のことばと文化」の14回目がありました。

 講師は、文筆家で群馬県立女子大学群馬学リサーチフェローでもある今井昭彦先生で、テーマは「群馬県における戦没者慰霊」でした。
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 戊辰戦役から日清戦争の頃までの靖国神社の歴史を、群馬における戦没者慰霊と絡めてのお話でした。
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 靖国神社が、戊辰戦役での戦没者を慰霊するために設けられたことは承知していましたが、その「戦没者」というのは「官軍」の戦没者を指すもので、「賊軍」は対象外であるということは意外な点でした。

 上野の彰義隊や、長岡や会津の藩士たち、西南の役の西郷軍は靖国神社に祀られてはいないのでした。

 敵味方という立場の差はあっても、亡くなってしまえば等しく慰霊の対象とするのが日本人だと思っていましたが、違ったようです。

 勝てば官軍。

 150年も経とうというのに、「賊軍」は今なお「賊軍」なのですね。

 ま、会津の人たちも、薩長の人たちと同じ所に祀られたくはないかもしれませんけど。

 あれこれ考えさせられるお話でした。

2014年1月27日 (月)

群馬のことばと文化13

 今日は、県民公開授業「群馬のことばと文化」の第13回目がありました。

 講師は、県立富岡東高校教諭の品田里和先生で、テーマは「羽鳥一紅―「文月浅間記」を中心に―」でした。
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 品田先生は本学大学院の修了生です。学部の卒論に羽鳥一紅を取り上げて以来、ずっと羽鳥一紅の研究を続けています。
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 羽鳥一紅というのは上野国出身の江戸中期の女性の俳人です。俳諧は建部綾足に学び、加賀の千代女とも交流があったそうです。

 「文月浅間記」は、天明3年(1783)の浅間山の大噴火のことを記した一紅の随筆で、自身の見聞を題材に執筆されています。一紅没後20年、大噴火で亡くなった人々の三十三回忌に当たる文化12年(1815)に出版されたそうです。

 今日のご講義は、羽鳥一紅のこと、浅間山の大噴火のこと、そして、メインは「文月浅間記」の原文をところどころ実際に読んで解説するといった内容でした。大噴火の被害の中で、一紅がどのような点に強く心を動かされたのかということも分かり、一紅の人柄もよく伝わってくるようなお話でした。

 必ずしも著名ではない一紅のことを多くの人に知って貰うという意味でも意義深いご講義でした。

 昨年度、富岡東高校での品田先生の教え子で、今、県立女子大学の1年生の学生がこの授業を受講していて、久しぶりの師弟対面を果していました。それも嬉しい光景でした。

2014年1月20日 (月)

群馬のことばと文化12

 今日は、県民公開授業「群馬のことばと文化」の第12回目がありました。

 講師は、群馬県立女子大学国文学科准教授の市川祥子先生で、テーマは「四代目澤村田之助の墓について」でした。
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 伊勢崎市境町には明治時代の歌舞伎役者四代目澤村田之助の墓があります。地元に伝わる話では、沢村田之助がこの地に巡業に来ていたときに、急病になってこの地で亡くなり、遺体を埋葬した墓ということです。どの家で亡くなったかについても伝えられています。明治32年4月に亡くなったこと、墓は明治34年に建てられたことが墓石に刻まれています。
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 ところが、当時の朝日新聞の記事では、沢村田之助は脳溢血のため埼玉県児玉郡の丹荘で亡くなったと書かれています。

 両者は矛盾しており、さて真相は如何に。ということになります。そういうミステリーめいたお話しでした。このナゾはまだ解けていないようですが、今日のお話のテーマはそこではなく、伝承の生まれる経緯、といったことがメインでした。

 興味深い内容でした。

2014年1月 6日 (月)

群馬のことばと文化11

 まだ松もとれないというのに、今日から授業が始まりました。県民公開授業「群馬のことばと文化」も年明け第1回となります。通算で11回目です。

 今日は私の番です。テーマは、「群馬の行政地名―明治22年の町村合併時を中心に―」でした。→レジュメはこちら

 専門とは随分離れたテーマのようですが、実はそうでもありません。

 明治20年代初めの町村名の多くは江戸時代以来のものでした。江戸時代の村の名前やその範囲がほぼそのまま残っていたのです。ところが、文明開化の時代にあっては、あまりにも各町村の範囲が狭すぎ、行政上不都合を来していました。そこで明治政府は全国規模の大規模な町村合併を行いました。

 群馬県でも、当時1000以上あった町村が208に再編され、多くの新しい町村名が生まれました。その命名に当たっては、足して2で割る方式など、さまざまな工夫が行われましたが、和名抄の郷名を復活させたり、万葉集東歌によまれた地名を付けたりというような古地名の復活も行われました。

 その姿勢は尊いものと言えましょうが、今の研究レベルで考えると、当時準拠した和名抄の本文に問題があったり、地域の比定が不確かであったりという問題がありました。

 また、入野村や黒保根村はこのときに東歌に因んで付けられた村名なのですが、そのことを知らない人が、東歌の「多胡の入野」は入野村のあたり、「久呂保の嶺ろ」はその山麓に黒保根村があった赤城山のことだと考えるような誤解も生じるに至りました。話は逆なのに……。

 今日はそういったことを中心に話しました。

 この問題はこれからも調べ、考えて行くつもりです。

 「群馬のことばと文化」は、毎回講師の写真を掲載してきましたが、今日は写真はありません。(^_^)

 ないのも寂しいので、代わりに、花壇の写真かぐんまちゃんの写真など載せようかとも考えましたが、やめておきます。(^_^)

2013年12月16日 (月)

群馬のことばと文化10

 今日は、県民公開授業「群馬のことばと文化」の第10回目がありました。

 講師は、群馬県立女子大学国文学科准教授の新井小枝子先生で、テーマは「養蚕にみる群馬のことば」でした。新井先生は本学の卒業生でもあります。
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 先週の、座繰りの実演を含む狩野先生のお話に続き、今回は養蚕関係の群馬方言のお話しでした。生活に根ざした地域の言葉という観点からお話しいただき、まさに「ことばと文化」に相応しい内容だったと思います。
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2013年12月 9日 (月)

群馬のことばと文化9

 今日は県民公開授業「群馬のことばと文化」の第9回目でした。
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 講師は大日本蚕糸会 蚕糸・絹業提携アドバイザーの狩野寿作先生で、テーマは「群馬の蚕糸業―今養蚕がおもしろい―」でした。
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 パワーポイントを使った講義の他、座繰り機によって、繭から実際に糸をとる実演もしてくださいました。大変に興味深かったです。
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2013年12月 2日 (月)

群馬のことばと文化8

 今日は、県民公開授業「群馬のことばと文化」の第7回目がありました。

 講師は前橋市役所文化国際課の手島 仁先生で、テーマは「新島襄と群馬県―NHK大河ドラマ「八重の桜」」でした。
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 大河ドラマでは、ちょうど昨日の回で新島襄が亡くなったところでした。維新後は京都が中心で、同志社関係の様々な人物が登場しましたが、群馬県関係者はほとんど出てきませんでした。

 今日のお話は、新島襄をめぐる群馬県内の様々な人物のお話でした。知らないことだらけで、大変に興味深かったです。

 なお、本学では、「群馬学連続シンポジウム」やら「群馬学センター」やら、「群馬学」という言葉を頻りに使っていますが、「群馬学」ということを最初に提唱なさったのは手島先生です。

2013年11月25日 (月)

群馬のことばと文化7

 今日は、県民公開授業「群馬のことばと文化」の第7回目がありました。

 講師は、群馬県立女子大学地域日本語教育センターのヤン・ジョンヨン先生(本学専任講師)で、テーマは「非母語話者との対話とは」でした。
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 群馬県には大泉町(人口の15%が外国人)をはじめとして定住外国人の多い地域があります。本学は、群馬県の県立大学として、定住外国人達への日本語教育に資することを目的に、今年、地域日本語教育センターを設立しました。

 今日のご講義も、定住外国人と対話をするときの方法(単語や語法の選択等)についてのお話しでした。

2013年11月18日 (月)

群馬のことばと文化6

 今日の第6回「群馬のことばと文化」は、熊倉浩靖氏(群馬県立女子大学群馬学センター副センター長。教授)の講義で、テーマは「古代の群馬と韓半島」でした。
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 古代の群馬や上毛野氏と、朝鮮半島との関係を、さまざまな点から論じてくださいました。
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 とても刺激的で、勉強になりました。

2013年11月11日 (月)

群馬のことばと文化5

 今日は、県民公開授業「群馬のことばと文化」の第5回目がありました。講師は藤岡市教育委員会生涯学習課の志村哲先生です。
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 テーマは「藤岡産埴輪の生産と供給」でした。

 藤岡市には国指定の史跡「本郷埴輪窯跡」があります。そのあたりの土は成分に特徴があるので、この窯で焼かれた埴輪は識別可能なのだそうです。ここで作られた埴輪がどこの古墳で使われているのか、という興味深いお話しでした。
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 埴輪の形状によって制作時期も推定できるということで、空間的と通時的と両方が絡み合うお話しでした。

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