昨年、「古墳時代の大王が眠る!佐紀古墳群を航空レーザ計測し真相解明へ!」というクラウドファンディングが開催されましたので、ささやかながら乗りました。
当初の目標額は200万円でしたが、参加者が多かったので、第二次、第三次と目標額を上げ、最終的には500万円が達成されました。

先日、そのリターンとして、クリアファイル、

速報成果資料集、

エコバッグが送られて来ました。

そして、今日、Zoomによる成果報告会が開催されましたので、参加しました。
この計測によって、以下の成果が上がったとのことです。
①佐紀古墳群全域の計測を達成
②詳細な遺跡の位置情報を取得
③市内遺跡の地形データも取得
④各古墳の詳細な墳丘構造を確認
これら佐紀古墳群には天皇陵に指定されているものが多く、中に立ち入っての測量や調査ができないために、上空からのレーザー測量は極めて価値あるものと思います。
②に関しては、例として次の図が示されました。

奈良ドリームランドの跡地から南西に延びるいくつかの尾根筋部分にあると考えられてきた小さな古墳について見直しができるとのことです。
④に関しては、例として次の図が示されました。

左の旧図に対して、右の新図が今回の測量成果です。確かに等高線のきめが細かくなっています。
佐紀古墳群の年代的な位置づけは次の通りとのことです。

佐紀古墳群は、3世紀後半から4世紀前半に位置付けられるオオヤマト古墳群と、5世紀の百舌鳥古墳群・古市古墳群との間をつなぐ、4世紀後半から5世紀にかけてのものなのですね。
謎の4世紀を考察する上でも、今回の調査は意義あるものということです。
また、この図を見て、初めて富雄丸山古墳の時代的な重要さにも気づきました。
今日の成果報告会の報告者は、村瀬 陸氏(奈良市埋蔵文化財調査センター)と、柴原聡一郎氏(東京大学大学院、奈良文化財研究所)のおふたりです。
村瀬氏が研究代表者、柴原氏が研究協力者とのことです。
村瀬氏は30代前半、柴原氏は20台と伺い、びっくりしました。
こういうお若いおふたりが中心になって、このプロジェクトが実施されたのですね。
すごいことです。
今回のレーザー測量は2月に実施され、その成果が提供されたのは5月だそうです。
それからまだ3ヶ月しか経っていません。
今後研究を進め、1年後をメドに詳細な報告書を作成する予定とのことで、楽しみです。
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