飛鳥・奈良

2023年8月30日 (水)

『ならら』最新号の特集は「徳川家康と大和」

 先日、『ならら』の9月号が届きました。
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 9月号の特集は「徳川家康と大和」です。

 目次は以下の通りです。
Narara202309b
Narara202309cNarara202309d

 特集が6本立つというのは異例です。
 主に大坂の陣との関連です。
 NHK大河を意識したものと思われます。

 特集以外にも、興味深い記事が何本もあります。
 20ページには大谷歩氏の「柿本人麻呂」があります。
 28ページの烽の記事は、王子町の明神山で上がった烽火がどこまで見えるのかを実験したプロジェクトが取り上げられています。
 48ページの丹生川上神社の記事も興味深かったです。

2023年8月20日 (日)

佐紀古墳群の航空レーザー計測

 昨年、「古墳時代の大王が眠る!佐紀古墳群を航空レーザ計測し真相解明へ!」というクラウドファンディングが開催されましたので、ささやかながら乗りました。
 当初の目標額は200万円でしたが、参加者が多かったので、第二次、第三次と目標額を上げ、最終的には500万円が達成されました。
Sakikofungun01

 先日、そのリターンとして、クリアファイル、
Sakikofungun02

速報成果資料集、
Sakikofungun03

エコバッグが送られて来ました。
Sakikofungun04

 そして、今日、Zoomによる成果報告会が開催されましたので、参加しました。

 この計測によって、以下の成果が上がったとのことです。
  ①佐紀古墳群全域の計測を達成
  ②詳細な遺跡の位置情報を取得
  ③市内遺跡の地形データも取得
  ④各古墳の詳細な墳丘構造を確認

 これら佐紀古墳群には天皇陵に指定されているものが多く、中に立ち入っての測量や調査ができないために、上空からのレーザー測量は極めて価値あるものと思います。

 ②に関しては、例として次の図が示されました。
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 奈良ドリームランドの跡地から南西に延びるいくつかの尾根筋部分にあると考えられてきた小さな古墳について見直しができるとのことです。

 ④に関しては、例として次の図が示されました。
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 左の旧図に対して、右の新図が今回の測量成果です。確かに等高線のきめが細かくなっています。

 佐紀古墳群の年代的な位置づけは次の通りとのことです。
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 佐紀古墳群は、3世紀後半から4世紀前半に位置付けられるオオヤマト古墳群と、5世紀の百舌鳥古墳群・古市古墳群との間をつなぐ、4世紀後半から5世紀にかけてのものなのですね。
 謎の4世紀を考察する上でも、今回の調査は意義あるものということです。

 また、この図を見て、初めて富雄丸山古墳の時代的な重要さにも気づきました。

 今日の成果報告会の報告者は、村瀬 陸氏(奈良市埋蔵文化財調査センター)と、柴原聡一郎氏(東京大学大学院、奈良文化財研究所)のおふたりです。
 村瀬氏が研究代表者、柴原氏が研究協力者とのことです。
 村瀬氏は30代前半、柴原氏は20台と伺い、びっくりしました。
 こういうお若いおふたりが中心になって、このプロジェクトが実施されたのですね。
 すごいことです。

 今回のレーザー測量は2月に実施され、その成果が提供されたのは5月だそうです。
 それからまだ3ヶ月しか経っていません。
 今後研究を進め、1年後をメドに詳細な報告書を作成する予定とのことで、楽しみです。

2023年8月14日 (月)

奈良交通のバス2台

 奈良交通創立80周年のバス2台セットを購入しました。
 1台目(Aとします)。
Narabus01

 2台目(Bとします)。
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 ぱっと見、同じバスです。
 仔細に眺めると、相違点が2つ見つかりました。
 1つは、車両中央部の「出入口」の文字。
 Aでは白地に黒文字ですが、Bでは黄色地に黒文字です。
 もう1つは、通過して行く主要停車場のリスト。
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 上がAで、下がBです。
 この表示板の大きさが異なり、地の色も文字の色も異なります。

 背後。
Narabus04
Narabus05
 上がAで、下がBです。
 こちらは細かい部分の相違点がいくつか見つかります。
 そのうちの1つはテールランプの形で、Aは長方形であるのに対して、Bはそうではありません。
 Bは柿形だそうです。

 解説に依れば、Aは日野ブルーリボンKC-HU2MPCA、Bは日野ブルーリボンU-HU2MPAAとのことです。
 全くバスマニアではない私には、2台セットでなくて1台でも良かったのですけど。(^_^;

 縮尺は1/150で、鉄道模型のNゲージと同じだそうなので、ジオラマを作る場合にはNゲージの鉄道の車両サイズや駅舎などとぴったりマッチします。

 いや、このバス、奈良市内でよく見ますし、胴体には奈良鹿が描かれていますので、それに惹かれてつい買ってしまいました。ちょろい客です。

2023年7月31日 (月)

『ならら』最新号の特集は空海

 今日、『ならら』の8月号が届きました。
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 今号の特集は空海です。

 目次は以下の通りです。
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Narara202308cNarara202308d

 空海と奈良? と不思議だったのですが、「特集2」にちゃんと「空海が歩んだ奈良」という項目が立っていました。
 空海はかなり奈良と関わりがあったようです。
 不勉強でした。お恥ずかしい。

 46ページに「女王卑弥呼はヤマト王権の最初の大王で纏向は王都」という企画特集があります。
 内容は、今年の3月に刊行された中公選書『卑弥呼とヤマト王権』(桜井市纏向学研究センター所長・寺沢薫著)の内容紹介です。
 5ページにもわたる、『ならら』では珍しい分量です。

 このページの直後にこういうページがあります。
Narara202308e
 『ならら』としては、邪馬台国は纏向押しですね。

2023年7月24日 (月)

奈良市発行の鳥瞰図

 類友ではありませんが、先日の魚佐旅館の地図に続き、奈良市発行の鳥瞰図を入手しました。
Narachokan11

 地図の全体像は以下の通りです。
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 南から北を見る形で、右側に春日山が描かれています。

 東大寺付近。
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 下中央部の建物の名は「商工館」とありますので、この地図の刊行年代は一応昭和9年以降と推定されます。

 奈良市西部。
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 左上隅付近に、例の長大な剣が出土した富雄があります。
 平城宮趾も載っています。
 下辺に郵便局と警察署があり、警察署の方が東側なので、一応昭和13年以前と推定されます。
 先日の魚佐旅館の地図で見たように、これらを手がかりにした年代推定にはやや危ないところがありますが、この地図の年代は、一応昭和9年~13年の可能性が高そうです。

 地図の右下にピンクで塗りつぶされた部分があります。
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 ピンクのすぐ左側には「三十八聯隊」とあります。
 歩兵聯隊の敷地を隠したのでしょう。

 裏面は奈良案内になっています。
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 ①興福寺には「一二八〇年前の建立」とあります。③春日神社には「一一六九年前の鎮座」とあります。
 これらを手がかりにすれば、この地図の刊行年代は簡単に出せるではないか。
 そう思って、計算してみました。
 建立、鎮座の年代が書かれているのは以下の神社仏閣です。

  興福寺 :1280年前建立 669年建立→1949年刊行
  春日神社:1169年前鎮座 768年鎮座→1937年刊行
  東大寺 :1191年前鎮座 741年建立→1933年刊行
  新薬師寺:1189年前建立 747年建立→1936年刊行
  般若寺 :1201年前建立 629年建立→1830年刊行
  法華寺 :1188年前建立 745年建立→1933年刊行

 バラバラです。どの時点を建立、鎮座と見るかで揺れがあるのでしょう。
 1933年(昭和8年)が2つあります。
 先ほどの推定の昭和9年~13年からは1年外れますが、近似です。このあたりの年の刊行の可能性が高そうです。

 諸種料金と名産。
Narachokan17
 これまた、先日の魚佐旅館の記載と重なりますので、比較するのもおもしろそうです。

2023年7月21日 (金)

魚佐旅館の奈良案内比較

 今週の月曜日(7月17日)に「魚佐旅館の奈良案内(2)」という記事を書きました。
Uosamap07_20230721210901

 「2」としたのは、以前、同じ魚佐旅館の同様の案内をブログに載せていたからです。
Uosaannai02

 どちらが古いのかなど、比較してみます。

 掲載されている地図を比較してみると、いくつか違いが見つかりました。

 まず、奈良国立博物館の南東にある施設名です。
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 左が今回入手した奈良案内(Aとします。以下同)、右が以前入手した奈良案内(Bとします。以下同)です。
 右下隅の施設名が、左のAでは「物産陳列場」とありますが、右のBでは「商工館」です。
 これは地図の年代を決める指標になります。この建物の名称は以下のように変遷しています。

  明治35(1902)年 奈良県物産陳列所開業
  大正10(1921)年 奈良県商品陳列所と改称
  昭和 9(1934)年 奈良県商工館と改称

 現在は、奈良国立博物館仏教美術資料研究センターになっています。

 Aの地図の名称は「物産陳列場」ですので、ぴったり合う名称はありませんが、「所」と「場」の相違を無視すれば、Aは明治35年から大正10年までの間に作成されたことになります。
 ところが、そううまくは行きません。この案内の裏側にこんな記述があります。
Uosamap12
 3行目の「倶楽部」の説明に「明治帝 大正帝 今上陛下」とあります。この文章はAB共通です。
 ということは、AもBも昭和になってからのものということになります。
 油断なりません。

 一方、Bには「商工館」とありますので、こちらは昭和9年以降であることが確実です。
 Aは昭和元年~9年と考えて良さそうです。
 少なくとも、Aの方がBよりも古いことは確実です。
 そう思って表紙を見れば、Aには「魚佐旅館」とあるのみですが、Bには「魚佐旅館」「魚佐別館」とあります。
 別館が増えたのでしょうね。

 もう1つの手がかりは奈良警察の所在地です。
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 左のAでは、奈良警察は大軌(現近鉄)の電車乗り場の南にありますが、Bでは郵便局の西にあります。
 奈良警察は昭和13年に東から西に移転していますので、Aは昭和13年以前、Bは昭和13年以降と推定されます。
 Bは確実ですが、Aの年代には多少のタイムラグがあるかもしれません。

 Aの年代の上限については他に手がかりがあるかもしれません。

 裏面は奈良の名所案内等の解説文になっていて、こちらはABともに大差はありません。
 やや異なるのは奈良の名産品などです。
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 このように随分異なります。理由を知りたい気がします。業界からの希望があったのでしょうかね。

 交通機関やその料金などはほぼ同じです。
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 相違点は「自動車 人力車」の「市内」料金です。
 より古いAでは70銭均一ですが、新しいBでは50銭均一になっています。
 ものの値段は徐々に上がってゆくものと思っていましたが、値下げですね。
 あとは、値段も電車の所要時間も全く変わりません。
 表記に関して、Aには「自働車」とあるのが、Bでは「自動車」となっています。この相違に新旧の差を感じます。

 魚佐旅館については以前も書いたのですが、奈良市の地図を地図を見るたびに、猿沢池の南にある魚佐旅館という旅館名に目が行き、不思議な名称と思っていました。
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 ところが、明治18年の道中記(定宿帳)に「うをや佐兵衛」とあるのを見つけました。位置もまさに猿沢池の南です(右が南)。
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 魚屋佐兵衛を縮めて魚佐だったのです。
 これが分かった時は「おお!」でした。
 こういうのは楽しいです。

2023年7月17日 (月)

魚佐旅館の奈良案内(2)

 このようなしおりを入手しました。
Uosamap07
 奈良市の魚佐旅館の奈良案内です。

 同様なものは以前も入手し、ブログに載せたことがありました。
Uosaannai02
 この時の表紙は興福寺の天灯鬼立像ですね。
 今回のは、鞍を置いた奈良の鹿です。
 鞍のある奈良鹿というのは珍しいです。鹿島から神様がいらした時に騎ってきた鹿でしょうか。

 表紙に続いて奈良市の案内地図があります。
Uosamap08

 裏面は名所案内などです。
Uosamap09

 後日、両者を比較してみます。

2023年7月 3日 (月)

『ならら』最新号の特集は南山城

 今日『ならら』の7月号が届きました。
Narara202307a
 特集は南山城です。
 これ、「みなみ+やましろ」なのですけど、つい「なんざん+じょう」と読んでしまいます。
 そんなお城はありません。

 さて、『ならら』は奈良県のあれこれをテーマに取り上げているわけですが、京都市南部の南山城は、奈良県に接しているとはいえ、奈良県じゃありませんよね。
 奈良県は領域を拡大しつつあるのかもしれません。
 その暁には、この地は「北大和」になることでしょう。←すみません。妄言です。

 目次は以下の通りです。
Narara202307b
Narara202307cNarara202307d

 最後のページは相撲神社です。
Narara202307e
 この神社には以前1度だけ行ったことがありますが、この石像は無かったように思います。
 当麻蹶速像でしょうか。
 この神社のもう少し先に大兵主神社があるのですが、相撲神社で引き返してしまったことが悔まれます。
 いつか。

2023年6月24日 (土)

勉強になった鹿どーもくんコーナー

 NHKの「ゆう5時」の月曜日に、奈良放送局の鹿どーもくんが登場しました。
 鹿どーもくんは、引き続き火~木にも出演していました。

 火曜日は、鹿の模様の意味が取り上げられました。
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 群馬サファリパークの解説に依れば、鹿の天敵に木漏れ日と見間違わせるためではないかとのことです。

 冬毛になると模様は消えます。
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 そのことで、枯れ葉などと紛れます。

 この日の気象コーナーの終わり。
Narashikadomo11
 鹿どーもくんは背を向けています。
 あー、確かに木漏れ日と紛れて、鹿どーもくん、どこにいるのかよく分かりませんね。(^_^)

 水曜日は、夏至の日に、札幌と那覇とどちらの昼の長さが長いかというクイズが出されました。
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 鹿どーもくんは、選択肢にない「奈良」という答でした。
 正解は札幌で、那覇よりも1時間半ほども昼の長さが長いです。

 その理由は地軸の傾きにあります。
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 夏は北半球の日照時間が長く、より北にある札幌の方が昼の時間が長いとのことでした。

 木曜日は、刀根早生という柿の品種についての話で、これは奈良で作られた品種ということでした。
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 そして、鹿どーもくんの出番はこの日が最後で、鹿どーもくんは奈良へと帰って行きました。
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 荷物は首に結んだ唐草模様の風呂敷包みだけのようです。
 クラシカルで、すてきです。
 どーもくんのことは、こういったあたりも気に入っています。

2023年6月19日 (月)

NHK「ゆう5時」に奈良の鹿どーもくん

 今日の夕方、NHKの「ゆう5時」を見ていたら、NHK奈良放送局の鹿どーもくんが登場しました。
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 奈良から東京まで、近鉄と新幹線を使って来たのでしょうか。
 大きいし、目立つので、移動は大変だったと思います。座席も2席必要だったかもしれません。
 道中、サイン求められたかも。

 今、開催中の鹿の赤ちゃん大公開も紹介されました。
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Narashikadomo08
 赤ちゃん、かわいいです。

 そういえば、去年の5月24日にもスタジオに鹿どーもくんが来ていました。
Narashikadomo03

 1年振りだなぁ、などとぼーっと考えていましたが、思えば、去年も鹿の赤ちゃんの紹介がなされていたのでした。
 たまたま1年振りではなくて、時期的に必然性があったのでした。
 ぼーっと生きていてはいけません。

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