研究

2019年6月25日 (火)

かむろき・かむろみ

 常陸国風土記を読んでいます。恥ずかしながら、私はまだこの風土記をちゃんと読んだことがありませんでした。不勉強で。(^^;
 香島郡の条に次のような一節がありました。

  天地の草昧(ひらくる)より已前(さき)に、諸祖(もろかむたち)の天神〔俗(くにひと)、賀味留弥(かみるみ)・賀味留岐(かみるき)といふ]、八百万の神たちを高天原に会集(つど)へたまひし時、……

 ここには「かむるみ・かむるき」とありますが、祝詞や宣命には「かむろき・かむろみ」として登場します。
 六月晦の大祓の祝詞には次のようにあります。

  高天原に神留(かむづま)ります、皇親神ろき・神ろみの命もちて、八百万の神等を神集へ集へたまひ、神議り議りたまひて、「我が皇御孫の命は、豊葦原の水穂の国を、安国と平らけく知ろしめせ」と事依さしまつりき。

 また、「祟神を遷し却る」祝詞には、かむろき・かむろみが「豊葦原の水穂の国を、安国と平らけく知ろしめせと、天の磐座放れて、天の八重雲をいつの千別きに千別きて、天降し寄さしまつりし時に」とあります。

 「かむろき・かむろき」って、特別の天つ神であり、また天孫降臨の指令神のようでもあります。ところが、記紀神話にはこの神は全く登場しないんですよね。不思議なことです。

 日本書紀では、天孫降臨の指令神はアマテラスの場合とタカミムスヒの場合とがあります。古事記では両神並列ですね。

 「かむろき・かむろみ」の末尾の「き・み」は男女を意味する接尾辞でしょう。「ろ」は「の」に当たる連体助詞でしょうから、そうするとこの神は「神である男・神である女」ということになりましょう。海の神、山の神、野の神、木の神、などと限定されていないところが、神の中の神、特別の神ということになるのかもしれません。
 記紀ではこういった漠とした神はあまり見ず、アマテラスなり、タカミムスヒなりといった具体的な神名を与えているように思います。

 ということで、大昔には指令神として「かむろき・かむろみ」と呼ばれていた神に、アマテラスなり、タカミムスヒなりの名を代入したことで、日本書紀の正文・一書の状態が生じた、と考えたらどうでしょうか。タカミムスヒを代入したほうが古く、アマテラスが新しいという時間差はそう思いますが。

 こんなこと、すでにどなたかが発言しているのか、あるいは発言してすでに否定されているのか、全く知りません。ちゃんと先行文献を読まねば。(^^;

 画像がないと寂しいので、毎回必ず画像を載せていますが、今回はよい画像が見当たりません。あとで追加します。(^^)

 追加しました。(^_^)
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2019年5月26日 (日)

上代文学会九州女子大大会懇親会

 昨日の大会第1日目、講演会、総会の後は学内の食堂で懇親会がありました。

 司会のお二人。
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 講演者の工藤先生の挨拶。
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 私の立ち位置が悪くて、お顔が見えません。(^_^;

 講演者の佐藤先生。
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 横を向いてくださったので、辛うじてお顔が見えました。

 スイーツ。
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 おいしかったです。あと、鯛茶漬けがおいしかったので、撮影しなかったことを後悔しています。

 お世話になったスタッフの皆さん。
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 お世話になった先生方。
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 向かって左端が責任者の鈴木喬先生です。九州の他大学の先生方もスタッフに加わってご尽力くださったようです。

2019年5月25日 (土)

九州女子大学・九州共立大学で上代文学会

 今日・明日は、2019年度の上代文学会の大会です。
 
 鹿児島本線の折尾駅で降りて会場校に向かって歩いて行くと、会場校の手前に地下歩道がありました。歩道には壁画が。
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 会場校の学生さん達の作品でした。
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 こういう地域貢献は良いことと思います。

 会場校の門。大変に良いお天気でした。
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 会場のある建物。
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 学会挨拶。代表理事の品田悦一先生。
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 会場校挨拶。教育機構副長の中島久代先生。
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 新元号「令和」がらみで、大宰府のことや、大学の校章が梅の花であることなどにも触れられました。

 工藤浩先生の講演。演題は「大嘗祭に関する二、三の問題」。
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 佐藤隆先生の講演。演題は「大伴家持とその意匠ー「白」への関心ー」。
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 このあと懇親会が開かれ、第1日目は無事に終了しました。

2019年1月29日 (火)

落ちていた埴輪

 先日、都内の某大学で開催された会議が終わって、廊下に出たら埴輪が1体落ちていました。あるところにはあるものです。
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 反対側から。
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 横から。
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 近年は、撮影可の博物館も増えてきましたが、撮影禁止の所も珍しくありません。

 この埴輪、撮して良いものやら、さらにブログなんぞに載せて良いものやら。

 しばし考えた末、廊下に落ちていたのなら良いか、という結論に達しました。(^_^)

 この埴輪、顎が三角形ですね。どういうことでしょう。

 顎が尖った人の姿を強調したのか、尖っているのはあごひげなのか、あるいは尖っている帽子とのバランスを取ろうと意図しての造形なのか。

 ナゾです。でも印象的な造形ですよね。

2018年12月 2日 (日)

明治大学で全国大学国語国文学会(2)

 昨日の全国大学国語国文学会、刺激的なシンポジウムの後、夜は懇親会でした。

 会長挨拶。
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 乾杯の音頭は辰巳正明先生でした。
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 続いて、パネリストの方々の挨拶。松本先生。
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 森田先生。
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 田中先生。
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 会場校の生方先生とスタッフの皆さん。
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 スタッフの方々は一部です。昨日今日と、もっと沢山の皆さんにお世話になりました。ありがとうございました。

 一夜明けて今日は研究発表会でした。さすがに今日は迷わずに会場に着けました。(^_^)

 研究発表者は院生の皆さんも多いので、写真は省略します。というか、撮っていません。

 研究発表会のあと、総会と研究発表奨励賞の表彰式がありました。

 事務局長の石原千秋先生。
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 大会は会場校だけでなく、事務局も大変です。お世話になりました。

 会長挨拶。
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 中西先生のネクタイが昨日と違います。すぐに気づいたのは奈良からいらしたU先生です。中西先生もさすがですが、U先生もさすがです。私は2日とも同じぐんまちゃんネクタイ。

 研究発表奨励賞は、総合研究大学院大学大学院生の古明地 樹氏(「橘守国の絵手本作品における和漢分類意識―レイアウトを起点に―」)でした。
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 豊富な図版をスクリーンに示され、明快な発表でした。

 閉会の辞は会場校の生方智子先生でした。
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 次回大会は来年の6月29日(土)・30日(日)に東京の二松學舍大学で、その次は来年の12月7日(土)・8日(日)に岩手県立大学で開催されます。

2018年12月 1日 (土)

明治大学で全国大学国語国文学会

 今日明日は、明治大学で全国大学国語国文学会の冬季大会があります。

 神保町の駅から明治大学まで近道しようと思ったら迷いました。(^_^; 神保町で道に迷うというのは恥ずかしいです。

 しかし、そのお蔭でこんな石碑に遭遇しました。
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 東京巡りも楽しいです。

 委員会のお昼。
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 会長挨拶の中西進先生。
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 会場校挨拶は小野正弘先生です。
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 1日目の今日は公開シンポジウムです。「物語が不可能になった時代の中で」という大変に刺激的なテーマです。

 公開シンポジウムのコーディネーター・司会、明治大学教授の生方智子先生。
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 発表1:「〈神話〉が作る国家-列島古代の精神史-」早稲田大学教授 松本直樹先生。
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 発表2:「古典文学における「物語」と「読者」-書写・印刷史を視座として-」関西学院大学教授 森田雅也先生。
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 発表3:「泉鏡花が描いた〈物語〉-近代幻想文学と民俗学の交流-」同志社大学教授 田中励儀先生。
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 そのあと休憩を挟んで、質疑応答・討議に進みました。
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 フロアからの発言もあり、活溌な意見交換がなされて、充実した会になりました。

 私にはちょっと難しかったです。今日のことは改めて『文学・語学』に掲載されるはずですので、じっくりと読んで考えることにします。

2018年11月10日 (土)

来月、愛知大学でフォーラム

 数年前から毎年開催されている越境地域のフォーラム、今年も開催されます。
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 いつもは年明けでしたが、今回は年内開催です。

 私の名前も載ってはいるのですが、今回は前橋で他の仕事とぶつかってしまいましたので、とても残念ながら欠席します。
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 欠席なのに名前だけ載っているというのも本当はヘンですね。私が出席するものと思って来てくださる方がいらしたら申し訳ないです。

 そういう方はほぼいらっしゃいませんが。(^_^;

 3項目挙がっているうちの最後だけ、3名列挙になっています。共同研究というわけではないのですが、3人それぞれにレジュメを提出して、それを筆頭の和田先生が発表してくださることになると思います。

2018年9月22日 (土)

第15回 万葉古代学公開シンポジウム

 今日は、万葉文化館にこのようなシンポジウムを聴きに行きました。
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 報告は3件とも全く知らないことばかりで、大変に刺激的であり、勉強になりました。

 会場で三友亭主人さんと晴南さんにお目に掛かりました。そもそもこのシンポジウムは三友亭主人さんのブログで知ったのでした。改めてお礼申し上げます。

 1本目の田中大士氏の報告は、校本万葉集にも取り上げられていないひらがな傍訓本についてのものでした。新点本の傍訓は片仮名であることが普通で、ひらがなの傍訓は稀であること、このひらがな傍訓本(写本)が6点ほど知られていて(1点は万葉文化館蔵)、それらは美麗な表紙・丁寧な装幀等から嫁入りの調度として製作されたらしいこと、本文自体のみならず、改行箇所や改ページ箇所まで一致しているので、相互に深い関係にあるものと考えられる、ことなどが述べられました。
 そして、これら諸本の本文や改行・改ページ箇所は寛永版本とよく一致しているので、これら諸本は寛永版本を書写したものと考えられるとのことです。
 この先が面白く、寛永版本は活字附訓本を製版にしたものなので、両者は非常によく似てはいるものの、仔細に比較すると、相違もあり、その相違点について、ひらがな傍訓本と比較すると、ひらがな傍訓本の中に、寛永版本と一致するものと活字附訓本と一致するものとがあることが分かったということです。
 そのことが分かったのは、今回の発表資料の原稿締め切りの直前だったとのことです。田中先生「おお!」と思われたことでしょうね。
 活字附訓本から寛永版本までの移行の経緯はこれまでほとんど分かっていなかったということで、ひらがな傍訓本はそれを明らかにする上で大きな手がかりになりそうです。

 2本目の池原陽斉氏の報告は、三代集のうち古今集・後撰集に採られた万葉歌は20首前後であるのに対して、拾遺集には125首の万葉歌が採られていること、その背景には天暦五年(951)の村上天皇の命による古点本の成立が大きな意味を持っているのではないか。
 976年以後に成立した古今和歌六帖にも多くの万葉歌が採られているが、これまた古点本の成立と深い関係があり、次点本で訓の付いていない歌は古今和歌六帖に採られていないことや、古今和歌六帖中の万葉歌の配列の中に、万葉集の配列と共通するもののあることから、古今和歌六帖の編纂者は、伝誦歌として万葉歌を採録したのではなく、ちゃんと手もとに万葉集の写本を置いていたと考えられることなどが述べられました。

 3本目の大石真由香氏の報告は、これまで原本も忠実な写本も知られていなかった「禁裏御本」についてのもので、京都大学国文研究室に所蔵される万葉集写本のうち巻二・巻三が「禁裏御本」の転写本である可能性があるということで、その調査結果の報告でした。
 その結果、京大国文研究室本には、現存する仙覚寛元本・文永本のいずれとも一致せず、次点期の一部の写本にのみ存在する本文を採用する例のあること、また、この写本は、歌意や本文と訓との対応を考えながら校訂を行っていた形跡が見られるとのことでした。
 私は、巻十四についてだけ、諸本の本文と訓とを比較したことがありましたが、書写の際に、本文は本文、訓は訓で書写を行うと、どこかで誤写が生じた場合、本文と訓とが合わないケースが出てくるわけで、そういったケースに遭遇したことがありました。京大国文研究室本の書写者はちゃんと考えながら書写を行っていたわけですね。

 これらの3本の報告の後に総括討論があったのですが、私は電車の都合で総括討論は伺わずに失礼してしまいました。

 でも、ほんと刺激的で面白かったです。

 三友亭主人さんにも久しぶりでお目にかかれましたし。

 あ、かねて懸案の「ゆききの岡」の位置も、大体万葉文化館のあたりということが分かりました。厳密にはもう少し西、以前、Kさんがコメントしてくださった位置が正解ではないかと思えました。

 これについては明日にでも。

2018年8月26日 (日)

奈良女子大学で「仮名文字」

 今日・明日、奈良女子大学で「仮名文字」というタイトルの研究集会が開催されますので、奈良に来ています。
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 今日は公開講演会、明日はシンポジウムです。

 1日目の今日は失礼して、明日参加します。

 研究集会をサボった今日は、少しだけ飛鳥・奈良をふらふらしました。以前載せたまほろばの記事の補足を目的としたふらふらでした。熱中症が怖いので、短時間で切り上げました。その成果は明日以降に。

2018年7月 1日 (日)

美夫君志会80周年記念大会(2)

 大会1日目の夜、名古屋観光ホテルで懇親会でした。

 会長挨拶、講演者挨拶は、昨日アップしたのと同じ方々ですので、省略します。

 乾杯の挨拶は二松學舍大学の多田一臣先生。
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 講演者の菊地先生と、2日目の研究発表者の上野先生。
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 お二人で掛け合い漫才をしているわけではありません。菊地先生が講演内で上野先生の論文を取り上げられたので、それにまつわるバトルです。(^_^) でも、和気藹々ですね。楽しい学会です。

 菅野雅雄先生の挨拶。
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 大会2日目は研究発表会でした。7人の方々の興味深い発表が続きました。

 まほろばメイトもお二人発表されましたので、そのお二方のみ写真を載せます。お一人は院生なので迷ったのですが、ご許可を頂きましたので、載せることにしました。

 軽部利恵さん。
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 志水義夫先生。
Mibukushi2018j
 軽部さんはまだ博士前期課程の2年生です。落ち着いた明瞭な発表でした。質疑応答も適切だったと思います。

 志水先生のは、文字のみならず、音声や映像をも視野に収めた、大変にユニークで興味深い内容の発表でした。

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