明治14年の『小学唱歌集 初編』
またまたネットオークションの収穫物です。
古いものが好きで、「あ、おもしろそう」と思うと、つい入札してしまいます。
小学唱歌集です。
奥付を見ると、明治14年の発行で、この本は明治22年の第四板です。
今だと「版」と書くところですが、「板」とあるのは木版だからでしょうか。
表紙裏。
小学校、師範学校、中学校用ですね。
小学校と中学校とが同レベルというのも不思議に思えますが、西洋音楽の教育が始まったばかりで、横並びなのでしょうかね。
冒頭に「緒言」があり、筆者は音楽取調掛長の伊澤修二とあります。
その昔、土曜日の夜6時台にNHKで「アイウエオ」という子供向けのドラマを放送していました。
明治初期の教育の黎明期を描いたドラマでした。そこに伊澤修二が登場していて、加藤武が演じていました。
主人公は、堀勝之祐が演じた彦一郎君(名字は忘れました)。
そんなことを懐かしく思い出しました。
音階の説明。
下の方に「音階練習」があります。ドレミではなくて123です。
楽譜も載っています。
楽譜は今と全く同じですが、ここでも、ドレミではなくて123です。
これ、読みはヒフミなのでしょうね。
『二十四の瞳』に、男先生がオルガンの練習をしている場面があったことを思い出しました。
次の通りです。
>(男)先生は声をあげてうたうのである。
>ヒヒヒフミミミ イイイムイ――
>ドドドレミミミ ソソソラソ――と発音するところを、年よりの男先生はヒヒヒフミミミ――という。
>それはむかし、男先生が小学生のときにならったものであった。
これと繋がりました。
「蝶々」が載っています。
歌詞。
全部で33曲が載っていますが、私が知っているのは3曲だけでした。
この「蝶々」と「螢」(蛍の光です)、「君が代」です。
他は、歌詞が文語で難しいので、時代が下ると、他の歌に置き換えられてしまったのでしょう。
あれこれ興味深い本でした。
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