書籍・雑誌

2021年3月 2日 (火)

『論集上代文学』終刊

 注文していた『論集上代文学 第四十冊』(笠間書院)が届きました。
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 この叢書は、勤務先の個人研究室には継続して購入していたのですが、個人ではあまり買っていませんでした。(^_^;
 今回は、これで終刊になるということで購入しました。

 本冊には、遠藤宏氏、小野寛氏、山口佳紀氏、金井清一氏、白藤禮幸氏の論考と、上代文学研究年報(2017年)、近年亡くなった万葉七曜会会員の故山中広樹氏(遠藤宏氏による)、故林勉氏(金井清一氏による)への追悼文、そして『論集上代文学』終刊の辞が掲載されています。

 終刊の辞によれば、東京大学の大学院で五味智英先生の教えを受けていた院生たちが集まって、昭和33年に万葉七曜会が発足し、会員の研究成果を形にするために、昭和45年に『論集上代文学』第一冊が刊行されたとのことです。会も書籍も長い歴史がありますね。

 刊行30年を経た頃、会員外にも寄稿を依頼して今に至るものの、残る会員も少なくなり、高齢の度を重ねたために、第四十冊をもって終刊にするとのことです。最終冊に掲載されている論考は会員の先生方のもののみです。本来の姿に戻ったことになります。論集はこれで終刊ですが、会員の研究会は今後も継続するとのことです。一番お若い山口佳紀先生が昭和15年のお生まれですので、全員80歳以上ですね。昨年急逝された林勉先生も95歳とのことです。みなさんお元気です。
 上代文学研究は体に良いらしい。(^_^)

 私は1回だけこの論集に論文を掲載して頂いたことがあります。
 とてもありがたいことと思っています。終刊に間に合って幸いでした。

2021年1月19日 (火)

田中大士著『衝撃の『万葉集』伝本出現』について

 刊行からだいぶ日が経ってしまいましたが、昨年9月に田中大士氏の『衝撃の『万葉集』伝本出現』(塙書房。はなわ新書[美夫君志リブレ])が刊行されました。
Shogekino01

 とても勉強になりました。
 田中氏の論文のいくつかは今までにも読んでいたのですが、この本で体系的にまとめられたことで、全貌がとてもよく分かりました。
 ですます調で書かれている点も、理解しやすく感じました。

 平成5年に廣瀬本発見の新聞記事を見たとき、廣瀬本は全巻完備した唯一の非仙覚本としか考えませんでした。それは、その当座のみならず、ずっとそのように思っていました。
 ところが、この本を読んで、廣瀬本の価値はそれに留まらないことがよく分かりました。

 廣瀬本は片仮名で訓が付いていますが、いくつかある非仙覚本の片仮名訓本は祖本が共通であることが判明したそうです。それは、廣瀬本が全巻完備していたからこそ明らかになった事実であるということです。

 片仮名訓本の成立には僧侶が関与していたという指摘もありました。
 この本を読むまで考えませんでしたが、確かに、和歌の訓を書くのに、ひらがなでなくなぜ片仮名を用いたのか、不思議なことと思います。僧侶であれば片仮名を用いたことが大変によく納得できます。

 廣瀬本には「由緒ある誤り」があるという指摘も興味深いことでした。
 誤写ではあっても、鎌倉時代の誤写がそのまま江戸時代書写の廣瀬本にそのまま保持されてきたのは誠に稀有なことであり、誠に幸いなことであると思いました。

 そして、廣瀬本(の親本)は、仙覚の寛元本系諸本(ということは寛永版本もそれに繋がります)の祖本に当たるというのも貴重な指摘でした。

 私の恥をさらせば、廣瀬本が片仮名訓であるのは、書写年代が新しい故に仙覚本の影響を受けたせいかと思っていました。また、廣瀬本と寛永版本とが一致する異同を持つことがあるのは、廣瀬本が寛永版本の影響を受けたものかと思っていました。

 また、廣瀬本は、全巻完備した唯一の非仙覚本という極めて価値の高い本ではあっても、書写年代が降るので、仙覚本や寛永版本の影響を少なからず受けていると、そのように思い込んでいました。これは逆だったのですね。

 大変大変勉強になりました。

 以上書いたこと、私の誤読がありはすまいかと不安です。間違いがあったらすみません。

 この本にこのような図版が載っていました。
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 廣瀬本万葉集発見の新聞記事です。
 これは田中氏が切り抜いたものだそうですけど、見覚えがあります。私も切り抜きました。(^_^)

 私のはこうです。
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 ほぼ一緒ですが、見出しが若干異なります。
 上部中央、私のは「原本の解明に光」、田中氏のは白抜きで「原本解明の手がかりに」。
 右側、私のは「定本と異なる記述」、田中氏のは「定本と異なる記述も」。
 左側、私のは「誤りただす貴重な発見」、田中氏のは「「誤り」ただす貴重な発見」です。

 いずれも些細な相違ですが、版を変えるときに改めたのですね。
 私のは群馬版なので、遠距離輸送するために、早い段階の版なのでしょう。

 廣瀬本とは直接関係ありませんが、こんなことも興味深かったです。(^_^)

2021年1月13日 (水)

機織型埴輪と猫の町

 先日群馬に行ったときに入手したJR東の新幹線車内誌『トランヴェール』1月号です。
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 今号の特集は、栃木県の着物です。
 足利の銘仙と小山の紬が取り上げられていました。

 そして、もう1つ。小山市の甲塚古墳(6世紀後半)から出土した機織型埴輪で、平成16年の発掘調査で出土したものだそうです。
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 アップです。
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 織機と、それを使って機織をしている人物とがセットで作られている埴輪は他に出土例がないそうです。
 貴重ですね。

 本号にはこんなページもありました。
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 全く同じものが前号にも載っていましたので、「はて?」と思ったのですが、右上に小さく「PR」とありました。
 記事ではなく広告ページならば同じでもおかしくはありません。スポンサーは台東区観光課のようです。

 いくつかアップにします。

 日暮里駅西口の駅表示。文字の中に、猫の耳、足跡、しっぽがデザインされています。
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 谷中銀座商店街の七福猫。
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 朝倉彫塑館。
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 淨名院。
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2021年1月 6日 (水)

まだ「ゆうま」ちゃんだった頃

 家の片付けの過程で出てきました。
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 2004年の『ぐんま広報』です。
 右下に、
  特集:「ぐんま」の遺産を「世界」の遺産に~富岡製糸場~
とあります。

 富岡製糸場が世界遺産になったのは2014年でしたので、この『ぐんま広報』から10年掛かったことになります。

 このようなページもありました。
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 右側にぐんまちゃんがたくさん。
 ところが、よく見ると。
Gunma_koho200408c
 向かって右端の男子の名札には「ゆうま」と書いてあります。
 そうでした。このころはまだ「ゆうまちゃん」で、二代目ぐんまちゃんを襲名するのは2008年でした。この4年後です。
 その2人隣の女子の名札は「ゆう」のあとが不明です。

 今のぐんまちゃんは性別がないのですが、ゆうまちゃんの頃は、女子バージョンでは「ゆうこ」と名乗っていたという説もあり、気になります。(^_^)

 もしも、女子の名札も「ゆうま」だったとすると、全員「ゆうま」ということになり、名札の意味がありません。(^_^;

2020年12月 9日 (水)

北陸の刀剣は意外でした

 毎月楽しみにしているJR東の新幹線の車内誌『トランヴェール』、12月号の特集は北陸の刀剣でした。
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 刀剣というと、相摸、山城、山陰、山陽あたりが思い浮かびます。恥ずかしながら北陸は全く知りませんでした。
 「北国物(ほっこくもの)」と総称されているとのことです。

 この雑誌、しばしば日本各地の伝統あるものや事柄を特集してくれています。
 古い物好きの私には嬉しい雑誌です。

 この雑誌の巻頭は、毎号、駅弁紹介です。もう216回目。
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 今号は新潟の「えび千両ちらし」でした。最近食べていませんが、この駅弁はお気に入りです。(^_^)

 特集とは別に、日暮里・谷中近辺の猫関係のお店の紹介がありました。今度、回ってみたいです。
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 あちこち楽しめる号でした。

2020年12月 7日 (月)

池田秀一といえば「次郎物語」

 渋川の家の片づけ、じんわりと進んでいます。
 『グラフNHK』が出てきました。
 といいますか、古書店やネットオークションを使って、全冊コンプリートしましたので、うっかり漏らさないようにします。
 こういう表紙の号があります。
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 「次郎物語」の池田秀一です。昭和45年5月1日号。
 池田秀一というと、声優として活躍していますが、私にとっては子役時代の次郎です。

 この番組は、東京オリンピックの年から翌年まで2年間放送されました。
 NHKで火曜日の夜6時からの放送で、毎週楽しみに見ていました。

 お父さん役は久米明でした。
 勤務先で、久米明氏を講演にお招きしたことがあり、私が高崎駅までお迎えに行きました。
 高崎駅から大学まで、タクシーの中で「次郎物語」の話をしました。
 久米氏もあの番組のことは良く憶えていらっしゃいました。楽しかったです。

2020年11月26日 (木)

奈良旅手帖2021

 毎年買っている奈良旅手帖、予約していた来年度のが届きました。
 表紙は何種類かある中から選べますが、毎年鹿の柄を選んでいます。(^_^)
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 裏側。
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 中身はほぼ例年通りです。

 天智・天武を中心とした系図も従来通りです。
 ここには前回のを載せます。
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 この中で、天武のキサキのうちの2人に一部カナが使われていました。
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 JISの第1水準・第2水準以外の文字なので、こういうことになったのでしょう。
 一方がひらがなで、もう一方がカタカナというのも不統一です。
 気づいたのは今回初めてでしたが、これはずっと同じでした。
 プロの印刷所、作字するなり何とかできると思うんですけどねぇ。

 今回は業者を変えたためにしおり紐が付かないということで、代わりに透明なプラスチックのしおりが付いてきました。
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 このしおりもよいです。

2020年11月25日 (水)

五味智英先生の色紙

 片づけ中の渋川の家から、五味智英先生の色紙が見つかりました。
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 原本ではなく印刷ではありますが、懐かしい文字で、五味先生の声が聞こえてきそうな気がします。

 五味先生の文字は、塙書房の『万葉集研究』や、
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 笠間書院の『論集上代文学』の題字に使われています。
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 どちらも五味先生ゆかりの叢書ですね。
 先生亡き後も継続的に毎年刊行されているのはすばらしいことと思います。

2020年11月23日 (月)

『ASAHIパソコン』終刊号

 『ASAHIパソコン』の創刊号が渋川の家で発掘されたことを2週間前に書きました。
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 今週末の片づけで終刊号が発掘されました。
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 2006年の3月15日、399号です。

 中心部のアップです。
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 なかなかユニークな表紙と思います。

 『ASAHIパソコン』の表紙は大体こんな感じです。
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 表紙は大体、当時人気か売り出し中のお姉さんで、時々お兄さんかおじさんでした。
 この号は今から15年前の宮崎あおいです。
 こういった表紙と比べると、やはり終刊号は異例です。

 終刊号の目次です。
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 ・アサヒパソコン年代記
 ・アサヒパソコンからの遺言
 ・アサヒパソコンに送る言葉

 こういう3本の特集が組まれています。

 このうち、「アサヒパソコンからの遺言」の第1ページにはこのようにあります。
Asapaso399e

 項目だけ切り貼りします。
Asapaso399f
 これらが終刊の原因ということになりましょう。
 この雑誌を含めて、パソコン雑誌はインターネットの普及にも大いに貢献したはずなのに、そのインターネットの普及が終刊の原因の1つになったというのは何とも皮肉なことです。

 この雑誌、創刊号と終刊号だけ残して、他は処分します。ちょっと残念ですけど。

2020年11月12日 (木)

菅原孝標の娘の上京1000年

 毎月愛読しているJR東日本の新幹線の車内誌『トランヴェール』の11月号の特集は「『更級日記』でめぐる、千葉・茨城」です。
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 9月号は『奥のほそ道』の俳句の英訳でしたし、しばしば古典を取り上げてくれるのは嬉しいことです。

 今号にはこんな解説もありました。
Trainvert202011b
 菅原孝標の娘が上京してからちょうど1000年なのですね。
 これは知りませんでした。

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