昨夜はツイッター(現X)で史而さん主催のスペース「万葉の宴」が開催されました。
テーマは「仏教思想と万葉集」です。

大変に有意義で楽しいひと時を過ごすことができました。
妄言・放言大歓迎とのことで、話はあちこちに飛び、広がりましたが、それがまた楽しかったし、勉強にもなりました。
取り上げられた万葉歌は以下の通りです。
まだあった気がしますが、追いきれませんでした。
仏前の唱歌一首
・時雨の雨間なくな降りそ紅ににほへる山の散らまく惜しも(8・1594)
右は、冬十月、皇后宮の維摩講に、終日大唐高麗等の種種の音楽を供養し、此の歌詞を唱ふ。
弾琴は市原王と、忍坂王となり。[後姓を賜へる大原真人赤麻呂なり〕
歌子は田口朝臣家守と、河辺朝臣東人と、置始連長谷等と十数人なり。
天皇崩りましし後八年九月九日、奉為の御斎会の夜、夢のうちに習ひ給ふ御歌一首 古歌集の中に出づ
・明日香の 清御原の宮に 天の下 知らしめしし やすみしし わご大君 高照らす 日の皇子
いかさまに 思ほしめせか 神風の 伊勢の国は 沖つ藻も 靡きし波に 潮気のみ 香れる国に
味こり あやにともしき 高照らす 日の皇子(2・162)
世間の無常を厭ふ歌二首
・生死の二つの海を厭はしみ潮干の山をしのひつるかも(16・3849)
・世間の繁き仮廬に住み住みて至らむ国のたづき知らずも(16・3850)
右の歌二首は、河原寺の仏堂の裏に、倭琴の面にあるのなり。
・鯨魚取り海や死にする山や死にする死ぬれこそ海は潮干て山は枯れすれ(16・3852)
右の歌一首
病に臥して無常を悲しび、修道を欲して作る歌二首
・うつせみは数なき身なり山川の清けき見つつ道を尋ねな(20・4468)
・渡る日の影に競ひて尋ねてな清きその道またも遇はむため(20・4469)
寿を願ひて作る歌一首
・泡沫なす仮れる身そとは知れれどもなほし願ひつ千歳の命を(20・4470)
以前の歌六首は、六月十七日に、大伴宿祢家持作れり。
世間の無常を悲しぶる歌一首 短歌を併せたり
・天地の 遠き始めよ 世の中は 常無きものと 語り継ぎ ながらへ来れ 天の原 ふり放け見れば
照る月も 満ち昃けしけり あしひきの 山の木末も 春されば 花咲きにほひ 秋づけば 露霜負ひて
風交へ 黄葉散りけり うつせみも かくのみならし 紅の 色も移ろひ ぬばたまの 黒髪変り
朝の咲み 暮変らひ 吹く風の 見えぬが如く 逝く水の 留らぬ如く 常も無く 移ろふ見れば
にはたづみ 流るる涙 止みかねつも(19・4160)
・言問はぬ木すら春咲き秋づけば黄葉散らくは常を無みこそ(19・4161)
・うつせみの常無き見れば世のなかに情つけずて思ふ日多き(19・4162)
かねて作る七夕の歌一首
また、直接には取り上げられませんでしたが、以下のようなものもありますね。
大宰帥大伴卿、酒を讃むる歌十三首(そのうちの三首)
・価無き宝といふとも一坏の濁れる酒にあに益さめやも(3・345)
・今の世にし楽しくあらば来む生には虫に鳥にもわれはなりなむ(3・348)
・生ける者つひにも死ぬるものにあれば今の世なる間は楽しくをあらな(3・349)
沙弥満誓の歌一首
・世間を何に譬へむ朝びらき漕ぎ去にし船の跡なきがごと(3・351)
膳部王を悲傷しぶる歌一首
・世間は空しきものとあらむとそこの照る月は満ち闕けしける(3・442)
右の一首は、作者いまだ詳らかならず。
物に寄せて思を発す
・隠口の泊瀬の山に照る月は盈昃しけり人の常無き(7・1270)
右の一首は、古歌集に出づ。
次回は10月3日(土)で、テーマは「大津皇子とその時代」です。
楽しみにしています。
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