長音表記&リンコルン
明治時代の修身の教科書を入手しました。
明治37年発行の高等小学修身書の第2学年用です。
中身はこんな感じです。
右ページから左ページの4行目までは第十課「忍耐」の後半で、前野良沢と杉田玄白とを中心とする人々によるオランダの解剖書の翻訳をめぐる話です。
左ページの残りは第十一課「勉学」の冒頭で、アメリカのリンコルンが主人公です。
眺めていると、表記に関してあれこれ興味深いことが目に付きました。
文字が小さいので、部分的に拡大します。
左右ページに跨がる部分。
長音が「よーになり」「そーこー」「こーぞー」と、長音記号を使って表記しています。
もう1つは何といっても「リンコルン」です。
アメリカ合衆国大統領のリンカーンのことですが、このように表記されています。
「リンコルン」は以前入手した「東西英雄絵巻双六」(小学館の『せうがく3年生』昭和5年新年号の付録)にも登場していました。
リンカーンの綴りは「Lincoln」なので、綴りからはリンコルンと読まれても不思議はありません。
ただ、明治から昭和1ケタまでずっと「リンコルン」だったわけではなく、「リンカーン」表記も並行して行われていたようです。
いつもながら、同時代資料は楽しいです。
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