大正15年の学習参考書(2)
昨日の大正15年『全科学習書』(尋常小学五年後期用)の続きです。
今回は国史科です。
国史科の目次は以下の通りです。
これを見ると、五年前期が平安末期までで、この五年後期が戦国まで。
六年生が安土桃山からということになりましょうか。
目次を見ると人名が多いですね。個人にスポットライトを当てているようです。
平清盛の名がないですね。足利尊氏の名も。
もちろん、この2人が登場しないわけではなく、清盛は「平氏の勃興」、尊氏は「足利氏の僭上」に登場します。
しかし、「僭上」って、小学五年生ですぜ。
保元の乱の所には次のような「参考」が付いています。
為朝の武勇と崇徳上皇の崩御のことが書かれ、最後に為朝伝説にも少し触れてあります。
実朝殺害の部分にはまた「参考」が付いています。
切り貼りでお見苦しいです。
公暁が実朝の暗殺を企てたについては、北条義時の陰謀説が書かれています。
五年生の学習参考書に、随分踏み込んだことを。
承久の変について。
「義時の無道」とあります。
上皇側に立てば、そういう評価ですね。
これを読んだ子供たちは、義時は悪いヤツだと思ったことでしょう。
こしろう。(>_<)
流罪になった3人の上皇達のその後。
流された3人の上皇達のその後についても触れられています。
敬語がたくさん。
総じて、人物を中心に歴史が語られている印象です。
年号はほとんど出てきません。
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