吉田屋の「奈良史蹟案内」
奈良市の旅館吉田屋の「奈良史蹟案内」を入手しました。
1枚物で表裏に印刷されています。
表紙の人物は誰でしょうね?
立っている場所が海岸のようですけど、奈良には海はないし、猿沢池とも思えないし。
満月が照らしていますね。月の下には山が3つ並んでいます。唐の阿倍仲麻呂かもしれませんね。
鉄道路線図が載っています。
ちょっと薄いです。
そして奈良市の地図です。
駅から吉田屋までの部分を拡大します。
省線奈良駅からと、大軌電車乗り場から吉田屋旅館までの道筋が太い赤線で示されています。
吉田屋旅館の場所は猿沢池の東ですね。
この旅館は今もあります。
東大寺付近の拡大図。
裏面はモノクロで、名所案内になっています。
冒頭に総記があり、そのあと15ヶ所が取り上げられています。
この旅館に泊まったお客さんに差し上げたパンフレットなのでしょうね。
いつのものか分かりませんが、名所案内の冒頭に、「皇祖神武帝は二千六百年前此の地に入り給ひ」とあります。
紀元二千六百年は昭和15年(1940)ですから、このパンフレットはその前後のものと思われます。
また、上に載せた駅から吉田屋旅館までの道程の地図で、三条通に面して郵便局と警察署があり、警察署の方が東側なので、昭和13年以前と推定されます。
ただ、東大寺付近の地図で下中央に「物産陳列場」があります。
この施設は、明治35年に「奈良県物産陳列所」として開業し、大正10年に「奈良県商品陳列所」と改称し、昭和9年には「奈良県商工館」と改称されていますので、年代が合いません。この施設は名称が変わっても、長く「物産陳列場」の名で親しまれていたのでしょうかね。
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