絵はがき「大和と萬葉集」4
10年前に「大和と萬葉集 第二輯」という絵はがきを入手し、ブログに載せました。
選者は佐佐木信綱博士です。
いつのものか分かりませんが、紀元二千六百年の紀元節の日に記したという佐佐木博士の識語がありますので、昭和15年の発行と思われます。
袋の中には6枚の絵はがきが入っています。
例えばこのようなものです。
絵は高橋史光画伯です。
その後、なんと高橋史光画伯のお孫さんからブログにコメントを戴くというサプライズがありました。
高橋史光画伯は、京都で活動した日本画家(四条派)で、菊池契月のお弟子さんということです。
それぞれの表側(切手を貼る側)には1首ずつ万葉歌が書いてあります。
昨年の11月に、同じ高橋史光画伯の手になる、同様の仕様の絵はがきを6枚入手しました。
6枚のうち5枚は以前入手したものと重複し、宇陀高城の絵はがきのみが新しいものでした。
歌は「菟田の高城に鴫罠はる……」という日本書紀歌謡でした。萬葉集ではありません。
さてこの度、同じく高橋史光氏の手になる同様の仕様の絵はがきを8枚入手しました。
入手済みのものとの重複は1枚だけでした。ラッキーです。
以下の7枚です。
橿原神宮:……あきつ島 大和国の 橿原の 畝傍の宮に……(巻20大伴家持)と、
飛鳥(雷丘):……飛鳥の 旧き都は 山高み 河とほしろし……(巻3山部赤人)
安騎野の冬:ひむかしの野にかぎろひの立つ見えてかへりみすれば月かたぶきぬ(巻1柿本人麻呂)と、
奈良の都:青丹よし寧楽の都は咲く花のにほふが如く今さかりなり(巻3小野老)
藤原宮跡:藤原の大宮づかへあれつぐや処女がともは羨しきろかも(巻1作者不明)と、
吉野宮滝:よき人のよしとよく見てよしと言ひし吉野よく見よよき人よく見つ(巻1天武天皇)
孔舎衛:日下江の入江の蓮はなばちすみの盛人羨しきろかも(古事記 引田部赤猪子)
今回の中では、これのみ萬葉集ではなく古事記歌謡です。
ということで、このシリーズの絵はがきを、重複を除き合計14枚入手したことになります。
全部で何枚あるのでしょうか。
今回のは袋に入っていませんでしたが、あるいは「第一輯」なのかもしれません。
最近のコメント