明治13年の「古今官武英雄一覧表」
このようなものを入手しました。
これは袋です。
明治十三年三月出版。タイトルは「古今官武英雄一覧表」とあります。
中身は1枚物の番付です。
こちらのタイトルは「本朝古今俊傑官武英雄一覧表」とあります。こちらが正式名称なのでしょう。
タイトルが長いので、袋には略称を記したものと思われます。
びっしり。字が細かいです。
左下隅に発行年月日と発行者名が載っています。
西南の役が明治10年ですので、その3年後です。
右側の最上段。
明治維新の功労者が並んでいます。
それぞれ、官職位階勲等が記されています。月給まで。
左側の最上段。
こちらには歴史上の武将達が並んでいます。
著名な武将が多いです。錚々たるメンバー。
明智光秀や平将門のような謀反人も載っています。あまりそういうことには頓着がないようです。
このように右側が明治の官人、左側が歴史上の武将です。
左側の2段目。
こちらにも著名な武将が並んでいます。
左から4人目の北条時頼が「奸智」というのが不思議です。
2段飛ばして左側の5段目。この段になるとだいぶ文字が小さくなりますので、右の半分ほど。
3番目に北条義時が載っています。こしろうですね。
他に、酒井忠次、本多平八郎、榊原小平太という徳川四天王のうち3人が載っています。
もう1人の井伊直政はなぜか1段上の4段目に載っています。
中央部の最上段。
楠公さんが大きな文字で中央に記されています。
左側には軍師達。竹中半兵衛、真田幸隆、真田幸村、山本勘助などが並んでいます。
右側も明治の参謀達ですかね。谷干城は西南の役で大手柄を立てました。
1段飛ばして、中央の3段目。
左側には、直江兼続の他に、西郷隆盛、大久保利通、木戸孝允という明治の元勲のうち亡くなった人が載っています。
西郷さんは西南戦争の折の賊軍ですが、それはもう問われていない感じです。
中央の最下段。
大物たちが載っています。
ごく一部を駆け足で見てゆきました。
細かく見て行くと、あれこれおもしろいです。
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今でいうと,人名事典のようですね。
袋ということですが,袋の中に一覧表が入っていたのですか?
人物の業績の説明があるとわかりやすいと思うのですが
一覧表では,難しそうですね。
それにしても,細かい字を熟読され,感心します。
投稿: 萩さん | 2024年2月17日 (土) 07時49分
萩さん
コメントをありがとうございます。
ごくごく簡易な人名辞典と言えないこともありませんが、番付表ですね。
タモさんが、「江戸時代の人は番付が好きで、何でも番付にしちゃうんですよ」と言っていましたが、明治になってもその気質は変わらなかったようで、それでこういう物を作ったのだと思います。
この番付表が8つ折りにして袋に入っていました。
下の方に行くにつれて文字はかなり小さくなりますので、現物では厳しいです。
パソコンの画面上で拡大して読みました。
投稿: 玉村の源さん | 2024年2月17日 (土) 07時56分