昭和12年の『浦島太郎』(2)
一昨日「昭和12年の講談社の絵本『浦島太郎』」という記事を載せました。
この絵本は全部で見開き27面からなる大作ですが、当ブログにはそのうちの8面しか載せませんでした。
また、見開きの大きさはほぼB4サイズです。
これを長辺600ドットの画像にしたため、実物よりもだいぶ小さなサイズになってしまいました。
そこで、この絵本からちょっとおもしろい部分をアップでご紹介します。
浦島が竜宮城に接近した場面。
虹が架かっています。
竜宮城は海の底にありますので、その上空に虹が架かるのは不思議なことですが、ま、詩的真実ということで。
浦島をもてなす竜宮城の女性達。
頭の上に魚が乗っています。
初めはこれを髪飾りと思ったのですが、そうではなくて、この女性達は実は魚なのでしょう。
頭の上の魚はそれを象徴しているのではないかと思います。
では、乙姫様の頭の上には何が乗っているのかと思って見てみました。
龍ですね。
浦島を池に浮かべた船に乗せて接待する場面。
上の方に、左から右へ進んでくる船の先頭が見えます。浦島と乙姫様はその船に乗っています。
龍頭の船ですね。風雅です。公任様なんかが乗っていそうです。
この絵でも、女性達の頭の上には魚が載っています。鯛ですかね。
ここもまた、海の底にあるはずなのに、そこに池があり、橋も架かっています。
おかしいのですが、そこをツッコむのは野暮というものでしょう。
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