昭和12年の講談社の絵本『浦島太郎』
昭和12年に刊行された講談社の絵本『浦島太郎』を入手しました。
浦島さんイケメンです。歌舞伎役者風。
最初のページは両親と暮らしている場面です。
浦島太郎の話というと、助けた亀を助ける場面から始まるような気がしていましたが、この絵本では両親が描かれています。
海岸で亀がいじめられている場面。
亀は踏んづけられていますね。かわいそうです。
浦島は子供たちに銭をやって、亀を助けてやります。
4~5日後に、浦島は海で亀に会います。
助けてやったときに比べて、亀は随分大きいです。
浦島は亀の背に乗って竜宮城に行きます。
亀の背に乗っている絵や、入口で歓迎される絵もありますが省略します。
浦島は大歓迎されます。
そして、乙姫様自らも踊りを披露します。
3年経ったある日、浦島は両親のことを思い出します。
カーテンの絵柄が貝ですね。
浦島は乙姫様に訳を話して家に帰ることにします。
虫麻呂の歌では、浦島は両親に訳を話せば、すぐに戻ってくると言ったことになっていますが、この絵本では帰ることになっています。
乙姫様は引き留めますが、浦島の決意が固いので、玉手箱を渡して浦島を帰します。
浦島は亀の背に負って帰って行きます。
乙姫様自ら門の所まで出てきて浦島を見送っています。
故郷に戻ってきた浦島ですが、村の様子は変わってしまい、自分の家も見つかりません。
出会った人に聞くと、300年前に海に釣りに行ったきり帰ってこなかった人がいたという話をします。
どうして良いか分からない浦島は乙姫様からもらった玉手箱を開けてしまいます。
すると中から煙が出て、浦島はたちまちお爺さんになってしまいました。
虫麻呂の歌では、それから浦島は死んでしまいますが、この絵本では、お爺さんになったところでおしまいです。
よく知られた浦島太郎の話そのままと思いますが、他の絵本と比べていないので、何とも言えません。
次のページには、唱歌の浦島太郎の歌が載っています。
裏表紙に名前を書く欄があって、そこに名前が書いてあります。
文字が薄くなってしまっていて、名字はうまく判読できませんが、名前は涼子さんです。
昭和12年に10歳くらいだとすると、今ご存命ならば96歳とか97歳ですね。
「子」の付くお名前は当時としてはハイカラだったのではないでしょうか。
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