明治3年の『道中細見 定宿帳』(4)
また明治3年の『道中細見 定宿帳』の続きです。
この本は『道中細見 定宿帳』というタイトルにもありますように、大部分は街道別の宿場毎の宿屋案内ですが、巻末に、東京、京都、大阪の三都それぞれの名所・名物の案内が載っています。
まず、「東京名所独案内」が4ページに亙ってあります。
トップは「日本橋 魚市場」です。以下、「神田明神 妻恋稲荷」「聖堂 湯島天神」「不忍池弁財天 東叡山」と続きます。
江戸の中心部になりましょうか。
次のページ。
2番目に「泉岳寺義士ノ墓 大仏」があります。泉岳寺は欠かせません。境内に大仏があったのでしょうか。あるいは附近に。
9番目に「亀井ノ天神 柳嶋妙見」とあります。今の亀戸天神のことに違いありませんが、亀戸ではなく亀井とあります。
その次のページ。
左から4つ目に「音羽護国寺 目白不動」があります。しばらく前の「ブラタモリ」の「目白」の回を思い出します。あの時には護国寺は登場しませんでした。
その1つ右には「堀之内祖師 雑司ヶ谷鬼子母神」があります。これも目白の近くですね。
その次のページ。
ここには、目黒不動、祐天寺、池上本門寺、新田大明神などが並んでいます。
大きな目で見れば、これらはうちのご近所です。←ご近所というには、結構離れていますけど。(^_^)
そして、ページの左側には猿若町の各丁目の芝居茶屋が3軒並んでいます。
東京の名所案内はここまでです。
まだ明治も3年。明治以降の新名所ではなくて、江戸以来の名所という感じです。
どれも江戸名所図会に載っていそうです。江戸名所図会を見たくなりました。
その次のページは東京名物です。
あまり載っていません。
浅草海苔、合羽田葉粉(たばこ)入、村田張きせる、紫染物るい、下段には東錦絵、同うちわ、でしょうか。
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