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2023年9月11日 (月)

根来麻子氏『上代日本語の表記とことば』

 本日、根来麻子氏『上代日本語の表記とことば』(新典社)が刊行されました。
Jodainihongo

 目次は以下の通りです。

    凡例

  序 本書の目的と構成

第一部 宣命特有の表現
  第一章 「現(御)神」と「明神」―両者の使い分けをめぐって―
  第二章 「現(御)神」「明神」の訓
  第三章 「オホヤシマクニ」の意義―「御宇天皇」の訓みをめぐって―
  第四章 「天地の心を労み重み」「天地の心も労く重く」をめぐって

第二部 宣命の表記に関する問題
  第一章 宣命の表記と読み上げ
  第二章 謙譲語「タマフ(下二段)」の表記「食」について

第三部 正倉院文書特有の表現
  第一章 督促の表現―「怠延」を中心に―
  第二章 「廻」字の用法と熟語

第四部 宣命と正倉院文書とのかかわり
  第一章 「緩怠(怠緩)」「公民」の典拠と運用
  第二章 「暫間」「暫之間」の成り立ちと運用

第五部 上代文献の諸表現
  第一章 『万葉集』「明津神 我が大君」をめぐって
  第二章 『播磨国風土記』賀毛郡雲潤里条の主題―「云尓而已」の解釈を端緒として―
  第三章 『古事記』における「登岐士玖能迦玖能木実」の位置づけ

    初出一覧
    あとがき
    索引

 章の下の節に当たる項目は省略しました。

 上代日本語研究の資料は、古事記、日本書紀、万葉集、風土記などが主に用いられてきましたが、それらの文献は文学作品や歴史書という偏りがあります。
 一方、本書で根来氏が対象とするのは、天皇の命令を宣読した宣命や、行政文書としての正倉院文書です。
 こういう種類の資料も含めて考察することで、上代の日本語のありさまがより明確になってゆくものと思います。
 私もじっくりと拝読し、勉強いたします。

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