朝日古典全書本『萬葉集』
ネットオークションに、朝日新聞社の日本古典全書本『萬葉集』全5冊が出ていましたので、落札しました。
この本、持っていなかったんですよね。
論文などで取り上げられることもあまりなかったので、いいかと思って買いそびれていました。
表紙カバー。
奥付。
昭和22年の刊行ですね。
戦後間もなくです。
朝日古典全書本は100冊くらい刊行されたと思います。
第1回配本が何で、いつだったのか調べていませんが、ハンディだし、安価だしということで、大学の教科書などとして広く用いられたのではないでしょうか。
この万葉集は恥ずかしながら中身を初めて見ましたが、詳細な解説は付いているし、原文も付いているし、きちんとした注釈書と思います。
ただ、如何せん、注が少ないです。
1番歌はこんな感じです。
その後、岩波の日本古典文学大系という画期的な注釈書が刊行され、小学館の日本古典文学全集が続き、朝日古典全書はどうしても見劣りしていったように思います。
昭和30年代から40年代にかけては、大きな書店には朝日古典全書も結構並んでいた記憶があります。
当時、私が購入したのは、以下の面々です。
平家の上巻がないのは、品切れのまま入手し損なったのでしょうね。
【追記】
『萬葉集』第1冊の奥付ページにある解説者・校註者紹介を載せます。
校註者の3人は必ずしも万葉集を専門に研究なさっている方々ではありませんね。
ちょっと不思議な人選と思います。
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そういえば朝日古典全書本の名はあんまり聞きませんよね。私もあんまり手に入れようと思ったことはありません。
でも、語釈が少々簡単すぎるとは言っても、訓とかはどこかで出てきても良さそうなものですが・・・
森本治吉さんは「萬葉精粋の鑑賞」、佐伯梅友さんは「萬葉語研究」は、万葉集の学びはじめの頃はお世話になったもので、今も手元にあります。佐伯さんと沢瀉先生の新校万葉集は、大学一年の時の上代文学購読のテキストで、国語学概論のテキストも佐伯さんのものだったような記憶があります。森本さんの「作者類別万葉集」も卒論を書くときにお世話になったので、これも今も手元にあります。
投稿: 三友亭主人 | 2023年10月 3日 (火) 19時58分
三友亭主人さん
コメントをありがとうございます。
本当に、朝日古典全書本の万葉集が取り上げられることはあまりないですよね。
凡例に依れば、底本は寛永版本で、訓は諸注釈の中で良い物を採ったとのことですので、そういったあたりが弱点なのでしょうかね。
解説の森本氏はともかく、校註者の人選もちょっと不思議です。
投稿: 玉村の源さん | 2023年10月 3日 (火) 20時26分