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2023年9月 6日 (水)

創作童話「うさぎのしまこ」

 大好評、創作童話の第7弾です。

 昔々、あるところに子うさぎの男の子、しま子くんが住んでいました。
Shimataro01
 男の子なのにしま子ですから、これは蘇我馬子や小野妹子と同じ頃の時代です。
 しま子くんはまだ生後半年くらいです。好奇心旺盛で、特に海に関心がありました。

 いつものように海を見ていると、ワニ(サメ)がやってきました。
Shimataro02
 「やぁ、しま子くん。また海を見ているね」
 「あ、ワニさん。うん。海の果てはどうなっているんだろうと思って」
 「じゃぁ、これから海の果てに行ってみるかい? ぼくが連れて行ってあげるよ」
 「えーっ。うれしいな。お願いします」

 ということで、しま子くんはワニの背中に乗って海の果てに行きました。
 そこには海の神の宮殿があり、しま子くんは海の神の娘と仲良しになりました。
Shimataro03
 「お姫様。ぼくびっくりしたんだけど、海の神の娘はうさぎなの?」
 「いえ、そういうわけじゃないの。私は、ここに神様が来れば神様の姿に、人間が来れば人間の姿に、うさぎが来ればうさぎの姿に変身することにしているの。その方がお互いに気楽かと思って。おもてなしよ」

 その日から、しま子は手厚い接待を受けました。
 金魚の日本舞踊。
Shimataro04

 カエルたちによる「かえるのうた」の輪唱。
Shimataro05

 アヒルたちによるラインダンス。
Shimataro06

 アップです。
Shimataro07

 しま子くんは楽しい毎日を過ごしましたが、ある時ふと、気づきました。
 「家族が心配している……」
 そこで、海の神の娘に、家に帰りたいと告げました。
 海の神の娘は、こう言いました。
 「分かりました。では、この玉手箱を持って行きなさい。蓋は決して開けてはいけないよ」
 「はい分かりま……。でかっ!!」
Shimataro08
 「お姫様。これ玉手箱というよりつづらですよね。大きいのと小さいのとどちらかを選びなさい、なんてことはないのですか?」
 「いや、それじゃ、また別の話になっちゃうから」
 「分かりました。ではこれで失礼します」
 「じゃあね。またワニに乗せていって貰いなさい」

 しま子は無事に故郷に帰ってきましたが、なんか様子が違います。
 見慣れた家々はすっかりなくなってしまい、懐かしいわが家もあとかたもありません。
 そこにたまたま通りかかったうさぎに聞いてみました。
 「ぼくの名前はしま子といいます。僕の家族を知りませんか?」
 「しま子? 君、男の子でしょ。しま子なの?」
 「え? おかしい? 蘇我馬子や小野妹子っていますよね」
 「それは随分大昔の人ね。今、子のつく名前は女の人よ。今の帝のおおきさき様は彰子様と定子様よ」
 「え? おおきさき様が2人もいらっしゃるの?」
 「そうよ。今の帝はね」

 しま子は途方に暮れました。
 「お父さん、お母さん……」
 どうしていいか分からなくなったしま子は、禁じられた玉手箱の蓋を開けてしまいました。
 すると玉手箱からは白い煙が海の沖の方にたなびいて行きました。
Shimataro09
 *あ、白い紙のようなのは煙です。しょぼいですけど。

 しま子の毛はあっという間に真っ白になってしまいました。
Shimataro10
 「うわぁ。お爺さんになっちゃった」

 そこに、「しま子! しま子!」という声が聞こえてきました。
 目の前には懐かしいお母さんがいました。
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 「しま子、なにか夢を見ていたの?」
 「あっ! 今の夢だったのか。よかった」

 しま子はほっとしましたが、自分の体を見て、叫びました。
 「わああ! 白いまんまだ。お爺さんになっちゃった。まだ生後半年という若いみやこで」
 「みやこ? それ、みそらでしょ。若いみそら。みやことみそらと間違えちゃダメよ。あなた、ずっと冬眠していたのよ。その白いのは冬毛。暖かくなったらまた元のような色になるわ。安心して」

 というお話しでした。
 創作とは言い難いような。(^_^;

 ちなみに、「うさぎのしま子」を省略して「うさのしま子」。それが音韻変化を起こして「うらのしま子」。「子」が女性に使われる時代になったので、「うらのしま太郎」。さらにそれが約まって「うらしま太郎」になったとなむ語り伝えたるとや。
 知らんけど。

 余談ですが、さきほどのアヒルのラインダンス。大将がいれば真田日本一の兵になります。
Shimataro12

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