明治5年の『改置府県概表』
この様なものを購入しました。
題簽は失われてしまっています。
表紙裏と第1ページ。
この記述によって、書名は『改置府県概表』であることなどが知られます。
明治5年の刊行です。
大蔵省編纂です。内容的には、現代ならば総務省の管轄かと思われます。
左ページが第1ページで、凡例です。
この本に記載されている各府県の府県庁所在地は緯度・経度で示されています。
その基準位置については、次のように書かれています。
英国の「ギリンウヮチ」ですねぇ。これは今で言う「グリニッジ」でしょう。
表の例として、最初の東京府・京都府を挙げます。
京都府の府庁所在地は二条城ですね。
どの府県も同様の形式で作成されています。
府県の排列は以下の通りです。
府(東京、京都、大坂)、開港場のある県(神奈川、兵庫、長崎、新潟)、関東、近畿、東海道、東山道、北陸道、山陰道、山陽道、南海道、西海道。
開港場はもう1つ函館がありますが、この本には北海道は載っていませんので、開港場のある県は4つです。
新潟県から足柄県。
新潟の「潟」の字が異体字です。
群馬県から奈良県。
現在の群馬県と栃木県の範囲が、群馬県・栃木県・宇都宮県の3県になっています。
栃木の「栃」の字が異体字です。
奈良県は、堺県(でしたっけ?)に含まれてしまった時期もありますが、この本の明治5年には奈良県は存在しています。
あれこれおもしろいです。
« 壬申の乱の経緯を追って10 淡海方の田辺小隅が倉歴道を急襲 | トップページ | 壬申の乱の経緯を追って11 田辺小隅の部隊を多品治が撃退 »
「文字・言語」カテゴリの記事
- 長音表記&リンコルン(2025.01.14)
- 『起源でたどる日本語表現事典』(丸善出版)(2025.01.12)
- 伊予弁のバリィさん(2025.01.09)
- 根来麻子氏『こてんみゅーじあむ』(文学通信)(2024.12.17)
- 鈴木靖民氏・佐藤長門氏『翻刻・影印天平諸国正税帳』(八木書店)(2024.11.15)
「群馬あれこれ」カテゴリの記事
- 音楽の街、高崎(2025.01.07)
- 高崎駅通路に恒例のだるま(2025.01.05)
- 老農船津伝次平(2024.11.23)
- ぐんまビジタートイレの案内板(2024.11.17)
- 今日は埼玉県民の日&廃藩置県(2024.11.14)
「史料・資料」カテゴリの記事
- 長音表記&リンコルン(2025.01.14)
- 広瀬中佐の評価は(2024.11.24)
- 老農船津伝次平(2024.11.23)
- ちりめん本『俵藤太』と『稲羽の白兎』(2024.11.05)
- 明治20年ちりめん本の『俵藤太』(2024.11.03)
「歴史」カテゴリの記事
- 『ならら』最新号の特集は「昭和100年」(2024.12.28)
- 『光る君へ ART BOOK』(2024.12.16)
- 『光る君へメモリアルブック』(2024.12.13)
- 萩松陰神社の絵はがきに(2024.12.08)
- 萩の松陰神社のクラウドファンディング(2024.12.07)
« 壬申の乱の経緯を追って10 淡海方の田辺小隅が倉歴道を急襲 | トップページ | 壬申の乱の経緯を追って11 田辺小隅の部隊を多品治が撃退 »
コメント