「ふみづき」の語源は?
一昨日、7月4日(火)のNHK「ゆう5時」の気象コーナーで、旧暦7月の異称「文月」の語源の話がありました。
「諸説ありますが」ということで、書物の虫干しをする月から来ているという説が紹介されました。
兵庫県の西宮神社では毎年この季節に虫干しをすること、かつては多くの寺社でも同じくこの季節に虫干しをしていたそうです。
確かに旧暦だともう梅雨は明けている季節ですから、そうかもしれないという気はしますが、どうでしょう。
万葉集ではただ一首、巻10・2069番歌に「……あらたまの 年の緒長く 思ひ来し 恋尽すらむ 七月の 七日の宵は 我れも悲しも」という歌があり、このうしろから3句目を「ふみづきの」と訓んでいますが、原文は「七月」ですので、「ふみづき」と訓む確証にはなりません。
古写本では「はつあきの」と訓むものが多く、古い注釈も同様に訓んでいましたが、『万葉集略解』あたりから「ふみづきの」と訓むようになり、現代ではそれが定訓になっています。
もしも万葉集の例を「ふみづき」と訓んで良いとしたら、「ふみづき」の語源虫干し説が成り立つためには、この時代から7月に本の虫干しをする風習があったのか、ということになりますね。
語源は難しいです。
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