『名頭苗字尽』
先日、「明治12年の『小学習字 名頭字尽』」という記事を書きました。
人名によく用いられる文字を練習するための手本という感じの本でした。
そうしたら、この度、よく似た名前の本を入手しました。
『新選 名頭苗字尽』です。
どちらもネットオークションでの入手です。
類は友を呼んだわけではありません。
ネットオークションで何かを入札したり、落札したりすると、その後、「ダンナ、こんなのもありますぜ」と似た様なものを勧めてきます。
端布がそうでした。
たまたま忠臣蔵を描いた端布を落札したら、その後、端布をあれこれ勧められて、端布も収集品になってしまいました。
その結果、宝尽くしに行き着いたわけで、ネットオークションは関心や知識を広げてくれます。
さて、この本です。
表紙をめくるとこの様になっています。
左ページの見出し「名字」は、「みょうじ」ではなくて、「なのじ」とでも読むのでしょうか。
名前に用いられる文字が1文字単位でいろは順に並んでいます。
「名前に用いられる文字」と書きましたが、そうかなぁという気もします。典型的な人名用漢字という風には思えません。
どうやって選定したものか。
これが8丁あります。8丁目の見開きです。
いろは順で「す」が最後ですので、右ページの3行目の「標(すけ)」までです。
最後の1行があまったので、「蔵」「造」「太郎」「次郎」を穴埋に使ったのでしょう。
左ページから「苗字」が始まります。
こちらは、1文字のもの、2文字のもの、……という風に文字数順です。
次のページ。
右ページの3行目から2文字苗字になります。
青山、中山、松山、などと、末尾が同じもの別に集められています。
左ページには「野」で終わるものが並んでいますが、「野」の書体にバラエティーがあります。
3文字の苗字。
こちらも末尾が同じもの毎にまとめられています。
3文字の苗字の冒頭はお公家さんですねぇ。
4文字・5文字の苗字。
4文字は3つ、5文字は勘解由小路しか載っていません。
左ページが裏表紙で、これが奥付です。
発行年月日は書かれていません。
東京帝国大学 京都帝国大学 高等師範学校 第一高等学校 学習院 帝国図書館 御用書肆とありますので、これらの学校等が成立した後の刊行ということになります。
ググってみればすぐに分かりますが、まぁ。
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