『英雄百人一首』(1)
このようなものを入手しました。
題簽に『英雄百人一首 全』とあります。
最初のページに序文があります。
日付は弘化二年で、1845年です。
奥付にはこうあります。
天保十四年成稿で、翌十五年発行です。天保十五年(12月に弘化と改元)は1844年です。
序文の日付の方が発行よりも後というのは不思議ですが、発行は10月、序文は翌年の1月ですので、ちょっとした齟齬が生じたのでしょう。
冒頭に見開き2点の口絵があります。
1つ目は神功皇后です。
2つ目は日本武尊です。
日本武尊と秉燭人との問答の場面です。
中央部にあるのは首桶ではありませんね。
鎌倉殿の見過ぎです。(^_^;
冒頭部にこうあります。
「日本武尊」に「やまとだけの~」というふりがながあります。
「やまとたける」ではありません。
雄略天皇の和風諡号を「おほはつせのわかたけ」と訓むなら、「やまとたけ」の方が整合性があります。
しかし、稲荷山古墳鉄剣銘の発見によって、雄略の和風諡号は「~わかたける」と訓むべきことがほぼ確定でしょうから、そうなると、「やまとたける」の方が整合します。
これら2葉の口絵の後に本文が続きますが、その冒頭は素戔嗚尊です。
素戔嗚尊には「八雲立つ」の歌がありますからね。
英雄と称すべき人であっても、歌が伝わっていないと載せられません。
ほんとに100人が取り上げられているかどうか、まだ数えていません。
続きます。
« 無事帰宅&自転車の前籠固定 | トップページ | 『英雄百人一首』(2) »
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 昭和37年の『日本神話集』(2)(2023.05.22)
- 宝尽しの端布(2023.05.19)
- 浦島太郎と桃太郎と何かの端布・再考2(2023.05.18)
- 『英雄百人一首』(4)(2023.05.06)
- 『英雄百人一首』(3)(2023.05.05)
「史料・資料」カテゴリの記事
- 複製本『宸翰』(1)(2023.05.28)
- 明治2年の『増補新令字解』(2023.05.23)
- 『名頭苗字尽』(2023.05.20)
- 明治12年の『小学習字 名頭字尽』(2023.05.11)
- 明治19年の『西洋遊戯 かるた使用法』(2023.05.09)
「歴史」カテゴリの記事
- 複製本『宸翰』(1)(2023.05.28)
- 『墨書土器と文字瓦』(八木書店)(2023.05.27)
- 明治2年の『増補新令字解』(2023.05.23)
- 『名頭苗字尽』(2023.05.20)
- 義経と弁慶の端布(2023.05.12)
コメント