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2023年5月

2023年5月29日 (月)

『トビウオが飛ぶとき』

 前期のNHKの朝ドラ「舞いあがれ!」を毎日楽しみに見ていました。
 あのドラマで、主人公舞ちゃんと結婚した貴司くんは歌人という設定でした。
 貴司くんの作った短歌や、貴司くんを師と仰ぐ秋月史子さんの短歌も登場するなど、短歌はドラマの中でも大きな位置を占めました。
 さらに、この番組を見ていた歌人の俵万智さんがドラマの短歌に反応して応える歌を作るなど、大きな話題になりました。
 貴司くんや秋月さんの歌は、脚本家の桑原亮子さんの作です。
 桑原さんは歌人でもあるそうで、ドラマのそれぞれの登場人物に合わせて短歌を作り分けているわけで、俵さんは桑原さんのことを、源氏物語の作者である紫式部になぞらえたりもしていました。

 本日、桑原亮子さんの著書『トビウオが飛ぶとき』がKADOKAWAから刊行されました。
 作中に登場した歌や登場しなかった歌も含めた歌集です。解説は俵万智さん。
 で、買ってしまいました。(^_^)
Tobiuoga01

 内容紹介。
Tobiuoga02
 上で縷々述べたことが簡明に述べられています。(^_^;

 桑原さんのコメント。
Tobiuoga03

 貴司くんの歌。
Tobiuoga04
 このうち2首目は、万葉集の狭野弟上娘子の本歌取りとされていましたが、あまり納得できません。(^_^;

 秋月史子さんと、編集者のリュー北條さんの歌。
Tobiuoga05
 リュー北條も短歌を作っていたとは知りませんでした。
 この本の中で、リュー北條の本名は北條龍之介だと知りました。

 目次のあとに、「短歌にしたら 一瞬が永遠になるんやんな?」という舞ちゃんのセリフが引用されていました。
 そうですね。短歌の本質をよく捉えていると思います。

2023年5月28日 (日)

複製本『宸翰』(1)

 この様な巻子本を入手しました。
M17shinkan01
 題簽には雨冠の「震翰」とありますが、天皇の自筆を意味するウ冠の「宸翰」のことでしょう。
 雨冠、ウ冠、通じて用いられたものと思われます。

 冒頭には嵯峨天皇の詩が載っています。
M17shinkan03

 左下に小さい文字で、このように印刷されています。
M17shinkan04
 中央公論社の『書道藝術』によれば、この「哭澄上人詩」は「伝嵯峨天皇筆」とされています。

 別の箇所には、数ヶ所に亙って、以下の様な記述があります。
M17shinkan05
 奥付はありませんが、これによって、この巻子本は明治17年に博物局によって制作されたことが知られます。
 冒頭の嵯峨天皇の詩は平安初期弘仁年間のものですが、ここに採録されている文書の多くは奈良時代のものです。

 藤原仲麻呂などの自筆署名のある文書もありますし、
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 弓削道鏡の自筆署名のある文書もあります。
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 正倉院文書の影印は、八木書店から『正倉院古文書影印集成』が刊行されていますので、これらの文書はその影印本でも見ることはできますが、それはそれとして、これもまあ楽しいです。

 この複製本の紹介、続きます。

2023年5月27日 (土)

『墨書土器と文字瓦』(八木書店)

 『墨書土器と文字瓦』(八木書店)を購入しました。令和5年1月刊です。
Bokushodokito01

 目次は次の通りです。
Bokushodokito02
Bokushodokito03
 第三部の5に犬飼隆先生の論文が載っています。

 私が学生の頃は、上代の国語学研究に用いられる資料は、古事記、日本書紀、万葉集、風土記、祝詞、宣命に加えて、金石文、正倉院文書、限られた数の木簡くらいでした。
 その後、木簡の数はどんどん増え、さらに墨書土器や文字瓦ということになってきました。
 使える資料が増えるのはありがたいことですが、知識が足りません。勉強します。

 この本は、直接版元から購入しました。
 おまけが付いていました。
Shiryofusen01

 開くと、付箋紙です。
Shiryofusen02

 ありがたく使わせていただきます。
 実際の色はもう少し濃いです。

2023年5月26日 (金)

草刈りぐんまちゃん&新デジカメ

 今日は、恒例の月に1度の前橋で講座の日でした。
 教室は3階にあります。
 教室に入ったら、講座受講生の方が、下にぐんまちゃんがいると教えてくださったので、早速撮影しました。
Gunmac_kusakari06
 3階からの撮影です。
 多少トリミングしてあります。

 アップ。
Gunmac_kusakari07
 きれいに写っていると思います。

 90分の講座が終わって下に降りたら、ぐんまちゃん、まだ働いていました。
Gunmac_kusakari08
 ずっと動き続けていたとしたら、随分勤勉です。

 これを撮したのは新しいカメラです。
 今までのコンパクトデジカメが壊れてしまいましたので、新しいのを買いました。
 昔は、コンパクトデジカメもたくさん種類がありましたけど、今はいくらもありません。
 スマホのカメラを使う人が増えたので、デジカメを使う人が激減した模様です。

 買ったのはこれです。
Canonsx01
 レンズがシャッター状のもので覆われているので、レンズキャップはありません。
 これはいいです。キャップは失くしてしまいがちです。

 側面。
Canonsx02

 最大限望遠にすると、レンズはこんなに長くなります。
Canonsx03

 ズーム倍率、大きいです。

 使うのは今日が最初ですが、なかなか良さげです。

2023年5月25日 (木)

雀の学校の端布(2)

 昨日、「雀の学校の端布」という記事を載せました。
 その端布には雀の絵が3つ載っていて、それぞれに歌詞が書いてありました。
Suzumeno03
Suzumeno02
Suzumeno04

 歌詞は以下の通りです。
 「あさは はよから すずめの がつこう」
 「おうちの おやねから (ぴ)いちく (とん)でくる」
 「こえをからして おうたを うたう」
 絵に隠れている文字は、推定した文字を( )を付けて示しました。

 誰の歌かはググればすぐに分かると思ったのですが、見つかりません。
 そこで、ChatGPTに聞いてみました。
 そうしたら、金子みすゞの作だとのことです。
 確認すべく、金子みすゞの童謡全集を買ってしまいました。
 昨日、某アマゾンに注文して、今日の夕方届きました。
Kanekomisuzu
 こういう本の買い方をしているので、本が止めどもなく増えます。
 で、512編、全部見ましたが、載っていませんでした。
 金子みすゞの作ではなかったようです。
 どうも、ChatGPTは信用しきれません。
 ま、あとからよく見たら、端布の歌詞は現代仮名遣いですね。
 気付くのが遅かったです。
 折角買った本ですので、今度じっくり読むことにします。

 この本は、置き配で届きました。
 片手で掴んだところ、親指と人差し指の付け根の部分に濡れた感じがしました。
 見ると、ナメクジでした。吹いたら飛んで行きました。
 ちょうど手に触れる場所で良かったです。
 そうでないと、気づかないまま、ナメクジを家の中に持ち込んでしまうところでした。
 油断のならない世の中です。

2023年5月24日 (水)

雀の学校の端布

 この様な端布を入手しました。
Suzumeno01
 といっても、ピンボケですね。すみません。後刻ちゃんとしたのと差し換えます。

 描かれているのは、雀の学校が3つ、うさぎの運動会が2つです。

 雀の学校。
Suzumeno02
Suzumeno03
Suzumeno04
 どれもかわいいです。

 うさぎの運動会。
Suzumeno05
Suzumeno06
 こう言ってはナンですけど、あまりかわいくありません。←うさぎ、ゴメン。

 雀の学校に比べて、うさぎの運動会の方は簡単です。
 絵も別人の手になるように思いますが、どうでしょうか。

 雀の学校の絵には歌詞が付いています。
 でも、よく知られた「ちーちーぱっぱ ちいぱった」とは別のものですね。
 調べてみます。

2023年5月23日 (火)

明治2年の『増補新令字解』

 ネットオークションで見つけ、どのような本なのかもよく分からず、おもしろそうだったので、買ってしまいました。
M02zohoshinryo01
 お金のことを言ってはナンですけど、誰も入札しなかったので、1000円で買えました。♪
 買った後で、どのような本なのかを調べてみると、明治初期の日本語を知る上で結構貴重な資料のようでした。
 著者は荻田長三。『新令字解』は慶応4年刊。私の入手した増補版は明治2年刊です。

 最初のページ。
M02zohoshinryo02
 残念ながら、下綴じのこよりも、本とじの糸も失われています。
 散逸すると困るので、自分で綴じようかと思います。

 いくつかのページを見てみます。
 第1丁表。
M02zohoshinryo03
 このように、語の読みと意味とが、1文字目の画数順、文字別に排列されています。
 書名の「新令」というのはどういうことでしょうね。
 明治維新によって出された新たな法令ということでしょうか。
 「一大革」「一層励精」「人材登庸」「人心一致」など、いかにも新時代の到来を思わせる語が並んでいます。
 「八局」は明治新政府の役所ですね。
 「了解」の意味として、「スッパリサトルコト」とあります。「スッパリ」がおもしろいです。
 「人材登庸」には「キリヤウアル人ヲ……」とあります。見出し語の下に書かれている意味はおおよそは訓ですが、この様に「器量」という音が用いられているものもあります。

 第1丁ウラ
M02zohoshinryo04
 「山陵」に「ミサヾキ」とあります。現代では「みささぎ」と読むことが普通と思いますが、古代には「みさざき」でした。この本では近代以前の読みが記されています。

 2丁表
M02zohoshinryo05
 このページには「王政復古」が載っています。

 最後のページ。39丁ウラになります。
M02zohoshinryo06
 「鰥寡孤独廃疾」が載っています。続日本紀に「鰥寡孤独自存不能」が時々登場します。こういう人々に物を与えたりする社会福祉の文脈で用いられています。純粋な社会福祉というよりも、社会的な弱者に天皇の徳を示すという意味合いの方が大きかったのでしょうが、上代の史籍に載っている語をこのような辞書に見つけて、感慨深いものがありました。

 あれこれページをめくって、何かおもしろい読みや意味などが載っていたら、また取り上げるかもしれません。

2023年5月22日 (月)

昭和37年の『日本神話集』(2)

 昨日の「昭和37年の『日本神話集』」の続きです。
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 昨日は前半の「やまたのおろち」を見ました。
 今日は後半の海幸山幸です。
S37nihonshinwa07
 タイトルは「うみひこ やまひこ」となっています。
 「うみひこ」「やまひこ」などという名は記紀には登場しません。
 「うみさちひこ やまさちひこ」が長すぎるならば、「うみさち やまさち」とすべきものと思います。

 山幸彦が海神の宮に着いて歓待される場面
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 山幸は豊玉姫と結婚はしません。

 山幸が兄の釣針のことを思い出した場面。
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 鯛の口の中から釣針が見つかった場面。
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 小さな2匹の鯛がかわいいです。胸びれが手の様に見えます。
 のどに釣針が刺さっていた鯛は巨大ですね。私が抱き枕にしている魚くらいの大きさです。
Uodakimakura02
 私、これ金魚だと思っていたのですが、違いますね。鯛ですね。
 ま、鯛でも良いです。金魚は大きくなれば鯛になります。←なりません。

 最後の部分です。
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 記紀では山幸はワニに乗って帰って行くことになっていますが、これは鮫の姿ですね。

 文章はこうあります。
S37nihonshinwa12
 「わにざめ」とあります。
 新しい説に従っていますね。

 記紀では、山幸は潮の干満を掌る2つの玉を海神から授かって、それを用いて兄を懲らしめるのですが、この絵本では、ここで終わりですので、2つの玉を授かることもありません。
 長さの関係でここで切ってしまったのかもしれません。
 それならば2つの玉のことは不要ですね。

 先日来、端布に関して取り上げた翳が描かれています。
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 豊玉姫が手に持っています。
 2つの画面で、違う翳を持っていますね。お姫様なので、たくさん持っているのでしょう。

 昭和37年当時の子供向けの絵本に日本神話がどのように取り上げられているのか。
 それを知る資料となりましょう。

 なかなか興味深いものが手に入りました。
 同時代資料は面白いです。

2023年5月21日 (日)

昭和37年の『日本神話集』

 昭和37年発行の講談社の絵本『日本神話集』を入手しました。
S37nihonshinwa01
 内容は、八岐大蛇と海幸山幸です。
 無難な選択ですね。他に稲羽の素兎あたりが子供向けの神話として取り上げられやすいようです。

 まずは八岐大蛇。
S37nihonshinwa02
 タイトルは「おろちたいじ」となっています。
 「おろちたいじ」といっても、上の絵にあるように、物語は高天原におけるスサノオの乱暴から始まりますので、天の岩屋戸も含みます。
 上の絵では、馬の皮を投げ込むことになっていますが、記紀で投げ込んだのは皮か馬か微妙なところと思います。
 「高天原」は「たかまのはら」と読んでいます。
 当時は「たかまがはら」が一般的と思いますので、「たかまのはら」は新しい読みですね。

 天照大御神が天の岩屋戸から姿を現した場面。
S37nihonshinwa03

 おろち退治。
S37nihonshinwa04
 おろちの姿は龍のようです。

 宝剣出現。
S37nihonshinwa05
 物語はここで終わりです。

 上の場面の宝剣に関する文章。
S37nihonshinwa06
 ここでは、おろちの尾から出た剣はスサノオが自分の宝としたと書かれています。
 天照大神に献上して三種の神器の1つになったと書いては不都合なのでしょうかね。

 後半の海幸山幸の話は後日(たぶん明日)。

2023年5月20日 (土)

『名頭苗字尽』

 先日、「明治12年の『小学習字 名頭字尽』」という記事を書きました。
M12nagashira01
 人名によく用いられる文字を練習するための手本という感じの本でした。

 そうしたら、この度、よく似た名前の本を入手しました。
Nagashira01
 『新選 名頭苗字尽』です。
 どちらもネットオークションでの入手です。
 類は友を呼んだわけではありません。
 ネットオークションで何かを入札したり、落札したりすると、その後、「ダンナ、こんなのもありますぜ」と似た様なものを勧めてきます。
 端布がそうでした。
 たまたま忠臣蔵を描いた端布を落札したら、その後、端布をあれこれ勧められて、端布も収集品になってしまいました。
 その結果、宝尽くしに行き着いたわけで、ネットオークションは関心や知識を広げてくれます。

 さて、この本です。
 表紙をめくるとこの様になっています。
Nagashira02
 左ページの見出し「名字」は、「みょうじ」ではなくて、「なのじ」とでも読むのでしょうか。
 名前に用いられる文字が1文字単位でいろは順に並んでいます。
 「名前に用いられる文字」と書きましたが、そうかなぁという気もします。典型的な人名用漢字という風には思えません。
 どうやって選定したものか。
 これが8丁あります。8丁目の見開きです。
Nagashira03
 いろは順で「す」が最後ですので、右ページの3行目の「標(すけ)」までです。
 最後の1行があまったので、「蔵」「造」「太郎」「次郎」を穴埋に使ったのでしょう。
 左ページから「苗字」が始まります。
 こちらは、1文字のもの、2文字のもの、……という風に文字数順です。

 次のページ。
Nagashira04
 右ページの3行目から2文字苗字になります。
 青山、中山、松山、などと、末尾が同じもの別に集められています。
 左ページには「野」で終わるものが並んでいますが、「野」の書体にバラエティーがあります。

 3文字の苗字。
Nagashira05
 こちらも末尾が同じもの毎にまとめられています。
 3文字の苗字の冒頭はお公家さんですねぇ。

 4文字・5文字の苗字。
Nagashira06
 4文字は3つ、5文字は勘解由小路しか載っていません。
 左ページが裏表紙で、これが奥付です。
 発行年月日は書かれていません。
 東京帝国大学 京都帝国大学 高等師範学校 第一高等学校 学習院 帝国図書館 御用書肆とありますので、これらの学校等が成立した後の刊行ということになります。
 ググってみればすぐに分かりますが、まぁ。

2023年5月19日 (金)

宝尽しの端布

 数日前からの続きの様な形になりますが、ちょうど宝尽しの端布を入手しました。
Takarazukushi01

 これが1単位になります。
Takarazukushi02

 大きな丸が2つ。
 その1つは宝船です。
Takarazukushi03
 珊瑚、昨日の隠れ傘、巻物などが載っています。

 もう1つは桃太郎が引いてきた様な荷車です。
Takarazukushi04
 ここにもまた隠れ傘。隠れ傘、人気ですね。
 左端には隠れ蓑もあります。
 あとは珊瑚や分銅などが載っています。

 小さな丸もいくつか。
 鶴、打ち出の小槌、分銅、そして隠れ傘。
 大根のぶっ違いの様なものもあります。

 よく分からないものは、また昨日の「空いろ日和」の「宝づくしの柄」を参照しました。
http://sorakara11.blogspot.com/2011/10/blog-post_26.html 

Takarazukushi06
Takarazukushi07
 大根のぶっ違いのようなものは丁子でした。
 あれこれ大変参考になります。

 今まで宝尽くしのことはよく知りませんでしたので、大変勉強になりました。
 詳しい方にはよくご存知のことだったことでしょう。

2023年5月18日 (木)

浦島太郎と桃太郎と何かの端布・再考2

 昨日、「浦島太郎と桃太郎と何かの端布・再考」と題する文章を載せました。
 5月14日(日)に載せた「浦島太郎と桃太郎と何かの端布」という記事のうち、浦島太郎などを描いたと思われる絵柄の考察でした。
 今日は、もう1つの桃太郎を描いたと思われる画像の再考です。
 この絵です。
Momourahagire04
 車輪は宝物を載せた車、珊瑚は宝物の象徴と思われます。
 ところが、左下の異国風の帽子のようなものと、中央下の分銅のようなものが何なのか分かりませんでした。

 そのようなさなかに、最近たまたま入手した端布に似たようなものが描かれていました。
Otogihagire14
 車の上に満載されている宝物の中に、異国風の帽子のようなものがあります。

 これに興味を覚えて、ググってみたところ、「空いろ日和」というサイトに「宝づくしの柄」という項目が見つかりました。
http://sorakara11.blogspot.com/2011/10/blog-post_26.html

 そこに、この異国風の帽子のようなものと分銅様のものが、ともに載っていました。
Kakuregasa
Fundo
 帽子のようなものは隠れ傘、分銅様のものはまさに分銅でした。

 あれこれ段々に分かってくるのは楽しいです。

2023年5月17日 (水)

浦島太郎と桃太郎と何かの端布・再考

 5月14日(日)に「浦島太郎と桃太郎と何かの端布」という記事を載せました。
 その際、端布に描かれた1つの絵について、浦島太郎といなばの白うさぎと金太郎を描いたものではないかと書きました。
 この絵です。
Sashiba01
 絵の中で、立派な箱は玉手箱、それと釣り竿とが浦島太郎関係。
 うさぎは海岸繋がりでいなばの白うさぎ、軍配のようなものは相撲に関係するものとみて金太郎と考えました。

 この軍配のようなものが気になっていました。軍配にしては雅です。
 そうしたところ、ふと、乙姫さんがこういうのを持っていなかったっけ、と気づきました。
 浦島太郎の絵本などがあれば良いのですが、手元にないので、ググってみたら、こういうイラストが見つかりました。
 フリー画像です。
Sashiba02
 乙姫さん、手に持ってますねぇ。♪

 そういえば、高松塚古墳壁画にもありました。
Sashiba03
 左端の黄色い衣装の女性が柄の長いのを手にしています。

 こういうの、なんという名前だったかと考えて、「さしば」に思い至りました。
 日国の「さしば【翳】」にこういう挿絵が載っていました。
Sashiba04
 端布に描いてある軍配のようなのは乙姫さんの翳と考えて良さそうです。

 となると、あの端布の絵のうち、玉手箱、釣り竿、翳が浦島太郎関係ということになります。
 その中で、うさぎだけいなばの白うさぎというのもヘンです。
 何でしょうねぇ。
 うさぎで亀を連想させたとか。

2023年5月16日 (火)

今朝の桑の実とオリヅルランの花

 玄関前の桑の木は半年でかなり大きくなってしまいますので、春先に幹と枝をかなり切り詰めてしまいます。
Kuwa20230516a
 痛々しい姿です。
 それでも、暖かくなると新芽が出ます。
 新芽だけでなく、実も付きます。どどめですね。
Kuwa20230516b
 普通、実がなる前に花が咲きそうな気がしますが、咲いたんでしょうかね?
 毎年、花は見たことがありません。

 オリヅルランからはランナーが伸びて、花が咲いています。
Orizuru20230516a

 ラッキーなことに、虫が飛んできました。
Orizuru20230516b
 蜂でしょうか。

 もう1枚。
Orizuru20230516c
 天気が良くて明るかったので、速いシャッタースピードで撮れました。

2023年5月15日 (月)

方言せんべい(7)

 今まで6回に亙って載せてきた「方言せんべい」、今回は7回目です。
Hogensenbei01
 この袋の中に個別包装が入っていて、その裏に「とてもおいしい」を意味する方言が都道府県別に2つずつ載っています。
 4月の初めに、コンプリートまであと1袋になっていました。

 このたび最後の1袋をゲットし、無事にコンプリートしました。
Hogensenbei25

 全部揃ったので、一覧表にしてみました。
Hogensenbei26
 順序は旧自治省の都道府県番号順です。

 同じ都道府県内でも、場所によって方言は異なると思いますので、1都道府県ごとに1つというのは強引ですが、まあ1例ということで。
 じっくり眺めてみます。

2023年5月14日 (日)

浦島太郎と桃太郎と何かの端布

 ひょんな事で、端布も収集品の1つになってしまいました。
 そして、ずっと前からうさぎも。
 ということで、うさぎが描かれた端布には当然手を出してしまいます。
 このような端布を入手しました。
Momourahagire01
 本当はもっと長いのですが、同じ柄の繰り返しなので、撮影時には左右をカットしました。

 これが1単位になります。
Momourahagire02
 絵柄は左上と右下の2つです。

 まずは右下。
Momourahagire04
 これは丸ごと桃太郎と考えられます。
 車輪は宝物を載せた車を象徴するのでしょう。
 そして、珊瑚が宝物の象徴。
 てっぺんに桃の付いた旗指物もあります。
 左下は兜でしょうか。形が少し異様です。異国風?
 中央下の分銅のようなのは何でしょうか。宝物の一部か。

 次に左上の絵。
Momourahagire03
 立派な箱は玉手箱でしょう。釣り竿もあります。
 この2つは浦島太郎ですね。

 分からないのは、うさぎです。
 浦島にうさぎは登場しませんので、別の話でしょう。
 いなばの白うさぎでしょうか。それならば海岸繋がりで浦島とも関係します。
 もう1つ分からないのが軍配です。
 軍配といえば合戦か相撲。
 相撲ならば金太郎でしょうかね。

 ということで、全体としては桃太郎、浦島太郎、金太郎といなばの白うさぎを描いた端布ということになりそうですが、さて?

2023年5月13日 (土)

創作童話「うさぎの隠れ里」

 好評の創作童話の第4弾です。

 かえるのけろきちくんが山道を歩いていると、向こうに何か赤いものが見えます。
Kakurezato01

 近づいて見たら、束ねたにんじんでした。
Kakurezato02
 「はて、お百姓さんが収穫したにんじんを運んでいて落としたんだろうか。落とし主が見つかると良いけど」

 そこへ、向こうから慌てたうさぎがやってきました。
Kakurezato03
 「こんにちは。この辺ににんじんが落ちていなかった?」
 「あ、きみが落としたの? ここに落ちていたのをちょうど拾ったとこだよ」
 「うわぁ、ありがとう。助かるよ。あ、ぼくうさぎのぴょん太っていうの」
 「ぼくは、かえるのけろきちだよ。どうぞよろしく」
 「ぼくたちの村はすぐそこなんだ。ちょっと寄っていかない? お礼にご馳走するよ」
 「お礼だなんて、それには及ばないけど、ちょっとくたびれたので、休ませてもらおうか」

 「ここだよ」
 「へー。ぼくは本当にあちこちの土地に行ってきたけど、ここは知らなかったなぁ」
 「けろきちくんは、あちこちの土地に詳しいの?」
 「うん。たにぐくのさ渡る極み、だからね。それにしても、ここは分かりにくいところにあるね」
 「そうなんだよ。うさぎの生き肝を食べると空を飛べるなんていうデマが流れたんで、ぼくたち、狙われかねないんだ」
 「空を飛べる? ぼくが聞いたのは、うさぎの生き肝を食べると、陸上でも水中でも暮らせるっていうことだったけど」
 「最初はそういうデマだったんだけど、それがエスカレートしちゃって。困ったことだよ」

 「すてきな村だね。あ、あそこでにんじんを育てているんだね」
Kakurezato04
 「そう。人間の畑から盗んで捕まると、大変だから。ペンフレンドのピー太くんのお父さんはパイにされちゃったんだって。それで、自分たちで作ることにしたんだ」

 「あっちには子供たちがたくさんいるね」
Kakurezato05
 「うん。あそこは学校だよ。20人学級で、担任と副担任がいるんだ。みんな真剣に授業を聴いているでしょ。真面目な子供たちだよ」

 「あっちにはもっと小さい子達」
Kakurezato06
Kakurezato07
 「ここは保育園だよ。オレンジ組とレモン組。どちらも、子供たち10人につき、保育士さんは3人付くんだ。手厚いでしょ」

 「ほんと、すてきな村だねぇ。ヘンなデマに惑わされた連中が来ないと良いね」
 「一応、ガードマンもいるよ。オーイ」
Kakurezato08
 「この村の平和は、われわれ神セブンが引き受けた」「おー!」

 「わっ! びっくりした。ガードマンの神セブンさん?」
 「そう。行き倒れていたのを助けたら、この村のガードマンを引き受けてくれたんだ」

 「われわれは勇者たち神セブンです」
 「ふーん。そうか。うさぎさん達と違って、ねこさんは強力な爪や歯があるものね」
 「それだけじゃないさ。象をも倒すねこパンチが第1の武器さ」
 「いや、象は倒せないでしょ」
 「う~ん、当たり所が良ければ。……いや、子象ならば。……えと、生まれ落ちたばかりで、足許もおぼつかない赤ちゃん象ならば」
 「赤ちゃん象にねこパンチ浴びせちゃダメでしょ? あと、神セブンって言ったけど、5人しかいないよね」
 「今はね。あと2人の勇者は募集中」
 「なら、神ファイブって言わなくちゃ」
 「いやいやいや。我々は『七人の侍』に憧れておるわけで、三船敏郎先生、志村喬先生他の先生方を見習いたく、ここは何としてもあと2人集めて7人になる所存でござる」
 「急に侍言葉になっちゃったな。して、報酬は?」
 「この村にある食べ物、なんでも。そして、チュール1日1本でござる」

 というような隠れ里のうさぎ村。
 この先、続きがあるかないか、それは分かりません。

2023年5月12日 (金)

義経と弁慶の端布

 このような端布を入手しました。
Yoshitsunehagire01
 人絹で、36cm×68cmほどです。

 絵柄は2つ。
 1つは馬上の義経と、それに従う弁慶です。
Yoshitsunehagire02
 互いに見交わす義経主従。
 信頼感が伝わってきます。
 画面右上には笹竜胆も描かれています。

 義経。
Yoshitsunehagire03

 弁慶。
Yoshitsunehagire04
 若武者義経は凛々しく、弁慶はたくましく。
 その昔の大河「源義経」の尾上菊之助と緒形拳が思い出されます。

 義経の腰の弦巻を脇差し(鎧通し?)が貫いています。
Yoshitsunehagire05
 こういう絵は初めて見ました。
 私が知らないだけかもしれませんが、新鮮に感じました。

 もう1つの絵です。
Yoshitsunehagire06
 「よしつね」という題簽の付いた本がありますね。
 横笛は五条大橋における二人の出会いの象徴でしょうか。
 太鼓が何を象徴するものか分かりませんでした。

 端布もいろいろなものがあって楽しいです。

2023年5月11日 (木)

明治12年の『小学習字 名頭字尽』

 このような本を入手しました。
M12nagashira01
 題簽に「小学習字 名頭字尽 伊藤桂洲書 全」とあります。
 書名からは、小学校の習字の手本として、人名等によく用いられる文字を集めたものという気がします。

 表紙裏と最初のページ。
M12nagashira02
 確かに、源平藤橘から始まっています。
 源平藤橘は氏族名であって、人名ではありませんが、まあ同類です。

 奥付。
M12nagashira06
 明治12年に刊行されたものです。

 第2ページ。
M12nagashira03
 人名に用いられる文字というよりは徳目に関する文字という感じです。
 ま、そういう文字は人名にもよく用いられる文字とは思います。
 恩師のお一人である五味智英先生や、そのお兄さんの保義先生のご兄弟には、義と智が用いられています。

 その次のページ。
M12nagashira04
 これまた同様ではありますけれども、難しいですね。

 このようなページもあります。
M12nagashira05
 「郎」の字が3回出てきますが、それぞれ書体が異なります。
 また左ページでは2回登場する「衛」の字の書体が異なります。
 このページは「習字」というに相応しい内容ですが、このように同字に複数の書体をあげているのはこのページだけです。
 全体としては、かなり難しい文字が多いです。

 書名の角書きにある様に本当に小学校の習字の教科書なのでしょうかね。

 書名の「名頭字」も気になりましたので、『日本国語大辞典』を見てみました。
 日国には「な‐がしら【名頭】」が項目として立っており、以下のようにあります。

------------------------------------
 (1)人の姓または名の最初の文字。姓名の頭(かしら)字。
  (用例省略)
 (2)江戸時代、寺子屋などで源・平・藤・橘・菅などのように、有名な姓氏の頭字を列記して、読み書きの教材に用いたもの。
  *雑俳・柳多留‐七五〔1822〕「誉れなり名頭にない血鑓九郎」
  *歌舞伎・綴合於伝仮名書(高橋お伝)〔1879〕五幕「子供の内に名頭(ナガシラ)から国尽し迄(実際は「占」にしんにょう)習ふのが関の山にて」
------------------------------------

 このうちの(2)の伝統を引くものなのでしょうね。
 明治5年に学制が発布され、学校制度が定められますが、何を教えるかについてはまだ模索中だったのかと思います。

 あ、私、誤解していたと思います。
 小学校でいきなりこれを習うのはハードルが高すぎると思ったのですが、「いきなり」ではないのかもしれませんね。
 この前に、漢数字や、東西南北上下山川草木雪月花などを習って、その次の段階がこの本なのでしょう。

 同時代資料は面白いです。

2023年5月10日 (水)

合掌猫

 何シリーズか入手している合掌動物で、ねこ尽くしを見かけましたので購入しました。
Gasshoneko01

 向かって一番左はエキゾチックショートヘアです。
Gasshoneko02

 その隣はマンチカン。
Gasshoneko03

 その隣は三毛猫。
Gasshoneko04

 その隣はスコティッシュフォールド。
Gasshoneko05

 1番右はノルウェージャンフォレストキャットです。
Gasshoneko06

 今回の面々も、皆とても真摯に合掌しています。
 心に響く思いがあります。

2023年5月 9日 (火)

明治19年の『西洋遊戯 かるた使用法』

 『西洋遊戯 かるた使用法』という本を入手しました。
M19trump01
 文庫本をひとまわり小さくしたような大きさです。

 奥付。
M19trump02
 明治19年の刊行です。

 このような「緒言」があります。
M19trump03
M19trump04
 2ページ目には、わが国のかるたや花札は「無稽」「卑賤」なのに対し、西洋のトランプは「優長」「高尚」であると言っています。
 わが国のゲームをそんなに卑下することはないと思うんですけどね。

 ルビとしては「無稽」に「むちゃくちゃ」とあるのが新鮮でした。
 「優長」に「しとやか」です。
 こういうルビも楽しいです。

 目次は次のようになっています。
M19trump05
 ルビがなかなか特殊です。
 第三章に「混錯法」とあり、そのルビは「まぜかた」となっています。
 初めから「混ぜ方」と書く方が分かりやすいと思います。

 目次の中に「占絵(えとり)」という語があり、この本のかなりの分量を占めています。
 トランプゲームなのですが、どんな遊び方か、説明はあるもののさっぱり理解できません。
 そこで、ググってみたところ、ウィキペディアに「絵取り」が項目として立っていました。
 その、「概要」の冒頭は以下の通りです。
---------------------------------------
絵取りが見える最も古い文献は、1885年の桜城酔士『西洋遊戯 かるた使用法(かるたのとりかた)』である。ここで「占絵(えとり)」と呼んでいるゲームでは、4人が2つのチームに分かれて、絵札の枚数を競う。このほかに、チームに分かれずに、手札を4枚または5枚にして、1トリックごとに山札から手札を補充していくものを「占絵別法」、占絵別法と同じだが絵札の枚数ではなく、ランクごとに異なる点数があるものを「占点(てんとり)」、占絵と同じだがビッドがあり、取る枚数を一番多く宣言した競技者が宣言と同じ枚数を取ると勝つ「ナポレオン」を紹介している。
---------------------------------------

 ここに、「絵取り」が見える最も古い文献として紹介されているのが、私の入手したこの本です。
 自覚せずに貴重なものが手に入りました。

 当時、多くの日本人はトランプを知らなかったことでしょうから、この本では初歩的なことから解説されています。
 トランプの4種の札について。
M19trump06
 ここにはマークが図示されていますが、本全体では挿絵は少ないです。

 トランプの混ぜ方の図は載っています。
M19trump07
 これは分かりやすいです。
 こういう「混錯法」は日本人にとって初めて見るものだったことでしょう。

 やはり同時代資料は面白いです。

2023年5月 8日 (月)

三方ヶ原対陣図に写真追加&屋内雪崩

 昨日の三方ヶ原合戦対陣図を意外に多くの方々に見て頂きましたので、アップの写真を2枚追加します。

 徳川方の左翼陣。
Usa_mikataga06
 大きいミッフィーが4人います。向かって一番右側(徳川方最左翼)は石川数正、以下、本多忠勝、松平家忠、小笠原長忠です。
 全部同じ顔をしていますけど。(^_^)

 徳川方右翼陣。
Usa_mikataga07
 向かって一番左側(徳川方最右翼)は酒井忠次。その隣の黒うさぎは織田からの援軍の平手汎秀、佐久間信盛。その隣の白うさぎは小笠原長忠(1つ前の写真と重複)です。

 一方、武田方は大雑把です。
Usa_mikataga02
 これは昨日の画像ですが、中央に布陣しているのは、内藤昌豊、山県昌景、武田勝頼といった面々です。
 真田昌幸もどこかにいそうです。
 魚鱗の陣の向かって右側に離れて布陣しているのは武田信豊の陣。
 向かって左側後方に布陣しているのは、後詰めの穴山信君の陣です。

 話は違いますが、いつもいる部屋の中で雪崩が続発しています。
 発端は、先日群馬に行く前日です。
 ささやかな雪崩が起きたので、それを直そうとしたら、別方向にも雪崩が起きました。
 翌日の朝は早いので、そのままにして群馬に行きました。
 帰ってからも、講義のプリントを作らなくてはいけなかったので、片づけは後回しにしてしまいました。
 そうしたら、昨夜、また別方向に雪崩が起きました。
 合計3方向への雪崩です。

 昨夜の雪崩の状況です。
Nadare202305
 抜本的に直さないと、また新たに雪崩が起きることでしょう。
 雪崩が起きるとバランスが崩れ、少し直すと新たにバランスが崩れるのですよね。キリがありません。
 直します。

2023年5月 7日 (日)

三方ヶ原合戦対陣図

 創作童話に登場してもらおうと思って、劇団に俳優さんを大勢お迎えしました。
 ところが、肝腎なストーリーがなかなか降りてきません。
 そこで、こういうものに登場してもらってお披露目することにしました。

 今日と来週、NHK大河の「どうする家康」では三方ヶ原の合戦が描かれます。
 そこで、その対陣図です。
Usa_mikataga01
 右側が徳川方、左側が武田方です。
 双方の兵数には諸説あって定まりませんが、一応、下記のようにしました。
  徳川方:徳川勢8000+織田勢3000=11000
  武田方:25000

 兵はうさぎで表すこととし、
  小1兎=280人
  大1兎=420人です。

 右側の徳川の中にいる黒うさぎは織田からの援軍です。
 総数では、武田方は徳川方の2倍以上いるのですが、こうしてみるとそんなに兵力差があるようには見えません。
 小うさぎは全部で100羽いますが、これまたそんなにいるようには見えません。
 なんか、目の錯覚があるのでしょうね。

 徳川方から見た武田軍。
Usa_mikataga02

 武田方から見た徳川軍。
Usa_mikataga03

 家康公。
Usa_mikataga04

 信玄公。
Usa_mikataga05

 ベランダの植木鉢の下に敷こうと思った人工芝が役に立ちました。
 こんなことして喜んでいないで、仕事せねば。

2023年5月 6日 (土)

『英雄百人一首』(4)

 3日続けた『英雄百人一首』、4回目です。
 毎日続けないで、間を開ければいいようなものですけど。

 100人の冒頭は素戔嗚尊でした。次のページは武内宿祢と聖徳太子です。
Eiyu100nin16
 武内宿祢は、戦前はお札の肖像にもなった著名人です。江戸末期のこの本にも取り上げられています。
 聖徳太子は武人というイメージではありませんけど、上欄には16歳の折に物部守屋と戦ったことが記されています。

 その次のページは、紀朝雄と藤原為憲です。
Eiyu100nin17
 恥ずかしながら、紀朝雄のことは知らなかったので、ググってしまいました。
 それによれば、紀朝雄は『太平記』巻16「日本朝敵事」の記事が最も有名とのことでした。
 天智天皇の御代、時の豪族藤原千方は、従えていた4鬼を使って反乱を起こすが、討伐しに来た紀朝雄の和歌によって4鬼は退散し、藤原千方は滅ぼされた、とのことです。そして、この話は「紀朝雄の一首 千方を誅す」として青森のねぶたの題材にもなっているようです。
 史実外では有名な話のようですね。
 紀朝雄のよんだ歌が千方を誅したということであれば、英雄百人一首に取り上げられて然るべき人物ということになります。

 藤原為憲も「はて?」でした。こちらもググってみたら、承平天慶の乱の折に将門と戦ったのだとありました。
 NHK大河「風と雲と虹と」では中島久之が演じたとも。
 私、この大河は大好きだったのですが、記憶にありませんでした。大好きなだけにお恥ずかしいです。
 上欄にも書いてありますね。工藤、伊東、狩野などの先祖に当たるそうです。それならば、工藤祐経や曽我兄弟の先祖ですね。

 ずっと降って、楠木正成と菊池武時。
Eiyu100nin18
 楠木正成について、上欄には湊川から最期のかたみに添えた手紙の写しが載せられているだけで、説明等は一切ありません。
 もう何も書かなくても周知の人物ということなのでしょう。

 畑時能と楠木正行。
Eiyu100nin19
 畑時能も知りませんでした。新田の四天王の1人とのことです。どうも知らないことが多すぎ。(^_^;
 楠木正行の歌は当然「かへらじと かねておもへば 梓弓 なき数にいる 名をぞとゞむる」です。

 宗良親王と源政義。
Eiyu100nin20
 宗良親王は後醍醐天皇の皇子ですが、皇子達の中で一番に載ってしかるべきと考える護良親王がなぜか載っていません。不思議です。
 後醍醐天皇の皇子達には「良」の字が付いています。
 これをかつては「なが」と読んでいました。私が子供の頃、護良親王は「もりなが親王」でした。
 ところが、中央公論社の『日本の歴史』シリーズだったと思うのですが、そこでは「もりよし親王」と読んでいました。
 その読みについて、疑問が寄せられたからでしょうか、何冊か後の月報に、なぜ「もりよし」と読むのかについての解説が付いていた記憶があります。
 さきほど、その記憶を確かめようと思って、何冊か後の月報まで見てみたのですが、見つかりません。
 不思議で堪りません。私の記憶が……。
 もう50年以上も前のことです。でも、年をとって短期記憶は危なくなっても、長期記憶は保たれると思っていましたに。

 あ、それで、この宗良親王には「むねよし」というふりがなが付いています。
 江戸末期には「よし」と(とも)読んでいたのですねぇ。では「なが」の読みはいつどこから、という疑問が湧きました。
 そういえば、昭和天皇の皇后、香淳皇后のお名前の読みは「良子(ながこ)」ですね。

2023年5月 5日 (金)

『英雄百人一首』(3)

 一昨日、昨日の続きの『英雄百人一首』です。
 引き続き、見開きページに着目しています。

 平敦盛と熊谷直実。
Eiyu100nin12
 これも、一ノ谷合戦で有名なエピソードのある2人ですね。
 そういえば、鎌倉殿には熊谷直実は登場しませんでした。

 源義経と静。
Eiyu100nin13
 これまた著名な2人です。
 静の歌は「吉野山 はなのしら雪 ふみわけて 入にし人の 跡ぞ恋しき」とあります。
 私は、2句目は「峰の白雪」と憶えていました。
 この2人は組合せとしてはよく納得できますけれども、静は英雄か?という思いはあります。
 頼朝の面前で、堂々と義経を慕う歌をうたい、舞を舞ったという点が評価されたのかもしれません。

 佐藤継信と忠信の佐藤兄弟。
Eiyu100nin14
 奥州からずっと義経のために尽した兄弟ですね。

 曽我祐成と時致の曽我兄弟。
Eiyu100nin15
 これも著名な兄弟です。

 100人の中には、私の好きな楠公さん親子も入っています。
 あとは、平将門、平清盛、源頼朝、畠山重忠、梶原景時、新田義貞、などなど。
 私の全く知らない人も入っています。
 あ、北条時政と北条泰時は入っているのですが、義時はいません。
 こしろう……。

 もう1回くらいあるかもしれませんし、今回で終わりにするかもしれません。

2023年5月 4日 (木)

『英雄百人一首』(2)

 昨日の『英雄百人一首』(1)の続きです。
 冒頭の2葉の口絵のあと、「軍器略抄」という項目が15ページ(7丁半)あります。
Eiyu100nin07
 様々な武器に関する話題です。

 このあと、本題の100人の人物が登場します。1人1ページあてです。
 最初は素戔嗚尊。
Eiyu100nin08
 おなじみの「八雲立つ」の歌が載っています。
 歌詞は、「八雲立つ 出雲八重垣 妻ごめに 八重垣作る その八重垣を」です。
 この歌、日本書紀では、「八雲立つ 出雲八重垣 妻ごめに 八重垣作る その八重垣ゑ」
 古事記では「八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣作る その八重垣を」です。

 ほとんど同じですが、記紀の相違は、第3句が「妻ごめ」か「妻ごみ」か、第5句が「八重垣ゑ」か「八重垣を」かです。
 英雄百人一首の歌詞は、第3句は書紀と同じ、第5句は古事記と同じで、両者の折衷です。

 最後の100人目は室町幕府の第9代将軍の足利義尚です。
Eiyu100nin09
 このように、時代の範囲は一応戦国時代の初めまでなのですが、例外的に三好長慶や北条氏康が入っています。
 なぜこういった例外があるのか分かりませんが、武田信玄や上杉謙信、今川義元、織田信長、豊臣秀吉などの著名な戦国大名は入っていません。
 これはよく分かります。戦国時代まで含めてしまうと、神君家康公を取り上げざるを得ず、江戸時代の出版としてはそれは恐らく大変に困難なことになるのでしょう。それで、戦国時代の前で切ってしまったものと思われます。

 八幡太郎義家と安倍貞任は左右のページに配されています。
Eiyu100nin10
 ライバルですものね。
 「吹く風を」の歌は義家のだったのですね。(^_^;

 木曽義仲と巴も左右のページです。
Eiyu100nin11
 和田殿、お気の毒ですが、仕方ありませんね。
 上段には、木曽義仲が討ち死にした後、巴は和田義盛の妻になり、91歳で往生を遂げたという伝承も記されています。

 続きます。

2023年5月 3日 (水)

『英雄百人一首』(1)

 このようなものを入手しました。
Eiyu100nin01
 題簽に『英雄百人一首 全』とあります。

 最初のページに序文があります。
Eiyu100nin02
 日付は弘化二年で、1845年です。

 奥付にはこうあります。
Eiyu100nin03
 天保十四年成稿で、翌十五年発行です。天保十五年(12月に弘化と改元)は1844年です。
 序文の日付の方が発行よりも後というのは不思議ですが、発行は10月、序文は翌年の1月ですので、ちょっとした齟齬が生じたのでしょう。

 冒頭に見開き2点の口絵があります。
 1つ目は神功皇后です。
Eiyu100nin04

 2つ目は日本武尊です。
Eiyu100nin05
 日本武尊と秉燭人との問答の場面です。
 中央部にあるのは首桶ではありませんね。
 鎌倉殿の見過ぎです。(^_^;

 冒頭部にこうあります。
Eiyu100nin06
 「日本武尊」に「やまとだけの~」というふりがながあります。
 「やまとたける」ではありません。
 雄略天皇の和風諡号を「おほはつせのわかたけ」と訓むなら、「やまとたけ」の方が整合性があります。
 しかし、稲荷山古墳鉄剣銘の発見によって、雄略の和風諡号は「~わかたける」と訓むべきことがほぼ確定でしょうから、そうなると、「やまとたける」の方が整合します。

 これら2葉の口絵の後に本文が続きますが、その冒頭は素戔嗚尊です。
 素戔嗚尊には「八雲立つ」の歌がありますからね。
 英雄と称すべき人であっても、歌が伝わっていないと載せられません。
 ほんとに100人が取り上げられているかどうか、まだ数えていません。

 続きます。

2023年5月 2日 (火)

無事帰宅&自転車の前籠固定

 今日、無事に帰宅しました。
 目覚ましを止めた後、また寝てしまって、実際に起きたのは2時間後でした。
 しょっちゅうそんなことをしています。ダメダメです。

 さらにダメダメなのは、今回は4泊5日だったのに、それに見合うような作業はできず、のんびりしてしまいました。
 行った甲斐がありません。反省しています。

 群馬から帰る時は普段は在来線ですが、今日は遅くなったこともあり、新幹線にしました。
 新幹線は金沢発だったものの、幸い座れました。
 連休後半の前日ですが、混むのは下りで、上りは逆方向でそう混まないのかもしれません。
 東京駅の新幹線ホームは激混みでした。
 大勢の人が並ぶ長蛇の列が何本もあり、どの列が先発なのか次発なのか、何号車のどのドアなのかも分からないほどでした。
 やはり下りは混むのですね。時刻は18時頃でした。

 さて、渋川で乗っている自転車の前籠の止め金具がゆるくなってしまって、直りません。
 そのため、前籠がグラグラします。
 前籠に重いリュックを入れると、ハンドルを取られて怖いです。
 そこで、修理しました。
Jitensyamaekago01
Jitensyamaekago02
Jitensyamaekago03
 こんなところでどうかなと思い、これに乗って駅まで行ったところ、大変に快適でした。
 多少、グラグラするものの、全く気にならないほどです。
 実際に乗ってみて状況が分かりましたので、それを踏まえて、次回、紐を掛ける部分を増やします。
 こんな自転車に乗っている人を見たことはありません。
 人は人なので、気にしないことにします。

2023年5月 1日 (月)

体重変化&スマホもネットもサクサクと

 月が変わりましたので、毎度おなじみの体重変化グラフです。
Taiju202110_202304
 なんか、乱高下しつつ、微増傾向でしょうか。
 縦の体重のマス目は1マス1kgなので、そう大きな範囲で変化しているわけではありません。
 それでも、グラフの最初の一昨年の10月からは2kg以上減っています。
 こういう緩やかな変化は好ましいのではないでしょうか。←と、自画自賛。(^_^;

 さて、月が変わったことで、スマホとパソコンのwifiの速度制限が外れ、やっと本来の速度に戻りました。
 4月小の月で助かりました。もうサクサクです。
 サクサクというと、どうしても「雪を蹴立てて サクッ サクッ サクサクサクサク」という歌が頭をよぎります。

 ポケットWi-Fiの、昨夜11時45分頃の通信量は次の通りでした。
Wifishiyo02
 7ギガの制限ギリギリというか、少し越えています。
 1日1ギガくらい使っていたら、渋川の家にいられるのは月に7日くらいです。
 いや、パソコンなんぞいじってないで、その時間に片づけに励めということでもあります。

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