加美代飴&那珂郡
昨日書いた金刀比羅宮の加美代飴の続きです。
昨日は飴自体はまだ袋から取り出していませんでした。
昨夜半のおやつタイムに取り出しました。
扇形をしたべっこう飴でした。
残念ながら2つに割れていました。
あと4つありますので、割れていないのがあれば、画像はあとから差し換えます。
付属の金づちで割りました
小さな金づちで心許なかったのですが、柄が長いので、端の方を持って振り下ろしたら、あまり力を入れずに簡単に割れました。
飴もそんなに厚くありませんでした。それで既に割れてしまっていたのでしょう。
上品な甘さで、おいしゅうございました。
さて、パッケージの裏に印刷してある「金毘羅船々」の歌詞の冒頭です。
私が憶えているのはほぼこの範囲です。
ぼーっと生きているので、「さんしゅう なーかのごーり」の意味は全く考えていませんでした。
漢字で書くと「讃州那珂郡」なのですねぇ。
地名が大好きで、研究している身としては全く迂闊でした。
讃岐国には確かに那珂郡があります。
さて、この「那珂」ですけど、今の地名で「那珂」と書くのは、茨城県の那珂湊や那珂川、福岡県の那珂川が思い浮かびます。
和名類聚抄で「那珂」と書く郡郷名は以下の通りです。
武蔵国那珂郡
常陸国那珂郡(ただし高山寺本・名博本は「那賀」)
讃岐国那珂郡
筑前国那珂郡
日向国那珂郡
大和国平群郡那珂郷
大和国宇智郡那珂郷
大和国吉野郡那珂郷
武蔵国幡羅郡那珂郷
武蔵国那珂郡那珂郷
常陸国那賀郡那珂郷
美濃国安八郡那珂郷
美濃国席田郡那珂郷
美濃国各務郡那珂郷
越後国魚沼郡那珂郷
播磨国多珂郡那珂郷
筑前国那珂郡那珂郷
たくさんあります。
「なか」を万葉仮名で表記する場合、「奈加」「奈可」あたりならば、偶然表記が一致する可能性はありましょうが、「那珂」ですからねぇ。
2字ともそう一般的な文字ではありませんので、偶然この文字が多数の地名に用いられるとは考えにくいです。
「那」には美しい、「珂」には玉の意があります。そこでこの表記は嘉字と考えられます。
和銅年間に、行政地名は「二字嘉字」で表記せよという指示が出ます。
「那珂」という表記はこの指示を受けたものでしょう。
それにしても、「那珂」と表記するあちこちの郡郷名が偶然生じたとはやはり考えにくいことです。
この地名表記は、国司が人事異動で他の国の国司になったり、あるいは他の何らかの方法で他国の表記を知る機会があって、それをパクった、もとい、採用したということがありそうです。
そのようなことを以前論文に書きました。
地名はおもしろいです。
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