昭和4年の「幼女スゴロク」
このような双六を入手しました。
上欄外に赤字で大きく「幼女ヱバナシ」「新年号フロク」とあり、その2つの間に黒字で小さく「第十三巻 第一号」とあります。
そして、上欄外の右側に「幼女スゴロク」とあり、また右側欄外には「昭和三年十二月五日印刷納本 昭和四年一月一日発行」とあります。
ということで、これは『幼女ヱバナシ』という雑誌の昭和4年新年号の附録です。
私がこれを入手したのは、「幼女」に関心があるわけではありません。関心があるのは双六の方です。
双六のフリダシは右下にあることが多いように思いますが、この双六のフリダシは右上です。
上リは一般的な中央です。
いくつかアップで載せます。
フリダシ。
「オマヰリ」とあります。初詣ででしょうかね。
一と二。
一は、大きな雪だるまがあり、女の子はお盆の上に雪うさぎを載せています。うさぎはいいです。
二は、スゴロク。みかんがたくさん積んであります。お正月はみかん。
ここに止まった場合は、六に飛べます。
六と七。
六は琴。源氏香の柄の着物を着ています。バックには松と太陽の絵の屏風。
七は百人一首。ここで止まると1回休みです。
八と九。
八は書き初め。文字は一部しか見えず、まだ書き終わっていませんが、たぶん「初日の光」かと思われます。
九はトランプですね。ハイカラです。
マスの数が少ないので、場合によってはサイコロを2回振っただけで上がってしまいます。(^_^;
それぞれのマス目の絵はお正月のものですね。
女の子達はみな着物を着ていますが、お正月だからでしょう。
お金持ちの家のお正月風景と思われます。
タイトルは「幼女スゴロク」ですが、描かれているのは小学生くらいですかね。
私の感覚では、「幼女」というと幼稚園児まで、あるいは小学校低学年くらいまでなのですが、当時の語感ではもう少し上までを指すのでしょうか。
あれこれ興味深いです。
感想は、またいつものように、「同時代資料はおもしろい」ということになります。
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