創作童話「ワニとうさぎ」
ブルーナさんのうさぎを何体かお迎えしました。
それを見ているうちに物語が降ってきました。
でも一応、構想3日です。
昔、北の海にワニが住んでいました。[見た目はサメですけど、昔、この物語の地ではワニと呼んでいましたので、ワニで行きます。]
ワニは毎日小魚などを食べていましたが、それにも飽きてきました。
水の中から陸地を見ると、陸にはおいしそうな果物が実っています。
「おいしそうだなぁ。食べたいなぁ。でも、ワニは陸では息ができないからなぁ。」
そんなことを考えているときに、うさぎの生き肝を食べるとワニも陸で息ができるという噂を耳にしました。
「いいことを聞いた。うさぎ♪ うさぎ♪」
近くの島に行くと茶色の子うさぎがいました。
「ねえ、ねえ。海の中に行ってみない? ご馳走するよ」
「えー? ほんとかなぁ。隣の島のうさぎがワニにだまされて食べられたって聞いたよ」
「なんだって!? それは話が逆だよ。うさぎがワニをだましたんだよ。それにワニはうさぎを食べたりしていないよ。毛皮を剥いだだけだよ」
「そうなの? ま、ワニには近づかない方がいいってお父さんが言ってたから、さよなら。他のみんなにもワニに気を付けるように言っておくね」
ワニはこの島でうさぎを捕まえることは諦め、別の島に行きました。
その島には白い子うさぎがいました。
「ねえ、ねえ。海の中に行ってみない? ご馳走するよ」
「わー、すてき。でもお母さんに聞いてみないと」
「あ、お母さん!」
「わ! でかい!! 肝っ玉母さんか」
「なんだい? なんか悪そうなワニだねぇ。近づくんじゃないよ。他のみんなにもワニに気を付けるように言っておくから」
「ちぇっ! しょうがないなぁ。また別の島に行こう。」
次の島には灰色の子うさぎがいました。
「ねえ、ねえ。海の中に行ってみない? ご馳走するよ」
「わーい。連れてって」
「こっちにおいで」
ぱくっ!
ワニは灰色の子うさぎの耳に噛みつきました。
でも、次の瞬間、ワニは口の中に電気が流れたような気がして、口が痺れました。
灰色のうさぎは金色に光り輝いていました。
ワニはびっくりしてうさぎを離しました。
「私はうさぎ神だ。お前はうさぎたちに何をしようとしているのか?」
「神様でしたか。すみません。ごめんなさい。私は陸で暮らしたかったんです。それにはうさぎの生き肝を食べる必要があると聞きましたので……」
「そういうことか。しかし、その情報は間違っている。うさぎの生き肝を食べたとて、ワニが陸で暮らせるようにはならないよ」
「えー、そうだったんですか。私はだまされていたのか」
「いいかげんな情報を信じてはいけないよ。ちゃんと考え、確かめないと」
がっかりしたワニは、うさぎ神に謝ると、すごすごと海に帰って行きました。
その時に、さめざめと泣きながら泳いだので、こののち、ワニはサメと呼ばれるようになったとなむ、語り伝えたるとや。
登場したうさぎの皆さんです。
このうち、金のうさぎと大きなうさぎは以前ご披露しました。他のうさぎは、今回お迎えした新しい劇団員です。
以後お見知りおきのほど。
今回のお話しは完全な創作です。
ストーリーをお使いくださりたい方は、どうぞご遠慮なく。
歌舞伎、宝塚、新派、劇団四季、木馬座、NHK、いずれも大歓迎です。
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