岩崎本日本書紀の左傍書の読み
先月下旬にまほろばでとりあげた、岩崎本日本書紀で中大兄皇子が蘇我入鹿に斬り付ける場面の傍書の読みについて、蜂矢真郷先生からご教示頂きました。
1行目の下の方、「咄嗟」の左の傍書です。
私はこれを「ヤアト*ヱテ」と読んだのですが、蜂矢先生は「ヤアト宣テ」と読むのではないかとお考えになり、念のため、築島裕・石塚晴通両氏『東洋文庫蔵 岩崎本 日本書紀 本文と索引』[1978.11 日本古典文学会]を見てくださったそうです。
同書には、「BヤアCト宣テ」(BCは丸囲み)とあったとのことです。Bは「院政期点」、Cは「室町時代宝徳三年及文明六年点(ともに一條兼良点)」とのことです。
蜂矢先生に厚く御礼申し上げます。
私が片仮名2文字と考えた部分は漢字1文字なのでした。
そして、私がカタカナの「ニ」かもしれないと思った部分は、ウ冠なのでした。
いろいろとお恥ずかしく思います。
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