吉良上野介の首請け取り状
このような絵はがきを入手しました。
写真の下に「吉良家ヨリノ首請取状」と解説があり、右下には「義士之墓参詣紀念」「萬松山泉岳寺之印」のスタンプが捺してあります。
文書のアップ。
釈文です。
覚
一 首 一ツ
一 紙包 一ツ
右之通慥ニ請取申候
為念如是御座候以上
午 吉良左兵衛内
十二月十六日 左右田孫兵衛
斎藤宮内
泉岳寺御使僧
石獅僧
一呑僧
吉良家の左右田孫兵衛と斎藤宮内の名前の下には印が捺してあります。
現代の実印の印影と似ていますね。
吉良邸に討入って上野介の首級をあげた赤穂浪士達は泉岳寺に引き上げて、上野介の首を亡君の墓前に供えます。
もうそれでその首の役割は終わり、泉岳寺としても首の始末に困ったことでしょう。
引き揚げ翌日の16日に、寺社奉行からの指示で首は吉良家に返すことになり、僧たちが持参したそうです。
その際、吉良家から首の請け取りをもらい、その文書が今も泉岳寺に保存されているという次第です。
首は、松の廊下での刃傷の折に吉良を治療した外科医栗崎道有によって胴体と縫合されました。
【追記】
筒井茂徳先生からメールを頂き、「右之通慥請取申候」とある本文のうち「慥」の右下に「ニ」の1字がある とのご教示をいただきました。
そこでこの釈文を「右之通慥ニ請取申候」と改訂しました。
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