絵般若心経の帆布トートバッグ(2)
一昨日、絵心経のトートバッグを載せました。
眺めているうちにいくつか興味深いものが見つかりました。
まずは、今年の干支でもあり私の好きなうさぎを。
うさぎがいました。
原文は「無有恐怖」です。「有(う)」をうさぎで表現しています。
もう1つ。うさぎが4羽。
原文は「無苦集滅道」です。このうちの「集(しゅう)」を4羽のうさぎで表現しています。
「四卯(しう)」なのでしょう。
うさぎが集まっていて嬉しいです。
次に「空即是色」を次のように表現しています。
2字目は矢が2本的にあたっています。これが「そく」の文字を表現しています。
2本の矢が的中することを「束」とか「束中(そくちゅう)」と言います。弓道の専門用語です。
私は学生時代に弓道部に所属していました。もう「束(そく)」などという語はすっかり忘れてしまっていましたが、この絵を見て、「あれ、なんかあった」と考えて思い出しました。懐かしいです。
重箱の絵がいくつか登場しています。次の通りです。
これが全てではなく、あといくつかあります。
原文は以下の通りです。
受想行識
是故空中
即説呪曰
これらのうちの最初の「受(じゅ)」、2番目の「中(ちゅう)」、3番目の「呪(しゅ)」です。
原文の文字も異なりますし、読み仮名も異なります。
それらを全て同じ重箱の絵で表しています。
この絵心経は、原文の文字にはとらわれず、読誦するときの発音で絵を選んでいるのでしょう。
発音ならば、これらは「じゅーそーぎょーしき」「ぜーこーくーちゅー」「そくせつしゅーわつ」となりそうですので、そうなると重箱の絵はそれぞれ「じゅー」「ちゅー」「しゅー」となって、より近い発音になります。
清濁についても、時代や宗派や地域によっても異なるでしょうから、あるいはこれらは「じゅー」と発音して、重箱の絵を宛てたのかもしれません。
いろいろと興味深いです。
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