絵般若心経の帆布トートバッグ(3)
2月8日に絵心経の帆布トートバッグを取り上げました。
何度か取り上げるつもりでしたが、2月10日に(2)を書いたきりになっていました。
久しぶりの続きです。
絵心経のことをググってみると、橘 南谿が著した『東遊記』にその源流が載っているとのことでしたので、早速探してみました。
『東遊記』は早稲田大学図書館に所蔵され、その画像も公開されていましたので、それをお借りします。
『東遊記』後編一之巻に次のような記事がありました。
冒頭部を拡大します。あまり大きくなっていませんが。
項目名は「盲心経(メクラシンキヤウ)」ですねぇ。
今どき、「めくら」は差別語とされています。まずいです。
もっとも、語源的には「目が暗い」ということで、目が光を感じられない、というそのままの意味であって、差別的な意味合いは全くありません。
ではなぜ差別語扱いされるのかというと、盲目の人を喧るときに使われることがあったのと、そのままの意味だからということから来ているのでしょうね。
身分の高い人を指すときに、直接名前を呼ばずに、「帝(御門)」や「お屋形様」のように婉曲的な言い方をしますね。
「めくら」や「いざり(居去り)」のように、直接的すぎる表現はせずに、婉曲的に表現すべきものと考えられるようになってきたのではないかと思います。
閑話休題。←八犬伝では「あだしごとはさておきつ」というルビが付いていました。
さてこの「盲心経」。「盲」は文盲のことを指すのでしょうね。文字が読めない人のための般若心経。
ぱっと見て、般若と田んぼはよく分かりますし、トートバッグにもありましたけど、あとは難解ですね。
一応、最後に注が付いています。
注はこれで全部です。圧倒的に少ない。
「まかはんにゃはらみたしんぎょう」の「ま」は「目」ということですね。
「か」は「かわ」ということですが、よく分かりません。木の皮でしょうか。
「はらみ」は妊娠した女性ですね。
一方、トートバッグはこのようです。
「まか」は「釜(かま)」が逆さまになった姿、「はらみた」は「腹」「箕」「田」で分かりやすく、洗練されたように思います。
そのうちまた取り上げそうな気がします。
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