昭和12年の「小学生のおさらひ」(2)
昨日の、昭和12年の「小学生のおさらひ」の続きです。
このラジオテキストは、実質的には問題集のような内容です。
見開き2ページが1日分になります。
1日1科目ずつで25日。科目別の内訳は以下のようになります。
算術:8
読方:7
国史:4
地理:3
理科:3
算数ではなくて算術、国語ではなくて読方です。
巻頭付近にテキストの使い方の説明があります。
これを読むとラジオ講座の予習用ですね。
あらかじめ自分で問題を解いてラジオを聴く。
ラジオを聴き終わったら、またテキストを見直して復習です。
算術の問題。
結構難しいです。
読方の石井庄司氏の担当部分。
持ち主の佐藤さんがうっすらと絵を書いています。
同じく読方の徳田浄氏の担当部分。
設問の文中に「言葉ノワケ」とあるのは、他の例を見ると、どうも語釈という意味のようです。
国史の問題。
天孫降臨時の天壌無窮の神勅が国史の問題となっています。
時代とはいえ、神話が国史に含まれています。
地理の問題。
南樺太ですね。私には全く解けません。(^_^;
理科の問題。
実験も含む形の設問ですね。
あれこれ興味深いです。
冊子のタイトルは「小学生の……」という漠然としたものですが、対象は最高学年生と思われます。
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石井氏の問題は面白いですね。
絵に書いてみれば、問題として扱われているような叙景歌の理解の度合いがわかりますもんね。いわゆる「感想画」ってやつでしょうか。
徳田氏の問題はちょいと難しい。
全体の文意の方はわからないことはないんですが、傍線部を説明するとなると、そう簡単にはできないようなものも含まれているような…
投稿: 三友亭主人 | 2023年2月 9日 (木) 06時53分
三友亭主人さん
コメントをありがとうございます。
設問が担当者によってカタカナだったり、平仮名だったり、また文体もまちまちなのが良いですよね。統一していなくて。
石井氏のは設問も「考へてごらんなさい」とあって、柔らかく、暖かい気がします。
そして、その内容も、仰るとおり、絵に描くことで理解の度合いが分かりますよね。
情景も具体的になりますし。
この冊子の持ち主の佐藤さん、頑張って絵を描きましたね。
徳田氏のは難しいですね。(2)は「導入して」、(3)は「開墾して」といったことで良いのかもしれませんが、他のは少し深いものがありますよね。
良い問題ですね。ちょっとレベルが高いかもしれませんけど。
ほんと古いものは楽しいです。
投稿: 玉村の源さん | 2023年2月 9日 (木) 07時51分