昭和7年の「参宮急行名所図絵」
このようなものを入手しました。
縦に2つ折りにして、表裏の表紙になっています。
中身です。
細かすぎてよく分かりませんが、吉田初三郎描く鳥瞰図です。
発行者は、大軌(現在の近鉄)の子会社である参宮急行電鉄です。
発行年は不明ですが、伊勢神宮の解説文の中に、神宮の創始を垂仁天皇26年とし、「今を距る一千九百三十五年の昔である」とあることで、計算すると、この文中の「今」というのは昭和7年(1932)であることが分かります。
右上隅をアップにします。
右上に巨大な大軌本社。神戸、下関、門司、そして釜山まで描かれていますが、そこまでは見えませんよね。(^_^;
下には生駒山や法隆寺、信貴山が描かれています。
奈良附近。
右上に大極殿趾が描かれています。
奈良市内には大仏殿、猿沢池、春日神社など、おなじみの奈良の名所が描かれています。
その中に、奈良ホテル、月日亭という宿泊施設も描かれています。有名な施設だったのでしょうね。
左下には「大軌奥山廻り遊覧自動車」の文字があります。大軌が運営しているバス路線なのでしょう。
飛鳥附近。
二上山、安倍文殊院、多武峰、三輪神社、長谷寺、天理教本部などが見えます。
松坂と斎宮趾。
松坂には鈴の屋旧宅や本居宣長の墓。左下には斎宮旧趾が載っています。
外宮。
内宮。
二見浦附近。
夫婦岩が描かれています。
いつもながら、初三郎の鳥瞰図は、それぞれの位置関係がよく分かりますし、細かくて、見ていて楽しい絵図です。
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吉田初三郎さんの鳥瞰図は,見ていて楽しいですね。
細かい絵を,アップにしていただいたので,分かりやすくて良いです。
私は,伊勢街道を松阪まで歩いていて,その先を今年中に歩きたいなと思っています。
楽しみです。
投稿: 萩さん | 2023年1月23日 (月) 06時57分
萩さん
コメントをありがとうございます。
初三郎さんの鳥瞰図は、ほんと楽しいですよね。
細かくて、精密で、分かりやすくて。
しかし、絵も字も細かくて、私の目にはちょっと厳しいです。
ディスプレイ上だと実物よりも大きく写せるので、これならばっちりです。
伊勢街道を松坂まで、そしてその先もという目標、ぜひ。
投稿: 玉村の源さん | 2023年1月23日 (月) 08時33分