「本朝英雄鑑」
このようなものを入手しました。
題名は「本朝英雄鑑」で、源平時代から戦国時代の武人が番付状に並んでいます。
人数は数えていませんが、軽く100人は超えますね。200人や300人はいそうです。
相撲の番付だと、力士名の上には「大関」「関脇」などの地位が書かれますが、この番付では武人の名の上には「将軍」「忠勇」などの特徴名が書かれています。そして、左右(東西)で、同位置には概ね同じ特徴名が置かれています。
最上段の左右(東西)を上下に切り貼りして示します。
上段4番目には坂東武者の鑑と謳われた畠山重忠がいます。それに対応する下段には北条泰時です。
その2行先の上段には大江広元がいます。それに対する下段は前田利家です。
その2つ先は「悪勇」で、上段が平将門、下段は明智光秀です。
うしろから3行目は「勇者」で、上段が柴田勝家、下段は和田義盛です。
「鎌倉殿の13人」の登場人物もたくさんいますね。
大江殿が最上段というのはちょっと意外でした。
3段目はこのようになっています。また左右を上下に切り貼りして示します。
ほぼ中央あたり、上段に「奸智」として石田三成がいます。これに対応する下段は「奸雄」として梶原景時です。
うしろから4行目に「侫奸」として、上段には北条義時、下段には高師直がいます。
子息の泰時は最上段に「賢者」として扱われているのに、父の義時は3段目に「侫奸」ですからねぇ。
ま、大河を見る限りは真っ黒に描かれていますね。
その隣は「猛勇」として、上段が本多平八郎、下段が仁田殿です。
中央には相撲番付だと行司や勧進元などが書かれますが、この番付では軍師などが書かれています。
一番上と2番目。
軍師は、中央に楠木正成、他には竹中半兵衛や真田幸村、山本勘助等がいます。
「智仁勇」は、中央が源義経、他に木村重成、八幡太郎義家、加藤清正、源頼光。上杉謙信と武田信玄もここにいます。
3番目と4番目。
ここは「怪力」ですね。上段中央には武蔵坊弁慶。怪力無双の代表ですね。
あと、坂田金時や曽我五郎は有名ですが、下段中央の木村正国というのは不明です。
5番目と6番目。
上段は「勇婦」で、中央に神功皇后、その左右に巴御前と北条政子がいます。
下段には中央に豊臣秀吉、左右に源頼朝と平清盛が大きな文字で書かれています。
その他には、源平藤橘の始祖が小さい文字で書かれています。
というようなものです。
あちこち見ていて見飽きません。
刊記がなく、いつのものか分かりませんが、徳川家康を初めとして、徳川、松平性のものが全く登場しないので、これは恐らく徳川将軍家を憚って対象外としたものと思われますので、江戸時代のものではないかと推察されます。
なお、左方に真田昌幸と真田大助が張り出されています。
なぜ張出扱いにしたのか不明ですが、「軍師」に真田幸村と真田幸隆が書かれていることと合わせて、真田人気が偲ばれます。
だって、真田大助って14歳だか16歳ですよね。異例です。
などなど、江戸時代に、どのような武人がどのような存在とされていたのかを知る資料として、大変おもしろく眺められます。
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