明治7年の『童蒙 画引単語篇 一』(3)
2回に亙ってご披露してきた明治7年の『童蒙 画引単語篇 一』、結構面白いので続きます。
前回の最後の次のページ。金属や宝石の部です。
右ページの3行目「真珠」に「鮑より出るを上品とす蛤にも有れと鮑より劣れり」とあります。
真珠は、アコヤガイから採れるのだと思っていました。
ここにはアコヤガイの語はなく、アワビやハマグリから採れるとあります。
そういえば、万葉集にも「あはびたま」の語がありました。
アコヤガイから採るようになったのは養殖を行うようになってからなのでしょうかね。
関心はありますが、調べないと思います。(^_^;
「天文」の部。ここには天体と気象とを含みます。
絵が楽しいです。
左ページの3行目。「液雨」に「シグレ」のルビがあります。
「しぐれ」は通常「時雨」と書きますので、興味がありますが、やはり調べないかもしれません。(^_^;
その次のページです。
右ページの1行目に「惑星」があります。
planetの訳語については、以前、NHKのチコちゃんで取り上げられていました。
明治時代に学術用語の統一を図る際に、東京帝国大学は「惑星」、京都帝国大学は「遊星」を主張して、結局「惑星」に統一されたいきさつがドラマで紹介されていました。感動的な話だったのですが、忘れてしまいました。折角のドラマ仕立てだったのに。
「時令」の部の最後。
右ページには七曜が載っています。
漢字の右には音がひらがなで付き、左には何と英語がカタカナで付いています。
七曜自体は古くから日本の暦にも載っていたものですが、この七曜は西洋から入ってきた新暦とセットとして英語の読みが付いているのかもしれません。
読みは、ソンデイ、マンデイ、チュウスデイ、ヱンスデイ、サアスデイ、フライデイ、サタデイです。
その次のページ。「地理」の部です。
右ページ1行目の「山」に、「世界第一の高山は亜米利加洲(あめりかしう)の安得山(あんですさん)印度(いんど)の喜馬拉山(ひまらやさん)などなり……」とあります。外国地名も全部漢字表記。
ところが、左ページ2行目の「瀑布」には「ナイヤガラ滝」という片仮名表記があります。
最終行の「河」にも、国名は漢字表記ですが、ナイル河、アマゾン河は片仮名です。
片仮名で良いのならば外国の国名も片仮名で良さそうなものですけど。(^_^;
国名は漢字表記しても、自然地名まで漢字表記しようとすればキリがないので、片仮名にしたのでしょうかね。
外国の地名を漢字のふりがなにするときは平仮名なのに、本文とするときは片仮名ですね。
これも興味深いです。
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『童蒙 画引単語篇 一』の中でも,今回の記事がいちばんおもしろいです。
自然や地理の説明は,すごい。
ちょっとした百科事典ですね。
投稿: 萩さん | 2022年10月 9日 (日) 07時30分
萩さん
コメントをありがとうございます。
そうですね。
この本は、第1回で取り上げた色見本のようなページに興味を覚えて買ったのですが、実際に手に取ってページをめくると、それだけではなく、あれこれ面白かったです。
大政奉還からまだ7年なんですよね。
そんな時代の世の有り様の一端が伝わってきます。
(4)に続きます。(^_^)
投稿: 玉村の源さん | 2022年10月 9日 (日) 08時15分