平成2年の『高句麗広開土王碑拓本写真集』
このようなものを入手しました。
広開土王碑の拓本写真集です。
この拓本は目黒区所蔵ということで、なんかミスマッチのような気がしたのですが、これは、目黒区在住の方が寄贈した故ということでした。
奥付。
2枚重ねて貼ってあります。
何か誤りがあって、訂正版を上から貼ったのかもしれません。
拓本写真。

ということで、4面の拓本が完備しています。
この冊子には、全体像の写真の他に、拡大写真も掲載されています。
広開土王碑の拓本には、石灰による碑文の修正とされる問題がありました。
それについては、このように記述されています。


この拓本は石灰塗布版です。
広開土王碑の正確な碑文復元のためには、原石拓本など複数の拓本との突き合わせが必要のようです。
この拓本も、その1つとして貴重なものと思います。
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これはなかなか貴重なものを手に入れましたね。
広開土王碑
倭が,高句麗に攻めていった・・・
中学社会科の教科書にものっていることです。
私には,(4)碑文の変造と偽造の問題 を読んでも
よく分からないところが多いのですが
碑文変造は,勘弁してほしいです。
投稿: 萩さん | 2022年9月19日 (月) 07時05分
面白そうなものを手に入れましたね。
この碑について私が知ったのは…確か…中央公論の「日本の歴史」だったかな?「石灰による碑文の修正」っていうのを知ったのもそこに書いてあったことを通じてだったと思います。
それ以降、日本の歴史は何回か読み返しているんですが、もうすっかり忘れてしまってましたんで、お示しいただいた文章は勉強になりました。
投稿: 三友亭主人 | 2022年9月19日 (月) 07時24分
萩さん
コメントをありがとうございます。
仰るとおり、拓本は、たとえ碑面が摩耗していたとしても、そのままに採るべきものと思います。
碑面に石灰を塗って、恣意的な本文を作ってしまったとしたら、それは言語道断。碑文の捏造に他なりません。
しかし、広開土王碑における石灰塗布は、碑文の捏造を目的としたものではなく、残画などを手がかりに、本来の文字の復元を図ったもののようですね。いわば善意による本文復元といえましょう。
ただ、その復元が妥当であったのかどうか。
そういう問題は当然残りますね。
幸いなことに、石灰塗布以前の原石拓本も何種かあるようですので、それをメインに、石灰塗布版も参照して、本文を検討すべきものと思います。
拓本に拠らずとも、石碑の現物が残っているわけですから、現物が一番ではありますけど、この100年の間に原碑の摩耗が進んでいるとすれば、現物では読めない文字が原石拓本では読めるということもありそうです。
投稿: 玉村の源さん | 2022年9月19日 (月) 07時27分
三友亭主人さん
コメントをありがとうございます。
タイミングの関係で、萩さんへのコメントと時間前後してしまいました。
中央公論の『日本の歴史』、貴重ですね。
石灰塗布の問題は、一時、吉川弘文館の『日本歴史』にも論文が載った記憶があります。
かなり昔です。
今普通に考えれば、拓本を採るに際しては、碑面には一切手を加えずに採るという以外に考えられませんけど、善意から、文字をよりきれいに採るためにそういう細工をすることがあったのですね。
ま、拓本は、必ずしも鮮明に採れるわけでもないので、あとから墨で加筆するなどということもあったかもしれませんね。
意図的な捏造はもってのほかですが、そうでない修整はどこまで許されるのか、微妙な問題と思います。
投稿: 玉村の源さん | 2022年9月19日 (月) 07時36分