明治7年の『童蒙 画引単語篇 一』
このようなものを入手しました。
題簽に『童蒙画引単語篇 一』とあります。
巻末の刊記。
明治七年九月発行です。
「発市」という語は初めて見ました。
右ページが本文の末尾になり、このように挿し絵が入っています。
それで、書名の「画引」になるのでしょうが、「画引」というより「画入」かと思います。
本文の最初には五十音が載っています。
当時はまだ「いろは」が中心だったことでしょうが、五十音です。
あ行は「喉音 清」とあります。
次ページ。
こちらも、か行に「牙音 濁」とあるなど、『韻鏡』のような感じです。
次ページ。
こちらには、アカサタナハマヤラワのように、あ段、い段、う段、え段、お段の各段ごとに、唇と歯に注目した発音説明が載っています。
このあと、項目は、「数字」「方」「形」などと続きます。
「数字」までは挿絵はありませんが、「方」から挿絵が登場します。
それらの項目は後日取り上げるかもしれませんが、少し飛ばして「色」が楽しいです。
このように、言葉による解説もありますが、何より、カラーで印刷されています。
カラーはこの4ページだけです。
手間も掛かったでしょうけど、これならば、どんな色か一目瞭然ですね。
うしろから2つ目の「老虎色」には「かばいろ」というルビが振ってあります。
この表記は初めて見ました。
あれこれおもしろいです。
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