「鎌倉殿の13人」で、政子が実朝のために選んだ歌
「いなばの白うさぎ」に続いて、今夜2つ目の書き込みです。
昨日の「鎌倉殿の13人」で、政子が実朝のために書き抜いた和歌の束がありました。
あの中にはさぞかし万葉集の歌もあっただろうと思いました。
実朝があの束を見たとき、一番上にあった紙の歌だけ辛うじて読めました。
「山かつの かやふく軒の」と読めます。
国歌大観で検索したところ、この2句で始まる歌はただ1首、
山がつのかやふく軒のむら時雨おとせぬさへぞさびしかりける(拾遺風体和歌集385)
のみでした。
歌全体が映っている画面でも、この歌で矛盾なさそうです。
アップです。
作者は「平義村」!です。これ三浦義村ですかね。
そして、拾遺風体和歌集は「冷泉為相の撰とみられ、嘉元二年(一三〇四)七月を下限とする頃の成立と収載歌人の官職表記から推定される。」とのことです。
時代は同じ鎌倉時代ながら、100年ほども下ります。
この歌の作者が三浦義村なら、ドラマの制作者は遊び心でこの歌を選んだのでしょうね。♪
三谷幸喜の遊びか、NHKの演出者側の遊びかは分かりませんが。
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よくお気づきでしたね。
私なんか漫然と、そういえば実朝定家より御子左家相伝の万葉集を贈呈されたんじゃなかったかなあとか、」そういえば「八大龍王雨やみたまへ」はいいなあ、とか思いながら見ていただけで…
それにしても、一番上に三浦義村…なんてのは、凝ってますねえ。
投稿: 三友亭主人 | 2022年9月 6日 (火) 05時37分
三友亭主人さん
コメントをありがとうございます。
政子がどんな歌を選んだのか気になりまして。(^_^)
そうしたら、二重投稿したTwitterの方に、今朝「あかぎ」さんという方から、「すごいです。そういえば政子さま、実朝が幼い頃に雨が降るのをじっと見ていた的なことを言っていましたもんね。それでこの和歌なのかな。母の愛情を感じます。」というコメントを頂きました。
なんと! です。
確かに、「山がつのかやふく軒のむら時雨おとせぬさへぞさびしかりける」という歌には雨が詠まれています。
そして、軒。音がしないというのならば、雨音を聞いているのではなくて、雨を見ているのですよね。
幼い頃の実朝の様子が重なりますね。まさに、ぴったり。
私は、「義村」にばかり気を取られてしまい、肝腎な歌の内容はあまり気にも留めませんでした。
だって、この一番上の紙にどんな歌が書いてあるか、それを詮索しようなどという私のような変人はあまりいませんもの。
「鎌倉殿の13人」、油断なりません。
投稿: 玉村の源さん | 2022年9月 6日 (火) 11時03分