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2022年9月 7日 (水)

政子が実朝のために選んだ歌(たぶん完結編)

 先日の「鎌倉殿の13人」が終わった後、「「鎌倉殿の13人」で、政子が実朝のために選んだ歌」という記事を書きました。
Yamakatsuno03_20220907210601

 政子が実朝のために書き抜いた和歌の束の、一番上に載っていた歌がチラと画面に映ったのを解読した結果、拾遺風体和歌集の385番歌

  山がつのかやふく軒のむら時雨おとせぬさへぞさびしかりける

らしいこと、この歌の作者は「平義村」であることが分かりました。「平義村」が三浦義村だとすれば、この歌を和歌の束の一番上に置いたことに、ドラマ制作者の遊びを思いました。
 そういう内容です。

 これをTwitterにも二重投稿しました。
 そうしたら、目から鱗のコメントを2つ頂きましたので、それをご紹介します。

 1つ目は「あかぎ」さんのコメントです。(https://twitter.com/akagi_y_jlr/status/1566927171284639744

>政子さま、実朝が幼い頃に雨が降るのをじっと見ていた的なことを言っていましたもんね。それでこの和歌なのかな。母の愛情を感じます。

 確かに、「山がつのかやふく軒のむら時雨おとせぬさへぞさびしかりける」という歌には雨と軒が詠まれています。
 そして、音がしないというのならば、雨音を聞いているのではなくて、雨を見ているのですね。
 政子の言葉とぴったり重なります。
 私、恥ずかしながら、「義村」に興奮してしまい、肝腎な歌の内容はそっちのけでした。深く反省しました。

 2つ目は「伊まり」さんのコメントです。(https://twitter.com/Imari_feliz/status/1567122311052148737

>もしかしたら尼御台のセリフは三谷さんがこの歌から逆算して書かれたのかもしれませんね。
>一見ドライに見える義村と瑞々しい実朝様の感受性は実は近しい。この後の歴史を思うと見るのが辛くなります。

 ドラマとしては、あかぎさんのコメントで十分に納得したのですが、1つだけ疑問が残りました。
 私は、尼御台のセリフが先にあったと考えていたので、三谷さん(orNHKスタッフ)はどうやってあの歌を探したのか、それが不思議でした。
 でも、歌が先と考えたらすんなりと解けます。

 お二方のコメントを大変にありがたく思います。

 しかし、三谷さん、なかなかくせ者ですねぇ。
 余程の奇人変人(私だ!)でなければ、チラと見えただけの和歌の正体の詮索なんかしないと思います。
 それにも関わらず、こんな仕掛けを仕込んだんですね。
 おもしろいです。

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コメント

>余程の奇人変人…和歌の正体の詮索なんかしない

いやあ、奇人変人じゃあなくって「探究心旺盛」ってことにしておきましょう。

でも、今回のようなことがあると、これからの各回も気が抜けませんねえ。

三友亭主人さん

 コメントをありがとうございます。

 今回のこと、面白かったです。
 私は発端を作っただけでしたが、お二人の方の発想で、全貌が見えてきた気がします。
 どうも頭が固くていけません。もっと柔らかくしないと。

 油断のならない三谷さんです。

先日、国文学資料館のツイートに

「当館の渡部館長が大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の和歌考証を担当しました。」

とありました。

三友亭主人さん

 コメントをありがとうございます。

 その道のプロが和歌考証に当たっているのですね。
 これからも実朝と和歌との関係が出てきそうですね。

 定家は登場するかもしれませんね。

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