和装本『校本万葉集』
ネットオークションで見つけて買ってしまいました。
私の他に入札者はなく、出品価格で落札できました。
全5帙、25冊です。
表紙。
見覚えのある意匠です。
この絵柄は、現在の洋装本にも受け継がれていますね。
奥付。
大正13年刊です。
関東大震災の翌年ですね。
任意の見開き。
おなじみの版面です。
『校本万葉集』はこのような和装本の形で、大正13年~14年に25冊本として刊行されました。
その後、この25冊を洋装本の9冊に再編し、これに増補1冊を加えて全10冊として岩波書店から昭和6年~7年に刊行されました。
だいぶ年月を経た昭和54年~57年に7冊を加えて新増補版17冊となり、さらに廣瀬本の発見により、平成6年~7年に全18冊+別冊3冊が刊行されました。
といった次第で、今やこの和装本はもう価値がないとも言えそうです。
渋川の家の本のどれを東京の家に持ってくるか、泣きの涙で厳選しているというのに、どうしてこういう無意味とも言える場所塞ぎのものを買ってしまうのでしょう。(^_^;
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確かに、「場所塞ぎ」といえばそうですが…
おまけに「もう価値がないとも言え」るのでしょうが、やっぱり変えるチャンスがあったら、ほしいですよね。こういった種のものは。
どうですか、いっそデスクを和風の分机にして、原稿は筆で書く…なんてことにしたら(笑)
投稿: 三友亭主人 | 2022年9月17日 (土) 09時10分
三友亭主人さん
コメントをありがとうございます。
校本としての実用的価値は、平成版があればもう無用なんですけどねぇ。
「どんなんかなぁ?」と思って買ってしまいました。
現物を見た感想は、「中身は洋装本と同じだ!」ということでした。
装幀が異なるだけで、びっくりするほど一緒。
その確認ができただけで意味はあったのかもしれません。
授業の際は、「『校本万葉集』は、はじめは和装本として刊行され、それが昭和になって……」と、和装本は見たこともないのに、そう話してきました。今にしてやっと現物を見ることができました。母校にもありませんでしたので。
そういう意味では良かったです。
それは別にしても、仰るとおり、和装本はやはり趣があります。
字が下手なので、筆で原稿を書くのはアウトですねぇ。
入力料を取られそうでもあります。(^_^;
投稿: 玉村の源さん | 2022年9月17日 (土) 09時33分