明治14年の『一新諸国道中記』(3)
一昨日、昨日の『一新諸国道中記』の続きです。
遅ればせですが、この本の目次は以下のようになっています。
2ページにわたる目次を切り貼りしました。
このような次第で、特に東日本に手厚く、北は北海道にまで及んでいますが、中国・四国は手薄で、九州は載っていません。
上の目次の最後に「改正府県里程表」という項目があります。
この表も2ページにわたりますので、切り貼りして示します。
全部で3府36県。その排列が不審です。
冒頭に3府が並びます。これはよく理解できます。
その後に36県が並びますが、3府の次は神奈川県、兵庫県、長崎県、新潟県で、その次に関東地方が並んでいます。
その次に堺県が並び、以下は律令時代の七道順です。
ナゾの神奈川県、兵庫県、長崎県、新潟県ですが、共通点としては、幕末に開港した横浜、神戸、長崎、新潟の所在地です。
ということで、排列順は、3府、開港場4県、関東地方、近畿地方、七道、最後に北海道開拓使、ということになります。
これと同じ順に府県を排列している史料に、以前当ブログでご紹介した明治12年の「改正府県弌覧表」があります。
これも府県名の部分を切り貼りして示します。
両史料の排列順は同じです。
私はこの時代に疎く、私にとっては新発見だったのですが、この時代の専門家にとっては周知のことなのでしょう。
でも、趣味で史料を見ている私にとっては大いに興味深いことでした。
幕末の開港場が所在する県が上位に位置付けられている理由はよく分かりませんが、国際的な県ということなのでしょうかね。
興味深いです。
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